これまで、リウマチ発症のメカニズムについて、色々と考えてきました。

 今回はその中の記事で出た免疫寛容について、もう少し深堀してみたいと思います。

 

 免疫寛容には、T細胞の胸腺での教育、抹消組織での制御性T細胞の発現や骨髄でのB細胞の選別などがあります。ここでは、制御性T細胞、略してTレグと呼ばれるT細胞に注目してみたいと思います。

 

 話は少し飛びますが、アメリカやカナダに住むアーミッシュという集団をご存じでしょうか。

 彼らは、今も200年前の生活をしていて、交通手段が馬車だったり、家畜を飼うなどして自給自足をしています。彼らはアレルギー疾患の人が極めて少なく、花粉症は一般の1/20、アトピー性皮膚炎は1/10です。

 彼らのアレルギー疾患が少ない理由として、幼いころから細菌や微生物に触れる生活をしていることが大きいことがわかっています。そうすることで、彼らのTレグの量は25~36%も一般の人より多いことがわかっています。このTレグは、行き過ぎた免疫にブレーキをかける働きがあります。

 

 このTレグが作られる身体の部位として、胸腺のほかに腸管があることが最近わかってきました。そこから腸がいかに大事であるかがわかります。腸は単に栄養を吸収するだけでなく、リンパ球の最も多い臓器で、腸内の細菌はその免疫の力に影響を与えるなど、非常に重要です。

 自然食、規則正しい生活、適度な運動、ストレスを貯めない事は、どれも腸の機能の改善に役立ち、そこで生まれるTレグの増加も助けることになります。Tレグの増加は、化学物質が溜まった細胞を除去しようとする抗体や花粉を攻撃する抗体を抑えることにつながります。

 

 自己免疫疾患の克服のために、食事改善することでアレルギーも改善する人がいらっしゃいますが、このTレグの増加が寄与しているのではないかと考えられます。つまり、自己免疫疾患を治癒させることは、花粉や食物アレルギーに対する疾患を抑えることにもつながるということです。

 

 最後に、アーミッシュの方たちが、アレルギー疾患になりにくいのは、家畜や様々な微生物に触れていることも大きな要因ですが、化学物質を取り込まない食べ物を取っていることも大きいと考えられます。