1 | 2 次ページ >> ▼ /
2008-03-31

3月を終えて

テーマ:エッセイ

【今月行かなかった映画とその理由】


「犬と私の10の約束」

ほほう、猫娘が犬を飼うんですか、攻守逆転ですな。まあ、「マリと子犬の物語」 を見たばっかりだし、犬モノはしばらくパスしたい。それに、予告編がうざったかった。『…必ず見に来てね、約束だよ!』 なんて言われてもなあ。そんな押し売りみたいな映画はイヤだ。


「ガチ☆ボーイ」

主演の佐藤隆太は、「海猿2」 で迷子になった救助隊員。そうかあ、忘れっぽい役やらしたら右に出る者がいない男なんですねえ。予告編がネタバレし過ぎなので、問答無用でパス。


「明日への遺言」

2度ほど行くチャンスがあったんですが、1回目は精神的に落ち込んでいてパス。2回目は仕事が微妙に終わらなくて断念。後ろめたい気持ちで見たら、映画に失礼だもんね。まだチャンスがあったら行きたいと思う。


「クロサギ」

シロサギさんからお手紙着いた。クロサギさんたら読まずに食べた…ってあれ、そういう話じゃないんですか?仕方がないので、ポストマンカズシゲを呼びましょう。


「ドラえもん のび太と緑の巨人伝」

娘が行きたいと言ったので、妻と行かせました。その間に俺は 「バンテージ・ポイント」 を見たというわけです。妻の話では、三宅裕司がドヘタだったそうです。そうか、ワイアール星人は出てこないのか。


「マイ・ブルーベリー・ナイツ」

いくらウォン・カーウァイ監督でも、この題材はそそらない。いろんな女優が出ているんだけど、どうも面白そうな感じがしない。理由はわかりませんが、気色悪そう。


「ライラの冒険 黄金の羅針盤」

行きたいかって娘に聞いたら、別にって言われました。まあ、オッサン1人で行くのもなんだしなあ。


「魔法にかけられて」

魔法にかけられても、行きたくないなあ。予告編がサイテーだったので思いっきりパス。





今月見に行った劇場映画は、ちょっとがんばって11本。今年のトータルは30本になりました。


人生は相変わらず、いいこともイヤなこともいっぱい。ストレスがたまり過ぎると、ちょっとしたことでイラついてしまうもの。もういい年なんだけど、やっぱり自分でも青くさいなって思います。だけど、変にものわかりのいい大人になっていくのも寂しいから、情熱だけは失わずにいたいなあ。

最近、見る映画を選ぶようになりました。一昔前の新潟では、選ぶ余地もないくらい公開数が少なかったけど、今どきはわりと何でもやってくれるようになったことが大きいですね。ありがたいことです。


でも、どうせ見るなら、いいものをたくさん見たい。貴重な時間とお金をかけて劇場に行くわけだから、作品を見極める目を持ちたいと思うんです。だから、予告編は大事なんです。


いい映画を見てうれしかったこと、ヒドい映画を見てガッカリしたことなど、これからも相変わらずのアホ文章を展開していくことでしょう。こういうことしか書けないから、もうしょうがない。この小さなブログの情報が、誰かの役に立つことができれば本望であると、いつも思っています。


では、4月もがんばります。どうぞよろしく。




AD
いいね!した人  |  リブログ(0)
2008-03-30

呉清源 極みの棋譜

テーマ:洋画

白黒つかない人間世界と、白と黒に彩られた碁盤宇宙。 …両者のはざまの中で、天才は何を見るのか。


“呉清源(ご せいげん)” は、主人公の名前。1914年に中国で生まれた囲碁の天才棋士の半生を映画化。この映画を見に行こうと思った理由は、予告編のナレーションを担当した谷啓の 『…天才の頭の中、覗いてみませんか?』 という言葉に惹かれたから。囲碁を全く知らない俺が見ても大丈夫な映画ですが、知っている人ならもっと楽しめる作品でしょう。


碁の天才が “ご” という名前なのはわかりやすい。何だかオセロの天才が “オセロ” みたいで面白い。碁の神様みたいな人の名前にふさわしいですね。 さて、人生は碁のように白黒はっきりつけられるものなのでしょうか?…ねえ、ゼブラーマンさん。


監督は、田壮壮(ティエン・チュアンチュアン)。中国の監督の中でも、芸術性を重んじるスタイルで尊敬されているそうです。監督自身も囲碁好きらしく、呉清源の伝記を読んでとても感動したことで、この映画が作られました。脚本は、アー・チョン。衣装デザインを担当したのは、ワダエミ。この映画、日本でロケをして日本人の俳優をたくさん使って、ほとんど日本語ばっかりですが、中国映画であることをお忘れなく。


出演は、チャン・チェン、伊藤歩、柄本明、松坂慶子、シルビア・チャン、仁科貢、野村宏伸、南果歩、大森南朋、米倉斉加年、宇津宮雅代。…おお、何だか昭和って感じがする。


さて、映画ですが、物静かでいて、力強い作品に仕上がりました。人物の動きは最小限度。露骨で派手な描写が極力抑えられている分だけ、人間の感情が浮き出てくるような感じがします。あえてアップにせずに遠目に見ることで、表現できることもある。彼の佇まいを見て、天才とは何かを考えましょう。


内容は、トンデモな人生を生きた天才の、真面目な映画です。トンデモ映画ではありませんので、じっくりとご覧下さい。…でも、やっぱりトンデモ人生は面白い!


囲碁は、今から2600年前頃に中国で発祥し、日本に伝わったのは4世紀頃と言われています。将棋やチェスの名人がコンピューターに敗北する現代において、囲碁だけはまだまだ圧倒的に人間の方が強いらしい。それだけに、人間特有の優れた部分を生かす競技であり、勝負を超えた深い世界なのかもしれない。


呉清源は中国で生まれ、7歳で父親から碁を教わり、メキメキ上達して天才少年と言われるようになる。しかし、清朝が衰退してからというもの、中国では碁もすたれてしまっていて、プロの専門棋士はいない時代だった。しかし、北京の少年棋士は、日本の棋界でもその名を知られるようになり、日本留学をすすめられる。そして、14歳になった呉清源は、ついに日本にやって来るのであった。映画は、その後の話になります。


主演のチャン・チェンは、クールで寡黙なイメージ。ものすごく集中力がありそうですねえ。パンフレットを買われた方は、3ページ目の、碁盤に向かっている写真を見て下さい。何を話しかけても返事しなさそうに見えます。まさに、世界に入っている感じですねえ。碁を知らなくても、彼のオーラの強さを感じます。向かい合った途端に、うわ、参りましたって言いたくなる。


彼の伴侶役に、伊藤歩を起用したセンスはいいですねえ。彼女は、表現力が豊かないい女優さんです。地味だけど、彼女の雰囲気は好きだ。何と言うか、影がある一方で、ほのかにあたたかみがある感じなんです。本作での出番は少ないですが、天才を影で支え、時には振り回す芯の強い女性を力いっぱい演じています。


柄本明と松坂慶子は、安心して見ていられます。イカれた教祖役の南果歩も、いかにもでよろしい。そして 「ちりとてちん」 のじいちゃん役だった米倉斉加年が、主人公の心の師として登場。でも出たと思ったら、次の瞬間には遺影になっていた!この場面、フキンシンですが、ちりとてファンは爆笑。『…お前はこれから、ぎょうさん碁を打て!』 と言われているみたいですなあ。うーむ、説得力絶大。


最近映画で見た天才といえば、やっぱりLでしょう。本作の彼との共通点は、前かがみになって歩く姿。Lは単なる猫背かもしれませんが、こっちは何でしょう? …やっぱりあれかな、脳の重さが人と違うからだったりして。


「Sweet Rain 死神の精度」 の金城武は、こっちの世界とあっちの世界で宙ぶらりんになりながら行動する男だった。ひょうひょうと演じる彼を見るのは面白かったけど、本作は人間。中国と日本の間で、心の居場所を求めてさ迷う求道者。サラリとかわしていく金城。困難に遭遇した時に、どう行動するかは、自分の心が決めるもの。


本作の天才は、終始物静かである。碁盤をじっと見据える姿は、何者も寄せ付けない雰囲気がある。時代が安定していたら、ずっとこのままストイックに生きていったのかもしれない。しかし、激動の時代がそれを許さなかった。中国で生まれて日本で成熟した碁の世界と、中国で生まれて日本で育った自分。彼にとっては、どちらの国も大切だったに違いない。日中戦争が勃発しそうな空気の中で、彼はどんな思いだったろう。


人間の心というものは、理屈で割り切れない部分がどうしてもある。わかっていても、そうしてしまうことがある。そうせずにはいられない何かがある。だから、本作の天才も苦悩する。悩んで嘆いて、のた打ち回る。脳は完璧でも、肉体は生身。できることとできないことがある。何故なのか、誰にもわからない。でも、天才はそういうことを考え続けるものなんじゃないかって思う。


「ちりとてちん」 の塗り箸職人だった米倉師匠の言葉が聞こえてきそう。『…自分が塗り重ねたもんしか、模様には出てこん。』 自分が味わった苦悩も、悔しさも悲しみも、全て心の中で昇華して、前へ進む力に変える。それがプロというもの。苦労した天才棋士は、きっと碁の世界も深く広がったことでしょう。


映画は、彼の弱い部分も、きちんと表現します。その潔さがいい。変に誇張したり美化したりしなくても、伝わるものはちゃんと伝わるもんです。だから、見る側も、しっかり見て感じ取るべきだと思う。考えるって、とても体力を使うものだから。


確か、「博士の愛した数式」 で、こんな場面があった。イスに座ってぼんやりしている寺尾先生に、深津お手伝いさんが質問します。『…あのう、夕食の献立なんですけど…。』 すると先生は、『…君、僕が数字と戯れているのがわからんのか。貴重な時間を邪魔しないでくれたまえ!』 と怒ります。そうなんです、天才が考えごとをする時ってこんな感じだと思うんです。凡人には、何もしていないように見えるだけ。


いつも動いていないと気がすまない人がいれば、いつも考えていないと気がすまない人もいる。でもそれは、言い方を変えれば、動かずにいられない人と、考えずにいられない人。もうちょっと進んだ言い方をすれば、動くのが好きでたまらない人と、考えるのが好きでたまらない人。だから、得意なことと苦手なことがあっていい。それを補うのが人間関係であると、俺は思うんです。


天才は、完璧な人間でなくていい。得意な分野を極めた人というだけで充分。だからこそ、苦手な部分に対しては、素直に人に従えばよろしい。天才を育てる環境とは、そういうところが大切だったりして。


呉清源先生は、90歳を超えた現在もお元気だそうです。映画の冒頭に登場するのは、ご本人です。あの幸せな笑顔は、悩みぬいた末に獲得した賜物なんでしょう。凡人として感謝申し上げます。ご教授ありがとうございました。




【鑑賞メモ】

鑑賞日:3月29日 劇場:シネウインド 17:50の回 観客:約20人

Hさんが入り口で受付嬢とモメてました。何だか機嫌が悪いようですね。 …あ、寒いですか、はいはい、ドアを閉めましょうね。


【エンドクレジット】

普通に終わりますが、エンドロールが全部アルファベットでした。 …おお、やっぱり洋画じゃん!


【オススメ類似作品】


「ビューティフル・マインド」 (2001年アメリカ)

監督:ロン・ハワード、原作:シルビア・ネイサー、出演:ラッセル・クロウ。実在の数学者が主人公。苦悩する姿は、本作に通じるものがあります。ラッセルが、素晴らしい演技を披露。彼を支える妻を演じるのは、われらがジェニファー・コネリー。


「シャイン」 (1995年オーストラリア)

監督・原案:スコット・ヒックス、出演:ジェフリー・ラッシュ。実在の天才ピアニストが主人公。ピアノが好きで好きでたまらなくて、弾きたくて弾きたくてたまらない。苦難も嵐も乗り越えて、俺は演奏家になるんだ。うおお、俺のピアノを聞いてくれ! …はいはい、とりあえずパンツはいて下さいね。



AD
いいね!した人  |  リブログ(0)
2008-03-29

ポストマン

テーマ:邦画

トンデモ映画ですが、本気で撮っているのがスバラシイ。 …その根性を買った!


“postman” とは、郵便配達員のこと。ポスト怪人の話ではありませんのでご注意。(誰も間違えないって)


製作総指揮と主演は、長嶋一茂。おお、マッチョな男のやりたい放題映画か?監督は、今井和久。脚本は、鴨義信。共演は、北乃きい、原沙知絵、田山涼成、遠藤久美子、竹中直人、野際陽子、犬塚弘、谷啓。友情出演として、古手川祐子、大塚寧々、木梨憲武。…なかなか豪華じゃん。


さて、映画ですが、ファイト一発ド根性映画に仕上がりました。体力と根性があれば、人生どうにかなる。オロナミンCとリポビタンDを飲んでから見るべし!


「ポストマン」 というと、ケビン・コスナーのアレを思い出しますが、全然違います。あっちは仕方なく配ったのに対し、こっちは本業でガッチリこなす男。その仕事ぶりが粋だねえ。


千葉県の海岸沿いにある、のどかな町に、小さな郵便局があった。そこには、名物男が勤務していた。誰よりもこの仕事に誇りを持っている彼には、苦悩の過去があった…。


長嶋一茂といえば、永遠のヒーロー・長嶋茂雄の息子。ヤクルトでちょっと野球をした後に、いつの間にかK-1の解説者になり、医者のヘンなドラマに出たり、「さんまのからくりTV」 でトンデモ回答者として有名になったりして大忙しのマルチタレントという認識くらいしかありませんでした。「男たちの大和」 にもチラッと出ていましたが、作品の力に後押しされて好印象だったと思っていたものです。


その彼が、こんな映画を作ってしまった。内容はともかく、彼を見直しましたね。大したもんだと思います。この業績を素直に讃えたい。よくがんばりました。…あんたはエライ!


北乃きいは、「スピードマスター」 で大友康平の娘を演じていましたが、本作もおんなじキャラですね。こういう役がよく似合う。というか、もっとバリエーションを開拓して下さい。ワンパターン女優になるな。


原沙知絵も、「ちりとてちん」 とほぼおんなじキャラ。ヘタレ女役が板についてきたかな。彼女、あんまり器用じゃなさそうだから、この路線でしばらくいっていいかもね。そんなに色々できないだろうし。


遠藤久美子って、いくつになってもかわいい女を演じますね。それもいいじゃん。そのうちに、彼女が主役の映画も見てみたいかな。


この映画を、一茂がどうして作りたかったのかに興味があります。手紙を届けるという仕事の尊さを、心から実感した経験があったんでしょう。情熱がなくては、こういう仕事はできないだろうから。


実は俺、25歳くらいの時に、30人くらいと文通した経験があるんです。もともと文章を書くのは好きだったので、当時は1日に5通くらい書いてました。さすがに半年でギブアップしましたけど。その時、手紙のよさというものを心から味わったものです。気持ちが伝わるって、とってもいいもんなんですよ。


最近では、手紙を書くことってなかなかないかもしれないけど、年賀状とか、メールとか、文字で人に何かを伝えるっていう機会は多い。伝える手段は色々あっていい。ただ、その最高の手段が、手紙なんだと思う。


人と人をつなぐ役割のある仕事って、素晴らしい。仕事のやりがいって、そういうところから生まれると思うんですね。俺は機械部品の製造を職業としていますが、自分の作る部品が、人の役に立っている。この部品が、人の命を救うかもしれないっていう思いをこめて、毎日仕事をしています。そういうロマンチシズムって、仕事に絶対必要だと思うんです。


○○バカって呼ばれてもいい。むしろ、そのくらいにまで極められれば上等ってもんでしょう。せっかく仕事するんだから、誇りとプライドとこだわりは持つべき。 …男って、そういうもんです。


で、この映画はどんな映画なんですかと聞かれれば、いい映画ですと答えましょう。ただし、ストーリーはムチャクチャです。でも、そこがいい。一茂らしくていいんじゃないでしょうか。気持ちはちゃんと伝わると思いますよ。少なくとも、本作を見たら、郵便屋さんに対する見方が変わるかもしれないしね。


おいおい、って思いながらも、だんだんと応援したくなる。そこまでせんでも、と思いながらも、あいつならそうするかもしれないって感じてしまう。そういう風に思われるような男にならないとなあ。やっぱり彼は大したもんです。バカ映画かもしれないけど、ここまで徹底してると気持ちがいい。お見事です。


長嶋一茂のこれからが楽しみだ。当たり前のように届く郵便物を見たら、彼の姿を思い出しましょう。そして、郵便屋さんに 『…ありがとう。』 と言ってあげましょう。 …毎日、ごくろう様です!ガンバレ、ぼくらのポストマン!




【鑑賞メモ】

鑑賞日:3月26日 劇場;ユナイテッドシネマ新潟 21:15の回 観客:3人

俺の他に、カップルが一組だけ。客がたった3人でも、カズシゲは力一杯配達してくれました。…あんたはエライ!


【エンドクレジット】

最後にオマケ映像あり。どうか最後まで付き合ってあげて下さい。


【オススメ類似作品】


「魔女の宅急便」 (1989年徳間書店)

監督:宮崎駿、原作:角野栄子、声の出演:高山みなみ。スタジオジブリの名作アニメ。本業は魔女ですが、宅急便の仕事に懸けるキキの情熱は、本作のカズシゲに通じていると思います。


「不撓不屈」 (2006年ルートピクチャーズ)

監督:森川時久、原作:高杉良、出演:滝田栄。国税庁を敵にまわして、たった一人で戦った税理士の実話。真面目に一生懸命がんばることの尊さを、この映画が教えてくれます。最大の宝物は、心の中に残るもの。


「キカイダー01」 第38話 「必殺の仕掛 血闘三つ巴!」 (1974年)

原作:石森章太郎、出演:池田駿介。ビジンダーとワルダーが文通してせっかく仲良くなったのに、ハカイダーが郵便局を占拠して、手紙をすり替える作戦を企んだ。くそう、何て卑劣な奴だ。おい、ポストマンカズシゲ、あいつらをこらしめてくれ!しかし、わざわざニセ手紙を書くのも、手間のかかる陰謀だなあ。この調子では、世界征服するのに何万年かかるやら。



AD
いいね!した人  |  リブログ(0)
2008-03-25

Sweet Rain 死神の精度

テーマ:邦画

死神っていいなあ。 何だか憧れちゃうなあ。 あの世に行ったら、この仕事をしてみたいなあ。


原作は、伊坂幸太郎の短編小説 「死神の精度」。“Sweet Rain” は、映画用につけたサブタイトルかな。ほほう、“甘い雨” ですか、何だかアメ玉みたいですねえ。Lが喜びそうな天気ですねえ。濡れたらベトベトになりそうですねえ。まあそれは冗談。ここはまあ “優しい雨” という意味でよろしいかと。


監督・脚本は、筧昌也。なかなか面白い経歴を持つ、31歳の男。彼の作品を見るのは初めてなので、興味深々で鑑賞しました。監督自身も、原作のファンだそうな。


出演は、金城武、小西真奈美、富司純子、光石研、石田卓也、村上淳、吹越満、奥田絵梨華、ディア(犬)。実力派中心のシンプルなキャスティングでした。


さて、映画ですが、なかなか粋な作品に仕上がりました。人間の死を扱う映画だと、どうも暗くなりがちですが、本作のタッチはとてもやわらかい。これはどういう映画ですか、と聞かれれば、死神ハードボイルド・ファンタジー、と答えましょう。ありそうでありえないような、ちょっと不思議な世界の物語。


予告編を見た印象では、恋愛ホラー映画かと思いましたが、ちょっと違うみたい。まあ、そういう要素もありますが、そういうものを越えた世界であるような気がします。トンデモなストーリーだけど、これ、たぶんいい映画だと思いますよ。


あるところに、暗い性格の女がいた。彼女には、暗くなる理由があった。そこへ、能天気な死神が登場。彼には、とても重要な使命があった。それは、彼女の寿命を終わらせるかどうかを決めることだった…。


金城武が死神役と聞いて、最初は不安でした。だって、彼はいい人にしか見えないじゃん。でも、彼の独特な雰囲気が、その愛嬌のある眼差しが、映画が進むにつれて次第に熱を帯びてくるのを感じるんです。なるほど、実際の死神って、案外こんな感じかもしれないなあ、なんて思うくらい説得力がある。


彼は、台湾と日本のハーフ。香港映画でブレイクした経歴から考えても、無国籍俳優の雰囲気がある。普通だったら苦悩の影がチラつきそうなもんですが、彼は実にあっけらかんとしている。何というか、いい意味での能天気さというか、無邪気な部分が際立つ。決まった国籍を持たない代わりに、どこの国にでもスッと入っていけるようなしなやかさがある。国境間のラグランジェ・ポイントに存在している感じ。


そう考えると、まさに死神役にピッタリ。人間っぽくなくて、でも人なつっこくて、憎めないキャラ。見事にハマリ役と言えるのではないでしょうか。彼の持ち味を最大限に生かした筧監督の腕は、本物だと思います。


小西真奈美は、言うまでもなく恐い。最初は、こっちが死神かと思いました。彼女の負のオーラは絶大。主題歌も彼女が歌っていますが、そのジャケットがまたコワい!引きずりこまれそうな、妖しい眼差し。彼女の美しさって、妖怪の雰囲気がある。顔が小さいから、小悪魔。でも今年で30歳になるので、もう立派な悪魔。


やっぱり、パッと見には、キャスティングが逆だろうって思います。金城君が人間で、小西ちゃんが死神やった方がわかりやすい。だけど、それだといかにもな映画になってしまう恐れがある。ここで注目したいのは、原作者の伊坂氏が、死神役が金城君と聞いて、映画化をOKしたということ。そして、監督が原作ファンであるということ。この事実だけでも、本作がいかに丁寧に作られたかがわかるというもの。


最初は不安でいっぱいでしたが、見ているうちに、それは杞憂に終わりました。見終わった後は、なるほどと思いました。この映画、劇場で見てよかったと思います。


人の命を左右する職業というと、そんな権限なんて誰にもないと反発する人もいるでしょう。でも、彼の仕事はそういう性質のものじゃないんです。死を決めるのは、結局は自分自身の心。それを判断するのは、死神のもっと上にいる、より大いなる存在でしょう。だから、人間を超えた奴でなきゃ務まらないんだと思います。


この映画の根底にあるのは、生命をいとおしむ心。人を生かすも殺すも、生きるも死ぬも、やめるも続けるも、結局は自分の心が決めること。第三者には決してわからない、自分だけの判断基準があるんだと思う。


死神はたぶん、その人の心の輝きを見るんじゃないのかな。充分生きたのかどうか、本人が納得した度合いを判断しているんじゃないか、って思うんですね。俺も死に際になって、死神が現れたら、素直に会話したいなって思います。


あ、できれば死神役は女性でお願いしたいですねえ。小西真奈美以外の。希望は蒼井優ちゃんで。愛想のいい方のキャラでお願いします。「クワイエット・ルームにようこそ」 のメイクじゃなくて、「変身」 のキャラでお願いします。俺の亡骸にしがみついて泣くのは福田麻由子で、葬式で流れる音楽は 「ゴッドファーザー 愛のテーマ」 で、お経は夏目雅子扮する三蔵法師で、三途の川の渡しは地獄少女にお願いして、あの世で迎えてくれるのは、ジョディ・フォスターで… (この後、しばらく妄想が続く)


死神としっかり向き合って、潔く人生を終わりたいものです。 自分の人生は、自分で答えを出さなきゃね。




【鑑賞メモ】

鑑賞日:3月24日 劇場:ワーナーマイカル県央 21:30の回 観客:約5人

静かに鑑賞できて何よりでした。昼に降った雨も、夜には止みました。


【エンドクレジット】

小西真奈美の歌が流れます。天使の歌声というよりも、やっぱり悪魔のささやきだよなあ。


【オススメ類似作品】


「恋する惑星」 (1994年香港)

監督・脚本:ウォン・カーウァイ、出演:金城武。まだ21歳くらいの初々しい金城君が、無邪気な青年をさわやかに演じています。日本語がとても上手なのに驚きました。この映画で彼のファンになった女性は多いことでしょう。同監督の 「天使の涙」 では、豚をマッサージする場面が爆笑でした。ホンマに、オモロイ兄ちゃんです。


「ゴースト ニューヨークの幻」 (1990年アメリカ)

監督:ジェリー・ザッカー、出演:デミ・ムーア。この世とあの世の境界線で、すったもんだの大騒動。演出が素晴らしく、あの辛口な北野武監督も高評価だった、完成度の高い作品。霊能者役のウーピー・ゴールドバーグも印象的でした。


「ロード・オブ・ウォー」 (2005年アメリカ)

監督・脚本:アンドリュー・ニコル、出演:ニコラス・ケイジ。武器商人のハードボイルド映画。ニコラス・ケイジなら 「シティ・オブ・エンジェル」 だろって言われそうですが、仕事をキチンとやる男としては、こっちの作品の方が本作に近いテイストだと思います。“天職”っていう言葉を、この映画で実感しました。




いいね!した人  |  リブログ(0)
2008-03-22

L change the WorLd

テーマ:アニメ・特撮

甘いもの食っている奴って、腕力が強いんだなあ。…いつの間に筋トレしてたんだろ?


エルとは、「かぼちゃワイン」 のヒロイン…ではなく、「うる星やつらオンリー・ユー」 の女王様…でもなく、「デスノート」 の引きこもり捜査官の名前です。シャツの大きさも、きっとLサイズでしょうか。


ああ、やっとこの映画を見ることができました。もっと早く見たかったのですが、いろいろ事情がありまして…。早く行かないと終わってしまう映画がやたらと多いから、大作はどうしても後回しになっちゃうもので。


原作は、大場つぐみ&小畑健のマンガ 「デスノート」 からきていますが、スピンオフ映画なので、ストーリーはオリジナルになります。脚本を担当したのは小林弘利。でも、原案プロットに覆面小説家Mが絡んでいるとかどうとか。


監督は、何と中田秀夫!うわあ、またやりたい放題か?音楽は川井憲次。シリーズをずっと担当してますが、このおっさんは 「リング」 も手掛けているので、監督とは息が合うんでしょうな。そんなうさんくさい企画だから、どうコケてもおかしくない。これは、覚悟して見ねば!


出演は、松山ケンイチ、福田麻由子、工藤夕貴、平泉成、藤村俊二、福田響志、鶴見辰吾、高嶋政伸、佐藤めぐみ、波岡一喜、石橋蓮司、南原清隆。その他、前作の出演者たちもチラッと出ます。


さて、映画ですが、トンデモ・サスペンス・アクション映画に仕上がりました。面白いって言えば面白いけど、こんなんでいいんでしょうか?Lって、こんなにマッチョなキャラだったっけ?


中田秀夫監督といえば、「女優霊」 と 「リング」 で一世を風靡した巨匠としてあまりにも有名…ですが、それ以外はロクな作品がないことでも有名。最近では、ほぼ一発屋監督となりつつあります。いいなあ、巨匠って。何でもやりたい放題だもんね。奴を止められる人間は、きっとこの世にはいないんでしょうね。


デスノートというのは、名前を書くと、書かれた人が死んでしまうという、殺人文房具のこと。前にも書きましたが、よい子のみなさんは、拾ったノートにうっかり自分の名前を書かないようにしましょうね。


映画 「デスノート」 を知らない人のために少しだけ説明しますと、拾った男が悪い奴だったのでさあ大変。しかも、頭のいい秀才ときたもんだ。警察の頭脳では太刀打ちできないので、捜査側もプロを起用。そこでLの登場となります。天才VS秀才の息づまる熱戦!生死をかけて戦う男たちの姿がとても印象的でした。


Lは、色白で細身で猫背で引きこもり風の男。甘いものを常時口にしますが、その食い方が異常。甘いものに甘いものをかけて、甘い飲み物で流し込む!その徹底さは常人を超えています。しかも、それでいてスリムな体型なんだからスゴい。きっと、糖分を頭脳で全て消費してしまうんですね。他にも、変わった特徴がいっぱい。やっぱり天才って、普通の人とは違うんだなあって思ったものです。


今回の映画の内容は、殺人ウィルスもの。Lは、ワケあって23日以内に事件を解決しなければならかった。機密を握る謎の少女と、お尋ね者の数学少年。子守をする。甘いものを食う。考える。甘いものを食う。犯人に襲われる。甘いものを食う。戦う。甘いものを食う。逃げる。甘いものを食う。隠れる。甘いものを食う。危機一髪!甘いものを食う!走る!甘いものを食う!絶体絶命!甘いものを食う!飛ぶ!甘いものを…ええい、デスノートに “糖尿病で死ぬ”って書いたろか!


松山ケンイチは、やっぱりハマリ役ですねえ。「人のセックスを笑うな」 ではヘタレ男でしたが、本作では戦う男として帰ってきました。きっと体が覚えているんですねえ、ちゃんとLになってました。ちょっとふっくらしたけど、まあ成長の範囲でしょう。甘いもの食って太ったわけじゃないでしょう。「呪怨」 のトシオ君が大人になるとこんな感じだったりして。


工藤夕貴は、アメリカナイズされたせいもあって、日本語のセリフが吹き替えみたいで笑えました。口の動きが大きすぎるのかもしれないなあ。貫禄は充分ですが、繊細な表現がイマイチだった。やっぱりオーバーアクション気味。まあ、しょうがないでしょう。向こうの人なんだから。


高嶋政伸は、「マリと子犬の物語」 でマリを置き去りにした自衛隊員を演じていましたが、今回は悪役。どっちにしても中途半端な演技で魅力がありませんでした。正義にも悪にもなれない男。だけど、固い職業の人には見える。インチキくさいところが個性なんですね。


平泉成と鶴見辰吾は、安心して見ていられます。プロの俳優っていいなあ。それから、佐藤めぐみは、「ちりとてちん」 のA子ちゃんですね。凄みのあるキツい目が笑えました。うーむ、このテンションでB子と死闘を繰り広げて欲しかったなあ。少なくとも、ヘタレ高嶋よりは役に立ちそう。


一番どうでもいいのは、南原清隆。誰だ、こんな奴起用したのは!彼が登場した途端に、画面が台無しになってしまいました。「デスノート」 の瀬戸朝香といい、このシリーズにはドヘタ役者の枠でもあるんでしょうか。彼の役柄は、FBIの男。うーん、ただのチンピラにしか見えませんなあ。あんた、派遣社員だろ。せめて 「仮面ライダー」 の滝和也くらいのテンションを出せってーの。こんな奴に頼らなければならないLがかわいそうだ。



今回特筆すべきは、ダントツに福田麻由子です。13歳という武器を最大限に使って、観客を魅了しまくります。恐怖におびえる表情。憎しみをこめた恨めしい表情。ショートカットの前髪から覗く眼光の鋭さは、妖艶ですらある。緊迫感あふれる演技と、首すじの汗が、ほのかな色気をも感じさせる。うわ、この子を何としても守らねば!という気持ちにさせる力があります。


彼女を初めて見たのは確か 「日本沈没」 だったと思います。地震で家族を失った寡黙な女の子だったかな。それと 「ピアノの森」 の声優。俺の認識はその程度。妻の話では、TVドラマ 「白夜行」 がよかったらしい。彼女が成長すると綾瀬はるかになるのはウソだと嘆いていました。ははは、「SAYURI」 のチャン・ツイィーとおんなじですね。演技が下手な女優は、いい子役を使わん方がいいってことか。


福田ちゃんは、清楚で優秀な女の子というイメージ。でも、お嬢様ではなく、強い意志がある凛々しい目をしている。彼女の睨みって、凄みがあるんです。気が強いけど非力な女の子というアンバランスさが、とても魅力的。この年にして、すでに男を操る方法を体得していたりして。うーむ、福田麻由子、恐るべし。この名前をしっかり覚えておきましょう。この映画はともかく、彼女の演技にはお金を払う価値があると思いますよ。


子供って、大人の本質を見抜く力がある。毎日不安と戦っている子であればなおさらのこと。大人は、そういう純粋な目に弱い。しかしながら、ウソかホントかを見抜く力は大人だって負けない。あなたは、子供の目をしっかり見つめることができますか。


男を本気にさせるものは何か。何のために命を懸けるか。誰かのため、自分のため。はっきりとは言えないけど、何かあるんだろうと思う。俺が個人的に思うのは、やらずにいられない、という気持ちにさせられるということ。心が動かされるって、そういうことなんだろうと思うんです。


きっかけさえあれば、誰もががんばれる。Lは、理屈で納得して戦った。しかし、戦い抜くことができたのは、それにプラスアルファの何かがあったと思いたい。頭脳は天才でも、行動は生身だもんね。天才って、どこかが突出している分、苦手な部分も多いもの。それを補うパートナーがいてこそ、力が最大限に発揮できるのかもしれない。


天才は、孤独である。その苦悩は、凡人に理解できないからである。しかし、出会いによってそれは補完できるものであると思う。心は、全部を理解できなくていい。一部だけを、正確にわかってもらえればいい。その一点だけで、力が湧いてくるものなんじゃないかな。


だから、天才のみなさんは、自分の言っていることがわからなくても、自分の心を理解してくれる人を大切にして欲しいと思います。この映画のテーマは、きっとそういうところにある。


自分にふさわしい仕事、自分にふさわしい仲間、自分が一番居心地がいいと思える場所を探して、人は心の旅をする。世界は、自分がつくっていくもの。自分が変われば、世界も変わる。がんばりましょう。とりあえず甘いものでも食って。




【鑑賞メモ】

鑑賞日:3月19日 劇場:ワーナーマイカル県央 21:10の回 観客:約30人

一番せまい1番スクリーンでした。劇場はSサイズということで。


【エンドクレジット】

オマケ映像があったような気がする。…あれ、忘れちゃったかな。すいません、劇場で確認して下さい。


【オススメ類似作品】


「レオン」 (1996年アメリカ)

監督・脚本:リュック・ベッソン、出演:ジャン・レノ。主人公と少女の出会い方が似ています。迷惑な珍客が、自分にとって大切な存在となるプロセスが秀逸。普段、映画で泣かないオヤジも、この映画はホロリといくことでしょう。


「リング2」 (1999年リング2製作委員会)

監督:中田秀夫、出演:中谷美紀。大ヒットした前作 「リング」 の続編として無理矢理作ったトンデモ映画。「らせん」 の立場はどうなる、と原作ファンが怒ったのは言うまでもありません。フタを開けてみれば、噴飯モノのギャグ映画でした。美紀姉ェが、子供をおんぶして井戸をロッククライミングする姿は爆笑でした。


「感染」 (2004年TBS)

監督・脚本:落合正幸。出演:佐藤浩市。経営破綻寸前の病院内で、謎の感染症が発生。助けようとするセンセイと、これを研究して儲けようというセンセイが意地とメンツをかけてやり合います。本作に出ている高嶋政伸のうろたえぶりは、この映画の方がイケてます。


「ガメラ3 イリス覚醒」 (1999年大映)

監督:金子修介、出演:中山忍。前田愛のセリフ 『…イリス、熱いよ。』 がエロくて爆笑でした。


「最終兵器彼女」 (2005年最終兵器彼女製作委員会)

監督:須賀大観、原作:高橋しん、出演:前田亜季。先述の前田愛の妹、亜季ちゃんのセリフ 『…痛くしないで下さい。』 がエロくて爆笑でした。




いいね!した人  |  リブログ(0)
2008-03-21

転々

テーマ:邦画

「東京タワー」 よりヒドい。 こんなもん作って金もらえる三木監督って、幸せ者だなあって思います。


タイトルは “てんてん” と読みます…ってそんなの見りゃわかるだろ!あ、でも、キョンシーのテンテンちゃんは関係ありません…って誰も間違えませんから!それから、ひとくちギョーザの…あ、もうやめます、はい。


話題の映画が、ようやく新潟でも公開。監督・脚本は、三木聡。出演は、オダギリジョー、三浦友和、小泉今日子、吉高由里子、岩松了、ふせえり、松重豊、鷲尾真知子、石原良純、岸部一徳、広田レオナ。それから、チラッと “三日月くん” も登場しますので、「時効警察」 ファンはお見逃しなく。


さて、映画ですが、ユルくて軽い作品に仕上がりました。予想よりずっとローテンションだったので、映画的な盛り上がりはほとんどありません。あまりモノを考えずに、サラッと流してしまいましょう。


三木監督の前作 「図鑑に載ってない虫」 があまりにも面白かったので、ちょっと期待しちゃったのがいけなかった。こんなにつまんないシロモノとは知りませんでした。何もかも中途半端のままがいい人にはオススメかも。


主人公は、大学8年生のヘタレ男。借金取りの男に脅され、返済に困っていたところ、いいバイトがあるよと言われる。どうやら、散歩に付き合うだけでいいらしい…。


オダギリジョーはもはや、やる気のかけらもない感じ。役者としてがんばろうという姿勢は限りなくゼロだと思いました。役柄がヘタレでも、もうちょいどうにかならんか。自分本位な演技ばかりしていると、あまりよろしくないと思いますが。まあ、俺的には、彼を俳優として認めていませんので、どうでもいいです。


共演の三浦友和も、かなりイマイチだったと思う。彼ってやっぱり真面目キャラだから、砕けた役をやるとぎこちないんですよね。真面目にふざけている感じ。「ALWAYS 三丁目の夕日」 では、真面目なお医者さんだったからこそ際立ったんだと思うけど、この映画の役柄は、彼には合っていないと思う。新境地かどうか知りませんが、新鮮味はなかった。世の中の評価は高いらしいけど、どうでもいいです。


主役の2人がつまらんので、全く盛り上がりません。ドッチラケという気分。…ああ、見たことを早く忘れてしまいたい気分。得ることは全くない。イライラするだけのストレス増強ムービーでした。


唯一、岩松了とふせえりと松重のおっちゃんの3人のコントが面白かった。それだけが救いです。本編があまりにもつまらんので、こっちを本編にしたい。あの2人の散歩は、3人のコントのつなぎという位置づけで充分でしょう。金を払うとしたら、映画そのものじゃなくてあの3人のギャラとして払いたい。


この映画、たぶん癒し作品のつもりなんでしょうが、何だか観客をバカにしているようで、ちょっと腹立たしかったのは事実。商店街で 『…安くしとくから、何か買ってよ。』 って言われているような気分になる。押し付けられるのは嫌だ。スタイルや形よりも、質の高さで勝負してもらいたいですね。


三浦オヤジは堅物俳優だから仕方ないけど、オダジョーは、少しくらい本気になってみてもいいのにね。人気があってカッコいいだけじゃ、人を感動させることはできない。「東京タワー」 といい、本作といい、演技というものにあまり関心がないんでしょうか。「ゆれる」 の演技が素晴らしかったのは、監督の演出力と共演者が実力派揃いだったからなのかなって、今さらながら思ったりします。


そういうわけなので、個人的にはもう、彼を俳優だと思わないことにします。人気アイドルという位置づけで充分でしょう。ジャニーズ系の男たちとおんなじでいいじゃん。それだったら、腹も立たないしね。オダジョーファンには申し訳ないけど、本人がやる気がないんだからしょうがない。


三浦友和は、最近色んなことにチャレンジしている様子。その精神は評価したいけど、役柄をしっかり演じられるレベルにはまだほど遠いと思う。真面目な人だから、これからコツコツとがんばっていくことでしょう。その努力が結実した頃に、改めて評価したいと思います。


で、三木監督ですが、やりたい放題の映画を撮るくらいにまで偉くなったようなので、自分が本当に撮りたいものを、今度は本気で作って欲しいです。堤幸彦監督みたいにならないようにご用心。


この映画を見たら、とても虚しくなりました。あちらこちらを転々として、心の居場所がなくなっていく気分。やっぱり、ヘタレのままじゃ、人生が楽しくない。本気でがんばってこそ充実感があるというもの。この映画は嫌いだけど、また一つ学びました。オツムテンテン。次はどんな映画を見ても、きっと面白いと思うな。




【鑑賞メモ】

鑑賞日:3月17日 劇場:T-JOY新潟 21:25の回 観客:約10人

クスクス笑うオバチャン2人組以外は、1人客が多かったみたい。


【エンドクレジット】

最後にオマケ映像あり。あの3人組がもう一発やらかします。


【オススメ類似作品】


「悲しきヒットマン」 (1989年東映)

監督:一倉治雄、原作:山之内幸夫、出演:三浦友和。彼が演じると、ヤクザも真面目な男になります。どう見ても悪人に見えない。きっとワケありなんでしょう。ただ、アタマはよくなさそうでした。この映画のテンションで本作を演じたら、取立て役もサマになったでしょうに。


「夜のピクニック」 (2006年ムービーアイ)

監督:長澤雅彦、原作:恩田陸、出演:多部未華子。延々と歩くという映画なら、こっちの方がオススメです。時間とともに、心が変化していく様子が心地よかった。歩くって、なかなかいいもんです。


「ストレンジャー・ザン・パラダイス」 (1984年アメリカ・西ドイツ)

監督・脚本:ジム・ジャームッシュ、出演:ジョン・ルーリー。ただ移動するだけで、あまり何も起きないという点では、本作に似ているかも。途中から始まって、途中で終わるような感覚といい、ダラダラした感じといい、共通点は多い。だけど、本作には決してない面白さがこの映画には確実にある。それは、己の感性で味わうべし。




いいね!した人  |  リブログ(0)
2008-03-19

ネタバレDVD探検隊 ~心霊映画編~

テーマ:ネタバレDVD探検隊

心霊モノはよく取り上げるけど、心霊映画はあまりやってなかった。というわけで、ちょっぴり探検してみました。



「リサイクル 死界」 (2006年中国)


売り出し中の女性小説家の、次回作は心霊モノだった。執筆するにあたって 『…あなたご自身の体験は?』 という記者の質問に対して 『…ないけど、あるなら体験してみたいわ、ウフフ。』 なんて言っちゃったもんだから、さあ大変!


1人で原稿を書く彼女の周囲に、異変が起きる。人の気配、異常音、悪夢…。別れた男が会いに来たのもストレスとなり、次第に追い詰められていくセンセイ。…ふん、あたしが有名になった途端に現れるなんて、サイテーの男だわ!


エレベーターで妙な幽霊に会った直後から、彼女は異世界をさまようことになる。この辺、場面展開がテキトーです。ここはどこ?あたしは誰?なんでこんなことに?…こっちが聞きたいよ、全く。


ダンテの 「神曲」 というか、ウルトラセブン第31話 「悪魔の住む花」 みたいなうさんくさい映像が連続で登場し、やりたい放題の展開。ここら辺で、見ている方は眠くなってきます。主演の女優も中途半端なので、とても感情移入できそうもない。…いいじゃん、ここで死ねば?


8歳くらいの女の子が登場し、彼女をサポートしてくれます。水子うんぬんの場面もあったから、ははあ、この子の母親が彼女なんだな、ってすぐにわかる。女の子がサポートし、センセイが知恵を絞って、ステージを次々とクリアしていく。どう見てもただのゲームソフトですね。300円くらいでたたき売りしてそう。あ、そういえばタイトルが 「リサイクル」 だった。最初から中古品なんですね。


最終ステージになったら、女の子が言う。『…あたしはここまでしか来れないの。無事に逃げてね。』 うろたえるセンセイ。『…一緒に行きましょう。』 『…ダメなの。あたしは、あんたに捨てられたんだから!』


えーっ、と驚くセンセイ。鈍感だなあ、だから男に逃げられるんだよ、あんた。しかも、妊娠したことも、堕ろしたことも男に黙ってるし。生む努力くらいしなさいよ。これじゃ、水子に祟られてもしょうがないじゃん。あの子の心が広かったから、許してもらえたんですね、きっと。世の中には、立派な水子もいるもんだ。


で、センセイは泣きながら女の子とお別れ。無事に部屋に戻って、原稿の続きを…と思いきや、すでにそこには自分がいた!…あらら、じゃあ、あたしは幽霊?この女に原稿を書かせればいいワケ?幽霊と人間という、2人の自分が見つめ合って、映画は終了。作家もリサイクル。幽霊もある意味リサイクル。物語もリサイクル。ああ、何もかも中古品のニセ物ばっかり。環境にはよくても、精神的に汚れるようなシロモノでした。…この調子で繰り返されて、最初に戻るってか?




「幽霊刑事」 (2001年中国)


何ともスゴいタイトルに惹かれて、つい借りてしまいました。幽霊になって捜査をするとは、なかなかのデカ魂じゃないですか。いやいやもしかして、所属だけしていて出勤しない奴だったりして。


主人公は、若いけど有能な刑事。仕事熱心である反面、上司やお偉方との折り合いが悪い男。ほほう、こいつが死んで幽霊になるワケですな。前半の山場となる銃撃戦が始まると、ちょっとワクワク。ここはひとつ 「ロボコップ」 みたいに壮絶に死んでくれないかなあ。


部下が次々と撃たれで絶命。ちくしょう、よくも仲間を!…とその瞬間、主人公の頭部を一発の銃弾が貫く。これだけで場面は終了。救急車で搬送される。…ははあ、即死じゃないんですね。画面には、新聞の見出しが。2人即死で1人は意識不明だそうな。おいおい、主人公、ゆっくりしていると話が進まないぞ、さっさと死ね。


ところが、2年くらい経ってから意識が回復してしまう。…おい!生き返ってどうすんだよ!これじゃ幽霊刑事にならねえじゃねえか!いつ死ぬんだよ、キサマ。


どうもこの男、昏睡から目覚めたら、幽霊が見える能力が身についたらしい。じゃあ、タイトルは 「霊能力刑事」 にしろ!まぎらわしいなあ、このタイトル考えたのはどこのバカだ?


幽霊デカは、めでたく退院。お世話してくれた看護士の姉ちゃんとちゃっかり恋人になる。現在捜査中の事件は、連続看護士殺人。…うーむ、どう見てもこの女が次の被害者っぽいですね。


いろんな幽霊の中から友達に選んだのは、生前、精神科医だった男。彼は、捜査をする上で有能な相棒となる。犯人が隠れても教えてくれるので、逮捕もカンタン。その彼が、次の被害者が彼女であることを教えてくれる。何でも、生命オーラが弱くなっているということらしい。


全力で彼女を守ろうとする幽霊デカ。しかし、彼女はあっさり殺されてしまう。ダメじゃん。しかし、次の瞬間、笑顔の彼女がそばに立っていた。…ああ、もう幽霊になったんですね。幽霊女と普通に会話する幽霊デカ。これって、悲しい場面なんだろうけど、笑えるなあ。何だか楽しそうだし。あらら、そのままデートしちゃったりなんかしちゃったりして~このドスコイが!


この映画、ホラーじゃなくてハートフル・コメディでした。死んだ後でも、楽しいことってあるのかも。





「ゴースト・ライト」 (2005年アメリカ)


主演は、あのデミ・ムーア!「ゴースト ニューヨークの幻」 で一世を風靡した健気なヒロインは、今ではすっかりハリウッド女優悪役商会の筆頭になってしまいました。元ダンナのブルース・ウィリスが 「シックス・センス」 で大儲けしたオコボレをもらおうという腹でしょうか。イヤらしい女ですねえ。


役柄は、小説家。うーむ、全然作家に見えませんねえ。知的な香りがしませんねえ。あ、余計なお世話ですか。案の定、夫はヘタレです。彼女が執筆中なのに、幼い息子は放ったらかし。両親の知らない間に、息子は川に落ちて溺死してしまう。…まさに、ボッチャン。


トラウマに悩みながら、夫と別居して、知らない土地で作家活動を続ける。そこで知り合った男と恋に落ちて、ムフフの関係になる。ところが、彼は既にこの世にいない人だった。…さては幽霊?


どうやら、死んだ男の名を語ってダマして金儲けしようということらしい。主犯は、デミの仕事仲間の女。うー、何て回りくどい犯罪計画。アタマ悪いなあ、あんた、だからこの業界で成功しないんだよ。そして、ミステリー作家でありながらこの程度のからくりを見破れないデミも、やっぱりニセモノ作家ですね。どうでもいい連中が、どうでもいい展開で争う映画です。…どっちもくたばっちまえ!


かわいそうなのは、死んだ息子。幽霊になってママを助けようとする健気な姿は、さわやかにキモチワルイ。出来た息子だなあ。ますますデミの子供じゃないだろ。きっとどこからかさらってきたんでしょう。こんなバカ親のことはさっさと忘れて、あの世で彼女でも見つけなさいな。


盛り上がらないクライマックスを経て、ようやくデミママのトラウマが解消。作家としてさらなる躍進を…ってなラストで終了。くっだらねえ。やっぱり何から何までニセモノづくし。作家というのもきっとウソですね。ゴーストライター雇ってたんでしょう。…あれ、これってタイトル?




いいね!した人  |  リブログ(0)
2008-03-15

バンテージ・ポイント

テーマ:洋画

大統領暗殺バラエティ・アクション。 …さて、大統領は何回殺されるでしょう?


“vantage point” とは “見晴らしのきく地点” という意味と “有利な立場” という意味があるそうです。


監督は、ピート・トラヴィス。脚本は、バリー・L・レヴィ。本作で注目したいのは、オリジナル脚本であるということ。これを書いたレヴィ氏は、なかなかのキレ者ですね。後半のムチャクチャ度は爆笑でした。


出演は、デニス・クエイド、フォレスト・ウィテカー、シガニー・ウィーバー、ウィリアム・ハート、マシュー・フォックス、アイェレット・ゾラー、エドゥアルド・ノリエガ、エドガー・ラミレス、サイード・タグマウイ。


さて、映画ですが、地味な題材と思いきや、かなりぶっ飛んだ作品に仕上がりました。歯切れのいいトンデモ映画。前半イライラ、後半ハラハラ。…うわ、そんなアホな!


国際テロ対策の首脳会議に参加すべく、スペインに赴いたアメリカ大統領が、挨拶の舞台で狙撃されてしまう。犯人は誰だ?どうやって狙撃したのか?今どこにいる?あの怪しい連中は何者?登場人物8人の視点から見た真実を通して、観客も捜査に参加せよ!


大統領の暗殺モノというと、固い作品になりがちですが、本作は全く違います。そ~こ~ぬ~け~に笑いました。映画の構成としては、殺される直前の状況を、出演者の様々な視点で繰り返すスタイル。つまり、途中で何回も “巻き戻し” が発生。ああ、その先は?と思いきや、また最初に逆戻り。まるで、短いオムニバス映画を見ているような気分になります。それでいて、上映時間90分でまとめているのがスゴいと思います。


主演のデニス・クエイドは、知る人ぞ知る名優。「ワイアット・アープ」 のドク・ホリデイ役が素晴らしかった。若い人には馴染みがないかもしれないから、メグ・ライアンの元ダンナと言った方がわかりやすいかな。本作では、大統領のシークレット・サービスを熱血ギラギラで演じています。


大統領役のウィリアム・ハートがよかった。このおっさんは 「アルタード・ステーツ 未知への挑戦」 の主役でデビューした男。まだまだ挑戦は続くんですね。すぐに撃たれる役なのに、生き生きと演じてました。何度も何度も撃たれるので、ギャグみたいでした。きちんと毎回撃たれる律儀な男。いい俳優です。


目撃者のフォレスト・ウィテカーも、俳優やら監督業やらで多才なマルチ男。彼の名前って、酔っ払いみたいで面白いですよね。ウィ~ってか~!パンフの記述では、“フォレスト・ウィッテカー” になってました。ははは、ますます酔っ払いオヤジだ。森で酔っ払ったと覚えましょう。


シガニー・ウィーバーは、「エイリアン」 の主役で有名。というか、他にあんまりないんですね。あのリプリーも、もう58歳になりました。まさにクイーン・エイリアン!今回は、ニュース番組をしきるオバチャン役。驚愕した顔がスッゲエ恐い!ああ、今にも腹を突き破ってエイリアンが生まれそう!


アイェレット・ゾラー、エドガー・ラミレス、サイード・タグマウイの3人は、見るからに怪しい顔立ちをしています。歩いているだけで、職務質問されそう。こんな連中がウロウロするだけで、画面に緊張感が漂う。こんな面子で、ますます盛り上がる大統領暗殺イベント。さあ、お立会い!


大統領登場。銃声。悲鳴。どたばたどたばた。巻き戻し。登場。バキューン。きゃあ。どたばたどたばた。また巻き戻し。また登場。バキューン。きゃあ。どたばた…。 ね、イライラするでしょ?結末は、劇場でご確認下さい。


群集に混じって、観客も右往左往。こんな変てこりんな映画も面白い。恋人と仲直りしたいカップルにこの映画をオススメします。後半は、手に汗握り、彼女の手も握れます。やっぱり、アメリカ映画が好きだ。アメリカじゃなきゃ、こんなアホなストーリーは書けないと思う。


そして、オヤジのみなさんは、デニス・クエイドの深い部分に注目しましょう。ケビン・コスナーの相棒としてドク・ホリデイを熱演した彼が、今度はボディガートを熱演します。犯人を追い詰める眼光と、ドクの眼光が交差する。「ボディガード」 のラストでケビンが銃を構えた時の眼光とも重なる。


男は、一瞬に命を懸ける。人目なんか気にしない。自分のやるべき事を、堂々とやり抜く。誰もがそういう部分を持っている。それが男のプライドであり、誇りとなる。何故って、それが大切なものだから。どんなヒドい作品でも、渾身の力で演じるデニスはカッコいい。この映画、いろんな意味で収穫でした。


様々な思いを背負って戦うのが男。外見はヤボッたくても、行動で見せるのが男。苦しくても、結果を出すまであきらめない。そうやって頑張るからこそ、終わった後のビールがうまいのだ。 …男・デニスに乾杯!





【鑑賞メモ】

鑑賞日:3月15日 劇場:ワーナーマイカル県央 17:00の回 観客:約20人

群集と呼ぶには淋しい人数でした。やっぱり人気ないんだなあ。これじゃすぐに終わっちゃいそう。


【エンドクレジット】

普通に終わります。すぐに帰っても大丈夫。


【オススメ類似作品】


「インナー・スペース」 (1987年アメリカ)

監督:ジョー・ダンテ、出演:デニス・クエイド。「ミクロの決死圏」 のお笑いバージョン映画。ドタバタしながらがんばるスタイルが、彼にはよく似合います。製作総指揮は、スピルバーグのおっちゃん。


「メメント」 (2000年アメリカ)

監督・脚本:クリストファー・ノーラン、出演:ガイ・ピアース。記憶が10分しか持たない男の、ドタバタハードボイルド映画。時間軸が遡っていく手法が新鮮でした。見ている方は疲れるけど。


「ラン・ローラ・ラン」 (1998年ドイツ)

監督・脚本:トム・ティクヴァ、出演:フランカ・ポテンテ。20分の物語が3回違うパターンで繰り返されます。人生、やり直しができても、なかなかうまくいかんもんですなあ。


「セルラー」 (2004年アメリカ)

監督:デヴィッド・R・エリス、出演:キム・ベイシンガー。トンデモドタバタアクション映画としては、俺的にかなりポントが高い作品です。本作に一番テイストが近いのは、コレかもしれないなあ。





いいね!した人  |  リブログ(0)
2008-03-14

人のセックスを笑うな

テーマ:邦画

ヘタレってモテるんだなあ。 何だか、ちょっぴりうらやましい。


全くもって、迷惑なタイトルだ!これじゃ、チケットを買うのが恥ずかしいじゃねえか!別に、堂々と言えばいいじゃん、って思うんだけど、やっぱり照れるって。ああ、チケット売り場の女が俺を変な目で…くそう、「人のセックスを笑うな」 を見る人間を笑うな!そしたら、はい、「人のセックスを笑うな」 でございますね、なんてあっけらかんに復唱しやがった。ねえちゃん、かわいい顔して大胆じゃねえか! …あ、すいません、もう一回言ってもらえます?


原作は、山崎ナオコーラの同名小説。監督は、井口奈巳。俺と同い年の女性監督ですね。出演は、松山ケンイチ、永作博美、蒼井優、忍成修吾、あがた森魚、温水洋一、市川実和子。


さて、映画ですが、何ともかわいらしい作品に仕上がりました。ユルい演出が、何だか癒される感じ。仕事で嫌なことがあってヘコんでいたので、ちょうどいい感じでした。見た後で、気分が楽になりました。


主人公は、ヘタレ大学生。ヘタレを振り回す女と、ヘタレを追いかけて振り回される女。その女を追いかける、もう1人の男。三角関係の、四角関係ですな。「ハチクロ」 みたいなもんですね。


主役の松山ケンイチは、ちょうどいい感じで、自然にヘタレしてました。「神童」 よりもヘタレ度は高い。どれくらいヘタレかというと、炭酸ジュース飲めないそうです。うわー、すっげえヘタレ!白っぽいTシャツ姿もあるので、「デスノート」 のファンも楽しめます。


ヘタレを振り回す女を演じる永作博美は、つくづく不思議な女優だと思う。まあ、本業が女優なのかどうかわかりませんが。童顔でいながら、大人の女性をしっかり演じられるところがスゴい。「ドッペルゲンガー」 では、振り回される女を演じ、「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」 では、虐待される妻を楽しそうに演じていました。最近では 「クローズド・ノート」 で店員役。しっかり大人の女でした。現在37歳。


ヘタレに振り回される女の子を演じるのは、われらが蒼井優ちゃん。彼女、やっぱりイイですねえ。どうしてこの子は、こんなに魅力的なんだろう。本作のキャラは、「花とアリス」 ですね。元気いっぱいにダラダラしている感じがとてもいい。本作ではずっと帽子をかぶっていますが、1回だけ髪を下ろす場面があるので 「ハチクロ」 ファンも楽しめます。松山君、永作はくれてやるから、蒼井ちゃんを俺にくれ!(こればっか)


最近、ヘタレという存在は、世の中に必要なんじゃないかって思うようになりました。映画こそは、世の中を映す鏡。今の世の中、処世術に長けた人もいれば、要領が悪いお人よしもいっぱいいる。何でも上手にできる人ばっかりだったら、人間関係は薄いものになる。お互い欠点があるからこそ、協力して補い合うんじゃないかと。


強い人間がいれば、弱い人間がいる。勝つ人がいれば、負ける人がいる。成功する人がいれば、失敗する人もいる。恋愛が成就する人がいれば、失恋する人もいる。明るい人と暗い人。上手と下手。天才とバカ。器用な人と不器用な人。その光と影が交差するところに、人間ドラマが生まれるってもんです。


何でも1人でできる女性が増えると、普通の男性では相手にならない。そこで、ヘタレ君の登場となります。貴女の能力を最大限に発揮できる存在こそが、ヘタレ君だと思うんです。彼にはきっと、貴女にないものが備わっていますよ。どうかかわいがってあげて下さいな。


この映画、一見ムダなシーンが多いような気もしますが、心の流れうんぬんを考えると、妙に納得できたりするから不思議。長回しを多用しているのも、意図があるのかないのかわからんとことがいい。何となくそうしてしまう、っていう見せ方で、人の心の一部を切り取っているようにも思えます。井口監督って、きっと面白い人なんですね。


恋愛には、答えというものがない。自分の心の中で割り切れないこともあれば、無条件で納得してしまうこともある。どうにかなりそうでならないこともあれば、知らないうちにうまく納まってしまうこともある。そのいじらしい駆け引きを、肩の力を抜いて見守ってあげて下さい。みんな、少なからずそういう部分があると思うから。


それから、オヤジのみなさん。この映画は露骨なエロ映画ではありませんのでご注意下さい。…え?お前もそれを期待したんだろうって? …当たり前じゃん!「人のセックスを笑うな」 を期待して見に行ったオッサンを笑うな!




【鑑賞メモ】

鑑賞日:3月11日 21:00の回 観客:約15人

女性の1人客が多かったような気がします。おっさんの1人客の方が恥かしかったりして。


【エンドクレジット】

普通に終わります。すぐに帰っても大丈夫。


【オススメ類似作品】


「ドッペルゲンガー」 (2002年ドッペルゲンガー製作委員会)

監督・脚本:黒澤清、出演:役所広司、永作博美。彼女の劇場デビュー作。同じ顔をした2人の男に振り回される女を、かわいらしく演じています。この映画、冒頭だけホラーで、後半はギャグになります。


「花とアリス」 (2004年ロックウェルアイズ)

製作・監督・脚本・音楽:岩井俊二、出演:鈴木杏、蒼井優。“元気いっぱいダラダラ” の蒼井ちゃんキャラは、やっぱりこの映画が原点かと。鈴木杏の悪役ぶりと対照的な明るさがいい。もうちょっとテンションの高い彼女が見たい人には 「亀は以外と早く泳ぐ」 もオススメ。




いいね!した人  |  リブログ(0)
2008-03-13

ネタバレDVD探検隊 ~超常現象編~

テーマ:ネタバレDVD探検隊

またかよ、とお思いでしょうが、またです。だって、好きなんだもん、このジャンル。前回紹介した都市伝説シリーズを中心に、一気にまとめて探検してきました。



「実録!呪われた都市伝説 怨念 昭和の都市伝説集」


どうやらこれがシリーズ第1作か。都市伝説って、ウワサ話が広まったやつでしょ?いろいろ尾ひれがついてもよさそうなのに、いたって地味な話が多いですね。昭和という時代はそれでよかったのかも。


首なしライダーって、あんまりカッコよくないなあ。これじゃ赤いマフラーも負けないですねえ。せめて火の玉くらい付けてもらえませんか。無灯火で、ぼんやり見える方がイケてると思いますが。


てけてけのイラストが爆笑。安いエロマンガの薄幸女学生のような顔と、あられもない下半身がミスマッチで、見た途端に吹き出してしまいました。…以外といいセンスだったりして。あ、でも恐がらせないとねえ。笑いをとってどうする。


口裂け女は、昭和の都市伝説の代表みたいなもんでしょうか。この妖怪オバチャン、どう恐いのか未だによくわからん。『…きれい?』 って聞かれて 『…別に。』 って言ったらどうなるんでしょうか。もっとも、マスクつけてたらわからんか。いやいや、第一、そんなに口が裂けてたら、マスクの中におさまらんでしょうが!隠したいならタオルでも巻け。取るのも大変だろうから、くるくるやっている間にみんな逃げちゃいますねえ、きっと。




「実録!呪われた都市伝説 最凶 平成の都市伝説集」


さて平成編はいかがなもんでしょう?しかしまあ、なんだかんだ言っても、俺ってこのシリーズのレンタルに貢献してしまっているみたいですねえ。発売元のエースデュースに感謝されたりして。


しかしまあ、男声のナレーションがいかにもで笑えます。こういう声って、男はみんな出そうと思えば出せるんじゃないかな。恐がらせようと思ってやっているのがわかるから、余計に滑稽ですね。ご苦労様です。


死を招くカーナビの話は、作った感があっていかにもという感じ。「呪いのチェーンメール」 の発信者と同じくらいの頭脳レベルかと。もうちょっと考えてから広めましょうよ。


エンジェル様って、こっくりさんみたいなもんか。呼び方は違っても、来る霊はおんなじだったりして。さとるくんの話って、怪談の本によく載ってるやつですね。これ、昭和の頃からあるよ。トンネルの心霊現象もマヌケだったし、あんまりパッとしないなあ。


でも、ひきこさんのイラストが爆笑でした。これ描いた人って、“昭和編”のてけてけとおんなじ人でしょうか。面白い絵を描く人だなあ。うまいのかヘタなのかさっぱりわからんけど。口裂け女よりインパクトがありました。


しかしまあ、こんなに口が裂けてたら、口がちゃんとしまらなくてヨダレがダラダラでしょうねえ。きっと水も飲めませんねえ。第一、骨格はどうなっているんでしょうか。これじゃまるでパックマンですねえ。こんな貯金箱があっても、金を入れる気にはならんですねえ。ここまでヒドく描かなくても…って思いますが。本人には見せられないですねえ。


あと、マヌケだったのが首なし男。これで普通にしゃべれるんだから驚きですね。ここはひとつ、首なしライダーと友達になってもらいましょう。一緒に首を探して、見つかったら奪い合いなんてことになったりして。


終盤には、コインロッカー前の監視カメラに幽霊が映っている映像も登場。いやにピョコピョコしてるのが気になるなあ。CG合成がヘタだったか、幽霊自体にやる気がないかどっちかですね。まあ、都市伝説ですから、中途半端な連中が多いんでしょう。平成の妖怪って、そんなもんかもしれない。昭和ほどスジ金入りのド根性スタイルじゃあ、やっていけないんでしょうね。妖怪や幽霊も、時代とともに変化していくんでしょうか。




「実録!呪われた都市伝説 震撼 封印された都市伝説」


どうやらこれが最新作のようです。しかしまあ、似たようなタイトルをよく思いついたもんですねえ。感心してしまいます。ただ、順番がさっぱりわからないのが難点ですな。まあ、「ほん呪」 みたいに番号だけだと、内容がわからないという欠点もあるけどね。


これみよがしの男声ナレーションで、いいかげんうんざりしていましたが、本作はおねーちゃん声がナレーションを担当。朗読しているような、素人っぽさが以外といい感じです。少し知的な香りがする。


今回の内容で興味を持ったのは、「標識」 という話。ビックリマークの黄色い標識ってありますよね。あれは、言いわくつきの場所なんだそうな…。自分たちで実際に出掛けて調べているところは評価しましょう。ただ、面白雑学みたいで恐さはあまり感じませんが。


他には、かごめかごめ、死体洗いのアルバイト、謎のサイト、クスリの人体実験アルバイト、犬鳴き村といった内容。…うーむ、もういいかげんネタがないのかもしれませんねえ。


最後は、西条八十の 「砂金」 のトミノ地獄の文章が、赤い文字で画面いっぱいに流れます。何でも、これを声に出して読むと、地獄を味わうとか。うーむ、これを読まされるだけで地獄の気分になれそうですが。




「怪奇!アンビリーバブル 恐怖!呪われた遊び」


とうとう遊びまで呪われてしまいました。安心して遊びもできない世の中ですなあ。まあ、スリルがあった方が面白いのかもしれませんが。


“ひとりかくれんぼ” という遊びがあるそうです。深夜に、ぬいぐるみを相手に呪文を唱え、押入れに隠れて、時間がきたら出てきて、最後はぬいぐるみを燃やす。これ、遊びなんですか?呪いの儀式みたいですけど。で、これをやるメリットはあるんでしょうか?


どうやら、意味は全然ないらしい。じゃあ、これをやったら呪われるそうだ。面白そうだからやってみるか…ってやんねえよ!何が悲しゅうて、夜中にこんなアホなことせにゃならんねん。やる意味がさっぱりわからんし、やりたいとも思わん。


このDVDでは、レポーターとして美人風の女性が登場します。この女、ひたすら暗くて元気がない。きっと、女優としても使えないタイプなんだろうな。投げやりな態度で、作品のテンションを下げまくりです。もうちょい、どうにかならんか。


体験談を話す人に対して、気持ちを逆撫でするようなことを言うのはやっぱりイカンでしょう。どうしてそんなことしたんですか、幻覚じゃないんですか、なんて言ったら、お客が怒るに決まってるでしょう。あらら、怒って帰っちゃったじゃん。お前、自分が悪いなんて微塵も思っていないだろ。困ったレポーターもいたもんです。


作品のテンションを下げる方向にばかり行くもんで、その罰としてか、彼女自身が “ひとりかくれんぼ” を体感することになりました。大丈夫か?あんたはやんない方がいいような気がするよ。


でも結局やることに。彼女、以外といい度胸。というより、他に仕事がないから必死だったのかもしれない。でも、それだったらもっとちゃんと仕事して欲しいな。イヤイヤやらされているような空気は、見ている側もいい気持ちがしないもんです。


案の定、不機嫌な顔で終了。彼女も怒って帰ってしまいました。…お前、どうでもいいけどちゃんと仕事せんかい!途中で投げ出すくらいなら最初から引き受けるんじゃねえ!さっぱり盛り上がらないまま終了。ああ、くそう、イライラする。何てアンビリーバブルな女!




いいね!した人  |  リブログ(0)
1 | 2 次ページ >> ▼ /

AD

ブログをはじめる

たくさんの芸能人・有名人が
書いているAmebaブログを
無料で簡単にはじめることができます。

公式トップブロガーへ応募

多くの方にご紹介したいブログを
執筆する方を「公式トップブロガー」
として認定しております。

芸能人・有名人ブログを開設

Amebaブログでは、芸能人・有名人ブログを
ご希望される著名人の方/事務所様を
随時募集しております。