FUJITA'S BAR
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2008-09-30

9月を終えて

テーマ:エッセイ

【今月行かなかった映画とその理由】


「次郎長三国志」

親父さんのリメイクだそうで。見れば面白いんだろうけど、何だかいかにもって感じで、行きたいと思いませんでした。


「パコと魔法の絵本」

役所広司のヅラが 「攻殻機動隊」 の荒巻課長みたいで爆笑ですが、どう考えてもつまらなそうなのでパス。


「アルビン 歌うシマリス3兄弟」

歌って踊るシマリスって、素直にキモチワルイと思います。


「パンダフルライフ」

家族で見に行こうと思ったんですが、多数決で 「ウルトラ8兄弟」 に変更。


「フライング・ラビッツ」

ほほう、ウサギが空を飛ぶ…んじゃありません。女子バスケットボールチームの話です。ははあ、バスケしながら空を飛ぶんですね。上空からダンクシュートしても入らないだろうなあ。



映画は見まくっていたんですが、記事を出すのが遅れて、追いかけるのに必死な月となりました。というわけで、今月見に行った劇場映画は、全部で15本。2日に1本見ていた計算になるかな。今年の累計は90本になりました。仕事も忙しかったんですが、時間がないから行けない、なんて言い訳したくなかったもんで。疲れても、心は常に燃えている男。今月は、仕事してるか映画見てるかどっちかでしたね。飲み屋にも全然行かなかった。


19日のアクセス数が、何と1175。これは、映画熱始まって以来の最高記録でした。あのう、どうかそんなに一生懸命読まんで下さい。恥ずかしいから。少人数にだけウケるブログを目指していますので、あんまりせっせと来なくていいですよ。書くのも遅いから。


それにしても驚いたのは、「空飛ぶ女くノ一」 の記事に、発売元からコメントを頂いたことです。どうせ誰も読まんだろうと思って書いているので、変な汗をかいてしまいました。ファジーファンクションの杉下様、丁寧なお言葉ありがとうございました。ブログやっていて、こんなにうれしいコメントは初めてかもしれない。ウチに来るコメントは、9割以上が中傷だから。これを励みにしてまた少しがんばれそうです。


それからプライベートでは、同級生の飲み会で、小学校の頃親友だったK君と飲んだのが楽しかった。一緒に飲むのは初めてだったんですが、やっぱり彼はマニアックで面白い。深い話ができる友達っていいですよね。今度、スナックBにも連れて行こうと思います。彼は下ネタOKだからね。


最近、動作と思考がますます鈍くなってまいりました。書きたいことは山ほどあるけど、記事にできるのは限られたもの。記憶と精神力のはかなさを感じる今日この頃です。くたびれれば、それだけ肩の力が抜けて柔軟な発想ができるもの。ヘコむことも多いですが、何とか生きております。では、来月もがんばりますのでよろしく。




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2008-09-29

ウォンテッド

テーマ:洋画

宣伝コピーとは逆の視点で楽しめました。 不条理な笑いがいっぱいの異色ムービー。


ウォンテッドといえば、ピンクレディですね。ウ~ウォンチェ!って違うだろ! “wanted” とは “お尋ね者” という意味。本作では、“求められている者” という意味でもあると思います。R15指定なので、中学生以下は残念ながら映画館に入れません。別にどうってことないと思うけどなあ。


原作は、マーク・ミラーのグラフィック・ノベル。監督は、ティムール・ベクマンベトフ。音楽は、ダニー・エルフマン。出演は、ジェームズ・マカヴォイ、モーガン・フリーマン、アンジェリーナ・ジョリー、テレンス・スタンプ、トーマス・クレッチマン。


さて、映画ですが、ブラックユーモアたっぷりの粋な作品に仕上がりました。悪ノリ度、極めて高し。予想したものとかなり違いましたが、それはそれ。マニアックな世界でもあるので、ありきたりのアクションに辟易している人は一見の価値あり。


主人公は、うだつのあがらない青年。イヤミな上司にバカにされてうんざりしているところに、謎の女が現れる。殺されそうだったピンチを救ってくれた彼女は何者?『…あなたの力が必要なの。私と一緒に来て。』 これは罠か、何かの悪徳商法か?謎の組織の正体は?なぜ自分が狙われるのか?


主演のジェームズ・マカヴォイは、なかなかよろしい。このストレス顔は笑えます。登場した途端にいっぱいいっぱいなのがよくわかる。今にも何かをしでかしそうな雰囲気。放っておいても何か小規模な悪いことをしそうなので、早いとこどっか連れて行ってもらった方がいい。最近スピルバーグに溺愛されているあの青年よりもずっと面白い俳優だと思います。


アンジェリーナ・ジョリーは、ヒロインという感じじゃない。はっきり言って脇役だと思います。ただ、サブキャラの中では一番カッコよかった。彼女は、ミステリアスなイメージの方が映えると思うので、この役柄はOKでしょう。「17歳のカルテ」 のように、ミステリアスでわかりにくい女路線でいきましょう。キャラが濃ゆいから、出番少なくても充分目立ちます。


組織のボスを演じたのは、モーガン・フリーマン。最近、やたらと出まくりですね。彼って、何を演じてもモーガン・フリーマンだなあって思う。名優となっていますが、個人的にはあまり好きじゃない。デンゼル・ワシントンは最近調子が出てきましたが、モーガンおやじは見ていてあまり面白くない。さて、本作では…?劇場でご確認を。


特筆すべきは、テレンス・スタンプでしょう。「コレクター」 で変態紳士を演じた青年も、すっかりジジイになりました。何だか 「ソウ」 シリーズのジグソウよりコワかった。彼に比べたら、モーガンなんてタバコ屋のオヤジみたいなもんです。地味な役柄で出番はわずかですが、インパクトは絶大でした。彼の怪演にもご注目。 (ちなみに、モーガンが出演した 「コレクター」 とは別モノです)


映画そのものは、アクションが中心ですが、根底に哲学的なイメージと悪ふざけが同居しているので、見ている側は混乱する場面も多い。他の映画に例えると、「ファイトクラブ」 の悪ノリと 「マトリックス」 の禅問答をミックスして 「未来世紀ブラジル」 のような不条理感を加えて味付けしたって感じ。


ありふれたようで、独特の世界。ベクマンベトフ監督は旧ソ連のカザフスタン出身。ルネッサンスなあごヒゲがシブいですなあ。ロシアの監督といえば、アンドレイ・タルコフスキーが浮かびますが、彼の映画もまた、哲学的なイメージがあった。寒いところに住んでいる男は、じっくりものを考えるものなのかも。今度、彼のの作品をチェックしてみたいと思います。


本作の宣伝文句に “1を倒して、1000を救う” とありますが、映画を見ていると、1を倒すために1000を犠牲にしているような気がします。まあ、放っておいても1000人殺されるなら似たようなもんか。そんな感じでおいおいってツッコめるポイントがたくさんありますので、そういう視点で楽しみましょう。


とにかく、銃の撃ち方がスゴい。普通ならこんなことはできませんが、特殊な人たちの話なので、何でもOKみたいです。銃弾同士がガチンとぶつかる場面は、昔あったマンガ 「ドキューン 一発あたりくん」 を思い出しました。この連中、ホントに生身なんだろうか?一応、血も出ますが、ほとんどギャグだと思います。こんなの真面目に捉えてR15にしちゃった理由がわかりません。

個人的には、アンジェリーナはあまり美しいとは思わない。どちらかといえばケバい。セクシーではなくマッチョ。クチビルのデカさは怪人級。だから、カワイイ役なんてしない方がいいんです。ふてぶてしく、強面で仏頂面で上から目線がよろしい。使う武器も、銃よりはナイフの方が似合うと思う。親父さんが 「アナコンダ」 俳優なこともあるので、ヘビ系の血筋だと思う。忍び寄って…サクッ、って感じ。おお、いいじゃん。コレでいこう!


ナイフもいいけど、ムチも似合いそう。マニアックなところでは、鎖鎌なんてどうでしょうか。ニコール・キッドマンがスナイパーやって、こっちはナイフで殺し屋対決、なんていうスタイルもイケてるかも。とにかく、彼女はもっと面白い使い道がある女優なんです。若いうちに、色んなことに挑戦しましょう。これぞアンジェリーナ、と言わしめるだけの超魅力的なキャラが誕生させて欲しい! …あいつはあいつは大変装、ウ~ウォンチェ!




【鑑賞メモ】

鑑賞日:9月29日 劇場:ワーナーマイカル県央 21:50の回 観客:約10人

始まる時間が遅かったので、仕事が終わってからでも間に合いました。


【上映時間とワンポイント】

1時間50分。見終わった後で、乳白色の入浴剤を入れてお風呂に入りたくなります。


【オススメ類似作品】


「17歳のカルテ」 (1999年アメリカ)

監督:ジェームズ・マンゴールド、原作:スザンナ・ケイセン、出演:ウィノナ・ライダー。尾崎豊の名曲ではありません。しゃがれた精神病院で起きる出来事を綴った物語。アンジェリーナの映画は、コレが一番好きです。


「東京フィスト」 (1995年海獣シアター)

監督・脚本・撮影・主演:塚本晋也。「ファイトクラブ」 は1999年なので、こっちが元ネタなのは間違いないでしょう。日本人として、こちらをオススメします。本作のマカヴォイ君よりも、俳優・塚本の方が100万倍ストレス顔です。藤井かほりの怪演にもご注目。


「スカイ・キャプテン」 (2004年アメリカ)

監督・脚本:ケリー・コンラン、出演:ジュード・ロウ。ユルいアクション映画ですが、アンジェリーナ・ジョリーがアイパッチして登場するのが笑えました。こういう路線がいいんだよなあ。





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2008-09-28

ネタバレDVD探検隊 ~心霊編~

テーマ:ネタバレDVD探検隊

毎度どうも、探検隊でございます。本来これも、残暑お見舞い企画として書きかけてたんですが、すっかりおざなりになってまして、いつの間にか肌寒い季節になってしまいした。では、下らん企画でもっと寒くなって下さい。熱燗でも飲みながら、ユル~い探検に行きましょう。



「アパートメント」 (2006年韓国)


まずは、心霊モノの映画からいきましょう。アパートというと、日本では庶民的な建物を連想しますが、本作では高層マンションのイメージ。あるアパートで、連続怪死事件が発生。自殺なのか、殺人なのか。周囲の住民にとっては不安の毎日。


主人公は、問題のアパートの向かいのアパートに住んでいる、1人暮らしのキャリアウーマン(もう死語か)。 仕事でストレスを抱えている彼女は、毎晩21:56になると明かりが一斉に消えることを不審に思い、何気に双眼鏡で向かいを覗くようになる。どうやら、明かりが消えた直後に事件が起きるらしい。…これは大変だわ!


何とか危険を知らせようと、向かいのアパートに乗り込んでいってその事実を伝えようとする。その行動力がすごい。さすがは韓国。しかし、騒げば騒ぐほど、自分が怪しまれてしまう。そりゃそうだ。元ネタは 「裏窓」 のつもりなんだろうけど、これじゃ単なるバカ女です。早くも、品性のかけらもない安っぽいサスペンスになっちゃいました。


登場人物のほぼ全員が、不満だらけでイライラしています。うーむ、さすがは韓国。これじゃいつ殺人が起きても不思議じゃないですなあ。覗き女は、『…夜10時前に明かりを消さないで!』 と叫び回る。住民は恐がって警察に通報。注意を受けても、彼女は覗きをやめない。というか…やめられなくなってしまった(爆笑)。


アパートの住民の中に、車椅子で暮らしている女の子がいた。両親を事故で同時に失った不幸な身の上らしい。かわいそうな彼女を交代で面倒みようと、住民の間で協力体制を敷く。これはアパートのイメージアップにもなると、みんな大はりきり。しかし、最初はちゃんとしていたものの、時間がたてばその気が失せていく。人の面倒を見続けるなんて、だんだん面倒くさくなる。うーむ、さすがは韓国。親切って、飽きるもんなんですね。


次第に態度が冷たくなり、お世話するどころか、いじめて虐待して、性のオモチャにする始末。黙って耐えながら、体も心もボロボロになっていく女の子…。悩みぬいたあげく、彼女は自害してしまう。しかし、死んでも死に切れないくらいの恨みの念が、ついに形となって現れる!


彼女が実行犯に選んだのは、引きこもりの男。彼に女装させて、復讐しまくっていたのであった。それだったら、生きているうちに手なずけておけばよかったね。どうせ奪われるなら、カラダを武器にしてこの男を従わせる手段もあったと思うけど。上半身は動かせるんだから、筋トレして復讐計画立てる方が盛り上がると思うけどなあ。もったいないキャラですね。車椅子バスケで殺人シュートやるとか、仕込み車椅子に改造してギミックを搭載するなんてのも面白いと思うけどなあ。もったいない女の子でした。


謎解きのアイテムがルービックキューブというのも泣けてくる。幽霊騒動に巻き込まれて主人公の気は紛れたけど、彼女のストレスは変わりません。というか、余計な首つっこむんじゃねえよと言いたい。あげくの果てに、テメエも突き落とされて、グシャッと絶命。…ダメじゃん!何がしたかったんだよ、あんた。


教訓は、イライラしても覗きはイカンよ、ということですね。それから、自殺する前にもう一度考えましょう。復讐する方法なんて、いくらでもあるって。




「怪奇!アンビリーバブル 衝撃!悪霊の写真」


おなじみブロードウエイの心霊バラエティ。合成くさい心霊写真のオンパレードを紹介しながら、ドキュメントも時おり挟んで楽しませてくれる、盛りだくさんのシリーズ最新作。


今回も、あからさまな合成と一目でわかるような、トンデモ心霊写真がいっぱい。これで本物なんだったら、きっと出方がヘタクソなんだと思う。最近では大御所 「ほん呪」 シリーズにもこの手のが多くなったように思う。幽霊のみなさん、もっと気合い入れて出演して下さいな。こんな中途半端な仕事してると、心霊写真のブームそのものが下火になっちゃいますよ。


ドキュメント第1話は、「死の集合写真」。酒飲んで酔っ払っているおっさん達に、赤いモヤがかかっている。ははあ、みんなで辛いものでも食ったんでしょうか。え、これが心霊写真?直ちに取材班が調査を開始。


レポーターは、少しマニアックな顔立ちをしている、少々性格の悪そうな女。投稿者は、中年の女性。写真に写っている夫は、この後、飲酒運転の車に追突され、頭と胴体が別れて死亡。…え、どんな追突?車がバラバラになったの?あ、説明なし?気になるじゃん!たぶんきっと、鉄骨でも積んでたんでしょうか。


彼は半年前に、登山中に遭難事故に合い、明るかった性格が急に暗くなったらしい。無口になり、『…俺は何も見ていない。』 とつぶやいていたという。取材班は、彼がそこで何を見たのかを確かめるべき、遭難した山に向かう。彼が残したメモを頼りに、核心に迫っていく。


現地に向かう途中で、霧が発生。『…我々の行く手を阻むかのように…。』 とナレーションもノリノリ。次に現れたのは、野性の鹿。『…我々を監視しているかのように…鹿が見ている!』 次は、ヒルが出迎える。『…警告しているかのように…ヒルがスタッフの足を襲撃する!』 …うーむ、水曜スペシャル 「川口浩探検隊」 ですなあ。こんなので引っ張るところを見ると、きっとなんにもないんだろうなあ。


で、小さな鳥居があって、神社があって、首なし地蔵を発見。これを見たせいで首なしになって死んだらしい。自殺の名所というオマケをつけて終了。 …お前ら、首チョンパしたろか!


ドキュメント第2話は、「闇の奥」。道端でタバコ吸ってる兄ちゃんの向こうに、白いモヤ。またモヤかよって思いつつも調査開始。どうやら、付近に心霊スポットのトンネルがあるらしい。変な声が聞こえるとか、いないはずのバイクが走っていたりするとか。取材班は、トンネルに侵入。


『…きゃあ!』 レポーターが突然うずくまる。どうやら、上から水がたれてきたらしい。続いて落書き発見。“↑” と矢印が。上を照らそうとすると、何故か懐中電灯の電池が切れてしまう。スタッフはイライラし、彼女と口論になる。『…早くしろよ。時間押してんだから。』 あのさあ、心霊映像撮るのにその態度はねえだろ。いいのが撮れるまで何時間でも粘らんかい!大体、懐中電灯1本しか持ってこなかったの?


その時、『…変な音が聞こえる。』 とレポーター。他の2人には聞こえない。疑って非協力的な2人。おねえちゃんは怒ってトンネルを出て行ってしまう。取材断念。アホか。で、後日になって(というか、その時点で取材やめちゃったんですね)映像を確認していると、変なエンジン音が入っていた。


『…あの時と同じ音です。』 と彼女。『…まあバイクくらいどこでも走っているからねえ。でも聞こえてないもんなあ。』 『…何で2人には聞こえないのかがわからない。鈍感なんじゃないですか?』 『…お前だって最後までレポートしなかったじゃん!』 ああ、低レベルな会話。もともと仲がよくないみたいですね。チームの編成に無理があったようです。みなさん、ちゃんと仕事しようよ。


ここに来て、投稿者が告白。写真に写っている男は、行方不明になっていた!『…どうして今まで言わなかったんですか?』 『…恐かったんです。僕の身に何かふりかかるんじゃないかって。』 …おいおい、今さらそんなこと言わんでくれよ、しょうがないなあ。だったら投稿なんかしなきゃいいのにねえ。あんた、採用されて謝礼金もらってんでしょ?…友達ってのはきっとウソですね。


で、その音は、彼が乗っていたバイクの音に間違いないということになり、バイクで死んだ亡霊が彼を呼び込んだという結論で終了。彼は、両親がすでに亡くなっていて天涯孤独で、身内の人に連絡取るのは不可能。はあ、都合のいいことで。警察にも届けていないんですね。行方不明になった彼は、今もあのトンネルを夜な夜な走る続ける…。じゃあ、あの白いモヤは排気ガス?ははあ、通りが少ないから、幽霊バイク仲間でゼロヨンでもやってるんだ、きっと。


ドキュメント第3話は、「シミのある服」。写真に写っているおねえちゃんの上半身に、またしても白いモヤ。おいおい、今回はモヤスペシャルか?またまた調査開始。…お前ら、ちゃんと仲直りしたか?


撮影した場所には、変わったところはなかったので、服に注目。見せてもらうと、いつのまにか見に覚えのないシミがついていた。ははあ、酔っ払ってこぼしたんでしょうか。それを着ると、肩が重くなるそうな。シャツを確認していると、突然ディレクターが嘔吐! …お前が二日酔いか?シミをデカくするんじゃねえ。大体、女の家で吐く奴があるか。せめてトイレ行けよ。


問題の服は、フリーマケットで買ったらしい。売った相手を見つけて聞くと、そいつもフリマで買ったという。その相手をまた見つけて聞くと、何とも無愛想なおっさん。レポーターのガサツな質問にイライラし、怒り出してしまう。立ち去ろうとするおっさん。絡むレポーター。おっさんは、レポーターをキック!おお、蹴りたくなる気持ちもわかる。このねえちゃん、ちょっと腹立つもんね。俺としては、平手打ちでいきたいところ。


暴力がからんだフリマ。そんなやつは商売できんでしょうなあ。彼は清掃会社に勤めていると聞いたので、問い合わせてみる。案の定、すでに辞めていた。何でも、仕事上のトラブルがあったらしい。調べると、変死体で発見された女性の部屋を清掃した時に盗んだらしい。よく盗む気になるよなあ。何てマニアックな男。 …ははあ、さては下着も盗んだな。服のシミはお前がつけたんじゃねえのか?


死んだ女性の怨念が残った遺品を着たら、肩がこって白いモヤモヤが現れる…。いいじゃん、あんた、占い師になったらどうですか?…でも、シャツは処分して欲しいと言われちゃって、神社でお払いをして終了。あ~あ、何かもったいないような。…え、じゃあお前が着ろって?女物ですよ。女装してダイエットしなきゃならねえじゃん。めんどくさいからパスです。


とにかく、全編にわたって、ニセモノくさい。出ている人物は、売れない役者のニオイがプンプン。演技はヘタだけど、セリフ読みがスラスラなのが怪しい。まあ、安いシリーズですから、こんなもんでしょう。メジャーなところが大ウソこいているのよりも、ニセモノでござい、と開き直っているスタイルは好感が持てる。(持てるのか?)


心霊モノは多い。恐怖と笑いは紙一重。実は、このDVDで、1枚だけスゴい写真がありました。ニセモノだったとしても、出来がいいと思う。本物って、こんな風に現れるんですよ、きっと…ウッヒッヒ。




「都市伝説物語 ひきこ」


これは、フルCGアニメーションです。俺的には、絵柄がショボくて脱力感タップリですが、薄気味悪さは評価したい。まだまだCGに演技させるところまではいかないけど、可能性は充分ある。


主人公は、小学校の同級会に参加するために故郷をおとずれた男。どうもヘタレくんのようですね。子供の頃にいじめれていたんでしょうか。昔住んでいたマンションの前を訪れ、記憶をたどっていく…。


その日は、雨が降っていた。当時小学3年生だった少年は、学校の帰りに “怪人” に出くわしてしまう。橋の上を歩いている時に川を見下ろすと、川原には、白い服を着た髪の長い女がいた。彼女は、何かを引きずっている。どうやらそれは…人間の死体? …おお、あの細い腕で、死体を引きずるとは何たる怪力。「人形霊」 の怪力少女も真っ青ですな。「スカイ・クロラ」 のクサナギさんより細い腕で、しかも片手で引きずってる。…すげえ!(あ、驚くところ間違ってる?)


少年は、その女と目が合ってしまった。ほほう、2人とも視力がいいんですね。女は少年を指差し、うなり声を上げる。ははあ、「ボディ・スナッチャー」 ですな。少年は恐怖を感じて逃げ出す。怪人女は、少年めがけて追いかけてくる。あれ、死体は?放り出したまんまでいいの? 見いたなああ、とばかりアホ面で追いかけてくる怪人女。 逃げる少年。わあい、鬼ごっこだ。どっちもがんばれ。


マンションにたどり着く少年。エレベーターに入り、ドアを閉める。しかし、怪人女はエレベータの前まで追ってくる。ガラス窓にへばりつく怪人女。エレベーターは上昇。 …マヌケだなあ。


少年は、家に入り、ドアを閉める。しばらくすると、ドンドン!きゃあ、家までやって来た…と思ったら、隣に引っ越してきたオバチャンだった。娘らしき少女が後ろに立っている。『…遊んであげてね。』 『…はあ。』


彼女は転校生として、少年と同じクラスになった。暗くてジメジメしているから、すぐにイジメの対象になる。彼女と仲良くしたいと思う少年であったが、勇気がなくて見ているだけだった。「狼少女」 の主人公とおんなじキャラですね。


上履きを汚され、ランドセルや机に落書きされ、先生からも嫌われ、身も心もボロボロになる少女は、いつしか学校を休むようになる。少年は、先生から彼女の家にプリントを届けろと言われて、しぶしぶ彼女の家に行くが、どうやら不在。しかし、近くを歩いているところを見つける。どうやら、彼女は校庭の隅で内緒で猫を飼っていたらしい。 …ちゃんと学校に来てたんじゃん。


マンションじゃ飼えないから、見つかったらヤバい。少年は、秘密を守ると約束して、餌やりを手伝うようになる。次第に、仲良しになる2人。しかし、ついにいじめっ子達に見つかってしまった!


猫は取り上げられ、ボールのように仲間の間を飛び交う。『…お願い、返して!』 懇願する彼女。少年は、彼女を助ける勇気がない。そうこうしているうちに、先生が通りかかる。『…おいこら、お前ら何やってんだ!』 逃げるいじめっ子たち。しかし、イタズラは続く。猫を先生の車のバンパーに縛り付ける。


『…ああっ、大変!』 少女は、猫を助けようとしがみつく。先生の車は気がつかずに発進。引きずられる猫と少女。 …おいおい、猫つかんでたら、お前の体重で体がちぎれるんじゃねえのか? 何だかよくわからんうちに、ブチッとヒモが切れて猫と少女は壁に激突。一応無事だったみたい。…丈夫じゃん。


夜になり、先生の家に黒髪女怪人が現れて、よくわからんまま襲撃されて先生は絶命。いじめっ子の2人は行方不明になる。少女の一家も引っ越していったらしい。そのままウヤムヤになり、大人になってしまった。で、冒頭の場面に戻る。


同級会に参加すると、彼女が来ていた。『…ずっと君に謝りたかった。』 『…あたしこそ…。黙って引っ越していったから。』 『…え、引っ越したのは君だろ?』 『…違うわ、あなたよ。』


どうも様子がおかしい。どうやら、転校してきていじめられていたのは、自分の方だったらしい。猫を取り上げられたのも、自分だった!驚愕する主人公。『…おい、あいつが来ているぞ。よく来られたなあ。』 みんなに見下されていつのがわかる。最初に橋の上で怪人女を目撃したのは、彼女の方だった。主人公は、姉の死体に話しかけて、助けてもらってたんだって。それが真相?…ふうん、盛り上がらないねえ。引きずっていたのは、行方不明になったいじめっ子か? …あのさあ、時間軸どうなってるの?


ところで、ひきこって誰?たぶん、あの怪人女のことなのかな。死んだ後でも、弟を守ろうとしたんだねえ。いい奴じゃん。いや、でも、やられてからやり返すんじゃ遅いだろ。次は先制攻撃でいこうぜ。ちゃんと作戦を立てて。やみくもに襲うんじゃなくてさ、もっと頭使おうよ。あ、脳みそがもう腐敗してるからムリか。  


ちなみに、娘が何気なく一緒に見てたんだけど、最初だけちょっと恐かったそうです。…大丈夫、お前なら奴に勝てるよ。



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2008-09-28

おろち

テーマ:アニメ・特撮

ホームレスばあさんをナメんなよ。 …全てお見通しだ!


楳図かずお原作の人気マンガが、ついに実写映画化。監督は、鶴田法男。脚本は、高橋洋。音楽は、川井憲次。主題歌を歌うのは、柴田淳。ポスター写真を撮影したのは、蜷川実花。


出演は、谷村美月、木村佳乃、中越典子、山本太郎、嶋田久作、佐藤初、山田夏海。


さて、映画ですが、素晴らしい出来です。楳図映画史上、最高傑作じゃないでしょうか。原作をほぼ忠実に映像化しています。細かい設定に変更がありましたが、それはそれで面白い。


おろちという謎の少女が主人公。彼女は、100年に1度だけ深い眠りに入る。今何歳なのかわかりませんが、そうとうなバアさんなんでしょう。若作りのホームレス婆さんが、嵐を避けるためにある屋敷に立ち寄る。そこは、愛憎うずまく “死の館” だった…。


おろち役の谷村美月は、ピッタリだと思う。年齢不詳の容貌といい、謎めいた雰囲気といい、この役をやるために生まれてきたように感じます。打たれ強さもあり、何といっても射るような視線がいい。彼女は、他の同年代の女優と違う雰囲気がある。「笑う大天使」 に登場した時の違和感が妙に引っかかっていたんですが、この映画を見て納得です。彼女は、独特の空気を持っている稀有な女優。ちなみに、彼女に似た雰囲気を持っている女優として、堀北真希がいます。1度、共演してもらいたいですね。


本作の主演は、どうやら木村佳乃のようです。おろちは、運命の立会人だもんね。いわば、狂言回しのポジション。木村佳乃については今まで何度も書きましたが、俺的にはイマイチの女優でした。ところが、ついに本作でブレイクです。「相棒 劇場版」 の時にもチラッと書きましたが、彼女はダークな路線の方が光る。それを確信しました。


本作の彼女ははっきり言ってスゴいです。髪をわしづかみにする手がコワい。うわはは、これぞ楳図キャラ!いよっ、姉さん粋だねえ、ヒール木村、最高!


中越典子も負けてません。彼女は何度か見たことがありますが、あまり印象に残っていませんでした。ところが、本作では女優魂が爆発。ヒール木村と堂々とやり合っています。素晴らしい!この2人の怪演が、映画を何倍にも盛り上げる。鬼気迫った渾身の熱演を、絶対見逃すな!


もっと色々書きたいところですが、映画を楽しむ度合いが半減するといけないので、これくらいにしておきます。



鶴田法男監督の名前を知っている人は、かなりのホラー通。中田秀夫監督も、黒沢清監督も、清水崇監督も、彼が育てたようなもんですから。実際、彼の顔もコワい。ボソボソ話すところもコワい。まさに、存在そのものがホラーな人だと思います。


彼自身も当然ながら、楳図作品の大ファン。その彼が監督する 「おろち」 なら、面白くないはずはない。映画を見ればわかりますが、丁寧に、大切に撮ったことがわかります。Jホラーの父と言われる大ベテランの渾身の傑作を、どうぞお見逃しなく。


「にいがたタウン情報」 の記事によると、映画館に来館した楳図センセイは、『…これまでも映画化の話はいくつかあったんですが、お断りしておいてよかった。』 と、本作に最大級のコメントをして下さったそうです。だから楳図ファンは必見。…劇場へ急げ!





【鑑賞メモ】

鑑賞日:9月27日 劇場:T-JOY新潟 18:15の回 観客:約10人

兄と2人で行きました。終わった後にガストでメシ食って、楳図作品を2時間くらい熱く語りました。


【上映時間とワンポイント】

1時間47分。エンディングテーマを歌う柴田淳もまた、原作ファンだそうです。しっかり聞いて帰りましょう。


【オススメ類似作品】


「箪笥」 (2004年韓国)

監督・脚本:キム・ジウン、出演:イム・スジョン。姉妹と恐い母親といえば、やっぱりコレでしょう。韓国ホラー映画の最高傑作だと思っています。本作の姉妹の悲しい運命と、この映画がシンクロします。継母役のヨム・ジュンアはかなりコワい。だけど、本作のヒール木村なら絶対勝てる!


「予言」 (2004年東宝)

監督・脚本:鶴田法男、原作:つのだじろう、出演:三上博史、酒井法子。ご存知つのだじろう原作の 「恐怖新聞」 を実写映画化。オリジナルの後日談という設定なので、ファンにはちと興ざめですが、鬼形礼も一応登場するので紹介しておきます。この映画で一番コワいのは、恐怖に震える三上博史の額の青スジでしょう。うっとうしいから早く殺されちまえって思いました。鶴田監督、ぜひオリジナルの方も撮って下さいな。


「ほんとにあった怖い話」 より 「霊のうごめく家」 (1992年ジャパンホームビデオ)

監督:鶴田法男、脚本:小中千昭、出演:小笠原亜里沙。これは、知る人ぞ知る、伝説の作品。霊が実際に現れたら、こんな感じじゃないかって思えるくらい見事な演出でした。地味なストーリーですが、こういうのって、後から効いてくるんですよ…ウッヒッヒ。




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2008-09-28

リボルバー

テーマ:洋画

ぐるぐる回るリボルバー。 回り回って、巡り巡って、行き着いた先は…?


ガイ・リッチー監督作品最新作。“revolver” とは、回転式拳銃のことですが、“revolve” で “回転する者” という意味もあるので、思考がグルグル回転し続ける男の物語、というとらえ方でいいでしょう。


出演は、ジェイソン・ステイサム、レイ・リオッタ、ヴィンセント・バストーレ、アンドレ・ベンジャミン、アンドリュー・ハワード、マーティン・ハードマン、マーク・ストロング、エレイナ・ビニッシュ。


さて、映画ですが、思考の海に沈んでしまいそうな、小難しい作品に仕上がりました。軽いアクション映画だと思って見ると、ヒドい目に遭いますのでご注意下さい。


主人公は、スゴ腕のギャンブラー。賭博場の傷害事件の罪をかぶって服役して出所したところ、かつての親分は冷たかった。しかも、自分を殺そうとしている…?


単純に言えば、「仁義なき戦い」 のパクリですが、内容は、「マトリックス・リローデッド」 みたいでした。観念的な妄想が渦巻く、思考の洪水。つじつまがちゃんと合っているのかよくわからないまま、延々と禅問答が続きます。さて、あなたの思考力はこれについていけるか?


主演のジェイソン・ステイサムを見てびっくり。何と、髪の毛がいっぱいあります。わざとらしいつけヒゲも。ははあ、これはズラ被って変装してるんだなと思いきや、ずっとこのまま行くんですよ!これだけで、もう頭がムレてきそうです。ああ、イライラ感が増大していく…。


共演陣は、あまりパッとしない連中が多い。「スナッチ」 のような勢いはありません。微妙な奴らばっかり出てくるので、誰に感情移入してみようもない感じ。その宙ぶらりんさがいいのかもしれないけど。


ただ、ヒットマン役のマーク・ストロングはシブかった。銃を撃つ合間にメガネを拭くのが妙にカッコいい。プロの殺し屋の雰囲気バツグンですねえ。よし、ここは彼の演技にお金を払ってあげるとしましょう。


本作は、傑作なのか駄作なのか賛否両論でしょう。俺的には、意欲は評価するけど、中身がついてこなかったねという感じです。こだわる方向性を1歩間違うと、ひとりよがりの方向に行ってしまう。取っ掛かりはよかったけど、途中からヤバい方向に行ってしまったように思います。


だからといって、失敗作とは思わない。こういう前衛的な作品が作られるのは歓迎です。しかし、次に向かう部分を残して終わってくれないと、見ている側は取り残されてしまう。取れない球を投げても、観客はそう簡単に取ってくれないですよ、監督。俺は、あんたみたいに頭よくありませんから。


この映画に登場する人物が、何かを象徴しているように思えてしょうがない。例えば、足をガバッと開いている化粧のケバい女。あれって、やっぱりマドンナじゃないでしょうか。よっぽどイヤなんですねえ。


とにかく、本作をみてよくわかることは、ガイ・リッチー監督がとてもイラついているということ。いいじゃん。そのイライラパワーをもっとため込んで、次の映画で燃焼してくれ。この映画はデトックス排泄映画でいいから、これを踏み台にして、新しい領域を開拓してくれ。そうすれば、この映画が生きてくるはず。ガイ・リッチーの商品価値は、まだまだあると思う。人にマネできない、自分の映画を目指してがんばって欲しい。ファンとして、応援しています。


タバコ吸って怒られて謹慎してたモー娘の加護ちゃんが、本を出す時のインタビューでこう答えていました。『…この本の点数ですか?360点ですね、360度考えが変わったから。』 …それって、元に戻ってるじゃん!さあ、グルグル巡る思考回路。リボルバーよ、どこへ行く?天才とバカは紙一重。…次回作で証明せよ。



【鑑賞メモ】

鑑賞日:9月24日 劇場:シネウインド 観客:2人

見ていたら何だか頭が痒くなってきて、しきりにポリポリ掻いてました。…ズラ被ってる気分。


【上映時間とワンポイント】

1時間55分。ずっとけだるい雰囲気が続くので、お疲れの人は眠気にご注意を。


【オススメ類似作品】


「ロック・ストック・&トゥー・スモーキング・バレルズ」 「スナッチ」

いずれも、ガイ・リッチー監督作品。こんな面白い映画を撮る監督が、才能がないはずはない。本作で消化不良になった人は、この2作で口直しして下さい。





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2008-09-28

グーグーだって猫である

テーマ:邦画

猫から見たら、人間ってヘンな生き物なんだろうなって思います。


大島弓子原作の自伝的エッセイマンガが、実写映画化。監督・脚本は、原作ファンの犬童一心。音楽は、細野晴臣。


出演は、小泉今日子、上野樹里、加瀬亮、林直次郎、伊坂達也、森三中の3人、マーティ・フリードマン、大後寿々花、小林亜星、松原智恵子、田中哲司、高部あい、でんでん。ゲスト出演で、梅図かずおも登場。


さて、映画ですが、何とも不思議な作品に仕上がりました。面白いかどうかは微妙です。俺は原作を知らないので、的確な評価はできません。ちゃんとした記事が読みたい人は、他へ言ってください。ここでは、あくまで俺の視点で書かせてもらいます。


人気少女マンガ家が飼っていた猫が死んでしまい、ペットショップで新しい猫を購入。アメリカンショートヘアーの子猫につけられた名前は “グーグー”。意味が知りたい人は、映画をご覧下さい。


主演の小泉今日子もまた、原作ファンだそうな。彼女の演技って、俺にはよくわからないけど、原作ファンの人たちにウケればそれでいいんじゃないかって思う。少なくとも、マンガを描いている人には見えないけどね。


上野樹里は、やっぱり何を演じても上野樹里だと思う。北乃きい、石原さとみと同じで、演技のバリエーションに乏しいのが難点。もともと器用じゃないのかも。若くてかわいいうちはいいけど、自分の個性をもっと磨いて欲しいところです。


森三中の3人は、ひたすらウザったかった。TVドラマならまだしも、映画なんだから、もっとマジメにがんばって欲しいと思うけど、本作のユルい演技陣ならOKなのかも。


しかし、特筆すべきは、加瀬亮です。彼って、なかなかいい演技するんですね。以前に 「それでも僕はやってない」 を記事にした時に、彼がとても嫌な男だったと書きましたが、それは彼の演技力がなせる技だったんですね。彼を批判したような文章を書いたことを反省したいと思います。「ハチミツとクローバー」 で感じたことはやっぱり本当だったのかもしれない。本作では、とてもストイックな男を好演しています。


そして、チョイ役だけど、田中哲司も捨てがたい。彼のセリフはほとんどなかったと思うけど、強い印象を残すフシギな力があるんです。「週刊真木よう子」 第1話(原作はリリー・フランキー)にも出演してましたが、その緊迫した演技は素晴らしかった。先述した 「それ僕」 では、加瀬亮と共演してました。最近やたらと気になる俳優なので、これからも注目したい。



俺は、動物を飼ったことがないので、犬や猫に対する愛情うんぬんはよくわかりません。相手は生き物なので、所有物という考えにはならない。部屋に閉じ込めておくのも何だかイヤだし、放し飼いにしてそこら中を歩き回られるのも不安。だから、飼っている人を尊敬しちゃいますね。


本作を見に行ったのは、たまたま時間がちょうどよかったから。個人的には、できれば猫の視点をもっと深く描いて欲しかったんですが、どうもそういう作品ではなさそう。だから、限られた世界の住人にだけ伝わるコアな視点なのかなって思います。


本作の主人公は、マンガの作者ご自身なので、登場するキャラとして安易に批評したりできません。その辺は不可侵領域なので、治外法権。ただ映画の出来としては、一般の人に伝わる部分が弱いと思います。生き物の生き死ににまつわる話なんだから、真剣に鋭く捉えて欲しかった。それが残念。森三中の3人がいくら泣いても、おやつを取り上げられた小学生にしか見えない。かえって作品そのものが軽くなってしまった。


全体的にユルい雰囲気で、ギャグもスベリっぱなし。それでいてハードな展開もあるので、笑うに笑えないし、泣くに泣けない。歯切れもメリハリもないので、平坦な作品になってしまった。感動ポイントであろう場面も、何だかシラケてしまいました。気持ちはわかるけど、もうちょいどうにかならんか。


もっとも、猫っていう生き物のイメージで考えたら、そういうもんなのかなとも思う。好きなときにがんばって、好きなときに休む。気分次第であっちゴロゴロ、こっちゴロゴロって感じ。こっちの思うようにはならない存在。


俺は、この映画の住人になれないと思います。だって、居心地悪そうなんだもん。キョンキョンは、マンガ家としてはセレブ過ぎる。「幸せの1ページ」 のジョディ・フォスターよりは内にこもっている感じがするけど、やっぱり違うよなあ。今どき流行りのハートフルファンタジーは、しばらく敬遠することにしたいと思います。


実際、グーグーから見たら、この映画の人たちはどういう風に映るんだろう?俺はそっちの方が気になるなあ。今度はぜひ、猫の視点で描いてもらいたいですね。


…でも、こういう映画もアリなのかも。 「グーグーだって猫である」 だって映画である。





【鑑賞メモ】

鑑賞日:9月23日 劇場:ユナイテッドシネマ新潟 18:00の回 観客:2人

俺と、おっさんが1人だけ。それにしてもよく笑うオヤジだなあ。…あんたきっと、猫飼ってるだろ。


【上映時間とワンポイント】

1時間56分。長く感じたなあ。ずるずる…って感じ。


【オススメ類似作品】


「銀河鉄道の夜」 (1985年日本ヘラルド)

監督:杉井ギサブロー、原作:宮沢賢治、声の出演:田中真弓。ますむらひろしの猫キャラを主人公にした、傑作ホモアニメーション。音楽を担当したのは、本作と同じく細野晴臣。ミステリアスな猫の目を通して描いた、人間のフシギな世界をご堪能下さい。


「じゃりん子チエ」 (1981年東宝)

監督・脚本:高畑勲、原作:はるき悦巳、声の出演:中山千夏。TV放映されていた人気アニメの劇場版。猫の決闘シーンが俺のお気に入りです。コテツとアントニオの声は、やすきよの2人が演じてました。猫ってカッコいいじゃん!


「ドラゴンへの道」 (1973年香港)

監督・脚本・主演:ブルース・リー。本作と全然関係ありませんが、猫が出てくる映画といえばまずコレなもんで。終盤、コロシアムでチャック・ノリスと決闘する時、猫の鳴き声が戦いのゴングになりました。にゃお~ん、アチョーッ!




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2008-09-27

百万円と苦虫女

テーマ:邦画

自分の個性を大切にせよ。 もがいているうちにいつしか、磨かれていくもんです。


“苦虫” とは広辞苑によれば、“噛むばにがいだろうと想像される虫”。だから、タイトルの “苦虫女” は、“苦虫をかみつぶしたような、不機嫌な顔つきの女” と解釈すべきか。あるいは、この女を噛むと苦いよ、ってことか。この女の苦味成分を薬にして売ったら100万円儲かりました…って話じゃないので間違わんように。いずれにせよ、“お金があっても幸せとは限らない” という雰囲気を感じる絶妙なタイトルですね。


監督・脚本は、タナダユキ。出演は、蒼井優、森山未來、斎藤隆成、ピエール瀧、竹財輝之助、笹野高史、佐々木すみ江、江口のりこ、モロ師岡、嶋田久作、堀部圭亮。…粋なキャスティングですなあ。


さて、映画ですが、とても冒険的な作品に仕上がりました。人生で苦悩するのは、男も女も一緒ですね。大変な目にあった分だけ、人はたくましくなる。はみだし人生の方が、ある意味カッコいい。


どういうわけか、小さなきっかけで事件が大きくなり、人生のスタートが台無しになってしまう女の子が主人公。彼女に悪気はないのに、どうしてもそこにいられなくなってしまう。考えた結果、“百万円たまったら、ここを出て違うところに行く” という自分のルールを生み出す。流れ流れて、彼女のたどり着く場所は…?


こういう映画のスタイルは、“ロードムービー” と呼ばれます。主人公と一緒に、観客も旅をする映画ということ。体が移動しながら、心も旅をしていきます。しばらくの間、彼女と行動を共にして、一緒に考えてあげて下さい。


本作は一応 “女性映画” ですが、男性諸君も勉強になるので見ておいて損はない。特に、社会に出たばかりの若者や、これから出ようという学生、若者がよくわからんとボヤいている大人のみなさんにもオススメしたい映画です。強烈なメッセージがあるわけではありませんが、みんなこうやって大人になっていくんだな、という共感が得られる部分が確かにある。映画館を出た時に、人間を見る視点が少し変わるかもしれませんよ。


蒼井優は、あまり主役をやりたがらない女優だそうです。それは、彼女のスタイルを見ていると何となくわかる気がします。TVドラマ 「おせん」 で主演した時は、何だか居心地が悪そうだったので、1回目だけで見るのをやめました。あの何とも言えない “困りきった笑顔” が彼女の魅力の一つ。タナダ監督は、そこをうまく料理した感じがします。


彼女の演技については以前にも書きましたが、深いところで考えているのがよくわかる。集中力と緊張感がしなやかに持続していくイメージ。彼女は本をよく読むし、見る映画の趣味も深い。常に何かをつかもうとしているハングリーさを感じるんです。正面から見た顔はかわいくて、横顔が美しい。いい女優さんだと思うので、彼女を起用する監督のみなさんの手で、ビシビシ育てていってもらいたいと思います。


俺から見ても彼女は、主役よりもむしろ脇役の方が生き生きとしていることの方が多い。だけど存在感があり過ぎて、主役を食ってしまうこともしばしば。「花とアリス」 「フラガール」 がいい例。チョイ役でも、出た途端に画面いっぱいに目立ってしまうので、少ない場面でもインパクトがある。「亀は以外と早く泳ぐ」 「鉄人28号」 「男たちの大和」 「クワイエットにようこそ」 なんかがいい例。TVドラマでも 「Dr.コトー」 に出てましたよね。彼女がいると、シバザキ星人のドヘタぶりが目立っちゃうので、たぶん2度と呼ばれないでしょう。


そういう意味では、自分でも知らないうちに “大物扱い” になり、ますます “困り顔” に磨きがかかっていく。最近はメディアにも出まくりなので、ちょっとアイドルオーラが出てきてしまったようにも思いますが、若いんだからそれもいいでしょう。きっと30代くらいになったら、味のあるいい役者になっていくと思う。かわいい役は今しかできないから、やりたい役をドンドン精力的にこなしていきましょう。いい監督にたくさん会って、技を磨いていって下さい。そういう意味で本作は、彼女自身の心のロードムービーと位置づけたい。


共演の役者のみなさんも、それぞれ味があってよろしい。ああ、こんな人いるだろうな、っていう感じの人ばかり。世の中は、いい人ばかりじゃないけど、悪い人ばかりでもない。むしろ、そういうはっきりした枠組みができないものなんです。みんな少しずつ “いい部分” と “悪い部分” を持っている。人を批判ばかりしている人ほど、自分の欠点に鈍感なものなんです。


人間関係って難しいけど、根っこにあるものはそう複雑じゃない。いいものを持っていても、人に伝える力がなければ、なかなか理解してもらえないもの。どうしたら相手に伝わるか、どうしたら相手の気持ちが汲み取れるか。それは、やっぱりたくさん恥をかいて、もまれていくしかないんだと思う。


本作の主人公を見ていると、20代に悩んでばかりいた自分を思い出します。今思えばバカみたいなことを、真剣に悩んでいた。だけど、その姿勢が大切なんだって今でも強く思います。悩んで落ち込んで悔し泣きして、小さなことで立ち直る。若い時にいっぱい悩んだ人は、きっといい大人になる。俺は、そう思います。


つまんない大人ばっかりの世の中では、若者もつまんないでしょう。だから、自分が面白いと思えるものを探せ。自分の目でしっかりと見て、自分の頭で深く考えよ。どうせ周りを気にして生きたところで、結局何か言われ続けることには変わりがない。どうせ文句言われるなら、好きなことやった方がいい。自分の人生なんだから、自分が一番力が出る方向で考えるべし。自分を失ってまで、周りに同調する必要なんかない。


苦虫だって、噛み続けていれば、いつか甘い味になる。苦さそのものがおいしいと思える時が来る。大人になるって、とても素敵なこと。だから、どうせならカッコいい大人になりましょう。その “やわらかい心” を失わずに。





【鑑賞メモ】

鑑賞日:9月23日 劇場:ユナイテッドシネマ新潟 14:30の回 観客:約50人

カップルが多かった。女性の1人客もけっこういました。


【上映時間とワンポイント】

約2時間。トイレに行きたくなったら、主人公が次の街へ移動している場面がベスト。


【オススメ類似作品】


「赤い文化住宅の初子」 (2007年)

監督・脚本:タナダユキ、原作:松田洋子、出演:東亜優。極貧の兄と妹の物語。本作の主人公は不運ですが、まだ働く才能があるから救われている部分がある。ところがこっちの主人公は、不器用で無愛想でかわい気がないときたもんだ。なまじ美少女だとかえってマイナスになる要素も。この映画でも、様々に変てこな人物が登場して、主人公を振り回します。だけど、そういうやり取りの中にこそ、真の教育的効果があるもの。しっかりと前を見て現実を乗り越えよ、というメッセージだと俺は思います。


「週刊真木よう子」 第9話 「蝶々のままで」 (2008年テレビ東京の深夜ドラマ)

脚本・演出:タナダユキ。会社の金を横領してまで男に貢いだ女が主人公。捨てられて逃亡して、整形して美人になったのに、今度は美人過ぎて不幸に…。金と美しさは、ありすぎると問題があるもんなんですね。死ぬほど笑わせてもらいました。


「嫌われ松子の一生」 (2006年嫌われ松子の一生製作委員会)

監督・脚本:中島哲也、出演:中谷美紀。限りなくかわいそうな人生を送った女の映画といえば、やっぱりコレでしょう。俺はこの映画の主人公のキャラに惚れました。笑って泣いて、叫んで暴れて、愛して捨てられ、逃げてつかまり、何もかも失っても、自分を貫く女の生き様をしかと見よ! (2006年映画熱ベストワン作品)





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2008-09-26

幸せの1ページ

テーマ:洋画

自然と人間をナメんなよ、と言いたくなっちゃう。 おめでたい人たちの、楽観的冒険ごっこムービー。


原題は “Nim’s Island”。ニムは女の子の名前なので、“ニムの島”。原作は、ウェンディ・オルーの同名児童文学 「秘密の島のニム」。監督・脚本は、ジェニファー・フラケット&マーク・レヴィン。夫婦だそうです。


出演は、ジョディ・フォスター、アビゲイル・ブレスリン、ジェラルド・バトラー。基本的に、この3人しか出てきません。他は、島の動物たちと、侵入してくる “悪者” のみなさん。


さて、映画ですが、ユル~い作品に仕上がりました。あくびがいっぱい出るので、不眠症の人にオススメです。児童文学だから、まあこんなもんでしょう。最近はこういうのって、“ハートフル・ファンタジー” というんだそうです。小学生の女の子が見るのにちょうどいいかと思いますが、今どきのコドモはこんなんでワクワクするのかなあ?教育的効果はあんまりないような気がしますけど。


無人島で暮らす父親と娘。人間が住んでいる時点ですでに無人島じゃないじゃん、ってヤボなことは言っちゃいけませんか。海洋生物学者である父親は、調査のために船旅に出るが、嵐に遭って帰れなくなってしまう。1人ぼっちで島に取り残された娘の運命は?じわじわと忍び寄る侵入者たち。


ジョディ・フォスターが演じるのは、引きこもりの冒険小説家。文章は勇ましいけど、行動力がないオネエサマ。取材のためにネットで情報収集していたら、島の娘とコンタクトすることになってしまう。彼女のピンチを救いたいと思うが、自宅から一歩も出られない自分に何ができるのか?


この映画、主人公がどっちなのかよくわからない。役者としての格でいえば当然ジョディなんだろうけど、一応児童文学だから、女の子が主役でなきゃいかんでしょう。だから、ジョディは脇役に徹するべき。ちょっと前に出過ぎたかなあって思います。


女の子を演じたアビゲイル・ブレスリンは、南の島に住んでいる子供に見えない。どう見ても街の子供でしょう。色白だし、顔パンパンだし、程よく太ってます。チョコが大好きって感じのあんよが泣けますなあ。島でサバイバルしている雰囲気は微塵もない。だからきっと、屈強な親父に守られてぬくぬくと育ったに違いない。だからパッと見、苦労していないように見えるので、懲らしめてやりたくなるキャラクター。世の中、そんなに甘くないぜ、お譲ちゃん。


父親役のジェラルド・バトラーは、「300」 でハリボテマッチョなCG肉体美を披露したおっさん。体ばっかり見られているから、顔をなかなか覚えてもらえなかったりして。今回も、頭の悪そうな学者をバカ演しています。頭カラッポの雰囲気が見事。なかなか死にそうもないところは説得力ありますなあ。今度公開される 「P.S.アイラブユー」 は死んだ男の役だそうですが。


とにかく、何から何までウソくさい映画でした。大人の鑑賞にはちょっと堪え難い。ファンタジーだと思えば腹も立たないと言えばそれまでだけど、もうちょい何とかならんか、って感じ。冒険というよりは、コントに近い。毒を抜き過ぎて、味も落ちちゃったかなっていう印象。


ジョディは最近、スリラーやシリアスな作品が続いたので、軽いフィーリングの映画をやりたかったそうな。言われてみれば、肩に力があまり入っていない感じもしたなあ。きっと、撮影はあっという間に終わったような気がする。軽~い気持ちで作りました、ってか。



俺がイメージする無人島サバイバル少女は、もっとハードボイルドなイメージ。色黒で、体中に傷跡があって縫い目があって、髪はボサボサ、片目が半分くらいつぶれていて、手製の武器を上手に使いこなす。疑り深くて、基本的に無口。ギラギラと眼光鋭く、一瞬で殺人技をキメる。殺気が充満した、獣のような少女。あどけない顔をして、サソリを素手で握りつぶす…おお、そそるなあ!これくらいやってくれればコーフンします。侵入者に対しては、自家製トーチカに潜んで応戦。いわば、1人硫黄島作戦!


まあ、そこまでしろとは言わないけど、“戦う顔”っていうものがあるでしょう。夏休みでペンションや別荘に来てるんじゃないだから、もうちょっとがんばろうよって言いたい。


自分の力で生き抜く力を持っている人は、それなりの顔つきをしているもんです。カッコだけのニセモノは、すぐにバレてしまうもの。戦う覚悟があれば、自然に雰囲気が出てくるもの。サバイバルごっこだったら誰にもできる。本気で生き抜こう意気込みがあれば、そういう行動になってくる。


そして極めつけは、この邦題。おかげでラストが余計に安っぽくなってしまいました。おねーちゃんたちにはウケるのかもしれないけど、俺的にはアウト。もっと深い意味のタイトルかと思っていたので、ダマされた気分です。…というか、それも作戦?




【鑑賞メモ】

鑑賞日:9月17日 劇場:ワーナーマイカル新潟 21:35の回 観客:約20人

「シャッター」 が終わったらちょうど始まるところだったので、続けて見ちゃいました。


【上映時間とワンポイント】

1時間36分。この短い時間に、あなたは何回ツッコめるか。ちなみに俺は20回くらいでした。そのくらい 『…おい!』 って叫びたくなるトンデモな場面がいっぱい!


【オススメ類似作品】


「モスキート・コースト」 (1986年アメリカ)

監督:ピーター・ウィアー、出演:ハリソン・フォード。科学者の父親が、自分の理想のために家族を巻き込んでさんざんな目に遭うトンデモ映画。息子役のリバー・フェニックスの美少年ぶりがオネエサマたちの胸をときめかせた衝撃の作品でもあります。ストイックな生き方って、メチャクチャだけど美しい。この映画には、本作にないものが全てつまっています。そして、こんなイカレた脚本を書いたのは、「タクシー・ドライバー」 のポール・シュレーダー!


「キャスト・アウェイ」 (2000年アメリカ)

監督:ロバート・ゼメキス、出演:トム・ハンクス。無人島に漂流してしまった孤独を極限まで表現した映画といえば、やっぱりコレでしょう。人一倍淋しがりやの男が、サバイバルを強いられるハードな状況が、画面いっぱいに広がります。結果的には、メタボオヤジがスマートおやじに変身。究極の無人島ダイエット映画。


「ネル」 (1994年アメリカ)

監督:マイケル・アプテッド、原作:マーク・ハンドレー、出演:ジョディ・フォスター。野生の少女を、ジョディが熱演した怪作。独自の言葉を話すジョディの、渾身の演技にご注目。オッパイをぽろんと出した場面は痛々しかった。精神科医を好演したリーアム・ニーソンとのバランスが素晴らしかった。本作のアビゲイル譲は、この映画を見て演技の何たるかを学んで下さい。


「恋愛小説家」 (1997年アメリカ)

監督・脚本:ジェームズ・L・ブルックス、出演:ジャック・ニコルソン。心を閉ざした小説家というと、俺はこの映画のジャックが浮かびます。本人は深刻なんだけど、その行動がユーモラスで笑えます。そんな心の引きこもり男が、どうやったら前へ進もうとするのか。その心の動きに注目してご覧下さい。ヒロイン役のヘレン・ハントの演技が素晴らしく、2人の間の空気がとても気持ちいい。良質の映画です。


「ふしぎな島のフローネ」 (TVシリーズ)

世界名作劇場のアニメーション。俺が中学生くらいの時に放映してました。俺的には、モートンというおっさんが好きでした。フローネ一家が飢え死に寸前になるまでジャムを隠していたオヤジ根性がスバラシかった。家族ロビンソン漂流記だから、ユルいところもあるけど、本作よりずっとサバイバルしています。夜中に狼が襲ってきた話は名場面!




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2008-09-22

シャッター

テーマ:洋画

オリジナルを知らない人ならOK。 知っている人は角度を変えて楽しみましょう。


タイ映画 「心霊写真」 をハリウッドがリメイク。日本でロケをして、日本の監督に撮らせて、日本の女優が幽霊役。タイトルは、カメラのシャッターを意味します。


監督は、落合正幸。「感染」 のおっちゃんですな。出演は、ジョシュア・ジャクソン、レイチェル・テイラー、奥菜恵、宮崎美子、山本圭。基本的に英語です。


さて、映画ですが、オリジナルを見ている俺にとっては、まんまパクリ映画でした。新鮮味がないので、無理に作らなくてもよかった気が…なんてヤボなこと言っちゃいけませんね。アメリカ人にとっては、こっちの方が見やすいのかもしれないから、そういう意味ではアリかなって思います。


新婚旅行で日本に来たアメリカ人夫婦の車が、女をひき殺してしまう。あれは幻覚なのか、真実なのか。度重なる怪現象に、2人の精神は崩壊していく…。


主役のジョシュア・ジャクソンは、オリジナルよりもフェミニスト風。新妻役のレイチェル・テイラーもそれなりの美人で、日本の情景に溶け込めそうな雰囲気がいい。キャスティングはまあまあいいでしょう。「ロスト・イン・トランスレーション」 のスカーレット・ヨハンソンを思い出します。居心地の悪そうな、お人好しのイメージ。


謎の女を演じるのは、奥菜恵。オリジナルの女よりも、こっちを応援したくなるのは人情かと。母親役は 「デトロイト・メタルシティ」 に続いて宮崎美子。すっかりお母さん女優になっちゃいました。彼女の満面の笑みが、本作ではよりいっそうコワく感じてしまうから面白い。


リュック・ベッソン監督の映画に、「ニキータ」 という傑作があります。アンヌ・パリロー主演だったのですが、彼女はちょっとケバいという印象もあった。それをハリウッドリメイクしたのが 「アサシン 暗殺者」。主演したブリジット・フォンダはかわいくてキレイだったので、アメリカ人的にはこっちの方がいいのかも。だけど、俺の印象では、作品そのものが軽いイメージになってしまった感が強かった。


同じ理由で、本作はキレイにし過ぎた感じがするんです。何と言うか、オリジナルでは、タイ独特の暑苦しさが思考を狂わせる雰囲気があった。本作では日本が舞台なので、日本人にとっては恐怖度が薄れるのは否めない。ただ、アメリカ人にとっては異国なので、不安を増長する効果はあるでしょう。


俺のお楽しみポイントとしては、奥菜恵のフトモモがチラリと見えるシーン。下着姿のヒロインよりずっとセクシーでした。オヤジのみなさんは、どうぞお見逃しなく。


奥菜恵は、残念ながら演技力はイマイチ。ただ、色んな役に挑戦する意欲はあるので、これからもがんばって欲しい女優です。「RED SHADOW 赤影」 のおバカ姫も面白かったし。願わくば、セリフの少ない無表情な役がいいかも。これって、「僕の彼女はサイボーグ」 の綾瀬はるかとおんなじか?


心霊写真は文化であり、アートであると俺は思っています。どう見てもニセモノくさいのが多い現状において、本物の迫力とインパクトに満ち溢れた作品は、ちゃんと存在していると思う。プロの幽霊のみなさん、これぞ心霊写真の真髄であると言えるような力作を、実現できるようにどうかがんばって下さい。


この映画の教訓は、“運転中のよそ見はやめましょう” ということでしょうか。俺的にはタイトルの意味は、カメラのシャッターよりも商店街のシャッターのイメージです。…早いとこ下ろして、今日は店じまい!




【鑑賞メモ】

鑑賞日:9月17日 劇場:ワーナーマイカル新潟 19:40の回 観客:約6人

ホラー映画なのにレイトショーがないのも、何だか淋しいなあ。


【上映時間とワンポイント】

1時間30分。短く感じるか、長く感じるかは、見る者次第。何なら、夢の中で続きが見れるかも…ウッヒッヒ。


【オススメ類似作品】


「心霊写真」 (2004年タイ)

監督・脚本:パークプム・ウォンプム、バンジョン・ピサンタナクーン。出演:アナンダ・エヴァリンハム。オリジナルを見たい人は、この映画をチェックしてみて下さい。タイ映画の雰囲気って独特のものがあるから、得体の知れない不安感が相乗効果抜群です。ラストは爆笑の連続でした。


「池田貴族の怨霊写真」 (ケイエスエスエムイー)

原案・監修:池田貴族、監督:浅沼純司、出演:滝沢涼子。これは映画ではなくたぶんオリジナルビデオだと思うんですが、悪役の女優がスゴかったのでよく覚えています。ニターっと笑った顔は恐怖度抜群。マジで恐いので、覚悟してご覧下さい…ウッヒッヒ。




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2008-09-21

おくりびと

テーマ:邦画

死ぬのも悪くないな、って思いました。


監督は、滝田洋二郎。脚本は、小山薫堂。音楽は、久石譲。出演は、本木雅弘、広末涼子、山崎努、余貴美子、吉行和子、杉本哲太、笹野高史、山田辰夫。本作は、モントリオール映画祭でグランプリを受賞しました。


さて、映画ですが、しみじみと心に染み込んでいく、極上の作品に仕上がりました。日本人なら共通して持っている精神世界を、見事に表現しています。年齢や宗教に関係なく、万人に共通するテーマだと思うので、機会があればぜひご覧下さい。


チェロ奏者だった男が、楽団が解散したことにより、職を失ってしまう。失意のもとに帰郷した彼は、勘違いで納棺師になってしまった。納棺師とは、ご遺体をきれいにして化粧をした上で、棺に納める仕事。妻に猛反対され、友達に白い目で見られ、もがき苦しみながらも、自分の道を突き進んでいく…。


主演は、本木雅弘。以前にも言いましたが、彼はジャニーズ出身の俳優として一番演技力があると思います。今回は、今までで最高の演技を披露しています。きっと彼自身も、苦悩しながら生きてきたんでしょう。最近の若い人はわからないかもしれないけど、サントリー伊右衛門のCMで、宮沢りえの旦那役を演じた男といえばわかるでしょう。セリフはないけど、表情が魅力的でした。


妻役を演じたのは、広末涼子。まだ青くさいけど、役者をやろうとがんばっていることはよくわかります。その危なげな感じが、演技としていい効果を生んだようにも思える。主役とのバランスはなかなかよろしい。まだアイドルのオーラが抜け切っていないような気がするので、本木雅弘の演技を見習って、これからも修行を積んで下さい。


社長役の山崎努が素晴らしい。彼のプロフェッショナルな仕事ぶりは説得力抜群。「クライマーズ・ハイ」 の時はエロ社長でしたが、こっちは一味違うぜ。オヤジのシブい演技を堪能せよ。


脇役陣も充実。余貴美子はくたびれ感がいい。吉行和子のやさしさは絶品。山田辰夫の射るような視線はゾクゾク。杉本哲太はストイックさがいいし、笹野高史はオイシイところをガッチリって感じ。こんなに生き生きとした情熱に満ちた映画は、見ている方も気持ちがいい。


映画自体は真面目なテーマですが、結構笑える場面も多くて、観客は爆笑の連続です。笑って泣いて、学べる映画。柔道のように、崩してから技をかけるテクニックは、日本映画の真骨頂。


俺自身も、18歳で上京して、23歳で故郷に帰ってきた経験があるので、自分と重なる部分もあって親しみやすい物語でした。さんざんな目に遭っても、何とかなるもんです。だから、人生は面白い。



長渕剛の歌に、「ガンジス」 という叙情的な曲があります。死人を焼いて、灰をガンジス川に流す情景を綴った長い歌ですが、ギターの伴奏が生命の脈動のようで、妙に印象に残りました。本木雅弘は、15年前くらいにインドを1ヶ月間旅したらしく、その時に何かインスピレーションを感じたんでしょう。帰国後に、「納棺夫日記」(青木新門著)という本に出会い、納棺師という職業に注目。すぐに映画化を企画し、それを長年あたためてようやく実現したというわけです。丁寧につくられたおかげで、最高の映画として昇華しました。俳優としてこんな幸せなことはないでしょう。大変おつかれさまでした。


人間は、いつか必ず死にます。いつ死ぬのか、どう死ぬのかは誰にもわからない。限られた人生だからこそ、一瞬一瞬を大切に生きる。わかっていることだけど、いつの間にか時間はドンドン過ぎていってしまう。何もしないうちに、人生が終わってしまう人だっているかもしれない。


生きがいって何だろう。それは、生きててよかったと実感できること。人によって違う世界があるので、自分の心に問いかけて探ってみないとわからない。誰かが教えてくれるものでもない。生きていく中で、生涯をかけてやる価値のあるものを、自分の力で見つけていく。そういうもんじゃないかって思います。


本作の主人公は、転職して天職に出会いました。脳幹を刺激する納棺のお仕事。故人の旅立ちをサポートする、あの世への橋渡し役。どんなに薄汚れた人生であっても、きれいな死に顔を残して去っていけば、残された者の心も和む。おくりびととは、送り人であり、贈り人でもあるんですね。


死んだ後に、いい仕事してくれる人がいるとわかっていれば、死ぬのも悪くない。だからこそ、精一杯生きなきゃって思いました。全国のおくりびとのみなさんに幸いあれ。




【鑑賞メモ】

鑑賞日:9月15日 劇場:ユナイテッドシネマ新潟 観客:満席(完売)

年配の人が多かったように思います。みなさんマナーがよくて、おくりびとの気分で見ることができました。


【上映時間とワンポイント】

2時間10分。長くは感じませんでした。面白いから、あっという間ですよ。


【オススメ類似作品】


「セロ弾きのゴーシュ」 (1982年オープロダクション)

監督:高畑勲、原作:宮沢賢治、声の出演:佐々木秀樹。チェロ奏者が主人公の映画といえば、やっぱりコレでしょう。人間は誰でも、何かの役に立っているものです。タヌキやネズミの親子など、楽しい動物たちとの交流を通して、次第に心が磨かれていく青年を描いた、アニメーション映画の傑作。おくりびとのパンフを買った人は、本木雅弘が屋外でチェロを弾いている写真をご覧下さい。まさに、ゴーシュ実写版!


「赤ひげ」 (1965年東宝)

監督:黒澤明、原作:山本周五郎、出演:三船敏郎。江戸時代の病院が舞台。中盤、死に行く老人の荘厳な様子を、音楽で表現した場面が印象に残っています。医療現場で働く人もまた、おくりびとなんだと思います。




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