蟲師 DVD-BOX 第四集 | 映画熱

蟲師 DVD-BOX 第四集

絶好調の最新作。今回も充実の作品群です。


実写映画化おめでとうございます。大友克洋監督、オダギリジョー主演だそうで、今から楽しみですね。


ここまでくると、もう原作で読んだ話ばっかりになってしまうけど、やっぱりいい。漆原友紀さんの世界は、実に心地いい。登場する人たちのひたむきさがいい。ここの住人になりたいくらいです。


今回特にオススメなのは、第19話 「天辺の糸」 。最愛の人との絆を深く描いたこの物語は、とても心にしみました。個人的に、大好きな一本です。愛する人を失いかけて悩んでいる人は、是非この作品をご覧下さい。


誰からも認められなくても、みんなに否定されても、自分はこの人を愛している。だから、見捨てたりしない。やわらかい表現の奥に、生命の力強さが感じられる作品。ラストシーンが美しい。


もう一つは、第20話 「筆の海」 がよかった。いよいよ淡幽が登場。彼女の生き様は、神々しく、気高い。己の運命を呪いながらも、それを受け入れ、ばあやと共に、自分のやるべき事をこなしていく姿は、やっぱり美しい。


ギンコとの出会いが、彼女の冷え切ったこころに光を差したことがよくわかる。別に恋愛というわけじゃないが、お互いに暗い運命を背負った者同士、わかりあえるものがあるんだろうと思う。“仲間” という表現が一番ふさわしいかと。


人間の尊厳、命のはかなさと美しさ、そして自然との共生といった深いテーマを、日本人の感性に根ざした手法でさり気なく伝えていくこの作品が、俺はとても気に入っています。アニメにこんなにハマッたのは、本当に久しぶり。


一回見た後も、繰り返し何度も見たくなる。くどくどと説明するのではなく、さり気なく、深い表現で見せていく。癒しの心すら感じさせる優れた作品です。これに出会えたことを、俺は幸福に思います。日本人って、やっぱりいいですね。


いろんなことで悩み疲れたあなた、それはきっとあなたのやさしい心が苦しんでいるんだと思います。だまされたと思って、一度この作品にふれてみて下さい。きっと、あなたの傷ついた心に栄養をもたらしてくれるはず。この作品には、そういう力がある。


…いいなあ、蟲師。あこがれの職業です。俺も蟲師になって旅をしてみたい!