御礼
時計とカレンダーと臣民諸君のおかげで
今年も無事誕生日を迎えることができました。
ご祝福いただいた全ての皆様に感謝の気持ちと、
1月5日に誕生日を迎えた全ての皆さんにおめでとうの気持ちを贈りたいと思います。
そんな同じ誕生日仲間の一人に
元てれび戦士の伊藤元太くんがいます。
彼が、19歳の誕生日を迎えることなく
お亡くなりになられたことを伺いました。
彼は私が天才てれびくんの脚本を担当するときに
ちょうど新てれび戦士として入ってきた方です。
オーディションの後に、新年度の担当ディレクターから
「すごくいい子がいる!彼は絶対に合格だな。ホントにいい。柴犬みたいなんだよ」
と、聞き
柴犬は褒め言葉なのだなと思いつつ
「うん、いいと思う。私と同じ誕生日だし」
でも、帝國だと誕生日被るから採れないな…
と冗談交じりに話したのを覚えています。
そのシリーズでは、私は脚本のみで彼と共演することはありませんでしたが、現場で見る彼は非常に愛嬌があり、また才気に溢れた少年でした。
慣れぬシリーズ物の執筆に苦心する中、彼のキャラクターにストーリーを助けられたことは一度や二度ではありません。
今更ではありますが、その御礼すら言えていませんでした。
もし、人生にも脚本があるとすれば、
彼にはもっともっと未来まで続くストーリーがあったように思います。
こんな、まるで電気を消すように一瞬で真っ暗になるストーリー展開では、誰も納得できないでしょうし。
もう少し何とかならなかったものかと、つい書き直せないか考えてしまいます。
才能のある方は天に愛されると申しますが、
天に必要とされ、ここではないどこかで
彼のストーリーはまだまだ続いているのかもしれません。
今この場所からは、その活躍を見ることは叶いませんが、
私も、いずれその場所へ行く時が来て、
ここではないどこかで活躍を続ける
彼に再会することが叶えば、
その時に改めて御礼を言えたらと思います。
心よりご冥福をお祈りいたします。