くさまです。

 

毎年東京ビックサイトで年1回開催されているFCEXPO、水素燃料電池展2018に今年も行ってきました。

 

iwataniブースでは、ハマウィングからの水素供給が展示。

 

川崎重工ブースでは日本初となる神戸での液化水素運搬船のVR。

 

今までの国内大手水素プレイヤーに加え、リーディング都市福岡はもちろん、川崎、神戸、山口、山梨などもブースを強化し、いよいよ国内でも様々な実装が行われてきていることが分かりました。

 

我が横浜は今回のFCEXPOにはブースを出しませんが、4月に姉妹都市上海で開催される3万人規模の展示会に出展予定で、いよいよ横浜の取り組みが中国でスパークします。

 

それに伴い、先週は中国仏山市南海区(210万人)から区長以下視察団が横浜を訪れ、水素政策を視察しました。

 

 

海南区は中国の中でも、水素リーディング都市の1つで、中国初の商用ステーションを昨年開設したのち、もう今年だけで7か所のステーション建設が計画されています。

http://j.people.com.cn/n3/2017/0912/c95952-9267839.html

 

昨年、上海で、日本・横浜の水素政策のプレゼンを行って以降、上海そして関係諸都市の水素政策は急速に盛り上がってきました。「水素は日本のガラパゴス」とよく言ったもので、中国では燃料電池市場が非常に盛り上がっています

 

今回のFCEXPOがそれを表していまして、カナダのバラード社など以上に、中国の燃料電池メーカーの出展が目立ちました。中国では既に、全て MADE IN CHINA で、FCVもFCバスも走らせることができます

 

ドローン用燃料電池 これで1時間30分継続して飛べます。

 

昨年11月の上海嘉禎区視察で見た中国の商用FCV。

 

昨年11月の上海嘉禎区視察で見たすべてMADE IN CHINAのFCトラック。

 

中国のある燃料電池会社は、すでにドローン用の燃料電池を開発し市場投入しています。1つ100万円らしいですが、今15分しか飛べないドローンが燃料電池で1時間半飛べますので、これは大きいです。

 

スタックも触媒も、すべて中国で生産できるということと、何よりステークホルダーが多いです。地方の小さな企業でも燃料電池をつくっちゃってるところが日本と異なります。EVも作れるけど、燃料電池もやりますよみたいな、非常にフットワークが軽い企業たちです。

 

今回のFCEXPOでも、TOYOTAやパナソニックなど限られた大手以外の国産燃料電池メーカーをみつけることができませんでした。ちなみに、会場の中で最も軽く、最も小さい燃料電池をつくっていたのはシンガポールのベンチャーでした。

 

世界で初めてFCVを市場販売し、総合的な水素政策や高度な技術で世界のトップを走る日本ですが、「水素は日本のガラパゴス」とか、全く世界を見ていないプロパガンダなんかが出てしまう一方で、その世界的なアドバンテージはあとわずかです。

 

4月に行われる上海の展示会で、いかにジャパンクオリティーを中国企業が扱うかが今後のチェックポイントだと思います。

 

僕らが直面する、未曽有の脱内燃機関時代まであとわずか。明治維新における各藩の志士のような立派なものではありませんが、地方自治体から世界を動かし、時代を切り拓く気概をもって、準備を進めたいと思います。