R12対応代替フロン | クルマ屋 奮闘記

R12対応代替フロン

平成18年度、暑い季節の到来。

旧フロンR12の在庫が僅少になってきたので
新たに調達すべく八方手を尽したのですが、
予想以上に状況は厳しいようです。
製造中止になって随分経ちますからね。。

どうしてもR12を使いたい時のための仕入ルートは
確保できたので、2006年度中の心配は消えました。
しかしサービス缶1本当りの単価は相当上がります。

去年までは代替フロンなど歯牙にもかけなかった弊社
なのですが、先行き不透明な状況に対処すべく・・・
今更ながら代替案を模索し始めることに相成りました。

「信頼性の高い代替フロンの選定」
「レトロフィットに関するノウハウの蓄積」
上記2点を今年の重点目標に掲げたいと思います。



R-SP34E vs. COLD12  : R-12 / R-134a 両方に対応可能な代替フロン

現行クーラーガスR134aよりも地球温暖化影響度の小さい次世代冷媒の候補には、
「二酸化炭素CO2」 と 「炭化水素HC」 があり、自動車用としてはCOが最有力です。

今までより圧縮圧力を高める必要のあるCOと、可燃物質であるHCを比較検討した結果、
世界の主要自動車メーカーは、よりコストアップにつながっても安全性を優先するようです。
( 2001年、日本のDENSOは全世界に先駆けて二酸化炭素冷媒での実用化に成功 )
このような情勢下、HCを主成分とする 「COLD12」 に関する資料集めは一旦見送ります。

以下この記事では、R134aを主成分とする 「R-SP34E」 について述べてみましょう。

R134a用コンプレッサーオイルは、ガスとの相溶性の関係で、POE ( ポリオールエステル ) か、
PAG ( ポリアルキレングリコール ) の2種類の内のどちらかで選択するしかないのが現状です。
そして両者の性質を比較してみると・・・・・
POEには加水分解してスラッジの発生や内部腐食を誘発するという痛恨の欠点があるために
吸水性が非常に高いながらもPAGが主流の座を獲得することになったという背景があります。

ところが、鉱物油であるR12用のコンプレッサーオイルとPAGは相溶性がありません。
皮肉なことにもPOEは、そのどちらとも不具合がなく、加水分解を抑える各種添加剤を加えて
「代替フロン専用エアコンオイルコンディショナー」 としてラインナップされているのです。
ガスの種類を問わず潤滑剤は必須です!  必ず相応しいオイルを適量足してあげましょう。


ここから先は暗中模索。
「R-SP34E」 は、弊社懇意の部品商が過去2年間に1000本以上出荷したらしい比較的信頼に足る商品。
若干あった不具合例を調べると、ガスだけを足した場合や、完全にガスが抜けきったケースばかりだったそうです。
諸悪の根源はやはり水分? 加水分解の予防処置 = 十分な真空引きとレシーバータンク交換は大事でしょう。

ところで、専用コンプレッサーオイルの配分量に関して、信頼するに足りる記述がまだどこにも見つかりません。
メーカーHPの資料や商品の説明書きを読む限り、非常にアバウトな対応と思わざるをえないのです。
また、どの代替フロンも、過充填を強く戒めているのが印象的でした。
過充填すると正規品のガスの場合でもコンプレッサーに大きな負担をかけ、下手をすると異音が出ます。。

締め括りに、代替ガス種類不特定の全く別件で、私が今回体験した下記事例は注目するに値するでしょう。
「1990年 ホンダプレリュード BA5 、 ホンダディーラーにて代替フロン充填後、約2年かけて異音レベル増大」
修理のご依頼を承り、コンプレッサー交換のためにリビルトメーカーに問い合わせたところ・・・
ホンダ車搭載のナショナル製コンプレッサーは、代替フロン使用時における異音発生率が高すぎる為、
正規R12を使うと約束するまではお互いの信頼維持のためと称して出荷を渋ってきたのです!

サイコロを2個振ってピンゾロが出る確率は3%弱です。
これを大きいと感じるか、まぁ大丈夫と考えるかは、人それぞれの個性の問題であり私は従うのみであります。

覚悟の上の御依頼であれば対応いたします♪