開発担当 楠野博美

 

カーニバルゲーム・カンボールとは、具体的に説明すると、

1990年代には、アメリカの遊園地のどこに行っても目にすることができた

定番の体感ゲーム・カンアレイを日本でカバーしたものです。

家族連れやカップル、老若男女を問わず、人気がありました。

大体10人くらいの参加者が一斉にスタートするボール投げゲームでした。

 

 

【 初期型の現場で組み立てる自由連結タイプ 】

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①遊び方は、ゴミ缶のフタが一定時間内、何度も開閉するので、

それが開いた瞬間にプレイヤーの足元にプールされたボールを、

両手ですくって投げ込みます。

 

②ゴミ缶の中に入ったボールは、バケツの底に空いた穴に

接続されたパイプへと送られ、カウントされた後、

またプレイヤーの元に転がり戻ってきます。


 

③タイムアウトになったら、スタッフは各自の表示点数に

目をやり、誰が勝者か確認して景品を与える。

という遊戯内容の体感ゲームでした。

 

< 日本初となる楠野製カンボールの製作条件は、>

◆納品期限は3カ月

◆製作台数は8台連結仕様(マイクパフォーマンス型)

◆設置場所は南海沿線 岬公園

というふうに、厳格に決まっていました。

 

それに引き替え、作業内容と工程表の検証は、

 

・ゴミ缶のフタを開閉するメカは何とかなるだろう。

・メカを制御するリレー回路もにわか勉強で覚えられる。

・木工部分は近所の家具屋さんで何とかなるだろう。

・それにしても、自社でCPULED基板を作ったことがない。

・産業用電気パーツを調達する店を知らない。

・ハーネス作りを引き受け、配線の仕方を教えてくれる業者の当てもない。

という八方塞がりで混沌としていて、非常に危うい船出状態でした。

 

それでも、“強い気持ちで前に進めば何とかなる”という楽観主義で

取り組んでいるうちに、様々な協力者が現れたり、

色々なアイデアが生まれたりで、難業と思われたカンボールの製作は

スムーズに進み、初体験とは思えない出来栄えで

完成を見ることができ、本当に幸運でした。

 

天の助けかな!と感じました。

 

☆例えば、ぴったりサイズのスチール製の缶がすぐ見つかった。

☆自社製のフタ開閉ギミックとリレー回路がピタッとマッチングした。

8連結のカンボールの総合制御基板が終始バグなく動作した。

☆微妙なメカの修正やタイミングの調整などで打つ手が悉く当たった。

このような出来事は過去に記憶がない、

正に夢心地のカンボール製作体験でした。

 

この夢体験のカーニバルゲーム・カンボール作りは、アップグレードや

類似品開発と同時に、アメリカ・カーニバルゲーム日本代理店からの、

機械設置や修理依頼をもこなす形で7~8年続けることができました。

この間、様々な機械に触れ観て学ぶことができたことで、

それらを原動力として、新しいゲーム機作りの道を歩む楠野にとって、

大きな分岐点となりました。

 

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有限会社楠野製作所

【住所】
〒559-0025
大阪市住之江区平林南2-10-41

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引用元:楠野を天国へ導いたカンボール 2