"【概要】
砂漠の交易都市を拠点とする盗賊団「砂漠の狐」の元リーダーであり、現在はフリーの遺跡ハンター。褐色の肌にエキゾチックな踊り子の衣装、腰には二振りの湾曲刀(シャムシール)を帯びている。風と砂の精霊魔法を使いこなし、砂嵐に紛れて姿を消したり、砂で分身を作ったりする幻惑的な戦法を得意とする。金銭にはシビアだが、悪党からしか盗まないという美学を持つ義賊として知られる。
【生い立ち】
砂漠の遊牧民の出身だが、幼少期に部族間の争いで孤児となり、盗賊団に拾われた。過酷な下積み時代を経て、実力でリーダーの座を勝ち取った。かつて古代遺跡のトラップにかかって仲間を失った経験から、遺跡の構造や古代文字の知識を独学で習得。今では学者顔負けの考古学的知識を持ち、危険なダンジョンの案内人としても一流の腕を持つ。
【作中での活躍】
主人公たちが砂漠越えをする際のガイドとして雇われる。流砂や蜃気楼といった砂漠特有の危険を回避し、隠されたオアシスへと導く。戦闘では、身軽な動きで敵を翻弄し、重装備の騎士たちを砂地獄に誘い込んで無力化する活躍を見せる。また、王宮に潜入して機密書類を盗み出すスパイ活動も行い、物語の裏側で情報戦を制する鍵となった。
【対戦や因縁関係】
王国の治安維持局長である厳格な騎士、レオナルドとは「追う者と追われる者」の関係。レオナルドはナディアを逮捕しようと執念を燃やすが、ナディアは常にその裏をかいて逃げおおせる。しかし、共通の敵である魔人勢力が現れた際には、一時的に手を組み、レオナルドが前衛で敵を抑え、ナディアが死角から攻撃するという絶妙なコンビネーションを見せる。
【性格や思想】
「砂漠に足跡は残らない。だから今を自由に生きる」という刹那的な思想を持つ。明るく奔放な性格で、ムードメーカーとして振る舞うが、ふとした瞬間に孤独な表情を見せることもある。宝石や貴金属が好きだが、それ以上に冒険のスリルを愛している。猫のように気まぐれで、束縛されることを極端に嫌う。
【物語への影響】
彼女が発見した古代地下水路の地図は、乾きに苦しむ砂漠の民に恒久的な水源をもたらした。また、彼女が暴露した太守の汚職事件は、都市の政治体制を一新させる革命の火種となった。戦後、彼女は遺跡保護協会の理事に就任し、略奪者から文化遺産を守る活動に従事したとされている。"