0W-16 | クルマ屋 奮闘記

0W-16



トヨタ製ハイブリッド、アクアの無料点検が、先日2台相前後して入庫してきました。
 DAA-NHP10 H25.9 : 6ヶ月無料点検
 DAA-NHP10 H26.2 : 1ヶ月無料点検

どちらも同一型式なので、当然、同じエンジンが載っています。
違うのはボディーカラーくらいのものだと確信しつつボンネット開けると、アレレ?オヤァ~?

2013年アクアの場合、ボンネット裏に貼られた推奨エンジンオイル粘度が 0W-20 なのに対し、
2014年のそれは、0W-16 という異なるシールに変更されていました。
興味を惹かれて、助手席グローブボックスに積んであったオーナーズマニュアルをめくると・・・

   

気温条件無記載のケースでは、オールシーズン、表記どのオイル粘度を使っても可。
但し最も燃費が良くなるのは、冒頭記載の一番柔らかいオイルで、それが推奨品になります。
ボンネット裏に表示するくらいなら、太字か赤字にして強調すべきだと思うのですが。^^;

あと、この例はかなり特別で、少し注意して眺めると・・・
0W-16 の行だけ、SN/GF-5 と書かれていないことに気が付かれるはず。
この理由は、急遽造られてまだ間がなく API や ILSAC での承認待ちなんだろうと想像。



新しい粘度の出現で、また在庫を増やす必要が出てくるのは頭が痛いなと思いつつ、
懇意のトヨタディーラーにあれこれ尋ねてみました。
どうやらこの背景は、フィットHVから燃費1位の座を奪還することにあったようで、
H25.12、JC08モード燃費 35.4 → 37.0km/L に向上させるための改良の一環として
より低粘度のエンジンオイルが採用されたのでしょう。

しかし、従来型のアクアに 0W-16 を使って、少しでも燃費改善と考えるのは人情ですが、
残念ながらそれは不可のようです。 禁じる旨のメーカー通達が回っているそうな。

 とはいうものの、こういう表面上の数字に踊らされることはないと思います。
 諸元表下段の細かい文字を読み解くと、車重が僅か10kg増えただけで、37.0 → 33.8km/L へと激減。
 フィットの場合はどうなんだろうと調べると、カタログ上約50kgの変動で、36.4 → 33.6km/L へとやはり大きく減少。
 他の一般的なガソリンエンジン車の場合、この手の変動はせいぜいコンマ何キロ?!
 HV車は、その性格上、車重の影響を大きく受けてしまうようです。
 或いはカタログ数値を少しでも良くするために、ピーキー過ぎるチューンが為されているのでしょうか?
 燃費改善を望むなら、先ず第一に無駄な荷物は積まぬこと。(笑)

 また、メーカー曰く、超低粘度の 0W-16 の使用に耐えれるよう改良を施したとのことですが、
 そもそも全メーカー共通の、推奨オイル選定に於ける指標のようなものは存在しない?
 もしこれが個々のメーカーの良心のみに委ねられているとすれば・・・
 どうしても、必然的な流れとして、柔らかすぎる粘度にシフトしてしまうと思うんですね。
 新型車発表後も暫くは、細かいパーツの改定が水面下でひっそり続けられています。
 マイチェン直後の初期車両の場合、最初のオイル交換では 0W-16/0W-20 どちらを使いましょうかね?
 シャバシャバの省燃費オイルを使うエンジンの場合、5万キロ~10万キロ~15万キロと走行増えていく間、
 いつまでもずっと新車と同じ粘度のオイルをというわけにはいかないでしょう。
 どのタイミングでどの程度シフトしてゆくかは、個々のオイルメンテナンスの良し悪しで随分違ってきます。
 かといって、過剰なオイル交換も、非経済・非エコロジー。 ^^;

ô