FUJITA'S BAR
1 | 2 次ページ >> ▼ /
2008-12-31

2008年を終えて ~年末のごあいさつ~

テーマ:ごあいさつ

読者の皆様、今年もお世話になりました。家の用事でバタバタしていまして、なかなかパソコンの前に座れません。ランキング記事は引き続き執筆していますが、時間も時間なので、ひとまずごあいさつさせていただきます。


今年見た劇場映画は、全部で124本でした。昨年は121本だったので、自己最高記録になります。応援してくれたみんな、どうもありがとう。こんなにたくさん見られる年はもうないでしょう。


ブログを始めて3年半になりますが、見たこと、感じたことを記録しておくことの重大性を、改めて感じています。物忘れがだんだんヒドくなっていくにつれ、大切なことは忘れたくないという切実な気持ちが、記事を書く原動力になっています。


細かいストーリーや配役は忘れても、心に刻んだことは決して忘れない。すぐに忘れてしまうような感動は、それだけのものなのかもしれない。借り物の言葉や、人の受け売りに頼っていると、自分の心が見えなくなってしまうもの。俺を含めて、人の言葉は参考にすべきなのであって、鵜呑みにしてはいけない。


言葉というのは、生き物である。同じ言葉でも、心がこもっているか、実感がこもっているかで響きが違うもの。自分が心から “そうだ” と思えれば、その瞬間からそれは “自分の言葉” になる。言霊は、そうやって人に伝わっていくものだと思うんです。


映画は、俺にとって生命力の源です。自分で稼いだお金でチケットを買い、劇場でしっかり見ることが俺の誇りでもあります。しっかり見て、しっかりコメントする。読者のみなさんは、俺の人間性を考慮した上で、不純物を差し引いて記事を読んで下さい。決して鵜呑みにせず、間に受けないこと。そういう中で、役に立つ言葉を1つ2つ拾ってもらえれば本望。それでこそ、プロの読者です。


不景気で仕事もだいぶ減っているので、来年は本数が激減するかもしれませんが、細々と続けていきたいと思いますので、気長にお付き合い下さい。


では、今年も残りあとわずか。読者の皆様、よいお年をお迎え下さい。来年もよろしく。



                                              2008年12月31日 桑畑四十郎





AD
いいね!した人  |  リブログ(0)
同じテーマ 「ごあいさつ」 の記事
2008-12-31

2008年映画熱ランキング その1 洋画編

テーマ:ランキング

今年の洋画は、昨年よりも数段パワフルでした。集計と審査も困難を極め、苦悩した結果、やはり俺自身の心に響いた順番に紹介させていただきます。世の中の評価はどうかわかりませんが、ここに紹介する20作品は、俺の心に力を与えてくれたものばかりです。(作品によっては多少ネタバレも入りますのでご了承下さい。)



1.ノーカントリー (アメリカ映画 監督・脚本:ジョエル&イーサン・コーエン)


ハビエル・バルデムの怪演が光る、オソロシイ映画。今年見た中でも、最高のインパクトでした。本作には、甘っちょろいヒューマニズムは一切通用しません。そこにあるのは、黙々と自分のやるべき事をこなしていくストイックさのみ。逃げる側にも追う側にも、プライドと誇りがあり、それを貫く覚悟がある。観客は、彼らの行動を固唾を飲んで見守るしかない。この時代にこういう映画が作られることが、何かを意味しているような気がします。雰囲気は 「ワイルドバンチ」 に似ていると思う。玄人好みの、強烈な作品です。


2.4分間のピアニスト (ドイツ映画 監督・脚本:クリス・クラウス)


女性が主役の映画では、これが最高傑作でした。囚人の女である天才ピアニスト・ジェニーと、ピアノ教師クリューガーとのガチンコ対決がすさまじい。本作を女版 「あしたのジョー」 だと言う人が多いのもうなずける。確かに面白いッス。ウンコのTシャツ来てジェニーを叱り飛ばすクリューガーバアさんは、とってもクールでした。クライマックスでのムチャクチャな演奏は、映画史上に残る名シーン。よくも悪くも、ド迫力。熱い火花が散る女の戦いをご堪能あれ。弾け!弾くんだ、ジェニー!ピアノという戦場で、真っ赤に燃え上がれ!


3.アメリカン・ギャングスター (アメリカ映画 監督:トニー・スコット)


好みが別れるところだと思いますが、俺はこの映画の空気がとても気に入りました。ギャングのボスと、彼を追い詰める刑事とのスリリングな戦いがシブい。「宇宙戦艦ヤマト」 の古代とデスラーのように、立場を超えた感情が、男心をくすぐります。自分の仕事に信念を持って立ち向かっている男同士、何か通じるものがあるのかもしれない。彼らが初めて対面する瞬間の表情をお見逃しなく。とてもいい顔をしています。今年見た映画の中でも、屈指の名場面でした。


4.モンゴル (ドイツ・ロシア・カザフスタン・モンゴル合作映画 監督・脚本:セルゲイ・ボドロフ)


寡黙な映画。浅野君の、黙ってじっと耐えている姿が印象的でした。受難の妻を演じたクーラン・チュランの強いまなざしが、俺にはとても美しく見えました。静かに盛り上がっていく高揚感が素晴らしい。馬に乗って、モンゴルの刀を真横にジャキーンって構えた姿は、最高にカッコよくて興奮しました。この映画から伝わってくるオーラは、劇場でしか体感できないと思う。ダイナミックな男の映画でした。


5.ブーリン家の姉妹 (アメリカ・イギリス合作映画 監督:ジャスティン・チャドウィック)


姉妹で1人の男を奪い合う話はよくあるかもしれないけど、相手が王様とくればスケールがデカくなる。16世紀のイングランド国王は、男の世継ぎがいなくて困っておりました。国中の若い女性が国王にアタック。露骨で鬼気迫る名演技を披露するのは、実力派ナタリー・ポートマンとスカーレット・ヨハンソン!これは見ものです。…あたしが先に手をつけたのよ、このドロボーネコめ!何ですってえ、うぬぼれんじゃねえよ、このメスブタ!そっちがその気ならこっちにも考えがあるわ!死ぬまで戦ってやる!(註:そういうセリフはありません)


6.レッドクリフ PART1 (アメリカ・中国・日本・台湾・韓国合作 監督・脚本:ジョン・ウー)


義理と人情の男の世界を表現する第一人者であるジョン・ウーが、ついに三国志の映画化に乗り出した。全世界待望の超大作だけに、内容もスゴかった。このスケールのデカさは、そのまま彼の器のデカさを意味します。中国の人たちの心に流れている熱い心を、この映画で勉強しましょう。俺も1人の男として、勉強させていただきました。故・黒澤明監督も、彼の活躍をきっと喜んでいるここと思います。いい仕事しましたね。後半も楽しみです。


7.ランボー最後の戦場 (アメリカ映画 監督・脚本・主演:シルベスター・スタローン)


スタローン主演映画の中でも、これほどド迫力のアクションはなかったでしょう。殺し方がハンパじゃありません。ここまでやるのかと文句言う人はいるでしょうが、ここまでやらないと伝わらないのかもしれない。自分で脚本書いて、自分で演じて、自分が監督するというのは、一種のやりたい放題ですが、全てを自分が1人で背負うという、彼の意気込みにも感じられる。とにかくすごい場面の連続です。理屈じゃない、彼が体を張ってとことん挑戦した軌跡を、映画を通して考えて欲しいと思います。


8.やわらかい手 (イギリス・フランス・ベルギー・ドイツ・ルクセンブルグ合作 監督:サム・ガルバルスキ)


世界中が強力して作ったのは、オバチャンの手コキ映画でした。難病の孫を救うために、高額の治療費を稼がないといけない。しかし、特技も職歴もない中年女に、そうやすやすといい仕事などあろうはずもない。しかし彼女には、他の人にはない優れた部分があった…。それは、やわらかい手(爆笑)!さえないオバチャンだった彼女は、次の瞬間、ラブリーエンジェルに大変身するのであった。男たちに夢と快楽を与えるスバラシイ仕事についた彼女は、コイてコイてコキまくり、酷使した肘が損傷。いえ、負けないわ。右手がダメなら左手がある!おおっと、今日はいつもと違うぜベイビー!前代未聞。真面目なトンデモ映画です。


9.ヒットマン (アメリカ映画 監督:ザヴィエ・ジャン)


スキンヘッドにバーコードのタトゥというすごいヘアスタイルで、黒いロングコートに赤いネクタイ。これって、すごく目立ちますねえ。どう見ても殺し屋ですが、実際殺し屋です。ワケあって追われる身となりますが、この格好で逃げるもんだから笑っちゃいます。まあ、そういうトンデモ度を差し引いても、この映画は面白い。ジェイソン・ステイサムの 「トランスポーター」 に似ていますが、おっさん的魅力のジェイソンに対して、兄ちゃん的な魅力のティモシー・オリファントもなかなかなもんです。連れの女を演じたオルガ・キュリエンコの美脚も見ものです。


10.イースタン・プロミス (イギリス・カナダ合作 監督:デビッド・クローネンバーグ)


主演のヴィゴ・モーテンセンは、どことなくダークな雰囲気がある。ジェームス・ディーンが普通におっさんになったらこんな顔になるんじゃないかって思います。「ヒストリー・オブ・バイオレンス」 はイマイチでしたが、本作は俺的にヒット。ロシアン・マフィアの運転手という微妙なポジションから繰り広げる、緊張感あふれる映像に酔いしれました。フロ場で全裸で格闘するシーンは、○ンタマが見え隠れするスリルがあってドキドキ。


11.ジュノ (アメリカ映画 ジェイソン・ライトマン監督)


「ハードキャンデイ」 でチン切り少女を演じたエレン・ペイジが、高校生妊婦を熱演。シチュエーション的に暗い話になりがちな題材ですが、さわやかで軽快なタッチに仕上がりました。今の時代は、このくらいのバイタリティがないと乗り越えていけないのかもしれない。女として地に足のついた生き方をしようとしている彼女は立派だと思います。思わず応援したくなる人って、こういう雰囲気を持っているんじゃないでしょうか。


13.最後の初恋 (アメリカ映画 監督:ジョージ・C・ウルフ)


恋というのは、思いがけない時に始まってしまうもの。それは、年齢に関係なく訪れる瞬間。頑なな人の心をやわらげ、冷え切ったハートをあたためる。人生の苦悩を重ねた者同士だからこそ、わかりあえる部分がある。大人の恋って素敵だなって思えるような1本。ダイアン・レインの泣き顔は最高でした。


14.水の中のつぼみ (フランス映画 監督・脚本:セリーヌ・シアマ)


健全なレズ映画ですが、見方によってはエロい。シンクロナイズド・スイミングという舞台。スタイルがよくて魅力的な女の子と、地味で華奢な女の子という組み合わせ。微妙な駆け引きが、見ていて何だかかわいらしく思いました。女性監督の感性でとらえた美しい映像は、ほどよい水分を含んだ瑞々しい仕上がりでした。女は魔物かもしれない。だからこそ、男は惹かれるんですね。


15.中国の植物学者の娘たち (カナダ・フランス合作映画 監督・脚本:ダイ・シージエ)


こちらは、ちょっぴり大人のレズ映画。もとは他人だった2人が、次第に溶け合っていくさまが自然に描かれていて、とても説得力があります。特にリー・シャオランの繊細な表情がいい。温室の湿気が何ともエロくて、官能的な場面もありますが、露骨ではなくあくまでも自然であるのがいい。これもまた、真面目な映画です。愛を貫くのには覚悟がいる。大切なものを守るのは、並大抵ではないのだ。


16.TOKYO! (フランス・日本・韓国・ドイツ合作映画 監督:ミシェル・ゴンドリー、レオス・カラックス、ポン・ジュノ)


東京を舞台にして、世界の監督たちが競演した3話オムニバス映画。どれもシュールで笑えます。内容は、イス人間と地底人と引きこもり。東京って、日本ってやっぱり面白い。ミステリアスで、無邪気で、何でもアリ。日本人独特のオーラを失うべからず。胸を張って世界と向き合うのだ!


17.ソウ5 (アメリカ映画 監督:デヴィッド・ハックル)


シリーズ5作目で、しかも主役(犯人)がとっくに死んでいるのに、このテンションは何だろう?まるで、ジグソウの亡霊が未だにさまよっているような…。何だか 「犬神家の一族」 の犬神佐兵衛みたいですな。1、2作目の緊張感はもう薄れていますが、残り香としてのテイストは充分。来年もやってくれたら、また行っちゃうだろうな。DVDも買っちゃうんだろうなあ。ちなみに今、ジグソウの携帯ストラップを愛用しています。…さあ、ゲームしようか。


18.潜水服は蝶の夢を見る (フランス・アメリカ映画 監督:ジュリアン・シュナーベル)


目ヂカラだけで生きる男の物語(実話)。不慮の事故で全身マヒになってしまい、動かせるのは片目の眼球だけ。まばたきだけで会話をし、本を1冊書いてしまう。すごい男です。まるで鬼太郎の目玉オヤジみたいな人生ですが、人間やる気になれば何とかなるもんだ。そのまばたきこそは、蝶のはばたき。石原都知事よりもすごい人生生きてます。


19.バンテージ・ポイント (アメリカ映画 監督:ピート・トラヴィス)


アメリカ大統領が射殺される。目撃者8人のそれぞれの視点を検証するのに、わざわざ場面を巻き戻して再生してばっかりの、忙しい1本。だんだんと大統領射殺場面が笑えるようになってしまう、変な映画。あいつ、また撃たれてらあって感じ。しかし、さんざん引っ張っといて、大統領は替え玉でした…うわあ、今までのは一体何?90分しかない映画なのに、一気に疲れてしまいました。よくわからんが、ある意味刺激的でした。


20.宮廷画家ゴヤは見た (アメリカ映画 監督・脚本:フォアマン)


火曜サスペンスでも土曜ワイドでもありません。つうか、こんなアホなタイトルつけたのは誰だ?ゴヤという画家自身が謎の多い人物でもあるので、興味をひくタイトルではありますが。受難ヒロインを演じるのは、またしてもナタリー・ポートマン。「ブーリン家の姉妹」 同様、かなりハードに陵辱されます。彼女の演技に対する情熱は大したものです。どんなヒドい役を演じても、彼女の女優としての価値は少しも揺るがない。むしろ、価値が上がっていくように思う。「レオン」 の少女も、魅力的なレディに成長しました。彼女の本気の演技を、観客はしかと見た!




AD
いいね!した人  |  リブログ(0)
2008-12-30

ミラーズ

テーマ:洋画

朝焼けの光の中に立つ影は…ミラーマン・キーファー!


“mirror” は “鏡”。“mirrors” だと複数形になるので、“鏡がいっぱい” でいいでしょう。何だか、楽しそうなタイトル。「ミラーマン」 の戦隊モノではありませんので、お間違えのないよう。(間違えねーよ)


韓国のホラー映画 「Mirror 鏡の中」 のリメイク。監督・脚本は、フランス出身のアレクサンドル・アジャ。出演は、キーファー・サザーランド、ポーラ・パットン、エイミー・スマート、キャメロン・ボイス、エリカ・グラック。


さて、映画ですが、何でもアリのてんこ盛り作品に仕上がりました。心霊なんだかモンスターなんだかよくわからんが、お化け屋敷アトラクション映画として楽しめるでしょう。クールなトンデモホラーです。


元ネタの韓国映画は未見ですが、パンフ記事によると、題材はいいけど地味でパッとしない映画だったとか。それをリメイクしたいと言い出したアジャ監督の心意気がいいじゃありませんか。まだ30歳の兄ちゃんだそうで、これからが期待される逸材だそうです。少なくとも、やる気が全く感じられなかった 「○ン・ミ○○ール」 より1億倍面白い映画だと思います。


主演のキーファー・サザーランドは、「24」 のジャック・バウアーとして有名ですが、もともといい俳優なので、本作は彼の演技をじっくりと見ましょう。(ちなみに親父さんは、大物ドナルド・サザーランド。)


彼が演じるのは、停職中のニューヨーク市警の刑事。同僚を誤って射殺してしまったことにより、生活が荒れていてストレス膨大。バイトで古いビルの警備をすることになった彼の目の前に、次々と怪現象が起きる。これは妄想か、現実か。イライラ度がピークに達していくに連れて、彼は行動を開始した…!


ぶっちゃけて言うと、本作の出演者は、キーファーと鏡。以上。他は、ただのオマケです。家族とかヒューマニズムとか、一応ソフトなラッピングをしてあるけど、この映画の面白さは、彼とバケモノのガチンコ対決にあります。モンスターと戦うには、自分がモンスター以上のテンションにならなきゃ!


しかしまあ、この映画、とことん徹底的です。ハリウッドの恐怖演出はカビの生えたものが多いけど、使い方によってはまだ充分面白い画面になる要素がある。何だか、感心しちゃいました。やっぱり、作り手の感性とセンスが大事なんですね。


ハリウッド的でありながらも、新しい要素がふんだんに盛り込まれている。隠し味というか、スパイスというか、何だかいいマインドを感じるんです。アジャ監督は、確実にいいものを持っていると思う。一般受けはしないかもしれないけど、俺は彼のクリエイティブな部分を応援したい。他の作品も見てみようかな。




鏡というのは、不思議なものです。全てをありのまま映し出すようでいて、余計なものまで映りこんでくるようでもある。鏡をよく見る人は、鏡を見ないと気がすまないのかも。そこに、変わらない自分がいるのかどうか。もしかしたら、変わり果てた自分がいるかもしれない。そう思うと、とても不安になってくる…。


さあ、じっくりと鏡を見てみましょう。そこに映っているのは、確かに自分自身ですか。いつもと微妙に違っていませんか?映画を見た後に、じっくりとご覧下さい…ウッヒッヒ。


鏡が人を襲う。歪んだ鏡が人の心を狂わせていく。逃げ場はない。どこに行っても鏡はそこらじゅうにある。だから、戦うしかないのだ。たかが鏡じゃねえか、人間サマをナメんじゃねえ!


キーファーがんばれ!鏡怪人をやっつけろ!パンチだキックだハリケーン!ミラーナイフが宙を斬り、ミラーシュートが敵を裂く!戦えぼくらのミラーマン・キーファー!


今年最後の劇場映画は、とってもイキのいい作品でした。年忘れ映画としてふさわしい。時間を忘れて爆笑しました。この記事を読んで見に行きたくなった人は、ぜひお正月に行きましょう。…だって、鏡モチ映画じゃん!




【鑑賞メモ】

鑑賞日:12月29日 劇場:ワーナーマイカル新潟 20:30の回 観客:約20人

俺の近くに座っていたおねーちゃんが、すごい敏感な人だったみたいで、ショック場面の度に飛び上がって驚いてました。…ああ、いい振動だなあ。男性諸君、こういう彼女を誘いましょう!


【上映時間とワンポイント】

1時間51分。R15なので、中学生以下は入れません。鏡の効果を利用したオープニング映像が見もの。酔わないようにご注意下さい。


【オススメ類似作品】


「ゲゲゲの鬼太郎 日本爆裂!」 (現在公開中)

監督:古賀豪、原作:水木しげる、監修:京極夏彦、声の出演:高山みなみ。鏡じじいが登場。ヒロインの少女をさらって、鏡に閉じ込めてしまう。助けに来た鬼太郎もつかまってしまい、さあ大変!本作を見て勢いにのったオヤジのみなさんは、子供を連れてこれも行きましょう。雪女の胸元サービスもあるよ!


「乱歩地獄」 (2005年東映)

監督:実相時昭雄、竹内スグル、カネコアツシ、佐藤寿保、原作:江戸川乱歩、出演:浅野忠信。4人の監督による4話オムニバス映画。その中で 「鏡地獄」 という話があります。鏡に取り憑かれた男の、マニアックな物語。やっぱり鏡には、魔物が棲んでいます。


「燃えよドラゴン」 (1973年香港)

監督:ロバート・クローズ、出演:ブルース・リー。鏡といえば、やっぱりコレでしょう。ラロ・シフリンのあのテーマ曲が流れれば、オヤジはブルース・リーに変身する。さあ、鏡魔人をやっつけろ!(そういう映画じゃないって)




今年の劇場映画記事は、これにて終了します。これから1年間の集計をして、恒例の年末ランキング記事の執筆を始めたいと思います。期待しないでお待ち下さい。



AD
いいね!した人  |  リブログ(0)
2008-12-28

赤い糸

テーマ:邦画

人の心と同じように、人の運命も刻々と変化していく。 …変わるからこそ、面白いのだ。


ネタ探スペシャルに引き続きまして、またしても恋愛映画です。またかよ、という声が聞こえてきそうですが、そう目くじら立てなさんな。妻と娘が 「たまごっち」 を見ている間にちょうどいい時間帯だったもんで、ついでに見たのがこの映画。まあ、これも何かの縁でしょう。もう1回だけお付き合い下さい。


原作は、メイの同名ケータイ小説。すでにシリーズ4巻まで発売されているベストセラーだそうな。監督は、村上正典。「電車男」 のおっちゃんですな。


出演は、南沢奈央、溝端淳平、木村了、岡本玲、石橋杏奈、桜庭ななみ、松田賢二、甲本雅裕、山本未来、渡辺典子、小木茂光。


さて、映画ですが、10代の年齢にふさわしい、慌ただしい展開の作品に仕上がりました。あまりにもテンポが激しいので、いちいち感動しているヒマがありません。まあ、若者がターゲットなんだから、こんなもんでしょう。


本作は、フジテレビで放送中のドラマとシンクロしているらしい。ドラマを見ていないとよくわからない場面も多少あるので、しっかり見たい人は予習してから行くといいかも。


主人公は、中学3年生の女の子。彼氏ができたと思って喜んでいたのもつかの間、彼にはどうやら秘密があるらしい。え、あの女は何者?彼とどういう関係なの?そして、悪夢の修学旅行が始まった…。


主役の南沢奈央は、芯のしっかりした、とても強そうなイメージがある18歳の女優。何だか時代劇が似合いそうな、何とも勇ましい顔立ちをしています。過酷な運命を充分背負えるイメージがあるので、か弱さを微塵も感じない。彼女はきっと、最後まで生き残る女でしょう。物語の展開が慌ただしいので、演技の方はよくわかりませんでした。別の映画でまた見てみたい。


運命の男を演じた溝端淳平は、何だか速水もこみちに似ているような感じのする19歳のイケメン俳優。カッコいいオーラを出し過ぎているので、表情は乏しい。だから、あんまり苦悩しているように見えませんでした。悩んでいるのと、暗いのとは根本が違うので、役柄というものをもっと深く勉強するといいでしょう。


この2人の組み合わせは、“何があっても動じないカップル” という雰囲気。だから、見ていてあんまりハラハラしませんでした。俺的には、もうちょっと目が離せないような、危なっかしいイメージの方が感情移入できるんだけど、何だかとてもしっかりしていそうなので、とりあえず放っておけばいいかなって思っちゃいます。


脇役の木村了は、彼らより少し年上の20歳。俺的には、彼の演技の方が面白かった。役柄的においしいポジションだと思います。彼は微妙な表情ができるので、こういうトンデモキャラがちょうどいい。それから、岡本玲は淋しそうな表情がちょっとキュンとなりました。石橋杏奈と桜庭ななみも、演技は地味だけどそれぞれに影のある仕草がよかったと思います。


ベテラン勢では、ダントツに仮面ライダー松田賢二でしょう。すごいなあ、彼は。ホントにヤクの売人に見える(爆笑)。正義の味方も悪者もマルチにこなせるいい俳優だと思いますので、マニアックな役柄でこれからもドンドン出て欲しい。


奈央ちゃんの母親を演じた渡辺典子も、なかなかいい表情をしています。積み木くずし娘も、立派な大人の女性になり、今度は母親路線でブレイクしそうな雰囲気。そして、小木茂光の物静かな演技が、この映画の重要な癒しポイントになります。彼が登場したら、一息つきましょう。


これはどういう映画ですか、と聞かれたら、真面目な映画ですと答えます。真面目で素直な若者が、まっすぐに生きていこうとがんばる物語です。俺が見る限り、彼らはとても健全。大人なみにしっかりしています。昼ドラの題材みたいな要素がいっぱいあるから、奥様方にもウケるかも。


昨年は、「恋空」 が話題騒然になったのが記憶に新しい。俺なんかはついこの間見たばかりなので、まだ新鮮です。どちらもケータイ小説だし、構成もよく似ている。好きになって、色々あって、やっぱりまだ好きで…。まあ、恋愛映画というのは、そういうもんなのでしょう。大きな違いは、「恋空」 は内容がかなりヘビーだけど、本作はわりとソフトであるという点。今更ながら、ガッキーは勇気ある女優だと思います。奈央ちゃんもガンバレ。


しかしまあ、よくもこんなに美形ばっかり揃えたもんですなあ。青春映画というのはそういうもんなんですが、こんなにカッコいいのとカワイイのばっかりだったら、色恋沙汰になるに決まってんじゃん!ハンサムと美人には、苦悩が付き物。自分の魅力が災いになることもあるのだ。容姿がきれいな人たちは、そういうことを自覚して生きて下さい。




軽い気持ちでやったことが、人をひどく傷つけてしまうことはよくある。そんなつもりはなかったのに、取り返しのつかないことになることもある。そんな時どうしたらいいのか。正しい解答などありません。だから、観客側も、物語の当事者になったつもりで考えてみましょう。恋愛映画こそは、恋愛シミュレーションとしてのいい教材。カワイイ女の子になったつもりで、イケメンになったつもりで、この時間を楽しみましょう。


ただ1つだけ気になったのは、劇中に登場するヤクが、ずいぶんユルいものばかりなんじゃないか、ということ。ラリッている最中に、すぐに正気に戻って真顔になれるものなのかどうか…。どうか真面目な青少年が、勘違いしてヤクに興味持ちませんように。できることなら、薬害の恐怖演出をもっと徹底的にやって欲しかった。中途半端にやるよりは、ずっといいと思います。物語に奥行きも出るし。


ケータイ小説を実際にケータイで読んだことがないので、偉そうなことは言えないんですが、このスタイルの小説自体は面白いと思う。気軽に読めて、とっつきやすいのが長所。変に深読みしなくていいから、難しくない。それでいて、内容に魅力があるとくれば、若者に人気があるのは当然というものでしょう。俺のブログもケータイで読んでいる人がいるくらいだから、そのパワーはすごいもんだと思います。


ケータイが世の中に登場した時は、“コードにつながっていないと落ち着かない” なんて言われたものです。だけど今では、“ケータイが唯一の絆” という人も多い。見えない糸が、みんなの心をつなげているのかもしれない。




“運命の人” という言葉って、カッコいいじゃないですか。決して、何もかもあらかじめ決まっているってことじゃない。運命は、自分の手で切り開くもの。だから、気の持ち方次第で、運命なんていくらでも変わる。過去は消せないけど、未来には無限の可能性がある。そのために “今” という時間があるのだ。


誰でも、人を好きになる。心に秘めて一生終わる人もいるし、行動にうつして確かめる人もいる。自分がどうしたいのか、どうなりたいのか。そのために、何をするべきなのか。そうやって心の声を聞いて、自分と向き合うことで、運命は変わっていくのだ。


俺は、人の縁を大事にします。イヤな奴でも、そいつから何かを学べば、出会った理由になる。何年も会っていない友達もいるけど、また会いたいって思う。別れた女性にはもう会わないって思うけど、心の隅にちゃんと居場所を用意してある。人の心が自分のものにならないように、自分の心もまた、自分だけのものじゃない。


人の心は、一つの宇宙。心が結ばれるのは、宇宙同士が一つに溶け合うくらいのすごいこと。だから、愛し合うのは気持ちがいい。一つになるために、お互いが形を変えて、うまく合わさろうとするんですね。ぶつかれば角が取れ、深く結びつけば、もう外れなくなる。それを無理やり引き剥がそうとすれば、心が痛む。


赤い糸は、心同士をつなぐ神経線維かもしれない。俺のイメージでは、糸は何本もある。つまり、愛のオーラといったところ。人が出会うと、その触手が反応しあって刺激を得る。同調すれば、つながりができる。それを束ねていくことによって、太くて頑丈な絆になっていく…。(ちょっと表現がホラーかな?)


だから、自分の運命は自分で決めましょう。好きになっちゃったものはしょうがないじゃん。でもできることなら、力が湧いてくるような、いい恋愛をしたいもの。そういう意味で、映画の彼らがうらやましいです。


赤い糸は、存在する。理由はカンタン、あった方が面白いから。この映画を見たのだって、何かの縁を感じるもんね。心が敏感なロマンチストには、きっと見えるはず。サンタの服だって赤いじゃん。さあ、目を凝らしてよく見よう!


このブログからも、もしかして何か糸のようなものが出ているかもしれない。ヤバいぞ、このブログの筆者はマトモな人間じゃないから、深入りするな。まっとうな人生を生きたいなら、サラっと読んで立ち去るのが賢明。そういう意味では、ずっと読んでくれている常連のみなさんは、きっと俺と何かしらの糸で結ばれてしまっているのかも…うっふっふ。


赤い糸は、きっと動脈。このブログの糸は、きっと静脈。老廃物や毒素がいっぱい含まれていると思うので、青い糸に違いない。映画ブログ界の底辺をうろつく世捨て人のポジションを獲得すべく、今日もがんばっております。きっと、ここが俺にとって “運命の居場所” なのかもしれない。 …さあ、青い糸をお持ちの方、歓迎します!




【鑑賞メモ】

鑑賞日:12月28日 劇場:ワーナーマイカル県央 14:40の回 観客:約60人

カップルか女子高生しかいませんでした。俺の横に座ったおねーちゃん2人組が、ポップコーン食い終わった直後にぐっすり眠ってました。…何だか、微笑ましい。


【上映時間とワンポイント】

1時間46分。エンドロールの最中にもオマケ映像がたくさんあります。涙をこらえていた人たちが、ここで一斉に泣き出したので、彼氏諸君は彼女の手を握るチャンスポイント!


【オススメ類似作品】


「恋空」 (2007年東宝)

監督:今井夏木、原作:美嘉、出演:新垣結衣。ケータイ小説の恋愛映画といえば、やっぱりコレでしょう。トンデモ映画ですが、見方を変えると非常に面白い。爆笑の連続でした。笑いすぎて涙が出る、確かに泣ける映画です。先日書いたネタ探スペシャルの記事は、完全にネタバレしているので、これから映画を見ようとする人はどうか読まないで下さい。映画は絶対見ないと心に決めた人だけが読んで下さい。…と言いつつも、読んだ後で見たくなったら、それはそれで笑えますが。


「夜のピクニック」 (2006年ハピネット)

監督:長澤雅彦、原作:恩田陸、出演:多部未華子。1000人で24時間歩く、というトンデモな行事がある高校の物語。悩みを抱えている主演2人を中心に、イキのいい脇役たちが活躍します。中でも、柄本祐のイカレっぷりが最高でした。貫地谷しほりちゃんも、オバサン女子高生役で奮闘。


「花とアリス」 (2004年ロックウェルアイズ)

監督:脚本:岩井俊二、出演:鈴木杏、蒼井優。女の子が主演のトンデモ恋愛映画といえば、やっぱりコレでしょう。鈴木杏の悪役ぶりが素晴らしく、蒼井ちゃんのひょうひょうとした自由な演技が爆笑でした。女の子の友情って、何だか特殊で面白い。


「きみにしか聞こえない」 (2007年ザナドゥ)

監督:荻島達也、原作:乙一、出演:成海璃子。頭の中にあるケータイが、唯一の通信手段である特殊なカップルの物語。彼氏役は、「恋空」 で大学生の彼氏を演じた小出恵介。主題歌はドリカム。本作のある場面で、この映画を思い出しました。カッコいい小出君を見たい人は、「初恋」 がオススメ。ちなみにお相手は、宮崎あおい。



いいね!した人  |  リブログ(0)
2008-12-24

クリスマスネタ探スペシャル ~恋愛映画編~

テーマ:ネタバレDVD探検隊

恋愛映画というのは面白いもんで、恋愛未経験の人にとっては憧れであり、恋愛真っ最中の人にとってはスリリングな物語であり、恋愛経験者にとってはダメ出しとツッコミのおいしい素材となります。


というわけで、ネタ探もいよいよ恋愛映画の扉を開くことになりました。言うまでもなく、オシャレな文章は書けそうもないので、恋人といい感じになる映画を探しているオネエサマたちは、早めに画面を切り替えた方が賢明です。


今回探検するのは、有名どころ3本。そう、実は未見でした(笑)。今どきこの映画の記事を書く人間もいないでしょう。読む人間はもっといないはず。だから、今頃になってこっそり書く。人はどう書いているのか知りませんが、いつも通り、あくまでも俺の感性で書かせてもらいます。


さあ、真の勇者たちよ、桑畑隊長に続け。今回は長旅だぞ。…中傷罵倒が恐くて恋愛映画が語れるか!



「恋空」 (2007年東宝)


主演は新垣結衣。ポッキーを振り回したCMでブレイクした女の子で、通称ガッキー。ポッキーだからガッキーなのかどうかわかりませんが、そのガッキーが今度は男に振り回されます。そのオイシイ役柄をゲットしたのは、これまた新人の三浦春馬。


主人公のミカは、学校でケータイをなくしてしまう。探し回ってようやく見つけたと思ったらアドレスが全部消されていた。 同時に謎の男からのコール! 『…さて、誰でしょう?』 …おや、これは 「耳をすませば」 のパクリか。場所が図書館というのも妙に怪しい。しかし、これは何だか犯罪のニオイがするなあ。


『…そのアドレス、キミにとって本当に必要な人たちなのかな?もしそうなら、向こうからかけてくるはずだ。』 …うーむ、言ってることがムチャクチャですなあ。言葉の意味はよくわからんが、とにかくすごい自信だ。今どきの女の子は、こういう口説き方に弱いんでしょうか。オヤジにはよくわからんが、まあ、今どきですから。


彼女の家の食卓も何だかスゴかった。皿に山盛りのから揚げと、そうめんだけという組み合わせはおかしくないか?両親がしっかりいる中流家庭なのに、これはどうかと。オヤジと娘の2暮らしじゃねえんだからよ。から揚げを奪い合っている姉妹も、何だか痛かったなあ。微笑ましくないんですけど。


さて、謎の男は毎日電話をしてくるが、一向に名前を名乗らない。最初は警戒していたミカも、次第に心を開いていく。どう考えても、彼は有利な立場にいる。自分は彼女の顔も名前も知っているけど、彼女は彼の顔も名前も知らない。自分だけ見られている、という状況であっても、無防備に彼を受け入れている彼女…やっぱり、だまされやすい女かもなあ。


彼女の誕生日をきっかけに、2人は初めて会うことになる。彼の名前はヒロ。金髪に染めた遊び人風の男。『…これ、プレゼント。』 と彼は摘んで来た花を差し出す…あらら、根っこ付きですか。しかも根っこがちゃんと洗ってある(笑)。付き合っていた彼女と別れたばかりとのこと…女たらしの匂いプンプンですなあ。


授業中に彼からメール。『…いますぐ図書室に来い。』 『…先生すいません、保健室行ってきます。』 教室を出た途端に走るガッキー(爆笑)。こら!走って保健室行く奴がいるか!うーむ、真面目な生徒がだんだん不良になっていくみたいですねえ。


放課後、チャリンコで2人乗りして彼の家に。おお、もういきなりヤッちゃうんですか。すごいなあ、さすがにアイドルなので濡れ場はありませんが、その唐突ぶりが笑えました。幸せな余韻に浸っているミカちゃんに、うっかりヒロは言ってしまう。『…もう帰るの?サキ。』 …あらら、違う女の名前!


聞こえなかったフリして帰るミカ。でもやっぱり気になってしまう。メールで 『…サキって、元カノの名前?』 と打とうとしたが、やめて違う文章にする。『…信じていいよね。』 うわあ、何ていじらしい。ミカちゃん、一気に好感度アップ。こりゃあ本気で守ってやらなくちゃイカンぞ、ヒロ。


ところが、次のデートの待ち合わせ場所でミカが待っていると、不審な車が急停止。中から3人組の男が現れ、ミカは強引に連れ去られてしまう。人気のない場所で車から降ろされ、3人掛かりで暴行。ケータイの着信音が鳴るが、手が届かない。 『…助けて、ヒロ。助けて!』 地獄の苦しみに耐えながら、彼女は空を見上げるしかなかった。


『…守ってやれなくてごめん。』 ヒロの怒りが爆発。3人組の男をボコボコにして白状させた結果、首謀者は元カノのサキだったことが判明。サキをつかまえてミカのもとに連れてくるヒロ。『…お前が望めば、こいつを殺す!』 ヒロの姉がハサミを持ち出して、サキの髪を切り刻む。オトシマエということですな。幸い、妊娠はしていなかったらしいが、ミカは深く傷つき、学校を休むようになってしまう。


ヒロは心配してミカを連れ出す。川原に座る2人。『…ヒロは川みたいだね。どんどん流れていく。』 川といえば 「千と千尋の神隠し」 ですな。作者はきっとジブリ作品がお好きなんですね。ヒロは言う。『…俺は川より空になりてえな。ミカを傷つける奴を見つけたら、飛んでいってやっつけてやる。』 うーむ、空が飛んでいってしまうと、地球はどうなるんでしょうか。


ミカがようやく学校に行くと、更なる嫌がらせが。学校中の黒板に “淫乱女” という落書きに加え、ミカの携帯番号が無断で書かれていた。ヒロはまたしても激怒。『…誰だ、こんなことした奴は!』 黒板の落書きを消して回って、『…今度やったら、女でも俺がぶっ殺す!』 ヒロはミカの手を引いて、図書室へ。


『…ヒロ、ありがとう。』 ヒロの行動に感激したミカは、感極まって自分の方からキス&ハグ!これで2人の愛はより深く…とあらら、そのまま図書室でヤッてしまう(大爆笑)。…お前らやっぱりインランじゃねえか!


やがて冬のある日、ミカは体調がおかしいことに気が付く。どうやら、ヒロの赤ちゃんができちゃったらしい。ヒロに打ち明けると、彼は喜んでくれた。『…名前はどうしようか。図書館でできた子だから、本っていうのはどうだ?』 …この父親、ホントに大丈夫か?


『…俺学校やめて働きます。』 髪の毛を黒く染めて彼女の両親にお願いするも、猛反対される(そりゃそうだ)。ヒロが学校を退学になる噂を聞いたサキは、ミカを呼び出して責める。押し問答の末、ミカはサキに突き飛ばされて転倒。サキは言う。 『…あんたさえいなかったらヒロはあたしのものだったのに!』


ミカは、サキを睨みつけて言い返す。『…ヒロは物じゃない!本当に好きだったら卑怯なマネしないで正々堂々と勝負しなさいよ!…ヒロを好きな気持ちは誰にも負けないんだから!』 うーん、いいセリフなんだけど、やっぱり凄みが足りないなあ。あれだけヒドい目に遭ったんだから、ここはもうちょっとがんばって欲しかった。


しかし、その直後にミカの体調は急変。残念ながら流産してしまい、幼い命は絶たれてしまった。どうやら、転んだのがいけなかったらしい。『…赤ちゃんもういないの。ミカの体の中にいないんだよ…。』 2人は、公園の隅にお墓を作って弔う。『…またいつか生まれて来いよ。毎年命日にここに来よう。』 次に生まれてくるのは違う命だと思いますが、ヤボなことは言いますまい。


2年生になると、ヒロは学校を休みがちになり、生活も荒れてくる。金髪に戻り、仲間を集めて部屋でどんちゃん騒ぎしたあげく、堂々と浮気。その現場をミカに見られても、ヒロは平然と言い放つ。『…俺らもう別れよう。色んな女と遊びたくなったんだ。』 何が何だかわからずに、混乱するミカ。


彼女がいくらメールしても、ヒロから返事は来なかった。『…これが最後のメールです。川原で待ってます。来なかったら今度こそあきらめます。』 すると、ヒロがやって来た。感激するミカ。しかし…彼の目は冷たかった。


川原の土手の上からヒロは言い放つ。『…俺らもう他人だろ。俺はもう、お前の涙ふいてやんねえからな!』 指輪を遠投するヒロ。それをナイスキャッチするミカ(爆笑)。すげえ! 『…恋の終わりがこんなに苦しいなら、あたしはもう恋なんてしない!』


友達の紹介で出会った新しい彼は、年上の優しい大学生だった。演じるのは、小出恵介。うまい役者選んじゃったなあ。バランス大丈夫か?『…赤ちゃんが会わせてくれたんだわ。』 ミカちゃんは、あっさり彼の車に乗ってしまいます。うーむ、やっぱり俺は彼女が心配だなあ。


3年生になり、勉強を教えてもらいながら彼と付き合うことになる。時折彼を思い出すけど、新しい彼はミカの話を優しく聞いてくれる。『…彼が川なら俺は海になりたいな。何度でも打ち返して絶対ミカから離れない。』 …おお、大人のセリフのようですが、彼女が溺死しちゃいそうですね。…この人とずっと一緒にいたいな…そう思った矢先、赤ちゃんのお墓でミカはヒロに再会する。


ヒロは、帽子を被っていた。ミカは言う。『…赤ちゃんのこと忘れたかと思った。なぜいつも一方的なの?答えてよ!』 ヒロは何も言わなかった。しかし、まもなく事実が判明。ヒロは、ガンに侵されていた。『…何で言ってくれなかったの?』 『…そんなふうに泣くと思ったからだよ。早く行けよ、あいつのところに。俺ひどいことばっかりしたな。来てくれてありがとう。幸せになれよ。』 『…ヒロじゃなきゃイヤだ!』


『…たくさん遠回りしたね。だけど一番来たかった場所に戻ってこれたんだね。』 ミカは、大学を休業して看病。つかのまの幸せを満喫する2人。しかし、その幸福は長くは続かなかった…。

 

ミカが写真屋に行っている間に、ヒロが危篤状態になってしまう。ケータイに知らせが入り、走り出すミカ。間に合わないので、走りながらテレビ電話で自分を実況中継するミカ。『…もうすぐ行くからね!』 ずいぶん遠い写真屋だなあ。徒歩で行くには遠すぎないか?自転車くらい買ってもらえよ。から揚げ代を節約して。タクシーも走ってないみたいだし、きっとすごい田舎なんですね。で、結局間に合わずヒロは絶命。


『…置いていかないでよ!』 ミカは川原の橋の上から飛び降りようとするが、鳩が羽ばたいて止める(爆笑)。 『…あたしは今でも空に恋をしています。』 あれ、海の男はどうなった?考える間もなく、ミスチルの歌が流れてエンドロール。変てこな気分のまま終了しちゃいました…あ~あ。



この記事書いている時に、損保ジャパンのCMがTVに映りました。この女の子は、もしかしてガッキー? 『…人生は大半がアクシデントです!』 なるほど、よく言った!キミはきっと大物になれるよ。内容はともかく、この役柄に果敢に挑戦したガッキーの勇気を讃えたい。その根性があれば、どんなトンデモ映画にも出演できるぞ。この貴重な経験を生かして、これからもがんばって下さい。…演技力も、ちゃんと磨いてね。




「世界の中心で、愛をさけぶ」 (2004年世界の中心で愛をさけぶ製作委員会)


お次は、通称 “セカチュー” であります。大声大会の映画ではありません。海外旅行で日本人のマナーが悪いって怒られる映画でもありません。エヴァンゲリオンの最終回でもありません。


主演は、大沢たかお。婚約者柴崎コウとの結婚を控えている男。しかし、お互いに何やら悶々と悩んでいる様子。どうやら、彼らには、忘れられない共通の女性がいたみたい。古いカセットテープに録音された声を聞いた途端、封印されていた記憶が甦る。2人とも、何か重大なことを胸に秘めているようだ。お互い別々に失踪し、同じ場所に向かう。


故郷の母校らしき学校を訪れ、ロングコートを羽織って、ウォークマンを聞きながら校内を歩き回る大沢君。これって、不審人物じゃないんでしょうか?学校に誰もいないというのもおかしい。あ、そうか、廃校だったんだ、きっと。


柴崎コウは、足が不自由らしい。びっこ引いているみたいなんだけど、演技がドヘタでよくわかりません。まあ、脇役みたいだから放っておきましょう。セリフが少なくて、いいあんばいです。


1986年の少年時代と、大人になった現代とが、交互に展開するという、慌ただしい構成。大沢君の少年時代は森山未来。クラスの中でも憧れの存在である長澤まさみに告白。『…付き合って下さい。』 『…いいよ。』 ヘタレ少年と、優秀な女とでは、どっちが主導権を取るかは言うまでもありません。この頃から魔性の女の雰囲気タップリですなあ。ラジオ番組が好きな彼女は、カセットテープに声を録音してメッセージを交換することを提案する。


デートして2人きりになっても、なかなかヤラせてもらえません。さすがはプロの女。ガッキーとは違いますなあ。『…キスする時は、夢を語りながらするものよ。』 しかし、一晩過ごした翌朝に、彼女は倒れてしまう。…何と、彼女は白血病だった。彼女の父親に殴られてしまう森山君。彼女は入院することに。恋愛と宗教は、迫害されるとかえって燃え上がるもの。さながら、ロミオとジュリエット状態になりました。


彼女が入院した後も、カセット通信は続いた。病院で知り合った女性の、娘さんである律子ちゃん(小学生)が配達人をしてくれていたのだ。その女の子こそ、柴崎コウの少女時代であった。演じるのは、菅野梨央。


律子ちゃんに頼んで、デートした時に拾ったカメラに収められていたフィルムを写真屋に持っていってもらった。現像すると、キレイな景色の写真がいっぱい。場所はオーストラリアのウルルということろらしい。『…行ってみたいな。』 とナガサワ。 『…よし、行こう!』 と森山君。『…うん、そうだね、行こう!』


写真屋のオヤジを演じたのは、山崎務。“重じい” と呼ばれるシブいおっさん。くわえタバコがカッコいいですなあ。今思うと、「おくりびと」 のキャラと同じかもって思います。彼もまた、50年間思い続けた女がいる、恋愛のプロ。森山君とナガサワちゃんは、この重じいに結婚写真を撮ってもらいました。『…忘れられるのが恐い。』 おお、幽霊になる布石となるセリフでしょうか。生涯ずっと、森山君の枕元に立つつもりかも。


日に日に衰弱していく彼女。森山君には、どうすることもできない。集中治療室に婚姻届を持ってきて、ガラス越しにキス。まだ足りない。僕が彼女にしてあげられることは何だろう?


ダメだってわかっていても、男は行かねばならない時がある。それは、理屈じゃない。そうしなきゃ後悔するから。自分の心に対して、どうしてもつけない嘘がある。若者って、そういうもんです。


台風が近づいてくるさなか、彼は無謀な駆け落ちを計画。2人でオーストラリアに行く決心をして、お忍びで彼女を連れ出し、タクシーに乗る。空港に着いた頃には、彼女は顔面蒼白。どう考えても無理だってわかっているけど、他にどうしようもない。悲しい結末が迫っているのを肌で感じてしまう2人。


案の定、悪天候のため飛行機が欠航。『…困るんです。僕らどうしてもオーストラリアに行かなきゃならないんです!』 受付カウンターでつかみ合いになり、突き飛ばされる森山君。…ヘタレにできるのはここまでか。


『…行けないの?』 『…行けるさ、この次。』 『…この次なんてないんだってば!まだ私、生きてるんだよ。』 倒れるナガサワ。彼女を抱きしめるが、なすすべもない森山君。ここであの有名なセリフが出ます。『…助けて下さい!』 どうやら、世界の中心は高松空港だったらしい。


律子ちゃんが最後のテープを届けようとした日は、雨が降っていた。傘をさして横断歩道を渡る途中、彼女は交通事故に遭ってしまった。それで足に後遺症が残ったんですね。その時のテープは届けられずに、そのまま大人になってしまった。『…私が2人の約束を奪ってしまった。』 大人になった律子は、自分をひたすら責める。


世界の中心・高松空港で2人は再会。『…後片付けしよう。』 ナガサワの最後の願いは、ウルルに自分の灰を撒いて欲しいということだった。2人でオーストラリアへ行き、約束を果たす。 …あれ、ここでは叫ばないの? 『…ここに来て世界の中心がどこにあるかわかった気がする。』 …はあ、やっぱり高松空港ですか。


これは、奇跡の純愛映画だそうですが、あんまり奇跡という感じがしないなあ。唯一奇跡だと思ったのは、雨でずぶ濡れになったカセットテープがちゃんと聞けたということでしょうか。


そもそも、ナガサワが森山君を好きになったきっかけは何だろう?人気者で友達が多いはずの彼女に、見舞い客が全く来ないのは何故なんでしょう? …彼女、以外と嫌われ者で、友達いなかったりして。


大変なのは、むしろこれからでしょう。元カノを引きずっている男と、うしろめたい過去がある女。うーむ、これからきっと修羅場がいくつもあるぞ。時折りナガサワ幽霊がヤキモチ焼いて出現し、3人で盛り上がっていくこと間違いなし。いいなあ、見たいなあ、「セカチュー地獄編」。 …はたして、その時の中心は誰だろう?



「春の雪」 (2005年春の雪製作委員会)


三島由紀夫原作。時は大正元年。主演は、妻夫木聡と竹内結子。2人とも金持ちの子供で、幼馴染。許婚というわけではないが、結婚したいといえばさせてくれそうな関係。男は屈折していて、女は従順。ははあ、何となくこの時点でストーリーが想像できそうですなあ。


こういうシチュエーションでは、男はもの足りないのかもしれない。彼女の気持ちを知っていながら、わざと冷たくする男。友達に紹介しようとしたり、けしかけたり。『…私のことをどう思っているの?』 『…別に。』 これではラチがあきません。


彼の父親が言うには『…年頃になって女っ気がないのはいかん。お前も女を色々知っておけ。』 しかしながら、女中を夜這いに行かせる親父もどうかと。この親を見て育つと、こうなっちゃうんでしょうか。


彼は、彼女に屈辱を与えて痛ぶり、事ある度にいじめる。しかし、彼女の周りには優しい人たちがたくさんいて、坊ちゃんの悪巧みはすぐに見破られてしまい、かえってガキ扱いされてしまう。 『…ちくしょう、バカにしやがって!』 バカなんだからしょうがないじゃん!コントロールできない炎が、メラメラと燃え上がっていく…。


やがて、彼女に見合いの話がやってくる。お相手は、及川光博。おお、ミッチーですか。申し分ありませんなあ。彼女は彼に相談するが、素っ気ない言葉。『…僕には関係のないことだ。』


彼女は何度も手紙をしたためるが、彼は読まずに燃やしたり、破り捨てる始末。そうこうしているうちに、縁組の手続きが整ってしまった。その途端、彼の心が暴走し始める。 『…彼女に会いたい!』


いてもたってもいられずに、彼女に会いに行くが、彼女の世話人のオバチャンにあっさり断られる(そりゃそうだ)。『…自分にとって一番大切な人だと初めてわかった。』 今まで手の届く場所にいた頃は見向きもしなかったのに、自分のもとからいなくなると慌ててしまう…情けないと思うけど、そういうもんかもなあ。 “期間限定” という心理に似ているかもね。


わがまま言い放題で、うまくいかないことは全部人のせいにする男。こりゃあ、若様じゃなくてバカ様ですね。恵まれた家で育っても、人間の品性は持って生まれたものなのかも。これ以降、“バカ様” と表記することにします。


『…まだ遅くない。』 またしても悪巧みをするバカ様。彼女の手紙を公表するぞと脅し、一度だけ会う約束をまんまと取り付ける。世話人のオバチャンに連れ込み宿を手配させ、嫁入り前の娘に手を出す犬畜生・バカ様!


『…こんなことをしたら罰がくだりますよ。』 『…構うものか!』 彼女は申し訳程度に抵抗するが、もともと好きだった男だから、途中から彼女の方が積極的になってしまう(爆笑)。 …うーむ、屈折した関係の方が燃えるのかなあ。ここで、観客オヤジは一斉に身構える!


しかしながら、濡れ場ってほどの場面もなく、次の瞬間には、しっかり服を着た彼女と、ふんどし一丁のバカ様が映る。彼女は、シャツを着せてあげて背中に頬擦り。 『…ああ、なんて罪なお方なんでしょう。』


観客オヤジ玉砕。一気に萎えていくと同時に、行き場の無い怒りが込み上げる!ここは、力一杯ブーイングするしかないでしょう。


世話人のオバチャンは彼に言う。『…これで気が済んだでしょう。さあ、約束通り手紙をお返し下さい。』 しかし、もともと処分しちゃって持ってないから、バカ様は返答に困ってしまう。 『…いや、まだ渡すわけにはいかんな。またこうして会いたい。』 『…ひどいですわそんな。約束が違う!』 バカ様を責めるオバチャン。


『…いいのよあたしは。清様が気持ちよく手紙を返して下さるまで何度でもお会いします。』 …うわあ、何てアブノーマルな関係!…かくして、色と欲の逢瀬が始まるのであった。でも濡れ場は皆無。この時点で、観客オヤジの怒りはピークに。 …こんなバカ、さっさとくたばってしまえ!


一度や二度ならまだしも、これだけしょっちゅう逢引していると、次第に人目がうるさくなるもの。悪い噂も立ち始めた。同じ宿ばかりでは、目立ってしまう。オバチャンはため息をついて、『…若様、ここはもう危のうございます…。』 とこぼすが、バカ様はいたってのん気。 『…では、どうしたらいいのだ。他に当てはあるのか?』 オバチャンはブチ切れる。『…今日はお帰り下さいませ、若様!』(爆笑) 全く、オバチャンの言う通りだ。オマエは帰ってセンズリでもコイてろ!ウスラバカ!


そうこうしているうちに、嫁入り前の娘はついに身ごもってしまう(大爆笑)。 『…このことが公になれば、若様に迷惑がかかってしまう。始末するしかありません。』 …うう、なんていい女なんだろう。女優はイマイチだけど、 女の設定は魅力的だ。男の設定はムチャクチャだけど、男優はピッタリだ。


この映画は、主役が悪役です。観客全員に憎まれたせいか、後半になってバカ様は咳ゴホゴホ。どうやら、結核になったらしい。やったあ、お前なんか早く死んじまえ!さあ死ね、すぐ死ね、今死んでしまえ!


妊娠と堕胎の事実を同時に知って、ショックを受けるバカ様。これって自業自得ですね。『…聡子は僕のものだ。僕らは愛し合っています!』 親父にどつかれるバカ様(爆笑)。『…お前がどう責任を取ると言うんだ!』 鈍感で救いようのないバカ様。自己中心的な恋はすぐに破綻するもの。相手の気持ちを無視した行為は愛じゃない。それは、暴力と同じ。


子を始末した後、尼寺を訪れた彼女は、自ら髪をバッサリ切り落とす。『…こうするしかないのです。一刻も早く剃髪していただきたいのです。』 見上げた女です。やっぱりバカ様にはもったいない。『…この世では、もう二度とあの人とは会わない。』 出家を決意する彼女。


『…これから彼女に会いに行く。俺は自分が何を欲しているのかわかった…ゴホゴホ。』 バカ様は尼寺を訪ねて懇願するが、門前払い。『…会わせるわけにはまいりません。』 『…では、ここで待たせていただきます…ゴホゴホ。』 顔面蒼白になり、死にかけるバカ様。友人も駆けつけてお願いするも、許しは出ず。やがて…衰弱して喀血!…おおっ、いよいよバカが死ぬか?


その時、雪が舞う。これがホントのユキ倒れ…ってまだ生きてるじゃん!なかなかしぶといなあ、バカ様。バカは風邪引かないらしいけど、結核にはなるみたい。バカは死ななかったので治りませんでした。どうするんだよあんた、これからの人生…。ここで映画は終了。宇多田ヒカルのエンディングが、よりいっそう寂しく感じました。


…教訓。告白は早めに、秘め事は計画的に。…体調を整えた上で、レッツ暴走!




今回は、これにて終了です。恋愛映画は、トンデモであればあるほど面白い。現実にできないことをやるからいいんです。よくも悪くも、人生の勉強になるというもの。今年も残りわずか。素敵な恋愛をお楽しみ下さい。メリー・クリスマス。




いいね!した人  |  リブログ(0)
2008-12-23

劇場版 ゲゲゲの鬼太郎 日本爆裂 !!

テーマ:アニメ・特撮

妖怪から神話につながっていく奥行きが面白い。 …鬼太郎がいる限り、日本は不滅です。


ウエンツの実写映画ではなく、今度はアニメ映画です。もとがマンガだから、俺的にはこっちの方がいい。娘へのクリスマスプレゼントとして、一緒に見に行きました。


原作は、水木しげるの同名マンガ。監督は、古賀豪。脚本は、三条陸。監修は、京極夏彦。


声の出演は、高山みなみ、田の中勇、今野宏美、高木渉、山本圭子、瀧田直樹、八奈見乗児、小林沙苗、藤田淑子、石塚運昇、小杉十郎太。


さて、映画ですが、クオリティの高い作品に仕上がりました。鬼太郎ファンは必見です。さすがは水木マインドの後継者・京極夏彦が監修しただけのことはあります。大人の鑑賞にたえられる映像美でありながらも、子供の目線を外さない、しなやかで力強い映画になりました。


声優が、プロで統一されている点も素晴らしい。ヘタな芸能人を使うのが最近のお約束になりつつある現代において、この徹底ぶりは評価に値します。見ていて姿勢を正している自分に気づいて、何だかうれしくなりました。


これは、最近の子供向けアニメ映画の中でも、群を抜いてレベルが高いと思います。だからといって、難しいテーマというわけじゃなく、あくまでもシンプルな話なんですが、何というか、作品の奥行きが深いというか、心に残るスタイルなんですね。これぞ、劇場映画だと言えるのではないでしょうか。


最近の鬼太郎は、ずいぶんオシャレになりました。毎日シャンプーしてるかのような、サラサラ髪。猫娘はかわいすぎるくらいの美少女だし、やっぱり今どきだなあって思います。まあ、俺の考えとしては、妖怪のオーラがきれいだと、いい匂いがするもんだし、霊格が高ければ、洗わなくても体が勝手にキレイになる。なんて風に思うことにしています。だからOK。


もちろん、オールドファンにも楽しみがあります。ゲスト出演として、あの懐かしい声優たちが冒頭に登場しますので、最初からじっくりとお楽しみ下さい。親子はもちろん、じいちゃんと孫の組み合わせでも話題充分なので、安心してご覧下さい。


そして、オヤジのみなさんは、雪女のセクシーな胸元をお見逃しなく。雪女の胸ってこんなにグラマーでいいのか?計3回くらい胸元がチラッとなりますので、しっかりと胸に刻みましょう。(胸元ビームは絶品!)




やっぱりねえ、妖怪って面白い。人間の内面が具象化したものであるとすれば、妖怪と共鳴できる部分が誰にでもあるということでしょう。人間1人1人がそれぞれ違うように、自分に相対する妖怪も様々。ちなみに俺は、うわんという妖怪が好きです。さあ、あなたの好きな妖怪は何ですか?


妖怪と人間の関係って面白い。妖怪が先なのか、人間が先なのか、同時に生まれたのか。それは、誰にもわからない。だから、調べるよりも、自分の心に聞いてみましょう。面白い方向、楽しい方向に考えていけば、必ずたどり着ける。そこが、自分の本来の居場所なのかもしれない。


素直な心を失わない人には、妖怪が見えるかも。やさしい心を持った人には、妖怪の気持ちがわかるかも。強い心を持った人には、強い妖怪が応援してくれるかも。


だから、妖怪と友達になろう。自分と気の合った妖怪と一緒に、自分の人生を楽しもう。キミが笑った時に、妖怪もきっと微笑んでくれる。つらい時は、キミと一緒に泣いてくれる。キミががんばる時には、妖怪は応援してくれる。そんな風に考えてみると、世の中が違って見えてくるかもしれない。


妖怪は本当にいるのかって?いるに決まってんじゃん!理由はカンタン。いた方が面白いから。クリスマスだからついでにもうひとつ言いましょう。サンタクロースはいるのか? ズバリ、います! …いた方が面白いから!




【鑑賞メモ】

鑑賞日:12月21日 劇場:T-JOY新潟 14:25の回 観客:約30人

子供も多かったけど、大人も多いなあ。みなさんマナーがとてもよかった。妖怪の力ですね。


【上映時間とワンポイント】

約1時間20分。冒頭に、ショートフィルムのオマケ映像あり。そこに彼らが登場します。


【オススメ類似作品】


「蟲師」

漆原友紀原作のアニメーション。蟲という存在が、日本の無形世界を構築しているような気がして、日本人の感性を刺激します。やさしく、淡く切ない演出はお見事。日本という国でしか生まれない、極上の作品です。俺、DVD-BOX買っちゃいました。どの話でもいいので、だまされたと思って1回見て下さい。この世にいるうちに。


「地獄少女」

鬼太郎が陽の仕事を担当しているなら、地獄少女は陰の仕事を担当しているとも言える。後半はイマイチだったけど、前半の盛り上がりは絶品。ちなみに、日野日出志のホラーマンガとは別モノです。


「夏目友人帳」

最近見たもので、印象が良かったのでご紹介。霊能力があった祖母の力を受けついだ、高校生の少年が主人公。祖母がやり残した仕事を受け継ごうと決心する。パートナーは、“にゃんこ先生”。かわいいのかどうか微妙ですが、妻には大ウケでした。やっぱりねえ、大人にも遊び心って必要ですよ。




いいね!した人  |  リブログ(0)
2008-12-22

接吻

テーマ:邦画

衝撃か、あるいは肩透かしか。 …シリアス映画がトンデモ映画になる瞬間を見逃すな。


話題の映画が、ついに新潟でも公開。シネウインドで1月第一週まで上映中。いかにもな大作がズラリと並ぶ映画館に魅力を感じない人には、これをオススメします。


“接吻(せっぷん)” とは、年の数だけ豆まきを…ってそれは節分だろ!ははあ、プルーンで取れる栄養素…ってそれは鉄分。わかった、光合成でできるアレだ!…ってそれはでんぷん。はい、そういうわけで、“接吻” とは、広辞苑によれば “くちづけ、くちすい、キス” という意味。 “口吸い” だって…エロいなあ広辞苑。ディープキスなら “吸い合い” ってところでしょうか…ムッフッフ。


それにしてもすげえタイトル。オヤジのみなさんは、エロ映画だと勘違いしないようにご注意下さい。いたって真面目な映画です。濡れ場とか一切ないので変な期待しちゃいけませんよ。 えっ、そりゃお前だろうって?…当たり前じゃん!


監督・脚本は、万田邦敏。監督の妻である万田珠実との共同脚本であることに注目したい。出演は、小池栄子、豊川悦司、仲村トオル、篠田三郎。すげえ、NIGHTHEADにビーバップハイスクールにウルトラマンタロウかあ。3人がかりで挑んでも、コイケ魔人に苦戦しそう。


TVに映った殺人犯に一目惚れしてしまったOLが主人公。その瞬間から、彼女の人生は一変してしまった。大人しかった女が次第に積極的になり、行動を開始する…。


主演は、小池栄子。TVドラマ 「大奥」 でチラッと見た限りでは、ふてぶてしい存在感が面白い女優だと思いましたが、彼女の演技をじっくり見るのは、これが初めて。登場シーンからいきなり妖しいオーラを放っていたので、思わずこっちが殺人鬼かと思ってしまいました。


演技自体は、まだまだ未知数だと思いますが、色んな可能性を秘めた面白い女優さんだと思います。少なくとも 「愛ルケ」 の寺島しのぶより数倍魅力的だと思う。28歳という年齢もオイシイ。


彼女を見ていると、役柄に溶け込むというよりは、自分の中のそういう部分を引き出して演じているような感じがしました。華やかなグラビアアイドルの世界でも、それなりの苦悩はあったはず。そういうダークな気持ちは封印されがちですが、演技の中でいい方向に開放されればいいと思います。


本作の主人公は、“地味で孤独な女” という設定みたいだけど、彼女が演じることによって、秘めた力を持った魔性の女としての魅力がプラスされたように思う。もうちょっと力をつけたら、長澤まさみとサスペンス映画で共演してもらえたらいいな。


殺人犯を演じたのは、豊川悦司。劇中は、ほとんどセリフがありませんが、それだけに彼の独特な低いダミ声が効果的に使われます。彼は、口数が少ない役柄の方が際立つ俳優だと思います。そういう意味で、「八つ墓村」 はキャラが変てこになってしまった感が強い。


トヨエツの兄を演じたのが、ウルトラマンタロウ。タロウもすっかり白髪が増えました。三郎なのにずっとタロウと呼ばれてきた男。いいじゃん、俺らにとっては、彼は永遠にタロウなんです。彼の声がまた独特で、トヨエツとは対照的な甘い声。文学的な香りもするその声は、俺にとってあこがれでもあります。彼らが兄弟というだけで、ウルトラな両親だったんじゃないかって思います。今回彼の出番はちょっとだけど、とても印象的でした。


特筆すべきは、国選弁護士を演じた仲村トオルでしょう。ピッタリのハマリ役でした。ビーバップのチンピラ学生が、あぶない刑事に振り回されるつかいっ走りになった時はどうしようかと思いましたが、その後着実にキャリアを積み重ね、今ではすっかり実力派俳優になりました。個人的に、彼は本木雅弘とオーラが似ていると思うんです。しなやかな感性を持っている点を、俺は評価したい。


「海猫」 もそうでしたが、彼は、微妙な立場に立つ男の心情を表現できる、貴重な俳優です。一見、表情が固そうなんですが、声色の使い分けとか、小さなアクションで伝えていくというか、よく見ると細かい演技をしていると思います。そのナイーブさが女性ファンの心をとらえ、一方では 「クローズ」 でヤクザの兄ちゃんを気持ちよく演じて野郎どもの心もガッチリ掴むというマルチな男。


本作では、主演の2人を客観的な立場で洞察する、おいしいポジションに立っています。映画の中で、唯一マトモな人間を演じていますが、彼もまた、自分の中に何かを感じるようになる。抑えた演技の中にキラリと光る、男の色気をご堪能下さい。


これはどういう映画ですかと聞かれれば、恋愛映画です、と答えておきましょう。基本は恋愛映画なんですが、深い人間ドラマでもある。ターゲットは、孤独な人たち。恋愛というものに今まで無縁だった人は、この映画を見ると何かが変わるかもしれません。見る人によってはいい教材であり、人によってはホラーにもなり得る。




この映画の魅力は、封印されていた感情が噴き出してくるプロセスにあります。普通の女が恋をすると、かわいらしさが出てくるもんですが、彼女は違う。本能がだんだん剥き出しになっていくにつれ、覚悟の表情に変わっていく。まさに、確信犯。相手が殺人犯であることを超えた、本気の恋。


彼女のすごいところは、暴走しても冷静でいられること。どうやったら自分の思いが遂げられるか、クールに分析している。邪魔が入っても動じない。むしろ自分が前へ進むエネルギーに変えていく。


ここで考えたいのは、彼女の大胆な行動の原動力は、彼女本来の力であるということ。トヨエツは、そのきっかけを与えたに過ぎない。そう思うと、冒頭から妖しいと感じたオーラも、ある意味納得できるというもの。


だからこれ、普通の女の物語じゃないのかもしれない。いや、そもそも普通の女なんていないのかもしれない。みんな心にダークな世界を持っていて、その封印された感情を開けてくれる鍵を持った男を待っているのかもしれない。本来の自分を解き放ってくれる、運命の人を。


恋愛って、相手がいる以上、終始両思いってわけにはいかない。追いかけて追いかけて追い越してしまったなんて体験もよくあること。相手の気持ちを無視した行動は、ただの暴走でしかない。映画の中で、2人の力関係がどう変化するのか、しっかり見ていて下さい。


恋愛は、面白い。恋愛映画こそは、最高の恋愛シュミレーションである。人を好きになるのに理由はいらない。気がついたら好きになっていた。それでいい。好きになるのは自由。好かれるかどうかは、相手の自由。所詮、自分の心も相手の心も、思い通りになんかならない。だから面白い。


人間は、気持ちで動くもの。好きなものは好き。嫌いなものは嫌い。人間として守るべきルールはある。だけど、心だけはいつも自由でいたい。彼女の行動を通して、自分のあるべき姿を考えるべし。




【鑑賞メモ】

鑑賞日:12月21日 劇場:シネウインド 11:35の回 観客:約50人

今年最後のシネウインドでした。1年間にここで見た映画は17本。どうもお世話になりました。


【上映時間とワンポイント】

1時間48分。ちょうどいい長さでした。1人でじっくりとご覧下さい。


【オススメ類似作品】


「海猫」 (2004年海猫製作委員会)

監督:森田芳光、原作:谷村志穂、出演:伊東美咲。猟師の嫁として、漁村に嫁いだ女の壮絶な物語。彼女の義理の弟を、仲村トオルが熱演しています。伊東美咲の演技にイライラ&ムラムラ。ちくしょう、中途半端な色気で男を誘惑するんじゃねえ!


「愛の流刑地」 (2007年東宝)

監督:鶴橋康夫、原作:渡辺淳一、出演:豊川悦司。いわゆる 「愛ルケ」 であります。主題歌は平井堅の 「哀歌(エレジー)」。寺島しのぶの登場場面がカマトトぶってる感じがして嘘くさかったけど、年配の人に大ウケしたみたいなので、一応紹介しておきます。個人的には、小池栄子をキャスティングしてもう1回撮って欲しい。


「デイジー」 (2006年韓国)

監督:アンドリュー・ラウ、出演:チョン・ジヒョン。刑事と殺し屋に愛された女の物語。かわいそうなくらい純粋な女の子が、「4人の食卓」 で世話の焼ける霊能者を演じた女と同一人物だと思うと笑えます。彼女は、どっちの男と結ばれたら幸福になれるのか?たぶん、どっちもダメでしょう。…だから、俺がもらう!




いいね!した人  |  リブログ(0)
2008-12-22

地球が静止する日

テーマ:洋画

宇宙人ヤクザの “地上げ” ムービー登場。 …さあ、これを正視できるか?


SF映画の古典的名作 「地球の静止する日」 が、現代風にアレンジされてリメイク。“の” と “が” が違うのでご注意。ただし、原題はどちらも 「The day the errth stood still」 です。


監督は、スコット・デリクソン、出演は、キアヌ・リーブス、ジェニファー・コネリー、ジェイデン・スミス、ジョン・クリーズ、ジョン・ハム、キャシー・ベイツ。


さて、映画ですが、見ている方が静止してしまいそうな仕上がりでした。スケールはデカいが、中身は限りなくショボい。期待して見に行っただけにガッカリでした。見に行く人は、それなりに覚悟して下さい。


謎の球体が、いきなりニューヨークに出現。宇宙人が言うには、『…この星は死にかけている。人類が殺そうとしている。人類が死ねば、地球は救われる。』 はあ、ムチャクチャですなあ。これって、ヤクザの地上げですね。人類がいなくなった後に、奴らが住む気なんでしょう。…さあ、どうする人類?


主演のキアヌ・リーブスは、表情が固い俳優なので、無機質感があって作り物くさいイメージ。それが本作に合っているような気がする。キャスティングとしては悪くないでしょう。たぶん。顔がSFしてるし。


ヒロイン(なのかどうかわからんが)を演じるのは、ジェニファー・コネリー。もう38歳ですが、やっぱりキレイですねえ、彼女。宇宙人役でもよさそうだけど、本作では、息子を持ったシングルマザーを演じています。 (ちなみに 「ダーク・ウォーター」 では娘を持ったシングルマザーでした)


この2人、いいのかどうか微妙。何というか、うまくかみ合っていないような気もします。ジェニファーの演技って、共演者に左右されるのかもしれないなあ。キアヌ相手なら、無機質な演技の方がいいかも。


キャシー・ベイツをキャスティングした効果が薄い。これだったら、彼女じゃなくてもよかったように思います。せっかく彼女を起用したんだから、もっと色々と小技を効かせて欲しかったかな、って残念に思います。


この映画の最大の魅力は、“光る球体” だと思います。予告編で見た緑の球体があまりにも美しく、ワクワクするようなデザインだったので、見に行こうと思ったんです。劇場のスクリーンで見るそれは見事なものでした。これを見るためだけにお金を払ったとしても惜しくない。ただ、中身がアレじゃねえ…。


この映画のサイテーなところは、あのロボットです。こりゃあ、いくらなんでもヒドい。デザインがマッチョ過ぎる。これではまるで、ペプシマンみたいじゃん。ザクのモノアイなんか付けてもダマされんぞ。…ああ、最悪のセンス。


旧作のぼってりしたデザインが現代に通用しないのはわかっているけど、いくらなんでもこれはないでしょう。SFというテイストが思いっきり薄まっただけじゃなく、誰かのイタズラみたいな雰囲気すら感じられて、ムードぶちこわしでんなあ。“侵略” という緊張感が、一気に萎える瞬間でした。せめてテイストだけは残して欲しかったなあ。


本作は、どういった層にウケるんだろう?キアヌのファン限定か?マッチョなマネキンフェチか?ゲテモノ大好きな連中か?正直に言わせてもらうと、「トロピック・サンダー」 といい勝負かもしれない。


地球が静止。観客も静止。心臓も静止。心は凍りつき、感情は萎える。核の冬が脳を覆い、血流は停止した後に逆流を開始。行き場のない怒りが込み上げて、絶望に打ちひしがれる。ああちくしょう、こんな世の中、滅びてしまえ!宇宙人を道連れに、みんな燃え尽きてしまえ!


住み慣れた地球を、あっさりよこせと言うキアヌ宇宙人。いっぱいツッコめる宇宙人。能力が高いんだか低いんだかよくわからん宇宙人。以外と無知な宇宙人。こいつ、マユツバだと思います。地球人同士だってロクに信頼し合っていないのに、初対面のヨソ者宇宙人なんか信用できるかっつーの。お前、故郷の刑務所から逃げてきた脱走犯じゃねえのか?それともリストラされて地方に飛ばされたのか?


彼の態度を見れば、奴らがどんな種族かわかるというもの。幽霊にも色んなのがいるように、宇宙人だってピンキリです。少なくとも、こんなバカっぽい宇宙人はイヤだ!


地球が静止するかどうかなんて、地球の気分次第。地球がいつ滅びようが、それは地球の勝手。疲れたら休むだろうし、死にたくなったら活動を停止するかもしれない。それでいい。無限で安定したものなんて、この世にはない。期間限定だからこそ大切にするんだし、限りがあるからこそ価値があるのだ。


人間、いつ死ぬかわからない。一瞬の命のきらめきの中に、生きている実感をつかむのだ。その一瞬が永遠となり、心に刻まれることによって、生命は輝くのだ。宇宙人に言われなくても、我々はそういう部分を本能的に悟っているもの。


いきなりやって来て指図するような男の話は、まともに聞かない方がいいでしょう。こういう新種の詐欺が今後起こらないとも限らないので、年末の訪問客にはご用心。 …迷った時は、心の声に従え。甘いマスクにダマされるな!




【鑑賞メモ】

鑑賞日:12月18日 劇場:ワーナーマイカル県央 21:50の回 観客:約50人

前夜祭で見に行きました。やっぱり男性が多かったかな。


【上映時間とワンポイント】

1時間46分。時間の割りに、長く感じてしまった。…これは損か得か。


【オススメ類似作品】


「地球の静止する日」 (1951年アメリカ)

監督:ロバート・ワイズ、原作:ハリー・ベイツ、出演:マイケル・レニー。本作は球体でしたが、オリジナルではしっかり円盤です。モノクロの静かな迫力映像をご堪能下さい。


「V」 (1980年代のTVシリーズ)

出演:マーク・シンガー。“V” は “ビジター(来訪者)” の意味。世界中にUFOが現れ、地球を侵略しようとする宇宙人が登場。ネズミを生で食うような下品なトカゲ宇宙人は、さっさと始末してしまいましょう。冒頭はシリアスですが、中盤以降、急激にユルくなるので根気よくやっつけましょう。UFOに追われているのに、馬に乗って逃げる場面は爆笑でした。


「ワールド・アパートメント・ホラー」 (1991年ソニーミュージックエンターテイメント)

監督・脚本:大友克洋の実写映画。ヤクザの地上げムービーといえば、やっぱりコレでしょう。言葉の通じない外国人相手に、ヤクザの兄ちゃんがキレまくり。キアヌよりこっちの方がクールでカッコいいぜ!


「ウルトラセブン」 第6話 「ダークゾーン」 (1967年TVシリーズ)

ペガッサ星が送り込んだ破壊工作員が登場。偉そうにしているが、情けない結果になって大慌て。地球をナメんじゃねえぞ。おととい来やがれ、チンピラ!




いいね!した人  |  リブログ(0)
2008-12-21

トロピック・サンダー 史上最低の作戦

テーマ:洋画

登場人物が全員イカレているから、映画自体が地味になっちゃいました。


本来、「ボーダーライン」 を見に行く予定だったのですが、インターネットで調べた時間で見に行ったら、これしかやってなかったので、仕方なく見ることにしました。どうなってんだよ、T-JOY新潟!


“tropic thunder” とは、この映画の中に出てくる戦争映画のタイトル。意味は、“熱帯の雷鳴” …でいいのかな。(ちなみに “稲妻” は “thunderbolt” ) 要するに、スゴい軍隊ってことで。


製作・監督・原案・脚本・主演は、ベン・スティラー。つまり、やりたい放題ってことですね。他の出演者は、ジャック・ブラック、ロバート・ダウニーJr.、ニック・ノルティ、マシュー・マコノヒー、ジョン・ボイト…っておいおい!豪華過ぎるんじゃねえの?そして、ハゲヅラを被っているあの男は、○ム・○○ー○!うわあ、ファンが見たら卒倒しそう。(あ、でも過去の作品で老けメイクしてるからセーフか)


さて、映画ですが、とことんバカ過ぎて、かえってシラケちゃいました。PG12だから、それなりのものを期待したのがいけなかったかなあ。これは、どういう人にオススメしたらいいのかわかりません。もうちょい、どうにかならんか。


かつて人気があったけど、現在落ち目になってしまった俳優3人が、起死回生のチャンスとして超大作アクション映画で共演することに。張り切る3人であったが、それぞれの演技がかみ合わず、撮影はさっぱり進まない。そこで製作陣は、ある “作戦” を密かに実行する…。


主演のベン・スティラーは、役者として面白いと思います。ただ、本作は悪ノリしすぎて俺的にはひいちゃいました。こういうスタイルが好きな人には、たぶん大ウケなんでしょう。


ジャック・ブラックは、人間的にきっといい人なんだと思う。どんな映画にも気持ちよく出演してくれるナイスガイなんだと思います。ただし、主役のベンと同様、かなりユルいキャラだった。


しかし、ロバート・ダウニーJr.だけは違う。「アイアンマン」 でもそうだったけど、最近の彼のイカレっぷりは、見事と言う他ない。俳優として着実に面白くなっていると思います。さすが、だてにヤクやってませんなあ。画面に映る彼を見ていると、もう恐いもんなしって感じがします。今後の彼は、きっと飛躍的に役柄が広がっていくに違いない。何だかすごく楽しみ。


だけど、他の出演者とのカラミがどうもしっくりこないような…。うーん、これは役者としてのカラーなのかなあ。ちょっともったいないような気がしました。魅力的なキャラなんだけどなあ。


その他、大物俳優が脇役として大挙出演していますが、ちょっと目立ち過ぎかと。もはやカメオ出演という枠を超えてしまっている人もいます。色んな意味で、どうにもバランスの悪い映画でした。


映画の内容も、様々な名作のパロディを盛り込んでいますが、センスがどうも…。爆笑というより、失笑という感じでした。何だか下を向きたくなるような恥ずかしさ。出てくるのは、ため息ばかり。


というわけなので、見ていて眠気がくるようなウルトラ退屈映画でした。不眠症の人は、これを見たら治るかも。うるさい場面も多いから、イビキかいてもきっとわかんないかも。


それにしても、これだけテンション高い出演者がいっぱいいて、どうしてこんなに映画がつまんないんだろう?それはきっと、比較するものがないからかもしれない。みんなイカレているから、それが普通になっちゃうんですね…ってダメじゃん!


テンション高い人たちの中にいると、自分のテンションって下がりませんか?だからこの映画は、空気が読める人かどうかを判別する映画かもしれない…なんてね。KYの俺にはわからんなあ。


あ、そうか。もしかしてみんなでヤクやりながら映画撮ったとか。そうか、それなら納得だ。ヤクが効いてトリップする瞬間が、“トロピック・サンダー” なんだ!


ナパームどっかん、トロピック・サンダー!地雷踏んだら、トロピック・サンダー!あなたとわたしのトロピック・サンダー!レッツ・エンジョイ、トロピック・サンダー!轟け雷鳴、トロピック・サンダー!すいててよかった、トロピック・サンダー!



【鑑賞メモ】

鑑賞日:12月17日 劇場:T-JOY新潟 21:05の回 観客:2人

俺と、大人しそうなオバチャンだけでした。主演が3人もいるのに、観客の方が少なかったなあ、トホホ。


【上映時間とワンポイント】

1時間47分。もうこれは、酔った勢いで行くしかない!お酒飲めない人は、落ち込んで死にたい時に行こう!こんなバカどもより、自分の方がマシだって思えるぞ!


【オススメ類似作品】


「ラスト・アクション・ヒーロー」 (1993年アメリカ)

監督:ジョン・マクティアナン、出演:アーノルド・シュワルツェネッガー。「ダイ・ハード」 の一発屋監督、ジョン・マクティアナンがシュワちゃんを起用して無理矢理作ったズッコケ・ムービー。アクション映画俳優が、現実の世界で四苦八苦する物語。悲しいくらいスベリっぱなしの画面が涙を誘います。でも、本作よりはずっと面白かったと思う。


「ミート・ザ・ペアレンツ」 (2000年アメリカ)

監督:ジェイ・ローチ、出演:ロバート・デ・ニーロ。本作主演のベン・スティラーが、デ・ニーロ親父の娘の恋人を演じています。期待してなかった分、以外と面白かった。2作目もあるみたい。


「若き勇者たち」 (1984年アメリカ)

監督:ジョン・ミリアス、原作:ケビン・レイノルズ、出演:C・トーマス・ハウエル。戦争ゴッコモドキでも、このくらいシリアスだと、何だかすごいと感じてしまう。異色だけど、妙に心に残る映画だった。




いいね!した人  |  リブログ(0)
2008-12-14

ハロウィン

テーマ:洋画

少年は黙々と “仕事” をしていくしかなかった。 …まるで自分の天職であるかのように。


1978年に公開されたジョン・カーペンター監督の同名ホラー映画が、30年の時を経てリメイク。登場する殺人鬼の名前は、ブギーマン。年代でいうと、「悪魔のいけにえ」 のレザーフェイスの後輩であり、「13日の金曜日」 のジェイソンの先輩といえばわかりやすいかと。


監督・脚本は、デスメタルの第一人者、ロブ・ゾンビ。出演は、デーグ・フェア、タイラー・メイン、マルコム・マクダウェル、シェリ・ムーン・ゾンビ、スカウト・テイラー・コンプトン、ブラッド・ドゥーリフ。


さて、映画ですが、オリジナルのテイストを敬愛しながらも、新しいカラーを目指した、意欲的な作品に仕上がりました。雰囲気は抜群なので、そこら辺の軽いホラーに比べて気合いが入っています。ただ、細かい点でアラが目立つので、小さいことは気にしちゃいかんかなあと。


少年は、ひたすら孤独だった。イジめられっ子で、友達もいない。家族からもイヤミを言われ、居場所がない。小動物を殺して写真を撮り、カバンに入れて持ち歩く癖があった。ハロウィン祭りの夜、彼の目が異様な光を放った…。


マイケル・マイヤーズの少年時代を演じたデーグ・フェアは、普段はあどけない少年だけど、時折ものすごい表情をします。彼を起用したロブ監督の眼力は大したもんだと思う。これなら、ブギーマンの少年時代として申し分ない。ただ、子供の体力と知能で、あれだけできるのか考えると、話がウマ過ぎるような気がして、ちょっとシラケてしまいました。


一方、青年として成長した彼を演じたタイラー・メインは、プロレスラー出身の俳優だそうで、動きがかなりマッチョ。これなら誰でも簡単に殺せそうだと思いますが、精神的な異常性が乏しくなる欠点も。アクション映画ならいいんですが、これ一応ホラー映画だしね。


マイケルの理解者ルーミス医師を演じるのは、マルコム・マクダウェル。「時計じかけのオレンジ」 のジャンキー青年も、ヒゲをたくわえた立派なジイさんになりました。オリジナルでこの役を演じた故・ドナルド・プレザンスとは旧友だったそうで、味わい深い演技を披露しています。


マイケルの妹ローリーを演じるのは、スカウト・テイラー・コンプトン。とってもかわいいメガネ女子として登場しますが、こんなにかわいくていいのか?まあ、いいのか。オリジナルでは若かりし頃のジェイミー・リー・カーチスでしたが、思春期の俺が見てもあまりきれいとは思えなかったので。そこがかえって影があっていいとも思うんですが、本作のスカウト嬢はキレイ過ぎてちょっと心配だなあ。(ザ・余計なお世話)


ジョン・カーペンター監督という人は、“職人監督” としても有名。彼の作品は、確かほとんどが100分くらいにまとまっていると思いました。地味でストイック。緻密な計算能力と、ジワジワとわき上がる演出力。孤独な主人公の環境とか、何と言うか、画面に映っていないものまで想像できるというか、そういう魅力があったようにも思う。


ただ、今どきの映画でいうと、彼のスタイルはいささかクラシカルなのかもしれない。そこで、ロブ・ゾンビ監督の登場となる。今どきの若者にウケるスタイルが、本作ということなんでしょう。


確かに、イマジネーションを刺激する部分は薄いけど、ロックをガンガンかけるところや、オリジナルテーマ曲(カーペンター監督自身が作曲)を使用している点を見ても、作品世界を充分理解しているんだろうと思う。現代に登場するブギーマンは、どういうスタイルのモンスターなのか。劇場で確認して下さい。




人は、なぜ人を殺すのか。理由なんてないのかもしれないけど、人はどうしても理由を考えてしまう。理由が見つけられないからこそ恐いのだ。自分を守る術がないから恐いのだ。だから、こうだから殺した、という理由をつけないと気がすまない。黒沢清監督の 「CURE」 が恐いのは、普通の人間が、次の瞬間いとも簡単に人を殺してしまうからだ。しかも、本人に聞いても理由はわからない。


本作のマイケル少年は、人を殺しそうな顔をする瞬間がある。そこが、この映画の最大の魅力かもしれない。子供の頃にイジメられた経験を持つ人なら、彼の気持ちがわかるかも。ああいう表情をした瞬間が、自分にもあったかもしれないから。


人を殺したいと思ったことはあっても、実際に殺す人はほとんどいない。でも、一線を越えて殺してしまったら?自分には何もないと思っていた男が、殺人をすることで心のきらめきを感じたら?マイケル少年のように、屈折しまくって歪んだ心の持ち主がそういう体験をしたら?


考えれば考えるほど、アブない世界に行きそうですが、誰でもそうなる可能性があるからこそ考える意味があると俺は思うんです。心というのは、暴走すると制御できない一面があるからこそ、冷静な時に考えておく必要がある。そういう精神シミュレーションの題材が、映画なんです。


少年を追いつめたものは何か。少年自身が乗り越えられなかったものは何か。家族や友達の役割とは。いやいや、そういうことじゃない。一番大事なのは、本人自身が本当はどうしたかったのか。それを、少年のあの表情を見て感じ取りたい。 …あそこでああしたら、こうなったんじゃないかって。


ホラー映画なんだから、楽しめばいいってだけのもんじゃない。そこから学ぶのだ。生きる力に変えるのだ。それができてこそ、プロの観客なのだ。殺人願望は、ホラー映画で発散すべし。映画を見た後は、優しいいつもの顔に戻るのだ。


そして、日常生活で理不尽な目に遭ったら、学校や職場でイジメられたら、憎らしいあいつを睨んでやれ。あのマイケルの視線で。 …食らえ、ブギーマン・ビーム!




【鑑賞メモ】

鑑賞日:12月10日 劇場:ワーナーマイカル新潟 21:25の回 観客:3人

俺と、カップルが1組だけ。 …あのう、デート盛り上がりましたか?(ザ・余計なお世話)


【上映時間とワンポイント】

1時間49分。余談ですが、シリーズ第1作のマスクは、ウィリアム・シャトナーのラバーマスクを改造したものだったとか。「スタートレック」 のカーク船長が人殺しのアイテムとは笑えますね。


【オススメ類似作品】


「ハロウィン」 (1978年アメリカ)

監督・脚本・音楽:ジョン・カーペンター、出演:ドナルド・プレザンス、ジェイミー・リー・カーチス。記念すべきシリーズ第1作。約32万ドルで製作した映画が、公開時で700万ドル、その後拡大公開されて全世界で5500万ドルの興行収入を得た、まさにモンスター映画。これを見ずして本作は語れない!


「遊星からの物体X」 (1982年アメリカ)

監督:ジョン・カーペンター、原作:ジョン・W・キャンベル、出演:カート・ラッセル。カーペンター監督作品の中で、俺の一番のお気に入り。1951年に製作された「遊星よりの物体X」(どちらも原題はTHE THING)のリメイクでもあります。ロブ・ボーティンの特殊効果は最高でした。魅力あふれるSF映画の傑作。


「テキサス・チェーンソー・ビギニング」 (2006年アメリカ)

監督:ジョナサン・リーベスマン、出演:ジョーダナ・ブリュースター。1976年に製作された 「悪魔のいけにえ」 のリメイク映画として2003年に製作された 「テキサス・チェーンソー」 のシリーズ2作目にして、その前日譚。ああ、ややこしや。レザーフェイス君がどうやって誕生したのか、ミシンをカタカタやりながら考えよう!




いいね!した人  |  リブログ(0)
1 | 2 次ページ >> ▼ /

AD

ブログをはじめる

たくさんの芸能人・有名人が
書いているAmebaブログを
無料で簡単にはじめることができます。

公式トップブロガーへ応募

多くの方にご紹介したいブログを
執筆する方を「公式トップブロガー」
として認定しております。

芸能人・有名人ブログを開設

Amebaブログでは、芸能人・有名人ブログを
ご希望される著名人の方/事務所様を
随時募集しております。