オペ室に入り脊髄への麻酔。

 

痛みにはわりと強い私。

無表情でいたようで看護師さんに

「大丈夫ですか?あまりにも表情が変わらないもので・・・」

なんて言われてしまったw

 

麻酔が入っていく感覚がわかる。

 

(ああこれからお腹を切られて赤ちゃんに会うんだな)

 

医者「これからまるママさんの帝王切開手術を行います」

 

そういってからものの5~6分・・・

 

「おっぎゃーーーーーーーーーっ」

 

 

(う、産まれたーーーーーービックリマークビックリマークビックリマークビックリマークビックリマークビックリマークビックリマークビックリマークビックリマークビックリマーク

想像よりかなりデカい声ですぐに泣いてくれたので安心した。

とにかく安心した。

 

「おめでとうございまーーーす」

 

響き渡る声。

 

看護師さんが産まれたばかりの娘の顔を見せてくれた。

ガッツ石松でも猿でもなく普通の赤ちゃんじゃん。

 

か、かわいいいい・・・

 

私は安堵感と出産に至るまでのことを思い出したら涙が止まらなかった。

 

 

不安と絶望。

苦しみと悲しみ。

自分を責めた日々。

 

お腹を縫われている間ずっと泣いて泣いた。

上半身は麻酔が使われていないのでガーゼを渡され泣きまくった。

 

手術時間は麻酔から終了まで1時間。

 

ベッドで移動し、オペ室から出ると彼が待っていた。

 

彼「おつかれさま。痛かったよね。大丈夫?」

私「うん。麻酔はちっと痛かったけど大丈夫だよ」

 

病室へ行き他愛もない会話を彼と交わしながら30分ごとに看護師さんが悪露を出しに来る。

これはけっこう痛かった笑い泣き

って言っても何十時間、人によっては数日間続く陣痛と比べれば軽いものなんだろうか・・・?

いやでも帝王切開でも術後死ぬほど痛いって言う人が多数だ。

私は鈍感なのか、はたまた出産までがある意味ものすごく過酷だったからそう思うだけなのか未だにそれは不明である。

 

痛みはもちろんあったし、出産時の出血がものすごく多く輸血寸前だったので帝王切開だろうが自然分娩だろうがやっぱり出産はどんな形でも命がけ。

無痛分娩をとやかく言う人もいるが使って何が悪い!!

女は命がけで生命を誕生させるんだ。

出産は出産。

女性にしか無理なのだよ。

 

私も最初は自然分娩が経験としては良いかなと思ったけど何しろ一人暮らしだし不安が常にあると思えば計画帝王切開でよかったのかなと今となっては思う。
 

病院や主治医によっても違うと思うが私が産んだ病院では痛み止めはガンガン使えた。

もちろん薬が切れたら夜中でも痛みで起きては薬を飲んだけど。

 

次の日からはもう歩く練習。

え?昨日あんな手術したのにもうベッドから起きて歩くとは・・・チーンチーンチーン

お腹に力が入らない。

でもトイレまでは点滴を繋ぎながら行かされた。

 

そして車椅子でNICUへ。

ちゃんと娘との対面。

 

ちっさくてなんて愛おしい・・・

かわいいとかそういう理屈ではなくただただ愛おしい。

 

お母さんってこんな気持ちなんだなぁ。

親を想う気持ちと子供を想う気持ちってなんだか全然違うビックリマーク

似てるようで、全く違う感情。

これが無償の愛っていうやつなのか?

 

入院中は時間で血圧や点滴の時間などのスケジュールは決まっていたけど私は最初から母乳を選択しなかったのでその他の時間は自由で、真夜中でも眠れなかったらまるちゃんに会いにNICUに行った。

 

最初は5分だけ抱っこするとか言ってたのにな。

入院中だけでもこうして顔を何度でも見たい。

 

そうしているうちにあっという間に1週間の入院は終わりを遂げようとしていた。

 

自分で選んだ道なのにもうこれで離れ離れになってしまうと思うと自分をまた責めて責めてどん底な気分に陥り、消灯時間が過ぎた頃今まで生きてきた中で1番泣いた。

初めて泣きすぎて目がばーーんって腫れてしまった。

 

ごめんね・・・

こんなお母さんで本当にごめんね・・・

 

でも娘の人生を考えると色々考えては自分らの選んだ答えにたどり着いてしまう。

 

(この子が幸せになることを考えたら私ではいけない)

 

退院当日。

予定どうり彼が迎えに来てくれた。

最後にお互いに娘を抱っこした写真を撮った。

 

そんな状態で退院したにも関わらず次の日にはまるちゃんの検査を聞きに病院へ来なくてはいけなかった。

 

 

 

翌日痛み止めを飲んで病院へ。

いくら「体を充分に休めて」

って言われても私はまるちゃんに会いたくて会いたくて1本でも早い電車に乗ろうと必死で小走りもしたりしていた。

 

退院したら会わないつもりが無理だった。

(この子の成長に少しでも良いのならば本当に離れてしまうまでお母さんとして面会に来たほうがいいのではないか・・・?)

 

考えがガラッと変わってきてしまった。

まずいな・・・

離れたくなくなってくるな・・・

看護師さんたちには

「まるちゃんママ」

なんて言われるようになったし。

 

まいったな・・・

 

 

次回へ続く。