こちらの台本は、「MASK~不思議な兄妹~ EP1」の続編となっております。

 

今回の台本には

「過激表現」

「グロテスクな表現」

が含まれておりますので、ご注意ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

アダムズ・ルル・カフィ(通称:ルル) ♂ 23歳(19歳も出てきます)
・・・仮面屋の店主。いつもニヤニヤ笑っているため、美男子だが人が寄ってこない。
    19歳時はニヤニヤしておらず、好青年。


アダムズ・エカチェリーナ (通称:エリー)♀ 9歳(5歳も出てきます)
・・・怪力毒舌の人形のような見た目の少女。感情の起伏がほぼない。
   5歳時は無邪気で明るい。


サラ ♀ 35歳:ルルとエリーの実の母
・・・見た目が若い、やさしく可愛らしい母。


トーゼ ♀ 19歳
・・・明るい大学生の女の子。仮面屋で住み込みで働いている。


ジョージ ♂ 中年
・・・恰幅のいい元気な刑事。大らかで声が大きめ。


ジュリア ♀ 21歳
・・・明るく元気で頑張り屋さんの、ルルの昔の恋人。



N ♂♀(???との兼ね役が好ましい)


??? ♂ 18歳
・・・少し子供っぽい。元気で無邪気。






――――配役――――

ルル♂

エリー♀

サラ♀

トーゼ♀

ジョージ♂

ジュリア♀

N・???♂♀


















サラ「カフィ、エカチェリーナ、こちらへおいでなさい」


サラ「お天気がいいから、お庭でお茶にしましょう」


サラ「今日はスコーンを、ケイトと一緒に焼いてみたのよ。オレンジピールが入っているの」


サラ「ふふふ・・・。美味しい?よかったわ。・・・お日様が温かいわね・・・」









ルル「・・・っ!・・・夢・・・」


ルル「私もまだまだ、子供のままですねぇ・・・」







N「街が寝静まった夜遅く、ルルの仮面屋の一階で、ランプの灯り一つでがさごそと動く影があった」






ルル「トーゼs」


トーゼ「いやぁぁぁあああ!?」


ルル「・・・まったくあなたは・・・出会った頃と何も変わっていませんね」


トーゼ「すいません!もう皆さん寝たと思い込んでいて・・・」


ルル「ええ、寝ていましたよ。・・・まぁそれはいいです。トーゼさんは、こんなところでなにを?」


トーゼ「その・・・私もここで働かせていただいて一か月経ちましたし、何かこう・・・作品を作ることができないかなぁと思って・・・」


ルル「それで私の作品の、”未完成のもの”を参考に見ていた、ということでしょうか」


トーゼ「はい・・・。すみません、勝手に・・・」


ルル「いえ。いいのですよ」


トーゼ「すいま・・・えへへ・・・ありがとうございます」



N「トーゼは笑うと、自分の手に握られた写真立てのことを思い出した」



トーゼ「あ、これ、さっき引き出しの奥で見つけたんですが、これもルルさんが作ったんですか?」


ルル「あぁ・・・懐かしいですね。昔作った駄作ですよ」



N「ルルは少し雑に写真立てを取り上げて、机の奥にそれをしまい込もうとして、止まった」



ルル「・・・」


トーゼ「ルルさん?」


ルル「嘘です」


トーゼ「え?」


ルル「15歳の時に、私が母のために作った写真立てです。中に家族写真もあります」


トーゼ「あ、わぁ・・・すごく綺麗なお母さんですね!この赤ちゃん!エリーちゃんですか!?」


ルル「えぇ・・・。さぁ。今日はもう遅いです。この話は、またいつか」


トーゼ「あ、はい!すいません、こんな時間に・・・」


ルル「トーゼさん?違うと教えたでしょう?」


トーゼ「う・・・あ・・・あ、ありがとうございます。こんな時間に色々教えていただいて」


ルル「いいえ。おやすみなさい」






―翌日―







エリー「トーゼ?何をしているの?」


トーゼ「昨日ね、ルルさんの作品を見て、私も何か作れないかなぁって」


エリー「へぇー。これは、なに?」


トーゼ「こうやって・・・っと。はい。これ!エリーちゃんに!」


エリー「えっ?私に?」


トーゼ「うん!ここには綺麗な仮面や帽子があるのに、アクセサリーは無かったなと思って!
    
    最初に作るアクセサリーは、エリーちゃんにプレゼントするって決めてたの!」



N「トーゼはエリーの胸に、金色の縁取りがされた、エメラルドグリーンの石のブローチをつけた」



エリー「・・・すごく目立つ」


トーゼ「ご、ごめんね!ちょっと大きかったかな・・・」


エリー「・・・そんなことないけど」


トーゼ「やっぱりいきなりルルさんみたいにうまくはいかないかぁ・・・」


エリー「お兄様の、何を見たの?」


トーゼ「普段からここに飾ってあるものはよく見てるよ。昨日は写真立てを見せてもらったけど」


エリー「・・・写真立て?もしかして、お母様の?」


トーゼ「あ、うん、そう言ってた・・・けど?」


エリー「お兄様は・・・お母様のこと、話したの?」


トーゼ「え・・・ううん。何も。時間も遅かったし」


エリー「そう・・・。トーゼは、知りたい?」


トーゼ「え?」



N「エリーはトーゼから目をそらし、トーゼにもらったブローチを、両手でぎゅっと包みながら言った」



エリー「お母様のこと。なんでジョージがいつも店に訪ねてくるのか。もう、気付いているんでしょう?」


トーゼ「・・・。そうだね。二人の過去に何かあって、お母さんがそのことで亡くなって、ジョージさんが調べてる」


トーゼ「そして・・・ルルさんの、昔の恋人が大きく関係してる」


エリー「トーゼ。トーゼは私たちの家族よ」


トーゼ「(静かに笑う)・・・ふふ。ありがとう」


エリー「だから、全部話したいの。お兄様が、たとえ少し嫌だとしても・・・知っていて欲しいから」


ジョージ「それはとてもいいことだねぇ」


トーゼ「ジョージさん!」


ジョージ「こんにちは。すまんね。悪趣味に立ち聞きをしてしまった」


エリー「ジョージ。・・・話してほしい。私からじゃ・・・記憶が曖昧だし、気持ちが・・・歪んで・・・」


ジョージ「・・・エリーちゃんがそれでいいならね。確かに君は小さかったし」


ジョージ「トーゼちゃんは、どうかな。聞く覚悟はあるかい?残酷で辛い話だよ」



N「ジョージはいつもとは違う鋭い目でトーゼを見つめた。トーゼは息をのむと、ゆっくりと頷いた」



ジョージ「そうかい。じゃあ、話そうか。みんな、座って、リラックスしてくれな・・・」








~4年前~


サラ「カフィ~!!こっちへ来て~!!」


ルル「どうかしたかい、母さん」


サラ「どう?見て?とっても可愛いでしょう?」


エリー「おにい、さま・・・(恥)」


サラ「今日は編み込んでみたのよ?お洋服も、かわいらしいでしょ?新しいドレスを縫ってみたの」


ルル「うん、とてもかわいいと思うよ。ただ、またそんなに手を針で刺して・・・絆創膏まみれにしたら、父さんに怒られるよ?」


サラ「はっ!」




N「サラは慌てて、部屋の隅に飾ってある、可愛らしい花が挿してある花瓶の横の、写真の前に小走りした」



サラ「あなた・・・ごめんなさい。ちゃんと淑女をしているわ。安心して」



N「そして、その写真に向かって愛おしそうに微笑みかけた」





ジュリア「こんにちはっ!」


エリー「ジュリアきた!」



N「エリーはジュリアに駆け寄り、足元に抱きつく」



ジュリア「エリー♪今日もすんごくかわいいね!」


エリー「えへへ。ジュリアもかわいい!」


サラ「いらっしゃい。今日は、泊っていくのかしら?」


ジュリア「うん!エリーと約束したもんね!」


サラ「あらあら。じゃあ早速お風呂とお食事の準備をしましょうね」


エリー「エリー、ジュリアと遊んでる!」


サラ「はいはい。ケイト、一緒に準備をしましょう」



N「サラは優しい笑顔でジュリアを迎え入れ、メイドとともにバスルームへ向かっていった」




ルル「母さん、何か手伝おうか?」


サラ「カフィ!何言ってるのもう。ふふ。フィアンセのところに行っていなさい?」


ルル「女の子同士の話に花が咲いているみたいだよ。はぁ、僕が入る隙なんてないんだから」


サラ「あらあら(笑)。じゃあ・・・今ご飯を作っているから、お皿を並べてくれるかしら」


ルル「ああ。任せて」




ジュリア「はいっ!完成!お花の冠、エリーにめっちゃ似合うと思って!」


エリー「ありがとう!ジュリア!えへへ」


ジュリア「・・・。ううん。とってもかわいいよ。エリー・・・」


エリー「ジュリア、ちょっと暗くなってきたよ」


ジュリア「そうだね。お家に入ろうか」






サラ「ジュリア、エカチェリーナ、おかえりなさい。冷えてきたでしょう。二人でお風呂に入ってらっしゃい」


エリー「おかあさま、ありがとう。ジュリア、いこっ」


ジュリア「ありがとうございます。いってきますね」


ルル「?」


ルル「ジュリア?」


ジュリア「んえ?どうしたの?ルル」


ルル「・・・いや、ごめん、なんでもないよ。いってらっしゃい(微笑みながら)」


サラ「ルルったら。自分も一緒に入りたかったのかしら~?」


ルル「はいはい。くだらないこと言ってないで、料理の続き作るよ」


サラ「ふふふ」






エリー「わたしもはやくおとなになりたいなぁ」


ジュリア「えっ?どうして?」


エリー「ジュリアや、おかあさまみたいに、なりたいの」




ジュリア「・・・」


エリー「それで、おにいさまみたいな素敵な人とけっこんするの!」


ジュリア「ルルは素敵だもんね。・・・私なんか、もったいない(小声)」


エリー「なぁに?」


ジュリア「ううん。なんでもないよ」


ジュリア「でもね、エリー。」


ジュリア「(エリーに顔を近づけて)・・・あなたに、”大人”は来ないの」


エリー「え?」








サラ「・・・え?」


ルル「どうしたの?母さん」


サラ「今何か聞こえたかしら」


ルル「気のせいかと思っていたけど・・・僕も聞こえた気がしたよ」



N「メイドは誰も聞こえなかったと言ったが、心配になったため、二人はお風呂場へ向かった」



サラ「エカチェリーナ?ジュリア?」


ルル「二人とも?何か聞こえた気がしたけど、大丈夫?」


サラ「・・・返事がないわ・・・」


ルル「何事も無いとは思うけれど・・・のぼせていたり、転んでいたりしたら大変だ」


サラ「なら私が念のため様子を見てくるわ。」


ルル「わかったよ。なにかあったらすぐに呼んで」




N「サラがドアを開けてお風呂場に入ってすぐ、サラの悲鳴が屋敷中に響いた」



ルル「母さん!?」


サラ「あぁっ!!!エカチェリーナ!!エカチェリーナ!!!!!!」




N「ルルが勢いよくドアを開けると、脱衣所は血の海だった。壁や天井にも手形や足形がついていた。

  投げつけたのだろうか、切断されたエリーの両手両足が脱衣所中に散らばり、

  血の海の真ん中には頭と胴体だけになったエリーの無残な姿があった。

  サラは夢中でその身体を抱きしめていた」




サラ「あああぁ・・・たすけて・・・・」


ルル「どうして・・・どうしてこんな・・・はっ!ジュリアは!?ジュリアはどこだ!?」


サラ「あああぁああ・・・エカチェリーナ・・・おねがい・・・おねがいよ・・・」


ルル「母さん!!しっかりするんだ!!」




N「ルルは脱衣所のバスタオルを集め、エリーの身体をすばやく包み込んだ。手は震えていた。」




ルル「母さん。僕は救急車を呼ぶ。そのあとジュリアを探す。いいね?」


サラ「ルル・・・ルル・・・あぁ・・・・・・」



N「震える手で、ルルはサラの肩を掴み、目を見つめて言い聞かせた。

  サラは必死に自我を保とうと、エリーをしっかり抱きしめた」



ルル「早く・・・早く来てくれ・・・エリーが・・・早く・・・」


N「救急車と警察になんとか連絡し、ルルはふらふらになりながらジュリアを探した」


ルル「ジュリア・・・はぁ・・・はぁ・・・ジュリアー!」


N「力の限り、声を振り絞ってジュリアの名前を呼んだ」


ルル「メイドたちは・・・どこに・・・。んなっ!!!!こ、これは・・・」


N「メイドたちは見るも無残な姿で、キッチンの隅や調理台に重ねられていた。

  血が、重なった死体の下から、ルルの足元まで流れてきていた」


ルル「うぅ・・・うぇ・・・おえぇ・・・」


ジュリア「ルル・・・?」


ルル「・・・ジュリア!!一体何が・・・・」


N「振り返った瞬間、ルルは息をのんだ。ジュリアは、血だらけの剪定鋏(せんていばさみ)を引きずり、歩いていた。

  上下下着だけを身に着け、肌も下着も血に染まっていた」



ジュリア「ドレスが汚れちゃうと思って・・・脱いでから”作業”したんだけど・・・

     えへへ・・・やっぱりシャワーを浴び直さなきゃいけないみたい・・・」



ルル「あ・・・あぁ・・・ジュリア・・・どうして・・・」


ジュリア「え・・・?だってルルが言ったんじゃない。一緒になろうって。うふふ。

     私を、”あんなところ”から見つけ出してくれて・・・連れ出してくれて・・・」


ルル「そうだ!一緒になろうって・・・!一緒になろうと思ったのに・・・!!なぜ・・・なぜこんなことを・・・」


ジュリア「私。私ね、分かってるのよ?ルルにふさわしくないってこと。だからね、頑張ったの。あなたにふさわしい女性に・・・

     笑ってあなたの横に並べるように・・・そうしたらね、これが最後の仕上げだって、教えてもらったの」


ルル「お、教えてもらった・・・?そんなことを・・・いったい誰が!?」



N「にたにたと笑っていたジュリアが、ふっと我に返ったような表情で言った」

  

ジュリア「・・・誰だったかしら?」


ルル「・・・え?」


ジュリア「思い出せないわ。でも、確かに教えてくれたの。二人の幸せな生活のためには、全てを排除しなさいって。

     あなたの周りの、”私以外のもの”を。

          そうじゃなきゃあなたは、私だけを見てくれなくなるって。

     そのために躊躇してはいけないって。私の覚悟があるなら、力を貸してくれるって」



サラ「・・・なん・・・ですって・・・?」


ルル「母さん!?」


サラ「ジュリア・・・あなた・・・ど、どうしたの?まさか・・・まさか、あなたじゃないのよね?」



N「サラの声は震えていた。遠くから救急車の音がする」



ルル「母さん!来ちゃいけない!」


エリー「うぅ・・・」


サラ「カフィ・・・エカチェリーナが、息があるの!早く・・・早く・・・」


ジュリア「(ニッコリと笑って)だめですよ。お母さん」


ジュリア「あなたたちの未来を奪わないと、私に未来は来ないんです」


ルル「ジュリア!そんなことをしても君は自分の未来を潰すだけだ!分からないのか!?」


ジュリア「ルル・・・いつまでも縛られて可哀そうに。私が自由にしてあげる」


ジュリア「あなたが私に、この世界と自由を教えてくれたように」



N「ジュリアは胸元からマッチ箱を取り出して、うっとりするように眺めた」



ジュリア「さっきキッチンから少し油のボトルを拝借したの。メイドたちが抑えようとしてきたから、
     みんな殺してしまったけれど」


ルル「はっ・・・!まさか・・・!」


ジュリア「この一面絨毯の廊下なら、油もしみ込んでよく燃えるでしょうね。たった一本のボトルしかなかったけれど」



N「ジュリアは美しく、恐ろしく、優雅に微笑んで言った」



ジュリア「あと、その素敵な、お母様のロングドレスならね・・・?」


サラ「カフィ!受け取りなさい!!」


ルル「んなっ!!母さん!?」



N「それは、いつもと違う、母の声だった。サラの声は強く、そして震えていた。ふわりと投げられたエリーを、ルルはしっかりと受け止めた」



サラ「私は、エカチェリーナを抱いては早く走れないわ。その子を抱いて全力で走るのよカフィ!」


ルル「でも!!!かあさ・・・」


サラ「今エカチェリーナを助けられるのは・・・あなたしかいないの!早く!走りなさい!」


ジュリア「させない」


ルル「ジュリア!」


N「次の瞬間、マッチが廊下に落ち、あたりが一面火の海になった。火は、すぐにサラのドレスの足元へと進んだ」




サラ「カフィ!!!!!!早く!!!!!!」


N「その言葉を最後に、サラの体は炎に包まれた。断末魔の叫びと、ジュリアの甲高い笑い声が屋敷中に響いた」










~回想終了~


トーゼ「ひ、ひどい・・・」


ジョージ「すべて現場で起こったことは、当時ルル君に聞き出したことだけれどね。

     現場検証の結果、ルル君が語った内容とぴったり一致していたから、間違いない事実だろう」


エリー「お兄様は、全てを覚えているの・・・そして、あの日から笑えなくなった私と対象的に、

    あの日からお兄様は感情の全てを隠すように、笑顔しか出さなくなったの」


ジョージ「アダムズ家の屋敷は全焼。焼け跡からは、複数のメイドの遺体と、母であるサラさんの腹部のない遺体、

     そして・・・」


トーゼ「そして?」


ジョージ「頭の無いジュリアの遺体が屋敷の入り口で見つかったよ」


トーゼ「サラさんの腹部と・・・ジュリアの頭部・・・」


エリー「お兄様は、今もどこかにあの日の関係者がいると思っているみたい」


トーゼ「関係者?」


ジョージ「まぁ、早い話が黒幕ってやつだな。二人の体の一部を持ち去った人物。ジュリアをおかしくした人物」


エリー「あの女は最初からおかしかったのよ・・・」


ジョージ「エリーちゃんの気持ちも分からなくはないがね。なんせジュリアはスラム街の出身だ。

     どんな者と出会っているか、何をしてきたのか、なかなか分かりづらい」


トーゼ「それならなぜ、スラムの出身だと?」


ジョージ「ジュリアが16歳の時、寝食を共にしていた、当時13歳の男の子と集団リンチに遭ってね。

     スリ集団の仲間割れだったみたいだが・・・小さな事件になったんだよ」



     その後警察に保護されたんだが、二人とも逃げ出し、ジュリアだけが捕まって・・・」


エリー「警官に襲われそうになっているところをお兄様が助けたの。・・・世の中・・・腐っているわ」





ルル「おやぁ?ジョージさんいらっしゃったんですか。こんにちは。お二人とも、なぜ教えてくれないんですかぁ」


トーゼ「あ、あはっ。ルルさんすいません!世間話に花が咲いてしまって!」


エリー「・・・」


ジョージ「すまない!挨拶が遅れたなルル君!今三人で・・・」


エリー「ジュリアとお母様のことを話していたのよ」


トーゼ「エリーちゃん!?」


エリー「私、トーゼが家族だから、ちゃんと話したいと思ったの。ここまで何も話さなかったお兄様を・・・少し怒っているから」


ジョージ「・・・ははは・・・ルル君、エリーちゃんがここまで想ってくれていたんだ。彼女を怒らないでくれな」


ルル「・・・怒りなどしませんよ。ただ・・・自分が情けなくて笑ってしまいますね」




N「ルルはいつもよりも、悲しげに微笑んだ」




ルル「この話をいつまでも切り出せなかったことも・・・トーゼさんにも、エリーにすら気を遣わせてしまったことも」


トーゼ「ルルさん、そんな・・・あの・・・」


エリー「そう。いつも傷跡に触らないように過ごしていたトーゼの気持ちを考えてほしい」


ルル「・・・そうですね。

   私も、過去をまだ・・・整理できていないのでしょうね・・・。

   これからは何でも、きちんと、お話しすることにしましょう。

   私たちは、・・・家族なのですから」



トーゼ「は・・・はいっ!」


ジョージ「これからも、君たちの前には影も壁も現れるだろう。だが、家族の力で乗り越えてくれな!!」


ルル「みなさん・・・ありがとうございます」



N「ルルは深々と頭を下げた」



ジョージ「はっはっは!過去の痛々しい話が、結果的に君たちにとって前に進める話になってよかったよかった!
     
     ・・・今日は、さらに前に進めそうな話を持ってきたことだしな」


ルル「ということは、ジョージ刑事・・・」


ジョージ「トーゼちゃん。さっきの話で、ルル君とエリーちゃんがここで、先ほどの事件についての話を集めるために、
     
     日々ここで情報屋をしているのは、理解できたかな?」


トーゼ「はい」


ジョージ「私はその事件についての話をこの二人に提供する代わりに、この二人からも情報をもらっているんだが・・・」


エリー「今日は何か情報があるのね?ジョージ」


N「エリーは大人しいいつもの様子とは少し違い、食い気味でジョージに訪ねた」


ジョージ「ジュリアと行動を一時期ともにしていたと言われている少年がいただろ?

     あの子かもしれない人物の情報が少し入ったんだ。

     まだ確かとは言えないんだが、ね」













???「あっはぁ~♡ようやく本当の自由ってやつだぁ~♡」


???「なんか美味しいもの食べたいなぁ・・・」


???「体もたくさん動かしたいなぁ」


???「早く・・・ふふふ。
 
    早く、会いたいなあー!!」








つづく