ジャパトラ紀行。
桜の頃が間近です。どこも疎らに花が咲き始めていました。



桜以外も、花を見るとついカメラを向けてしまいます。春は色鮮やか。
写真を撮ると、自分のものになったような気分になります。笑



柳だって風情があります。




お昼を摂ると、曲げわっぱのお弁当が出てきました。
蓋を開けると、そこには地元の旬の野菜が、昔ながらのお料理。
傍らには、桃色の桜が添えられていました。

ハッとし、すごく嬉しい心持ちになりました。
そのさまざまな心遣いに「日本らしい」と感じ、とても落ち着いた穏やかな時間となりました。

人の心は、目に見えなくても伝わるものだと改めて感じます。
やはり心が大切。

雑木の庭に、井戸端蛇口を見つけたりして、季節とともにジャパトラと巡るふるさとの景色。

4月号見かけられたら手にとってご覧ください。




古民家は、デザインの宝庫。

建て主さんか、職人さんか、その発想は素晴らしいものだなといつも思います。

御座敷の欄間などを見ると、その家やその土地に関することや繁栄や継承を願ったものが見られたり、技・デザイン・想いともに魅せられます。
そして、その家の味ともなります。


新しい仏間に同じように設えたいと家の方が話されていました。


離れには、また違う時代のデザインが。
どれもいいものばかり。
古民家は、宝ばかり。


玄関の足元に御影石が敷かれました。
家の木と同じように長持ちする天然の物です。

一般的に知られているのは、墓石でしょうか。
外部にいつもさらされる割に風化しにくいからといわれます。
古民家でも見る機会がよくあります。
家や外塀の土台の部分などに使われていて、強い素材といえます。

原産地は、兵庫県の御影村ということからその名がついていて、本来の御影石は「本御影石」と呼ばれるのだそうです。
御影石でも種類があり黒、赤、白の順に値段が高いのだそう!
今は海外のものも含めて御影石というそうですが、木も外国材もありますが、やはり地域材が適しているのだと思います。

玄関の外側にあたる部分は、バーナー仕上げと言って粗仕上げになっていました。
雨など水気にあたると滑りやすいからだそうです。


玄関の中は、磨きをかけてあり、ご覧のとおり艶々光り輝いています!




古民家に眠る材は、知る人ぞ知る希少価値があります。


天井裏を覗くと、こんなに隆々と太い材木が組まれています。
こういった古民家を造る材は、長い時間が経過しているほど価値があります。
昔の材は、当然自然素材で、時間の経過とともに自然乾燥が進み、強度がより増しているからです。
古くてボロい!なんて思っていると、貴重な材を捨ててしまいかねません。


やむ無く解体しなければならない古民家でも、まだまだ使える材を調査して、新しい家に利用することで強くて長持ちする家になります。


知らないと損。本当のコト。
知って住むのと、知らずに住むの。



希少な職人さんとお話させていただきました。


黙々とひとりで壁に向き合って、その影のカッコイイこと!
荒壁〜中塗り〜仕上げ…この家の壁という壁を何度も塗って、「手間がかかるからね」と話されるも長持ちするものには当然のことという感じ。



今は、他に土壁をやるところはそうないとか。
「やっぱりこれが長持てするね」
ボードに漆喰を塗るところも増えていますが、「やっぱり土とは違うよ、重さもあるしね」と
多くを語らないけど、いろんな話をする間も手が止まることはありません。

家に入ると、なんとも清らかな空気と白の滑らかさが体を通り過ぎて心に澄んで迫ってくる。

その道を長く歩んでこられた説得力のある感覚。

押し入れの中や細かな部分まで、快適な暮らしが見えます。


土壁ができあがる工程は、まさに家が出来上がることを見ているようです。
あっという間に出来上がる家には到底感じられない「家」というものの凄み。

こんな素晴らしい手仕事と暮らしが消えゆく事態となっています。



春は、彩りの季節です。
いろんな花の色、澄んだ空の色、緑の畑もいきいきと。

元気が湧いてきます。

季節のものに気付くと嬉しくなります。
暮らしにたくさんの色があると、心も弾むものですね!






山の展望台は、空気が澄んでいて遠くの山まで美しい景色でした。

私を育ててくれたふるさと。
ここに来ると、原点を思い出します。
 

ふと、真っ黄色の部分がキレイ過ぎて気になり、行ってみたくなりました。


やっぱり菜の花畑が広がっていて、辺りは眩しくて花の香りが漂っていました。
こんなところがあるなんて。

でも、昔はもっと一面に菜の花畑だったんだと聞きます。
展望台からは、それはそれは黄色だったでしょう。


視点を変えると見えなかったものが見え、新しい発見があり、出会いや学びがあるものです。


鶯がずいぶん上手に鳴けるようになりました。
春は近いようです。

鳥の声と沢の音だけ。
自然の速度に身を寄せると心が落ち付いてきます。


世界で猛威を振るっているウイルスが、人の動きや経済を足止めしてしまっても、自然はいつもそこにあって、いつも通りの速さで緩やかに淡々と過ぎて行く。
結局、人の行き着くところは自然で、始まりもそうです。
だからか、ここには訪れる人がたくさん。

改めて自然を見つめるとさまざまな気づきがあります。






シャチホコや鬼瓦、和瓦は、日本の昔ながらに培われた屋根の文化です。
その土地の気候風土に合った作りとして発展してきた瓦屋根。

ここでは、雨から守ることはもちろんですが、昔この地域であった火災の教訓から火の粉が移ってくるのを防ぐためにこうして大きな屋根にされたと言います。
毎年配られるお札も火災から家を守るためのものだとか。

ずっと未来の人たちのために言い伝え、語り継がれています。





松の木が古民家の梁や強度を求める場所に使われるのは、粘りがある樹種だからと言えます。

古民家を見ているとマツヤニを見ることがあります。
マツヤニは「松脂」と書き、樹脂です。

木材は、水に弱いというイメージがあるかもしれませんが自らのヤニを出して守っていることもあります。
注意してみていると梅雨などの時期には滴るほどのヤニを出していたりします。
考えて見てください。木材になっても、長い年月が過ぎても今でも松の梁の節からは、大量に松脂が出ているんです。
自然乾燥した地松の節目からは永遠に…。

生きていると言わずして何と言いましょうか。
これは、自然乾燥させた材であるからこそ言えることです。
家が呼吸しているかどうかでもあります。

この樹脂を豊富に含む松がその粘りをみせ、家を強く長持ちさせます。
棟梁たちが適材適所で松を選んだ所以です。

今では手に入らない貴重な材です。