Appleは新製品を発表するその日まで、いつもその内容を秘密にしてきました。厳格な秘密主義は社員だけではありません。当然ながら下請け工場もお口にチャックです。完成品を知ることができるのは、一部の幹部だけだそうです。

 

 御園座で蕎麦屋をやっている時、引田天功さんのマジック公演がよくありました。裏方さんたちは、どこから引田天功さんが抜け出してくるか丸見えです。全員が他言無用の誓約書を書かされていました。鎌をかけても教えてくれませんでした。

 

 Macファンはマジックを見せられるようなものです。その度にドキドキしながら噂話に花を咲かせます。iMacの全貌が明かされた時は本当にびっくりしました。「何だ、あのオモチャは。すごい性能、しかも安い」というのが実感です。

 

 秘密主義の理由は、新製品の情報が広がれば現行商品の売れ行きが落ちるからです。現に僕はあの時、Macが安くなっていたので買いました。少し後にiMacの発表があり、値段は旧型とほぼ同じ。まんまとハメられたわけです。

 

 その後の僕のMac遍歴は、iBookからMacBookへと移っていきます。世間ではWindowsの方が多いですが、僕の周りはMacユーザーばかりでした。メモリを増やしたり、ランカードを入れたり、カスタマイズ談義に花が咲きます。

 

 MacBook Proを買った時はうれしかったです。映画のDVDをmp4のファイルに変換したり、孫娘の動画を編集したりして楽しみました。高校生のショートムービー制作のお手伝いをした時は、まるでプロになった気分で浮かれていました。

 

 Proが壊れた買い替え時、自分には分不相応だったと気づきます。性能の百分の一も使っていないとのです。ちょっと安いMacBook Airに買い替えました。ところが、パソコンの進化は凄まじく、旧型 Proに遜色ありません。しかも、SSDでバカ速い。

 

 新型MacBook Proは、またもや格段に性能が上がりました。14インチでも、プロセッサー性能は3.7倍、グラフィックス性能は最大13倍にも達するといいます。今の僕はiPadで全ての作業が済みます。MacBook Proは遠い世界へ行ってしまいました。