いざ戦争になったら核兵器を使って敵国を攻撃してほしいという条約。

 

『どうしてだ?』と、つくずく考えるのが核兵器禁止条約に日本政府が加盟しないことである。なんと、あのとんてもない大量破壊兵器を二発も落された日本が真っ先に参加しなければならない条約なのに、安倍首相は今度も『加入しない』と断言している。

 

その理由は、日本はアメリカの核の傘に守られているので核兵器禁止条約に参加できない、と言うことだという。安保条約をアメリカと結んでいるのは知っているが、それが、いざ戦争になったら核兵器を使って敵国を攻撃してほしいという条約になっているらしい。

 

●日本は核兵器禁止条約に加盟できないというのは間違っている。

しかし、安保条約が核戦争を前提にしたものだということを国民は承知していないのではないか。広島、長崎の被害は人間がやる戦争とは思えないほど残酷で大規模なものだった。被害者が『二度と戦争に使わないで欲しい。そもそも、戦争などってやっけはらないのだ』と強く心に刻んで70年以上も生きてきたのである。

 

その敗戦国日本が戦勝国のアメリカと安保条約を結んでいるわけだが、『日本が攻撃されたらアメリカ軍の核兵器で攻撃する』としているのはどうしてなのか。だから日本は核兵器禁止条約に加盟できないというのは、間違っている。

 

●アメリカから独立できていない日本の惨めさが身に沁みる。

日本国民は自衛隊を持つことに賛成しているが、だからといって『戦争に核兵器を使えば良い』とは思っていないし考えたこともないのではないか。もし、安保条約が禁止条約加盟の足枷になっているのなら、安保条約にアメリカ軍が核兵器を使わないこと、平常兵器?で防衛することを明記すべきである。

 

そもそも、日本がアメリカによる軍事的な占領体制から独立していない状況なのに、不平等な安全保障条約を結んでいることに、自分は納得できない。この核兵器禁止条約に加入できないことで、一層、アメリカから独立できていない日本の惨めさが身に沁みるのである。

 

●その『意』に反すればそれが自民党の首相であっても失脚、失政へと誘導される。

アメリカが日本占領に成功した時に『日本を独立させてはならない。永久にアメリカの傘下に抑えておこう』と決意して『ジャパン・ハンドラー』とかいうグループが組織されたそうだが、自民党が日本政府を独占して運営できるのは、そのジャパン・ハンドラーの遠隔操作に忠実に従ってきたらかなのである。

 

その『意』に反すれば、例えそれが自民党の首相であっても失脚、失政へと誘導されるのだ。日本の検察は被占領下でアメリカによる日本の資産調査に協力することになり、以来、アメリカ政府と密接な関係を維持してきた。その従属的な関係が何かと姿を見せるのである。

 

●核兵器禁止条約に日本が加盟できないのは、このようなアメリカの方針に従わざるを得ないからである。安倍晋三が極端にアメリカ追従外交を進めているのは、そうするのが長期政権を維持する必須の条件になっているからだ。