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2011-06-29

SUPER 8

テーマ:アニメ・特撮

知恵と勇気は、力に変わる。 …子供たちよ、自分の直感を信じて行動せよ!


“SUPER 8”とは、コダック社が以前発売していた8ミリカメラのこと。映画の時代設定が1979年で、このカメラを使って自主製作映画を撮っていた子供たちが主人公なので、こういうタイトルになりました。


監督・脚本は、J.J.エイブラムズ。製作は、スティーヴン・スピルバーグ。撮影は、ラリー・フォン。音楽は、マイケル・ジアッキーノ。視覚効果&アニメーションは、ILM。


出演は、ジョエル・コートニー、エル・ファニング、ライリー・グリフィス、ガブリエル・バッソ、ライアン・リー、ザック・ミルズ、カイル・チャンドラー、ロン・エルダード、ノア・エメリッヒ。


さて、映画ですが、底抜けに楽しい作品に仕上がりました。ストーリーは、ザ・適当です。でもね、何だかワクワクして、すごく笑えるんです。何ていったって、子供たちの生き生きしている姿がいい!だから、余計なことは考えずに、楽しんじゃいましょう!


この映画は、震災で被災した子供たちに、無料で見せてもいいような映画だと思います。こんな時だからこそ、こういう映画を子供たちに見て欲しい!俺は、そう思いました。


理屈をこねる、うるさいSF映画マニアの人には、この映画は向かないかもしれない。だけど、「E.T.」が好きな世代には超オススメ。あくまでも、“子供の視点”で見ることが大事です。昔懐かしい感じもするし、今風な感じもする。何とも不思議な、面白い映画です。


ちょうどこの間、「スカイライン 征服」という映画を見たばかりだったので、余計に面白かった。見る順番はやっぱり、スカイライン→SUPER 8の順がいいと思います。個人的には。



8ミリ映画を撮影していた子供たちのすぐそばで、謎の列車事故が起きてしまう…さあ大変!彼らは果たして、撮影を続行できるのか?謎の事故の原因は?


主演は、ジョエル・コートニー。本作で映画デビューとなりました。母親を失い、厳格な父親と二人暮らしの孤独な少年を、ナイーブに演じていました。彼は監督ではなく、特殊効果とメイク担当。模型を作るのが好きな、大人しい男の子。女の子を目の前にして、ドキドキしてしまう表情がカワイイ。


ヒロインを演じるのは、エル・ファニング。12歳なのに、14歳の役を演じてしまうところがスゴい。姉は、あのダコタ・ファニング嬢。この姉妹は、「となりのトトロ」英語版で、サツキとメイの声を担当していたそうです。彼女の演技は絶品でした。12歳にして、すでに色気があります。ヘアスタイルといい、昔のジョディ・フォスターを連想した人も多いのではないかと。彼女の微妙な表情も、なかなかキュートですのでお見逃しなく。


“監督”を演じるのは、ライリー・グリフィス。このガキが、なかなかいい味を出しています。ジャイアン的な存在ですが、「スタンド・バイ・ミー」のリバー・フェニックス的な立ち位置でもあるので、なかなかいい感じの少年でした。俺は、奴のポジションが一番オイシイと思いました。


他にも、魅力的な少年たちが登場します。得意技を書くとネタバレになりかねないので、紹介はここまで。



本作は、公開するまで、徹底的な秘密主義が取られました。マスコミ関係者にも、20分ほどのパイロットフィルムを見せただけ。だから、パンフレットにも、ストーリーやレビューが掲載されていません(笑)


それは、俺的には大歓迎。最近は、やたらとネタバレし過ぎな予告編が多くて、劇場に行こうという気が失せることが多かった。映画コラムでも主張したことですが、これは、何とかして欲しいことです。だから、この映画くらいに徹底してたから、全く前情報がなくて、純粋な気持ちで映画を見ることができました。俺、満足!



J.J.エイブラムス監督は、スティーヴン・スピルバーグの映画を見て、少年時代を過ごしました。師匠との年の差は、20歳。その憧れの師匠と一緒に仕事ができて、幸せだったことでしょう。本作の根底に流れるテーマは、スピルバーグ師匠から教わったこと。彼は、いい仕事をしたと思います。


スピルバーグは、エイブラムスのことを、『…映画界にあって、世代のつながりを築くことのできる稀有な作り手だ。』と高く評価しています。エイブラムスがこの映画の企画の話をした時に、面白そうだと言って喜んでくれたらしい。スピルバーグはエラい。


そして、スピルバーグの師匠は、日本の黒澤明監督。黒澤師匠もきっと、あの世で喜んでいてくれることでしょう。やったね、スピルバーグ!やったね、エイブラムス!



ご存知でしょうが、知らない人のためにもう一度言います。俺のハンドルネームの“桑畑四十郎”は、黒澤明の名作「用心棒」の主人公から取っています。ブログを始めた時は、“桑畑三十郎、もうすぐ四十郎”でしたが、40歳の誕生日を迎えて、今の名前に改名。だから、50歳になったら“桑畑五十郎”になる予定です。


俺はもともと、ニセモノ侍。偽者は、本物の価値を一番知っているからこそ名乗れるのだ。俺はそう思っています。だから、不人気ブログでちょうどいい。有名になると困るから。だって、黒澤プロダクションから怒られちゃうじゃん!



そんなわけで、黒澤ファンの俺としても、この映画はうれしい。黒澤の弟子は、世界中で活躍しています。ジョージ・ルーカス、フランシス・コッポラ、マーティン・スコセッシ…。映画に注ぐ情熱を、ぜひとも、若い世代に伝えていって欲しいと思います。だからこの映画、ヒットして欲しいな。



子供は、面白いものに夢中になる。カッコいいもの、かわいいもの、気持ちいいものに反応する。親や先生が止めても、衝動は止まらないのだ。子供たちが夢中になるということは、その対象に魅力があるから。


子供たちには、好きなことをどんどんやって欲しい。好きなことをやるためには、色んな障害もある。敵もいる。でも好きだからあきらめない。そうやって、多くのことを学んで、人の気持ちが理解できる大人になって欲しい。それができた時、キミの周りには、本当の意味でいい仲間がたくさんいるはずだから。



『…子供はよく働くぞ。ちゃんと大人扱いしてやればな。』 (黒澤明監督「七人の侍」より)





【鑑賞メモ】

鑑賞日:6月27日(月) 劇場:ユナイテッドシネマ新潟 11:45の回 観客:約30人

地元でも見られたんだけど、もう1本はしごしたくて、ここで見ました。


【上映時間とワンポイント】

1時間52分。エンドロールが始まっても、席を立たないで下さい。大事なオマケ映像がありますから。


【オススメ類似作品】


「グーニーズ」 (1985年アメリカ)

監督:リチャード・ドナー、製作総指揮・原作:スティーヴン・スピルバーグ、出演:ショーン・アスティン。

本作を見て真っ先に思い出したのは、この映画でした。洞窟やら、地下世界やら、冒険要素が盛りだくさん。わかりやすく言うと、「インディ・ジョーンズ」の子供版のような映画。お化け屋敷的な要素があるのも楽しい。好きな女の子と一緒に行くと、ドキドキするような、少年少女デート向きの映画でした。


「E.T.」 (1982年アメリカ)

監督:スティーヴン・スピルバーグ、出演:ヘンリー・トーマス。

やはり、コレは外せないでしょう。スピルバーグの代表作であり、世界中の子供たちに愛された映画です。この映画が好きな人は、本作にも足を運んで欲しい。できれば、大切な誰かと一緒に。余談ですが、俺が一番好きなスピルバーグ作品は、「ジョーズ」です。


「スタンド・バイ・ミー」 (1986年アメリカ)

監督:ロブ・ライナー、原作:スティーヴン・キング、出演:ウィル・ウィートン。

ベン・E・キングの名曲をバックに、少年たちの小さな冒険を描いた傑作。本作には、この映画を思い出すようなシーンもあったなあ。アレですよ、アレ。大人には大人の悩みがあるように、子供には子供しかわからない悩みがあるのだ。線路を歩くシーンで流れた曲は、たしか「ロリポップ」だったかな~







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2011-06-28

映画熱6周年特別企画 歴代映画ランキング ~精神疾患編~

テーマ:ランキング

今年の特別企画は、精神疾患編。俺がせっかくうつ病を患った記念に、あえてこういうテーマにチャレンジしてみました。人間の本質に迫る、心の勉強になる映画です。病人桑畑が厳選した、べストセレクション30作品をご紹介!




1.サイコ (1960年アメリカ)

監督:アルフレッド・ヒッチコック、原作:ロバート・ブロック、出演:アンソニー・パーキンス。

ホラー映画だと思われている人も多いと思いますが、本作は、人間の精神の不思議な部分を描いた傑作です。ジャネット・リーは、この映画でスクリーミング・クイーンになりました。終盤の、『…その答えは、イエスであり、ノーだ。』という名セリフは、キムタクの『宇宙戦艦ヤマト』でも使われました。



2.カッコーの巣の上で (1975年アメリカ)

監督:ミロス・フォアマン、原作:ゲン・ケーシー、出演:ジャック・ニコルソン。

刑務所の強制労働を逃れて精神病院に入った男が、患者たちの自由と尊厳のために闘う物語。しかし、病院側は、精神病患者にとって一番の毒は、刺激であると主張し、患者たちに、さらにがんじがらめの規制を押し付けるのであった。彼は、危険人物のレッテルを張られ、次第に追いつめられていく…。



3.普通の人々 (1980年アメリカ)

監督:ロバート・レッドフォード、原作:ジュディス・ゲスト、出演:ドナルド・サザーランド。

平凡な4人家族を、悲劇が襲う。親子の関係と、夫婦の関係の問題を痛烈に描いた傑作。劇中に流れる、「パッフェルベルのカノン」が、映画全体の重苦しい雰囲気をやわらげる。心の傷は、一生消えることはなくても、肩を寄せ合って生きる家族の姿は、観客の心に何かを残す。



4.レインマン (1988年アメリカ)

監督:バリー・レビンソン、出演;ダスティン・ホフマン、トム・クルーズ。

自閉症で40年間病院に入っていた兄と、自由奔放に生きて来た弟のやり取りが楽しい、心あたたまる映画。役作りに1年間かけたダスティン・ホフマンの熱演と、チャラいながらも兄思いの弟を好演したトム・クルーズのコンビがなかなかよろしい。2人のぎこちないダンスシーンが、俺の心に残りました。



5.死の棘 (1990年松竹)

監督・脚本:小栗康平、原作:島尾敏雄、出演:松坂慶子、岸部一徳。

結婚10年目にして、夫が浮気をしてしまう。そのことがきっかけで、妻の心は病んでいく。執拗に、夫をなじる妻に対して、夫の精神も次第に崩壊していく…。全編ノーメイクで熱演した松坂慶子の鬼気迫る熱演が話題となった秀作。時にはシビアに、時にはユーモラスに、夫婦がたどる運命の行き先は…?



6.時計じかけのオレンジ (1971年イギリス)

監督・脚本:スタンリー・キューブリック、原作:A・バージェス、出演:ジャック・ニコルソン。

投獄された不良グループのリーダーが、攻撃性を絶つ洗脳の実験台にされる。すっかりおとなしくなった彼は、被害者だった人たちから逆に暴力を受けるようになる。自分を責め、自殺未遂の果てに彼がたどり着いた世界は…?シュールなエロティシズムが光る、異色のカルト映画。



7.私は「うつ依存症」の女 (2001年アメリカ・ドイツ合作)

監督:エーリク・ショルビャルグ、原作:エリザベス・ワーツェル、出演:クリスティーナ・リッチ。

実際にうつ病を経験したアメリカの評論家が、世の中のうつ病に対する認識を深めるために書いた自伝的な内容。ウィキペディアの情報によると、彼女の症状は、厳密には、非定型うつ病だそうな。ハイになったり、落ち込んだり、忙しいお姉ちゃんの奮闘記。原題は、「PROZAC NATION」。プロザックは、坑うつ剤の名前。



8.17歳のカルテ (1989年アメリカ)

監督・脚本:ジェームズ・マンゴールド、原作:スザンナ・ケイセン、出演:ウィノナ・ライダー。

17歳の少女が精神を病み、自殺を図ったことにより、親の勧めで精神病院に入院する。そこで彼女は、同年代の女の子たちと知り合うことによって、少しずつ変わっていく…。これもまた、精神病院で2年間入院した女性の回顧録が原作となっています。あどけない頃の、アンジェリーナ・ジョリーの演技が抜群。



9.レナードの朝 (1990年アメリカ)

監督:ペニー・マーシャル、原作:オリバー・サックス、出演:ロビン・ウィリアムズ。

30年間も半昏睡状態で精神病院に入院していた男が、新任医師の努力と誠意で奇跡的に目覚める。しかし、その状態は…。患者役をロバート・デ・ニーロが熱演。これもまた、実話をもとにした映画です。医療現場で働く側の視点で、人として患者と向き合う心が印象的な作品でした。



10.リパルジョン/反撥 (1964年イギリス)

監督・脚本:ロマン・ポランスキー、出演:カトリーヌ・ドヌーヴ。

自由奔放な生活を送る姉と、おとなしい性格の妹の二人暮らし。感じやすい年頃の妹を、美しいカトリーヌ嬢が繊細に演じます。穏やかな心が、次第に病んでいく描写は、すさまじいものがありました。世の男性諸君、彼女がおとなしいからといってナメてかかると、とんでもない目に遭いますぜ!(モノクロ作品)



11.シャイニング (1980年アメリカ)

監督・脚本:スタンリー・キューブリック、原作:スティーヴン・キング、出演:ジャック・ニコルソン。

小説家の男が、コロラド・ロッキーにある山奥のホテルに、家族で一時的に移り住み、原稿を執筆していた。しかしそこは、血塗られた過去のある、いわくつきの呪われたホテルだった…。次第に精神が崩壊していく狂気の男を、ジャック・ニコルソンが楽しそうに演じています。さてこれは、精神疾患か、それとも心霊現象か?



12.箪笥 (2003年韓国)

監督・脚本:キム・ジウン、出演:イム・スジョン、ムン・グニョン。

この映画は、心霊現象と精神疾患を見事に融合させた、画期的な傑作です。単なるホラー映画ではなく、人の心が病んで、必死にバランスを保とうとしたことによって、奇妙な現象が次々と起こるところが、何ともスリリング。俺はこの映画を見に、劇場へ3回足を運びました。キム・ジウン監督は天才だと思います。



13.ぐるりのこと。(2008年ビターズエンド)

原作・監督・脚本:橋口亮輔、出演:木村多江、リリー・フランキー。

生まれたばかりの子供を失った若い夫婦の物語。心を病んでいく妻に対して、生活能力のない夫は、真面目に働いて妻を助けようとしていく…。夫役を、リリー・フランキーが好演。うつ度は低いですが、一般の人にうつを理解してもらうためには、いい教材であると思います。



14.人間失格 (2009年角川)

監督:荒戸源次郎、原作:太宰治、出演:生田斗真。

ご存知太宰作品の代表作を映画化。生田君のだめんずぶりが、なかなかよろしい。翻弄される女性たちも豪華。寺島しのぶ、石原さとみ、小池栄子、坂井真紀、室井滋、大楠道代、三田佳子という、少女から熟女までオール階級制覇!何てうらやましい病人でありましょうか!面倒見てくれる女がいるって、幸せですね~。



15.砂時計 (2008年東宝)

監督・脚本:佐藤信介、原作:芦田妃名子、出演:夏帆、松下奈緒。

冒頭の、精神を病んだ母親の描写が秀逸。このくらいやってくれた方が、俺にとっては気持ちがいい。娘の夏帆も、次第に心が病んでいくが、自分の力で何とか立ち直ろうとする。彼女に振り回される男を演じた、池松壮亮の演技がたまらんかった。重いテーマだけど、楽しめる作品。主題歌は、いきものがかり。



16.イン・ザ・プール (2004年日本ヘラルド)

監督・脚本:三木聡、原作:奥田英朗、出演:松尾スズキ。

傍若無人な精神科医でありながら、奇抜な方法で患者を癒していく、爆笑映画。肩の力を抜いて、たまにはこんな変てこな映画を見るのもいいでしょう。勃起がおさまらない、“エレクトマン”を、オダギリジョーが楽しそうに演じています。個人的には、強迫神経症の市川美和子がよかった。妄想シーンは笑い転げました~。



17.リービング・ラスベガス (1995年アメリカ)

監督・脚本:マイク・フィギス、原作:ジョン・オブライエン、出演:ニコラス・ケイジ。

アルコール中毒の男たちに捧げる、鎮魂歌のような映画。脚本家として活躍していた男が、酒のために会社をクビになり、妻は子供を連れて出て行ってしまう。絶望した彼は、死ぬまで酒を飲み続けると決心し、娼婦と恋に落ちる…。世界中のだめんずたちよ、彼の姿をよく見ておけ!



18.マシニスト (2004年スペイン・アメリカ合作)

監督:ブラッド・アンダーソン、出演:クリスチャン・ベール。

不眠症に悩まされる男の物語。悪夢と妄想が渦巻く世界の中で生きる彼は、不条理な事件に巻き込まれていく…。幻聴なのか、幻覚なのかわからないままに、彼の精神は崩壊していく。いや、すでに最初から崩壊していたのかもしれない。クリスチャン・ベールが、限界まで痩せた体で熱演した怪作。



19.ディア・ハンター (1978年アメリカ)

監督・原案:マイケル・チミノ、出演:ロバート・デ・ニーロ。

ベトナム戦争で、捕虜になってしまった時のトラウマが、後遺症として残って苦悩する男と、その仲間たちとの関係を描く作品。ロシアン・ルーレットに取り憑かれた男を、クリストファー・ウォーケンが熱演。彼を救おうと、懸命に奔走する仲間たちの思いは、家族の思いは伝わるのか…?



20.あなたになら言える秘密のこと (2005年スペイン)

監督・脚本:イサベル・コイシェ、出演:サラ・ポーリー、ティム・ロビンス。

イギリスのとある工場で黙々と働く女性は、誰とも口を聞かなかった。そんな彼女に、偶然が重なって、ある男の看護をすることになった…。この映画は、心に大きな傷を負った女性のみなさんに見てもらいたい1本です。彼女がなぜそうなってしまったのか、心を開くということはどういうことなのか、じっくりごと覧下さい。



21.愛してる、愛してない… (2002年フランス)

監督・脚本:レティシア・コロンバニ、出演:オドレイ・トトゥ。

思い込みの激しい女性にオススメの1本。恋する乙女は美しいですが、妄想が激しすぎると危険な女になります。妄想は暴走を生み、彼女はもう、まっしぐら。誰か彼女を止めろ!大変なことになるぞ~!ああ恐ろしや、女の情念…うっふっふ、もう逃がさないわよ~!



22.サマリア (2004年韓国)

監督・脚本:キム・ギドク、出演:クァク・チミン、ハン・ヨルム。

援助交際をしている、女子高生2人。ところが、警察に見つかって逃亡しようとする時に、親友が窓から落ちて死んでしまう。最愛の友を失った彼女は、ある行為をすることによって、贖罪をしようとする。これは、どうとらえたらいいのか、見ている側が悩んでしまう映画。…さあ、あなたの診断は?



23.39 刑法第三十九条 (1999年松竹)

監督:森田芳光、原作:永井泰宇、出演:鈴木京香、堤真一。

殺人犯として逮捕された男は、心身喪失者である可能性が浮上。多重人格の疑いがるとして、精神鑑定が必要となった。果たして彼は、本当にそうなのか、あるいは嘘か。刑法第39条にまつわるサスペンス映画として、見応えのある1本。壁際に追いつめられた鈴木京香の激しい息づかいが、妙にエロかった~。



24.きらきらひかる (1992年フジテレビ)

監督・脚本:松岡錠司、原作:江國香織、出演:薬師丸ひろ子、豊川悦司。

アルコール依存症の妻と、同性愛者の夫という組み合わせという、世にも不思議な物語。夫の恋人である大学生の男としたしくなった妻…ああ、もうワケがわかんない!変てこな映画ですが、お互いの変なところを受け入れていくという点では、マトモな映画なのかもしれません。主題歌は、大きな古時計。



25.エンジェル・ダスト (1994年ツインズ)

監督・脚本:石井聰互、出演:南果歩、豊川悦司、若松武。

異常犯罪性格分析官の女性が、連続殺人事件の捜査に挑む。しかし、捜査線上に浮かんだ男は、かつての恋人と知って愕然とする…。マインドコントロール、洗脳、宗教といった問題を、際どいところまでつきつめていく、深い精神世界を味わえるサスペンス映画。本作に出演した南果歩は、この時が一番美しかった。



26.ジャージの二人 (2008年ザナドゥ)

監督・脚本:中村義洋、出演:堺雅人、鮎川誠。

仕事嫌いの父親と、無職の息子が、夏の山荘で一緒に暮らす物語。二人とも、心の中に問題を抱えているようですが、あえてそれを出さずにじっと静かに過ごしているところが何とも言えない、アナログな作品です。ジャージを着る時だけ流れる、カッコいい音楽がGOOD。何だかちょっぴり、癒されます。



27.殯の森 (2007年組画)

監督・脚本:河瀬直美、出演:尾野真千子。

“もがりのもり”と読みます。介護施設で働く女性介護士の物語。彼女は、あることがきっかけで、心を病んでいた。ある日、認知症の男性が、何かに取り憑かれたように山奥に入っていく。必死で追いかける彼女であったが…。尾野真千子が全身体当たりで熱演した、人間の魂の映画。心を癒すのは、やはり心なのかもしれない。



28.こまねこ (2006年)

監督・原作・キャラクターデザイン:合田経郎、声の出演:瀧澤京香。

これは、かわいい癒しの作品。ぬいぐるみの、コマ撮りアニメーション映画です。短編5本で構成された、1時間の作品。その中に、引きこもりになった女の子と友達になるお話があります。ぬいぐるみごときに、俺は泣かされてしまいました。心の優しい人に、オススメな1本です。



29.包帯クラブ (2007年東映)

監督:堤幸彦、原作:天童荒太、出演:柳楽優弥、石原さとみ。

これもまた、癒しの映画。傷そのものにではなく、“傷ついた場所”に包帯を巻くというアイディアを思いついた高校生たちが、包帯クラブを結成。そこらじゅうに包帯を巻きつけるが…。人の心を癒すことの難しさと、人を傷つけずには生きていけない人間の悲しい部分も、しっかりと見つめる映画。ハミングのような音楽が心地よい。



30.ギルバート・グレイプ (1993年アメリカ)

監督:ラッセ・ハルストレム、原作・脚本:ピーター・ヘッジス、出演:ジョニー・デップ。

最後は、ジョニー・デップに登場してもらいましょう。24歳のギルバートは、生まれてから一度も故郷の田舎町を出たことがない。過食症のために異様に太った母親と、脳に障害のある弟の面倒を見なければならないから。しかし彼は、そのことで文句を一つも言わなかった。そんなある日、女の子が町にやって来た…。やんちゃな弟を、レオナルド・ディカプリオが好演。家族って何だろう?幸せって何だろう?さあ、考えてみましょう。




以上。ここまでとします。他にも候補に挙がった映画はいくつかありましたが、あくまでも自分自身と向き合って闘うような作品を中心にチョイスしました。この中に、探していた1本が見つかれば幸いと存じます。


映画を見ることは、人生の勉強です。学ぶ姿勢がしっかりしていれば、これほど素晴らしい教材はない、と自分では思っています。今は苦しいけれど、来年の特別企画はもっと明るいものにしたいと思っています。


いい映画との出会いは、いい人との出会いを生みます。読者の皆様が、素敵な映画人生を送れますように。




                                    2011年6月28日   桑畑四十郎





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2011-06-27

不二家ネクターロール、絶品!

テーマ:飲食物

昨日、おかげ様で映画熱は6周年を迎えました。


お祝いコメント、お祝いメッセージ、お祝いメールを下さった皆様、誠にありがとうございました。これでまた、生きる力が湧きました。


さて、我が家では昨夜、ささやさな祝杯を挙げました。そのメイン・イベント・スイーツが、不二家のネクターロール 。何と、1本1000円!食卓に登場した瞬間に、妻と娘がおおおーっと歓声。


長さは、15センチ。6等分に切るのがちょうどよろしいかと。う~ん、何ともほんのりいい香りがします。


俺は、甘いものも辛いものも好きだけど、ほどほどがいい。だから、ケーキバイキングでも、2個が限度。しかも、ブラックコーヒーがないとダメ。だから、相当甘いんだろうなあ、と思って食べてみたら…。



おお、これはウマい!何だか、甘さひかえめで、ふんわり感が最高。白桃の果肉がほどよく入ったネクタークリームが、口の中いっぱいに広がります。真っ白なロール生地が、まろやかにやわらかくフィット。


これはイケます。甘いものが苦手な人でも、バンバンOKです。6等分すると、3人家族で2切れずつで、ちょうどいい。俺は、立て続けに2切れをぱくぱく食べてしまいました。これは、コーヒーじゃなくて、緑茶か紅茶の方が合うかも。


美味しいスイーツを食べて、家族がみんな幸せな顔になりました。1000円はちょっと高いな、と思ったけど、6等分すれば、1切れ170円足らず。2人で買ってもよし、3人でもよし。



“お前がスイーツの記事なんて書くんじゃねえよ”という声が聞こえてきそうですが、だってうまかったんだもん!俺のブログは、俺の気分によって変幻自在なのだ、あっはっは、どうだまいったか。


そんなわけで、これ、オススメです。自分へのご褒美に、買ってみてはいかがでしょう?



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2011-06-26

6周年。

テーマ:ごあいさつ

本日6月26日は、映画熱というブログを立ち上げた、記念すべき日です。


今まで応援して下さった読者の皆様、新しく仲間に加わって下さった皆様に、心より御礼申し上げます。



思えば、ほんの冗談で始めた青くさい文章の塊を、適当につぶやいて、飽きたらすぐにやめようと思っていたのですが、気がつけば6年もやっていました。これって、もしかしてすごいこと?


お金になるわけでもない。何か得をするわけでもない。コメントは非難轟々、さんざん叩かれた世捨て人のような状態になっても、今日まで続けてこれたのは、やっぱり映画が好き、という一言に尽きるということなのかな、と。



好きこそものの上手なれ、なんて言葉がございますが、文章力は相変わらず下手であります。そもそも、自分の言いたいことを、人にわかりやすく伝えるという作業は、簡単ではないということを実感しております。


若いブロガーさんたちの、エネルギッシュな言葉に刺激を受けることもありますし、年配の方のシブいご意見にハッとすることもあります。


ブログを始めた頃は、俺こそが最高だ、みたいな自惚れ的なところがありましたが、今は、人の意見を素直に聞くことができるようになりました。俺も、少しは成長したかな?



病気になって、死の淵をさまよっていた時に、あたたかい言葉をかけて下さった方々には、本当に感謝しています。今も不安定な状態は続いていますが、俺なりに元気にやっています。映画館に行く元気がある限り、そう簡単にはくたばりません!


今は苦しいけど、この状態で映画を見るということが、新しい視点を発見するきっかけになる。そういう思いで、そういう新しいスタンスで、このブログはまだまだ続けたいと思います。



世の中にはたくさんの人がいて、みんながそれぞれ、自分にしかないいいところを持っている。そういういい部分を、映画というキーワードを通して語り合えることができれば、最高ですね。



今夜は、妻と娘が、お刺身を用意して祝杯をあげてくれるそうです。そしてスイーツは、不二家のネクターロールケーキの予定。友達と、家族にありがとう。


では、これからまた、7周年をめざしてがんばります。読者の皆様にとってもよい一年となりますように、心からお祈りしています。これからも、よろしくお願いします。



                                                 桑畑四十郎


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2011-06-25

ロシアン・ルーレット

テーマ:洋画

ランプが点灯したら、すばやく引き金を引け。 …モタモタしてると、ぶっ殺されるぞ!


2005年のフランス映画「13/ザメッティ」を、同じ監督でハリウッド・リメイク。監督・脚本は、ゲラ・バブルアニ。撮影は、マイケル・マクドノー。


出演は、サム・ライリー、ジェイソン・ステイサム、ミッキー・ローク、レイ・ウィンストン、マイケル・シャノン、エマニュエル・シューキー。


さて、映画ですが、シュールでスリリングな作品に仕上がりました。たぶん、オリジナルはもっと面白いんだと思います。アメリカ特有のサービス精神が、映画に人間味を与えて、ショッキングさが薄められているようにも感じます。結果的に、中途半端な感じは否めませんが、不況であるこの時期だからこそ、味わい深いのかもしれない。


金に困っている青年に、大金を掴むチャンスがやって来る。指示通りに行動し、たどり着いた場所は、とある洋館であった。そこには、17人の男が、ロシアン・ルーレットのプレイヤーとして集められていた…。



主演は、イギリス出身のサム・ライリー。はい、全く知りません(笑)。でもきっと、そこがいいのだ。有名な俳優でないからこそ、この映画の緊張感が生きるんだと思う。彼の演技を見るのは初めてですが、いっぱいいっぱい感がよく出ていて、なかなかよろしい。いつ死ぬかわからない男って、きっとこんな顔するんじゃないかなって思う。


逆に、謎なのが、ジェイソン・ステイサムと、ミッキー・ローク。「エクスペンダブルズ」でも共演したばかりですが、いい役なのか悪役なのか、さっぱりわからん(笑)。でもきっと、そこがいいんだろうな。有名な俳優だから、なかなか死なないんだろう…と思いますか?それとも逆?さあ、どっちでしょう?



この映画を見てわかることは、大金を手に入れるのは大変なんだなあ、ってことです(笑)。俺はギャンブルを一切やらないのでわかりませんが、一攫千金を生活信条にしている人にとっては、たまらない1本かもしれないですね。


実に、単純な話です。非常に、わかりやすい。だからこそ、次に何が起こるか予測したくなる。でも、考えたくない。早く終わって欲しい!気の弱い人は、ドキドキしっぱなしでしょうね。


ただし、デートには向かん映画だと思うので、誘うなら、イカつい姉ちゃんの方がよろしいかと。ラストは一体どうなるのか?それは言えませんので、気になる人は劇場へ。



本作に登場する人たちは、根っからの悪人でもないような気がする。しかし、集団になると、とんでもないことをやっても平気になるのだ。一人一人の罪が小さいように感じるような錯覚が、この映画にはある。さあ、悪いのは一体誰なんだ?


生きるためには、何でもやらなきゃいけない時がある。お金に困っている人が多い今だからこそ、この映画を上映する価値があるのかもしれない。何とも、不思議な気分になりました。



運は、その人を選ぶのか。人の強い思いが、運を呼び込むのか。人生は一度切り。生きるために大切なことは一体何か。 …ようく、考えてみよう!





【鑑賞メモ】

鑑賞日:6月20日(月) 劇場:ユナイテッドシネマ新潟 15:30の回 観客:約30人

緊張感があり過ぎて、コーヒーを飲むのをすっかり忘れていました。


【上映時間とワンポイント】
1時間37分。結構長く感じましたよ~。


【オススメ類似作品】


「ディア・ハンター」 (1978年アメリカ)

監督・原案:マイケル・チミノ、出演:ロバート・デ・ニーロ。ロシアン・ルーレットといえば、やっぱりコレでしょう。ベトナム戦争がもたらした狂気の世界を、クリストファー・ウォーケンが熱演。アカデミー助演男優賞を受賞しました。


「野獣死すべし」 (1980年角川)

監督:村川透、原作:大薮春彦、出演:松田優作。もう1つ、忘れられないトラウマ映画はコレ。夜の列車の中で、松田優作と室田日出男のロシアン・ルーレット場面は、映画史上に残るハードボイルドな名シーン。えっ、松田優作なんて知らねえだと?貴様、リップバン・ウィンクルの話を聞かせてやろうか!


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2011-06-24

あぜみちジャンピンッ! 追記

テーマ:邦画

以前ご紹介した、「あぜみちジャンピンッ!」が、なかなか盛り上がっています。


公式ホームページの他に、アメブロで「プロダクション・ノート」というページがあることを発見し、さっそく見に行きました。西川監督をはじめ、出演者やスタッフみんなで運営しているブログです。



プロダクション・ノートのブログ記事の6月16日と、23日に、俺がコメント欄に記入したのがきっかけで、西川監督ご自身が、俺のブログを読みに来て下さいました。そして、ありがたいコメントもいただきました!


ワーナーマイカル新潟で、2週間限定の上映予定でしたが、好評につき、もう1週間延長が決まりました。うれしいことですね。7月1日まで上映されていますので、興味のある方はぜひ足を運んで下さい。



この映画は、着実に成果を上げています。九州と京都では、学校上映が始まりつつありますし、京都国際児童映画祭にも、出品が決定致しました(8月6日~7日)。中学校関係者の方から、PTA親子映画会の企画として提案したいという要望もあったりして、なかなか盛り上がっております。



そして、6月23日更新のブログでは、俺のブログにリンクを張っていただきました!すごい!うれしい!こんなにうれしいことは、「空飛ぶ女くノ一」の記事で、製作会社からじかにコメントをもらった時以来だ!


6月23日に更新された「明日のイベントの…」の記事の後半に、“レビューを書いて頂きました”というコーナーがあります。その①の項目にある、緑色の“ブログ”という文字をクリックすると、映画熱が登場!わあい、うれしいな、うれしいな~。



西川監督、こんなむさくるしいところにわざわざおいでいただきまして、誠にありがとうございました。ブロガーの端くれの1人として、身に余る光栄です。これからも、いい作品を世に送り出して下さい。影ながら、応援させていただきます!




「あぜみちジャンピンッ!」公式ホームページ


「あぜみちジャンピンッ!」プロダクション・ノート



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2011-06-23

Aちゃんの思い出

テーマ:酒&タバコ

ついでにもうひとつ、飲み屋関係のお話をしましょう。昨日と同じく、俺が20代後半だった頃の思い出。



あるところに、スナックSというお店がありました。そこは、おすし屋さんの娘さんがママをやっているところで、従業員のみなさんのテンションが高くて、いつも明るくて元気な雰囲気がありました。


そこで働いている女性で、Aちゃんという子がいました。俺よりかなり年下で、目つきがごっつい姉ちゃんです。レディースというよりは、女子プロレスラーの雰囲気。短気で怒りっぽいので、いつもからかって怒られて、おしぼりをよく投げられました(笑)



ある夜のこと。ある程度いい時間になったので、お会計をしました。Aちゃんは言いました。


『…ねえ~、もう帰るの~?』


『…俺、これから “J” に顔出しに行くから。』


『…あたしも行く~!』


あらら、珍しいこともあるもんだ。断る理由もないので、一緒に移動。スナックJに到着。



『…おやおや、珍しい組み合わせだね~。』


『…うん。どういうわけかこうなっちゃって…。』


マスターにからかわれながら、カウンターに並んで座る。


『…はあい、じゃあ、かんぱ~い!』


『…仕事の時に飲む酒と、仕事が終わった後に飲む酒は、全然違うのよ!』



Aちゃんは、ベロンベロンになっちゃいました。この子、帰れるのかなあ?タクシー呼ぶかって聞いたけど、迎えに来てもらうからいらないって言う。そういうことならと、お会計をして、店の外に出る。


2人でタバコを吸う。俺は、のびをして深呼吸。



『…ねえ、これから桑畑さんのところに行っていい?』


『…はあ?じゃあ、誰か迎えに来るってのは嘘かよ?』


彼女は、俺が一人暮らしだってことを知っていました。もう、しょうがねえなあ。



スナックJから俺のアパートまでは、歩いて5~6分。Aちゃんは、ワケのわからない歌を歌いながら、俺の腕を組んで歩いた。参ったなあ、もう。


鍵を開けて、中に入る。はい、どうぞ~。


『…思ったよりきれい。わあ、映画のポスターがいっぱいある~!』


意味不明のダンスをしながら、はしゃぐAちゃん。どうでもいいけど、声、デカいよ。



まだ飲むっていうから、缶ビールを開けてまた飲んだ。2本目を開けた頃に、Aちゃんは、ローソファーに体を沈めて、大きなため息をついた。


『…ねえ、彼女つくらないの?』


『…うん…大きな恋愛したばっかりだからね。まだいいかなって…。』


『…あのさあ…。』


『…えっ?』


『…ううん、何でもない!』


何とも言えない会話が続く。そのうちに、Aちゃんはまぶたが重くなってきた。



普通の男なら、ここでガバッと行くのかもしれないけど、俺にその気はなかった。愛していない女性は、抱かない。だから俺は、風俗にも行かない。まあ、AVくらいは見るけどね。


『……。』


Aちゃんは、何か言ったようだったけど、よく聞こえなかった。俺は、Aちゃんのそばに寄って、耳をすませてみた。それでも、よく聞こえない。何て言ったのか気になったけど、まあいいか。


目を閉じたAちゃんは、あどけなくてかわいかった。とても、おしぼりを投げつけるキャラクターには見えない。あれはきっと、仕事の顔。今は、スイッチオフの顔。


俺は、乱れた前髪をそっと直してあげた。一瞬、Aちゃんはうっすら目を開けたけど、すぐにまたつぶった。俺はタバコに火をつけて、しばらくAちゃんの寝顔を見つめた。タバコを消して、毛布をかけた…。



翌朝、Aちゃんは9時頃起きた。目を開けて一瞬、ここはどこって顔をしたけど、俺がおはようって言うと、イエ~イ!って明るくVサインをした。


コーヒーを入れて、トーストを焼いた。Aちゃんは、黙ってもぐもぐ食べる。ぽっちゃりした頬が動く姿が、何ともかわいらしい。


さすがに飲み過ぎて2人とも頭が痛かったので、お昼近くになったら送っていくことにした。他愛もない会話をしていると、ふいにAちゃんは、ハンドバッグの中をごそごそやり出した。



『…ねえ、これ見て!』


渡されたのは、運転免許証だった。そこの写真を見てびっくり!すっげえ美人でやんの!


『…これって、誰?』


『…もう、バカ!あたしだよっ!』


そこには、どこのお嬢様かわからないような、きれいな顔をした女性の顔が写っていた。



『…もうすぐ更新だから、その写真がこの顔になるんだよっ!』


ううむ、言われてみると、確かに本人だ。メイクのせいもあるけど、写真はほっそり、今はぽっちゃり。Aちゃんは、ポツリとこんなことを俺に言いました。


『…あたしがきれいだった時の姿を、見て欲しかったんだ…。』



昨夜、彼女がつぶやいた言葉はこれだったのかな、と思った。でも、俺は彼女に向き直ってこう言った。


『…今のAちゃんもかわいいよ。むしろ俺は、今の方がいいと思うけどな。』


『…えっ…。』


『…だって、写真の方は、ただのガキって感じがする。今の方が、ずっと大人の女になってるよ。』


『…ほんと…?』


Aちゃんは、静かに免許証をしまった。そして、クスッて笑った。


『…じゃ、送って行こうか。』


『…うん!』



さすがに家の前までは行くのをやめ、近くで彼女を降ろした。


『…じゃ、またお店に来てね。』


『…了解!』


Aちゃんは、小走りで帰っていった、その姿は、普通の女の子だった。



スナックSは、寿命が短かった。あっという間に閉店したから、それ以降彼女には会っていない。


Aちゃんに、どんな過去があったかは知らない。でも俺は、彼女のあどけない顔を、なでてあげた髪の感触を忘れない。免許証の写真の顔は、忘れちゃったけど(笑)



Aちゃんと過ごした夜は、いい時間だったと俺は思っています。 (おわり)



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2011-06-22

合コンの思い出

テーマ:酒&タバコ

今日は、体調がイマイチだったこともあって、映画の記事はもう少し後にします。こういう時は、リラックスして軽い話題で行きましょう。俺が20代後半の頃に経験した、合コンのお話をします。




人数は、5対5の10人。女性陣はナースで、男側の人数合わせで俺が急遽参加。みんなストレスがたまっていたのか、女性がとにかく元気。男も負けじと応戦。なかなか賑やかな合コンになりました。


どんな人が集まってもそうなんですが、キャラの担当が自然に分かれるんですよね。キャラがカブるというのは、バイタリティの問題。俺は、静かな雰囲気だったら進んで盛り上げ役になりますが、今回は、しっかりとした盛り上げ役がいるので、俺はサポートに回る。


席替えもうまくやって、盛り上がる者同士でいい感じのフィールドができました。すると…。



1人だけ、黙って下を向いたままの女の子がいるんです。うるさい連中に挟まれている時は、楽しそうに見えたのに、気がついたら、一番端の席にいました。…ううむ、これはイカン!俺の出番だ!


話を聞いてみたら、ここに無理矢理連れて来られたんだそうです。なるほど、自分から男に声をかけることはなさそうな感じ。ちょっと、人を寄せ付けないような雰囲気。


俺も、ただの数合わせだったから、話相手にはちょうどいいと思った。



その子には、男に対してトラウマがあるようだった。聞いても答えてくれなさそうだから、あえて触れずにいた。具体的何をどう話したかは覚えていないけど、話しているうちに、少しだけ打ち解けた。彼女がクスクス笑ってくれたタイミングを見計らって、一緒にカウンターに移動。軽めのカクテルを頼む。


向かい合うよりも、並んで座った方が話しやすい時がある。彼女は、少しずつ、仕事の大変さを話してくれた。俺は、黙って聞く側に回った。


だんだん彼女の顔が紅潮してくる。どうやら、話し出したら止まらないタイプらしい。そのうちに、マシンガントークになった。うひゃあ、これは強敵。



そうしているうちに、一次会終了タイムになった。彼女は、帰ると言った。他の9人は全員行くのに。俺は、みんなが雑談をしているうちに、階段を下りていく彼女を追った。『…ちょっと待って~!』


以外な顔をして、彼女は振り向いた。



『…今日、話せて楽しかったよ。』


『…ええっ、あたし何だか調子に乗っちゃって…ごめんなさい。』


『…ううん。それでいいんだ。さっき話している時の顔、結構輝いていたよ。』


『…嘘ばっかり。』


『…だって俺、勉強になったもん。もっと聞きたいって思った。』


『…ホントに~?』



彼女はやっぱり、二次会には来ないと言った。こういう時は、あくまでもソフトに。



『…じゃあ、気をつけて。』


『…あの…。』


『…はい?』


『…あの…何ていうか…その…ありがとう。』


『…うん。またどこかで会えるといいね。次の合コンは、もっといい顔して参加するんだよ。』


『…はい!そうします…じゃあ、さよなら。』



彼女は、走って行って、迎えの車に乗った。後部座席に身を乗り出して、手を振ってる。俺も振る。


彼女が最後に見せた笑顔は、なかなかよかった。そうだ、女の子はそうでなくっちゃ。


俺は、その子にフラれたことにして、二次会の会場に向かった。




まだ、携帯電話が普及していない頃の、ほんわかした思い出です…。 (おわり)

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2011-06-21

スカイライン 征服

テーマ:アニメ・特撮

シンプルかつ大胆な映画。 …青い光に気をつけろ!


“skyline”とは、“高層ビルなどの、空を背景とした輪郭線”という意味。(アドバンストフェイバリット英和辞典より) ニッサンの車のカーレース映画ではないので、間違えないようにご注意。(誰も間違えねーよ)


低予算で製作され、テーマは“宇宙人の侵略”という、B級映画テイスト満載の話題の映画が、ついに公開!製作・監督は、グレッグ&コリン・ストラウス兄弟。脚本は、ジョシュア・コルデス&リアム・オドネル。撮影は、マイケル・ワトソン。音楽は、マシュー・マージソン。


出演は、エリック・バルフォー、スコッティ・トンプソン、ブリタニー・ダニエル、デヴィッド・ザヤス、ドナルド・フェイソン、クリスタル・リード、ニール・ホプキンス。



さて、映画ですが、ド迫力なSF映画に仕上がりました。観客によっては好き嫌いが分かれるところだと思いますが、俺的にはGOODです。いやあ、コーフンしました。これは、一見の価値ありです!


強烈な青い光が部屋に差し込み、何事かと起きてみると、空には謎の宇宙船が無数に浮かんでいた。一体、何が起きたのか?マンションにいた若者たちは、事態がわからないまま、必死のサバイバルを強いられるのであった…。



この映画ははっきり言って、誰が主役かわかりません(笑)。だって、誰がいつ死ぬか、さっぱり予測ができないからです。突然始まって、混乱のうちにどんどん時間が流れていくというスタイル。ありきたりのシンプルなSF映画なんですが、撮り方が斬新というか、臨場感がすごいんです。


これは、出演者をいちいち紹介していくような映画じゃない。まるで、映画そのものが生き物のようである。どういう展開になるのか、全く予想がつかない。圧倒的な力の差をこれだけ見せ付けられて、人類はどうすればいいのか?明日への希望はあるのだろうか?



本作の魅力のひとつは、クリーチャーのデザイン。マザーシップのカッコよさ、タコのようにウニョウニョする戦闘機…SF映画ファンは必見でしょう。これはDVDではなく、絶対劇場で見た方がいい!


この映画には、理屈はいりません。深く考える必要もない。ある日突然、正体不明のエイリアンたちに襲われたらどうする?戦うか?逃げるか?そういう人間の本能に迫る映画なのだ。どう考えても、勝ち目がなさそうな状態で、人はどうするか。黙って大人しくやられるのか、それとも…?



こういう映画のスタイルは古くからあったけれども、何故か新鮮に感じられるところが面白い。終わり方もシブい。俺は、こういう映画、好きです。特に、今の俺にとっては。



目覚めたら、そこは戦場だった。 …さあ、キミならどうする?






【鑑賞メモ】

鑑賞日:6月20日(月) 劇場:ユナイテッドシネマ新潟 12:15の回 観客:約50人

一番広い、1番スクリーンでした。満足~


【上映時間とワンポイント】

1時間34分。PG12なので、小学生のガキんちょは、保護者をゲットしてから行こう!


【オススメ類似作品】


「第9地区」 (2010年アメリカ・南アフリカ・ニュージーランド合作)

監督:ニール・ブロムカンプ、出演:シャールト・コプリー。本作を見終えて、真っ先に思い出したのはこの映画。まだ記憶に新しいので、斬新な展開に興奮したのをよく覚えています。今までのSF映画の常識を覆した、画期的なSF映画。


「宇宙戦争」 (1953年アメリカ)

監督:バイロン・ハスキン、原作:H・G・ウェルズ、出演:ジーン・バリー。トム・クルーズのアレではなく、オリジナルの方の映画です。光と色彩を駆使したイメージは、この名作を思い出しました。日系人のアルバート・ノザキがデザインした、宇宙船のシルエットがスバラシイ!本作にも、この映画を連想させるシーンがあります。




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2011-06-20

U-NOTE 20 「気がついたら映画館」

テーマ:ケガ・病気

今日は、朝からどうも落ち着かなかった。


寝てようかと思ったけど、何とも言えない不安感が込み上げてきて、いてもたってもいられなくて、とりあえず外出した。車に乗って、何となく新潟市内へ。BGMは、マイケル・ボルトン。


結局、たどり着いたのは映画館だった。そういえば、今日は月曜日。メンズデーじゃん。ラッキー。


シートに身を沈め、大きくため息をついた。ここは俺にとって、母親の胎内のようなところ。


1本だけにしようかと思ったけど、映画館が居心地いいので、もう1本見ることにした。時間があるので、マクドナルドでいつものベーコンレタスバーガーをかじって、本屋で時間をつぶす。


本屋の雰囲気って、何だかいい。図書館も嫌いじゃないけど、本屋の方が好き。


1時間弱、ずーっと本屋にいました。よさそうな本を2冊購入。再び映画館へ…。



ホットコーヒーをすすりながら、2本目を鑑賞。


やっぱり、映画館はいい。どうせ死ぬなら、最後は映画館で死にたいと思う。エンドロールで、涙を流しながら…。



帰りは、車の窓を全開にして、風を浴びながら走った。曇りだけど、サングラスを着用。


コンビニで、UCCのブラック缶コーヒーを買って一服。お気に入りのキャビンウルトラマイルドが手に入らないので、フィリップモーリスを軽くふかす。



空は曇っているけど、うっすら青いところがある。その青い部分が、やけに痛かった。


俺の心って今、何色をしているんだろう?



タバコを消して、缶を捨てる。エンジン再起動。CDをチェンジ。今度は、憂歌団。


映画「軽蔑」で使用された、「胸が痛い」を選曲。音量を上げて、一緒にシャウトする。同じ曲を、10回以上再生。



喉がハスキーになった頃、家に到着。帰還なう。


妻と娘は、祭りの踊りの練習でこれから外出するところだった。行ってらっしゃい。



缶ビールを開けて、シーチキン缶をツマミに一杯やる。マヨネーズぶっかけて。


胸が痛い~胸が痛い~♪


口ずさみながら、アメーバブログを開く。



いつしか、心はリラックスしていた。アルコールがいい感じにしみていく。


皆様、コメントありがとう。メッセージありがとう。



俺、まだ、生きています。






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