一日一品江戸料理-349:「菜の花浸し物」
菜の花が出始めましたね。
先日、高知県四万十町の恵菜ファームさんから 、丹精された美しい菜の花と
白菜を送っていただきました。
白菜が食べられるようになったのは明治時代からですが、
菜の花は奈良時代には青菜の一種として、日本に伝わっていました。
けれど菜の花も、蕾を食べるようになったのは明治時代以降のこと。
平安時代、菜の花の種から上質の油が取れることがわかり、江戸時代に
なると、菜種油は高価な照明用の油として流通したため、菜の花の栽培は
各地で盛んではありましたが、口にできた人は少なかったのではないかと
思います。
例えて言えば、真珠を取るためにアコヤ貝は食べない、というような……
(正確には、真珠を取った後のアコヤ貝は地元では食べられていますので、
少しニュアンスが違いますが)。
菜の花を召し上がる際には是非、江戸時代のお大尽の気分に浸って、
「菜の花の蕾を食べるとは、贅沢よのぉ」
などと思いながらいただいてみてください。
「菜の花浸し物」
■作り方
・菜の花…3束
・煎酒(または醤油)…適量
■作り方
1)菜の花を洗い、塩(分量外)を入れて沸騰させたお湯に根の側から入れてゆき、
1程度茹でる(茹ですぎに注意)。
2)1をザルにあけて流水で冷やし、茎を揃えて固く絞ったら、3~4cmの長さに
切り、器に盛って煎酒をかける。
※煎酒の作り方はこちら
菜の花提供:恵菜ファーム