前回も、燃費改善に関して日産のツインインジェクタの情報を報じましたがそのエンジンに搭載されるトランスミッションに関しても公式な発表が報じられました。この組み合わせは前回も話したように次世代の日産コンパクトカー・プラットフォーム向けに開発されている組み合わせで、来年にモデルチェンジ予定のマーチ系列に使われると言われています。

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次世代CVTと新型エンジンの組み合わせ
この次世代CVTはジヤトコ製で、従来のベルトによる無段変速機に加え、副変速機を備える独自の構造を採用することにより、変速比を大幅に拡大するとともに小型軽量化、高効率を実現したという。



主な特長は・・・

●世界一の変速比幅/発進・加速性能の向上
変速比幅7.3と、同クラスのCVTと比較しても2割以上の変速比幅を拡大することに成功している。これはトルコンATと比較すると大排気量車等に搭載されている7速のATミッションを超えるもので、世界最大の変速比幅となります。
これにより、レスポンスのよい発進加速と、高速走行時の静粛性の向上、さらに燃費の向上に成功したという。

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ご覧のとおり、これまでは片方だけを動かしていた変速機がもうひとつ変速機をつけることで幅が広がり、効率の高い変速を可能にしている。

●小型軽量
世界初となるベルトによる無段変速機と副変速機の組み合わせという独自構造を採用することにより、従来のCVTに比べ10%全長を短縮し、13%の軽量化を実現したという。
これにより、コンパクトカーへの汎用性があがり、軽自動車などにも採用しやすい汎用性も併せ持っています。

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コンパクトに作られているのがわかりやすいショット
これだけコンパクトなら、軽自動車に利用するのもたやすい。


●フリクションの低減
変速比幅の拡大、プーリーの小型軽量化、オイル攪拌抵抗の低減等により、従来に比べてフリクションを30%低減し、単体の効率を向上することに成功。
CVTの弱点と言うと回転数の上昇とスピードの上昇が一致しない違和感があるが、この次世代CVTでかなりその点が改善されます。

さらに加減速、登坂・降坂など運転状況に応じて最適なギアを選択する制御技術である「アダプティブシフトコントロール」(ASC)を採用し、発進・加速性能などの運転性のさらなる向上も図っています。


あまり知られていないことだが、ジヤトコは世界でも軽自動車用から3.5リッター乗用車向けのCVTラインナップを持っている世界唯一のメーカーでもあり、先々代のマーチ(K-11)に「N-CVT」という名で搭載してから十余年、燃費改善の急先鋒としてCVTの改善に余念がなかっただけに、現行マーチ(K-12)でトルコンATになったときは、ジヤトコ側もコスト面で壁を越えられずに苦渋の選択をしただけに、次世代CVTの開発にはかなりのコストダウンと軽量化が至上命題として日産側から指示され、それをやってのけたと見え、かなりの自信を持ってリリースしているのが見て取れます。