捨てられないお酒の空き瓶・・・。

冷蔵庫の野菜室の隅っこに、１本だけ、お酒の瓶がある。
おねえちゃんからもらった最後のお土産、どぶろくのお酒。
亡くなるほんのひと月前に旅行した白川郷、

…おそらく最後のツーショット。世界一仲良かった夫婦。

クーが喜ぶと思って選んで買ってくれたお酒、
空っぽになっても、捨てられず、また別のにごり酒を買っては、移し替えて呑んでいる。
にごり酒は、たいがい甘口だが、涙がまじってしょっぱくなる・・・。

ふとしたきっかけで涙のスィッチが入ってしまう、テレビの中継とかが一番 危ない。

もう二度と届くことのない、おねえちゃんからのラインを何度も読み返しては、
もしかしたら、そろそろ天国で落ち着いてオモロいラインスタンプとか送ってくるんじゃないかとか、思ってしまう。あっちで流行ってるスタンプとかさ・・・。

もっともっと、いっぱい、ラインしといたらよかったな。それより、もっと会って、もっとご飯も一緒に食べにいったり、ディズニーランドやお花見、お祭り、花火にも行きたかったな。
鮎釣りしてるとこにも連れて行って、温泉やＢＢＱも招待したかったな。お洋服や靴やアクセサリーを一緒に選んで、あーでもないこーでもないって笑って買い物したかったな。

おねえちゃんが最後に教えてくれた。
もう、そんな風に後で思わないよう、今の周りにいてくれる人達、家族、友達・・大事にすること。
それでもきっと、難しいだろうな・・・。人間なんて、人間だもの、人間だから・・・。

・・・さ、にごり酒　一口だけ呑んでおやすみなさい。明日も忙しいぞ。

私の100万倍は哀しい兄貴の為にこの歌を…