真実は人を幸福にするか?

桑田義雄が、うかんだり、もぐったりするブログ


テーマ:
ルポ 賃金差別 (ちくま新書)/筑摩書房

¥798
Amazon.co.jp


竹信三恵子の『ルポ賃金差別』を読んだ。
「ルポ」と言っても、体験取材とは異なり、著者自身がその立場に身を置いているわけではなく、あくまでも取材によって内容を構成している。

ここ数年、正規雇用と非正規雇用の格差が進行していると言われている。
竹信氏は、それは「格差」などいう生易しいものではなく、「差別」なのだと主張する。
一部の者たちが、その利権を守るために、他の者たちを、自分たちよりも身分の低い地位に固定化させる。
それが「正規」「非正規」という「差別」なのだと主張する。

ひとたび「非正規」の立場に置かれた者は、賃金が安くても仕方が無い人とされ、その待遇のまま延々と働かされる。
そして、いつしか当人も、その状況を当然のように感じるようになる。

この本に書いてある事は、事実であり、警鐘である。
民主党政権では、この構造を打破しようというスローガンを立てたものの、正規雇用者主体の「れんごう」を支持母体とするために、掛け声だけで終了し、自民党安部政権においては、問題視すらされない。

俺が思うに、日本人はもともと差別が好きな民族であり、こういうシステムは古来から延々と続いて来た。
士農工商えた・ひにんに似た身分制度は、現在も継続している。
ただ、各階級からの流入、流出が、昔よりも緩やかになっているだけである。

従って、この社会では、結局、「士」(官僚、公務員)が最も偉く、権限を持つ。
「士」を食わせるために、世の中が回っている。
ゆえに、学生たちの就職希望先は官庁に集中する。
フリーター万歳で、夢を現実にしようというのが掛け声だった、我々バブル世代から見たら、実に不気味でかわいそうな状況である。

だが、どんなに勉強しても、世の中が大量の非正規労働者を必要としてる以上、何割かの人間は、非正規の世界に蹴落とされてしまう。
そして、ひとたびそこに入り込んでしまうと、そこから抜け出す事は困難であり、仮に抜け出たとしても、ブラック企業正社員という、奴隷労働が待っているという公算がデカイ。

こういう社会構造をどのように解決すべきか、という事については本書では触れられていない。
俺が思うに、差別は日本人の「資質」の問題であり、日本人が人権意識を高めない限り、解決しない。
ヨーロッパでは、この問題から早くから取り組み、平等社会が実現しつつある国も存在するようだが、それはその国民の民度が高い、という事なのだろう。
日本人は民度が低い、と言う一言に尽きる。

隣で自分と同じような労働を強いられているのに、収入が自分よりもずっと低い。
そんな人を見ながら、「かわいそう」とか「気の毒」という気持ちにならず、かえって、自分を誇らしく思うという日本人の精神構造。
これを立て直さない限り、賃金差別という構造は無くならない。

竹信氏はジェンダー(女性差別)が専門の人であり、男性社会への不満に大量のページが割かれている。
そこに多少、イライラするものの、おおむね、タイムリーで有益な本であると思われる。
AD
いいね!した人  |  リブログ(0)

AD

ブログをはじめる

たくさんの芸能人・有名人が
書いているAmebaブログを
無料で簡単にはじめることができます。

公式トップブロガーへ応募

多くの方にご紹介したいブログを
執筆する方を「公式トップブロガー」
として認定しております。

芸能人・有名人ブログを開設

Amebaブログでは、芸能人・有名人ブログを
ご希望される著名人の方/事務所様を
随時募集しております。