722日の第4回例会は、古座在住のクラブメンバー、萩中、中川両氏の企画・案内による古座川の名瀑を辿る山行でした。一行は両氏も含め、クラブメンバーの計8名。

当日朝、七川ダム湖畔のおおじゃの森駐車場に集合後、車に分乗して大塔橋へ移動。各自渡渉に備えて長靴や渓流用の靴に履き替え、谷川沿いの道を遡行。

この日、山間地といえども陽の当たる所は耐え難い程の猛暑でしたが、樹木に覆われた渓流沿いの道は比較的なだらかな登り続きで、ヤマビルに用心しつつも、涼風を心地よく感じながらの快適な行程でした。途中6~7回の渡渉がありましたが、これもまた涼味のひとつで、かえって楽しい。

おおよそ30分ほどでハリオの滝に到着。ハリオの滝は滝口右岸のハングした岩体にも古木が茂り、滝壺も大きく堂々としていて一幅の水墨画のような滝でした。

その後、少し引き返して弓矢谷へ入り、10分弱で植魚の滝へ。スケールは小さいにしても、ヨルダンはペトラの遺跡の入口もかくやと想像するような隘路の奥に滝があり、皆しばし見入ってしまいました。

二つの滝を見た後、同じ道を引き返して大塔橋へ帰着。帰途F氏足を滑らせ谷川に半身浴したのと、N氏がヤマビル一匹を足元に持ち帰った他は(取りついていただけで出血はなし)特に何事もなく。

昼食は西川の神社で取ろうということになり、西川への進路をとるも、途上、脇の林道に入り、面積は広くないもののこれぞ漣痕化石といえそうな典型的な漣痕化石を観察した後、改めて神社へ車を進め、同境内で昼食へ。

昼食後、西川から平井への山越え道を車で登り、平井への峠は下りず、分岐する林道をさらに奥に分け入り、行き止まり地点まで進むと、そこから10分程度の徒歩でまぼろしの滝に到着。

滝下は巨大な岩石が斜面を覆い隠して下るように積み重なり、また滝を中心に何か特別な配慮でもあったかのように広々とした空間が突如広がり、眺望もすこぶる良い。大きな空の下に忽然と現われた高みのある一条の神々しい滝の姿に、なるほど訪ねるに値する名瀑と皆納得しました。

まぼろしの滝を後にして、帰途平井経由でおおじゃの森駐車場へ戻り、ひとまず山行としての日程は無事終了し解散しました。萩中、中川の両氏に感謝。

解散後、希望者は古座の町に車を走らせ、ジャズ喫茶「イワシの目」で各自冷たい飲み物いただきながら、反省会を兼ねジャズの生演奏を楽しみました。

 

(ハリオの滝)

落差は約20メートル。

滝は張尾谷にあり、それゆえハリオの滝。滝口の右岸が上方に大きく張り出し、滝壺も形良く丸く広がって満々と水を湛えており、落差以上にスケール感のある景観である。

 

(植魚の滝)

二段になって流れ落ちる滝の落差は約18メートル。

滝に近づくにつれ、滝の浸食作用によって形成された岩壁が覆いかぶさるように迫り、その狭隘な谷の底は昼なお暗く、幽玄の趣きさえ醸し出し、たいへん印象に残る滝である。名前の由来は、聞き違いから魚を植えたという孝行息子の言い伝えに由来している。

 

(まぼろしの滝)

落差約63メートルの直瀑。

林道が開かれるまでは、山深さゆえあまり人の目に触れることがなく、それが名前の由来になっている。水量は少ないが、滝周辺の空間は大きく広がり、その中を遥かに仰ぐ高みから一条の水流が落つる姿は何か気高ささえ感じる。地元では「那智の滝より米俵一俵分低い」と言い伝えられてきたとのこと。実際にこの滝を見ると、その思い(思い入れ)には全く同感。

 

                       参考文献

                       「紀州の滝 340」

                        小板橋 淳 著

                        紀伊民報社刊