芝居の作り方

芝居の作り方

勤務校の演劇部が芝居を作り上げていく過程をドキュメントします。それ以外にも、芝居の話をチョコチョコ書きます。

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先週の木曜日の話で恐縮ですが,新しくなった芸劇の地下のEAST(旧小ホール2)で観てまいりました。初日です。

もう,終わった公演なので,ネタばれします。

でもって,相変わらず辛口です(笑)
知り合いの劇団であるが故に,かなり厳しいことを書きたいと思います。


まず,全体的な印象としては,詰め込み過ぎで,整理がなされていない。登場人物が25名もいるのだが,それぞれの個性を生かし切れておらず,ただただもったいないばかり。第二次大戦直前の満州を走る特急の中が舞台であるが故に,沢山の登場人物を出したかったのだろうけれど,全ての登場人物を本筋に関わらせようとしたために,それぞれの登場人物の人間像を活かし切れずに全てが中途半端になってしまった印象が強い。

沢山の登場人物を出すなら,本当に人数合わせだけで,台詞もほとんどないようなモブの人間を増やせばよかった。本筋に関わる人間は登場人物のうちの数名として,余計な話を全部切り取って,シンプルな展開にした方が分かりやすかったし,ラストも盛り上がっただろう。説明的な台詞も言わずに済むだろうし。

単純な対立ものにせず,誰が裏切っているのか分からないという内容にしたかったという気持ちは分かるが,それをやるなら,もっとその「誰が裏切っているのか分からない」という部分に焦点を当てて,そこをもっと大いに盛り上げるべきだった。そこが面白くなるポイントのはずなのに,それがものすごく軽く扱われてしまっていて,他の小ネタの嵐に埋没してしまった。何が骨格なのか,脚本家自身が見失ってしまっていたのだろうか。タイトルの「ノンストップライアーズ」が泣いているような気がする。

そしてなんといっても,途中でやった手品のシーンが一番面白かったという時点で,この芝居はもう駄目だろう。オプションが一番注目されてどうすんだ。第一,手品はクイーン一味のものでしょ。オカマがやってどうすんの。


手直しするなら,以下のようならどうだろう。

まず,機関士の2人は切る。いなくても話が進むし,恋バナは大分蛇足な話になっていた。ついでに言えば,当時の満州はSLしか走っていなかったはずで,機関士が持ち場を離れて何かを出来るはずはないし,客車との間には石炭車があるのだから,行き来も不可能だったと思われる。列車のブレーキが利かなくなったのは,車内無線で知った車掌がしどろもどろになりながら語ればいいだけの話。その態度と話し方だけで,十分危機的な状況であることは伝わる。

乗務員も思い切って車掌以外は切る。重要なのは乗客のだまし合いなのだから,乗務員がやたらに話に関わって横道にそれる必要はない。車掌がいれば十分。食堂車のメイド嬢2人を笑いとお色気のために置いておきたいという気持ちも分からないではないが,笑いは中国人の用心棒2人と小麗に任せればいいし(せっかく大林さんを出すなら,もっとバレーボールネタがあってもいいと思う),お色気はそれこそクイーンと小麗に担当させれば十分。

警察官はモブの一人に徹して,最後の最後まで身分を明かさない。ただの人数合わせの一人と思われた人物が,最後の最後でヒーローっぽく振舞った方が本筋を汚さないで済む。あくまでこの劇の本筋は,「乗客同士の騙し合い」であるから。警察はクイーンをずっと追っている人物(ルパン3世における銭形ポジション)として,クイーンを取り逃して悔しい思いをさせたい。続編もそれだと作れる(笑) となると,クイーンこそ変装をさせておく必要があるな。

バトラーが娘に気付かないのも不自然なので(そんなにうまい変装だったとは思いにくい),この際,バトラー夫妻も出さないのがいいのでは。執事は出してもいいが,娘に気付かないようにするために,例えば劇の冒頭で眼鏡を壊してしまうような演出が必要だろう。旦那様の名代としてやってきて,眼鏡を壊して怯えたように振舞っている執事が,実は裏切り者であることが最後に分かるようにしておいた方が展開としては面白い。

そうなると,オカマは,ひっかけの方がよかった。本筋に関わっていそうで,実は全く関わっていないという方が落ちとしては上等じゃないだろうか。散々,怪しいそぶりを見せておきながら,実はただの同乗客という方が,面白さは上だと思う。


整理しておこう。

ただの同乗客の振りをして,宝石を狙っているクイーン一味(劇の途中まで目立たない)。

誘拐事件をでっち上げた小麗一味(最初からずっと目立っていて,散々バカをやって笑いを取る担当)。

お嬢様を救い出すために決死の覚悟をしてやってきた振りをしている執事(進行役)。

宝石に思い切り関わっているように振舞う癖に,実は何も関係ないオカマ(狂言回し)。

業務に徹した職人気質の車掌(物語を破綻させないようにする抑えの係)。

こっそりと,乗客の中に紛れ込み,クイーン逮捕を狙う警察官(美味しいところ持っていく担当)。

モブが10人ぐらい(ラーメン屋を含む。おいっ!)。


いかがなものだろうか。ちなみに,ダンスはいらない(笑)



いいところも書いておこう。

照明はとてもよかった。列車の動いている様子を窓外のライトだけで示す案はとてもよい。センターにだけ使っていたLEDも面白い効果を出していた。ラストの照明も美しかった。さすがの金子さん(照明担当)である。セットも,上手く壁紙を利用して,ただの木で作ったシートをもう少し高級感のあるものに仕立て上げていた。まぁ,ちょっと途中で剥がれちゃって残念な思いだったけど。あと,もうちょっと丸みがあるとよかったな。


ともあれ,色々惜しい芝居でした。改良して,再演を求む。
文化祭9/29(土)11:30~。9/30(日)12:30~。

地区大会10/7(日)11:50~。

場所はいずれも駒込学園勧学ホール。

出来れば、地区大会の方を観に来て欲しいと思うのであった。よろしく。
今日も行っちゃいましたよ。へなちょこ。

昨日の消化不良を、キャストを変えることで解消出来るのか。


でも、ストーリーを知っていて、キャスト違いの芝居を観るのって、観る側も緊張するということがよく分かりました。次笑うシーンなんだよなーって思っちゃうと、逆に笑えない。なるべく素の状態で芝居を観ようと思うんだけど、知識が邪魔をしてしまう。これは困った。だから、Aチームと違うギャグをやってくれるとありがたかった。素直に笑えるからね。

ともあれ、昨日の疑問点が解決出来たかというと、んー、どうだろう。脚本と演出のせいにしようかな(笑) 人間関係をさりげなく伝えるのってやっぱり難しいんだよね。セリフ内容、セリフ回し、間、表情、マイム……。役者の力も大きいが、演出の方向性も大きい。今回はどっちなのかなぁ。

主人公のそういった表現力は、申し訳ないが今日のBチームの方が上。でも、陸上部のエースは、比較で考えると、昨日のぎこちなさの方がむしろ好感を持てたりして。綺麗過ぎるんだよね、Bチームの芝居。

主人公やエースだけではなく、全体的にね。

Bチームは綺麗な芝居だった。セリフはとても聞き取りやすくて、だからギャグもどこがギャグなのかよく分かる。ギャグのタイミングやユニゾンのセリフも綺麗に揃っている。特にギャルチームのセリフの聞こえ具合は、Aチームの何倍増しってぐらい。

でもね、でもさ。個性がないのよ。

ギャルシーンは場面転換のおまけな訳じゃない。ってことは、その前のチアチームのシーンとは明らかにカラーもトーンも変えてくれないと、芝居のメリハリがなくなるでしょ。Aチームのギャルは、もうセリフは何を言ってるのかよく分かんないし、しかも声はバカでかいし、だからギャグも笑いにくいし、マツゲネタの面白さもなかなか伝わらない。だけどさ、パワーはあるから、明らかにメリハリになってる訳ですよ。ギャルシーンはテンション芝居なんだって開き直っている清さがある。

今日のBチームにはそれがない。だから面白くないんだよね。ギャグのやり取りもとても上手くいっていて、綺麗に決まっているんだけど、笑えないんだ。上手いなって思っちゃうんだ。でも、それってギャグのシーンとしてはどうなのよ。

チアのチームも同じこと。Bチームのチアメンバーは、誰がどの役やっても同じじゃないかという均質化が進んでしまっている(帰国子女役の子だけ色が違っていたので、そこだけ目を引いたけど)。個性を感じないから、綺麗でテンポもいいけれど、つまらなく感じる。Aチームは、バカなんだけど、キャラは立っていたから、芝居が荒くても楽しく観られた。

もうちょっと吹っ切ろうよ。バカに徹しようよ。もっと自分の役どころを理解して、他の役者と違うところをアピールしようよ。

それが今日の感想。


おまけ。

モブに出ていた由花が、わざわざ終演後、同じくモブに出ていた赤池紗也加ちゃんを連れてきてくれました。ちょっとですが、お話出来て幸せです(笑) でも、僕はきれいな女性に弱いので、いきなり連れてこられると緊張して何も話せないです。勘弁して下さい。んもう(爆)


あと2日!
この春卒業して、奇跡を起こして日芸の演劇に進学した由花が、なんでだかオーディションに通って出演しているSTRAYDOGプロデュース公演『へなちょこヴィーナス』Aチームを観に、中野のテアトルBONBONに行ってきました。


書いた人は高橋いさをと小田玲奈。演出は森岡利行。敬称略。この後も。


最初に書いておきますが、僕は高橋いさをが好きじゃありません。作品は別として、彼自身が好きじゃないんです。昔、地区大会の審査員としてやってきて、「高校演劇とはこうあるべきだ」とご高説を上から目線で披露しているのを見てから、あ、駄目だこの人って感じました。あの時の講評を聞いて、何だこいつと思った高校演劇部の顧問は結構いたりするのはみんなが知ってる秘密です(笑)

ということで、高橋いさを作品に対しては、ちょっとバイアスのかかった評価をしてしまっているかもしれないので、ここから変なことを書くかもしれません。あと、多分ネタバレもあるので、これから見に行く人は素直にここでこのブログは閉じましょう(笑)




ともあれ、見た感想の第一は「若い」です。もちろん、役者のほとんどが10代という若さもあるのだけれど、劇のテーマとか見せ方が若い。何故かこういう若いお芝居を見ると、つい微笑んでしまうのは、僕が歳をとったせいだと思います。

ただ、若いというのは、切り方を変えれば荒いということ。事前情報では、情熱のAチーム、技術のBチームだそうですから、余計にそう感じたのかもしれません。何か色々もったいない。そういう気持ちでちょっと消化不良を起こしてます。

この芝居って、青春群像劇であるとともに、ヒロインや、ヒロインを見守る顧問教師を中心とした登場人物達の成長譚でもある訳じゃないですか。成長するためには、障害があって、反発があって、葛藤があって、それでもそれをひっくり返す何かに出会ってハッとして、現状打破の上に和解と宥和と成長がある訳でしょ。でも残念ながら、その「葛藤」する部分がよく見えなかった。だから芝居はするすると進んでしまって、え? それで前に進めるの? って疑問だけが残ってしまう。

ヒロインが、ダンスをやめる宣言をしたのに、チアチームのリーダーを引き受けることにした理由が分からない。終始笑っているし。悩んだならもっと悩んだ顔をしながら、恐る恐るチアを始めるのが普通じゃないのか? 最初から楽しそうなのは違和感を感じる。友達や教師の前ではいい子を演じているのか? それならそういうシーンがないと。

陸上部のエースが、本当は応援されることが嬉しいのだという告白をする理由も分からない。何故ヒロインにだけ語ってしまうのかの前振りが全くないので唐突過ぎる。彼女に好意を持っているとか、彼女に何かきつい一言を言われてショックを受けるとか、そういうシーンがないと語れないんじゃないの?

ついでに2人の関係も、よく分からないので、ヒロインだけが病院までついていっちゃうのもよく分からない。チアチーム全員が競技場に残って苛々しながら報告を待つか、全員で病院に押し掛けちゃう方が、ヒロインとエースの関係がよく分からない以上は自然な気がする。2人はこっそり心を通わせる仲なのだというなら、ヒロインがエースの手を握って走り去るシーン以外にも、もうちょっと何か思わせ振りなことをやっておかないとすっきり入ってこない。


そういう中で、担任・顧問の林先生の役を演じた坂本爽の芝居はよかった。校長に言われて軽い気持ちで(むしろ面倒くせーなーという気持ちもありつつ)チアチームを始めた感じもよく分かったし、チアのメンバーともっと仲良くなりたくてメンバーのハイタッチに混じろうとして混じり切れなくて所在なげに横で伸びしているのもリアルだったし、おまけだったチアチームに次第に本気になって肩入れしていく様子もよく感じられたし、尾田先生の方針についに逆らって自分の意見をぶつけるシーンもちゃんと葛藤が伝わってきてとても胸に染みた。美味しい役だよなぁ(笑)

でもさ、若過ぎるよね。尾田先生の20年前の高校生の時の姿を知っているって、君いくつ? 小学生の時から、尾田先生のことを知っているってこと?(爆)


ま、そんな訳で、色々批判も書きましたが、芝居の勢いに乗ってしまえばかなり楽しめる芝居です。僕も大分大笑いさせてもらったし。

あと、サブリーダーのゆか役の赤池紗也加ちゃん(ここだけ敬称あり)が、とても可愛くて、僕の好みのツボにはまったので全て許すということで終わりにしたいと思います。笑顔も素敵だし、ダンスも素敵でした。お友達になりたいわーん。誰か紹介して~(かなり本気)。



こらっ!



え? 由花はどうしたって?

えー、本人に直接ダメ出しメールしたからいいじゃん。

えっと、一言で言えば、高校時代オバサン役ばかり振って申し訳ありませんでした。君は間違いなく高校生に見えていましたよ。高校生のコスプレをしたオバサンではなく。素敵でした。よかったよかった。惚れ直したわよ。ほほほ。



ってことで、日曜日まで。当日券もあるから、急げ!
昨日の夕方、帰国しました。

東京は蒸し暑い。一晩で夏バテです。

一昨日は、セーター着て生活していたのに。

旅の様子は、Facebookで私をお探しください(笑)



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