7.5倍増となったスワーヴリチャードについては既に個別で取り上げましたが、今回は他の種牡馬達についてもお話したいと思います。

●キタサンブラック(1,000→2,000千円

)

名実ともに日本を代表する種牡馬になりました。初年度でイクイノックスを輩出、2年目も皐月賞馬・桜花賞2着馬が出てくるなどハイアベレージ。牝馬も走ってきたのが大きいですね。

●コントレイル(1,200→1,500万円

)

産駒デビュー前ですが種付け料アップ。セレクトセールであれだけの値段が付きましたから、妥当でしょう。後は実際に走ってどうかというところ。

●エピファネイア(1,800→1,500万円

)

国内最高額の種牡馬として君臨も、現3歳世代が重賞未勝利。早熟性を売りにしていましたが、これが痛手でした。現2歳は重賞馬が出てきそうな雰囲気はあります。とはいってもバブルは過ぎ去った印象で、カナロアと同じく最終的には1,200万円くらいで落ち着きそう。

●キズナ(1,200→1,200万円)

牝馬の成績は立派ですが、牡馬で当たりが出ないので価格は据え置き。妥当だと思います。

●ロードカナロア(1,200→1,200万円)

ブレイディヴェーグがエリ女を勝ち、久々の中距離GⅠを制覇。とはいえ短距離〜マイル種牡馬としての立ち位置はもう変わらないでしょうから、ここからの高騰はなさそう。1,000万円くらいまで落ちてくれれば、一口でも狙いやすくなりそうです。

●ブリックスアンドモルタル(600→600万円)

初年度産駒は思っていたよりも走っていて、ゴンバデカーブースが芝GⅢを、イーグルノワールがダートJpnⅡを制覇。初年度から結果を残しています。とはいえ産駒の気性の荒さやワンペースっぷりは相変わらずで、芝の種馬としてはどうなのかなぁ、という評価。個人的にはもう2世代くらいは様子見したいです。

●レイデオロ(700→500万円

)

当初の印象程ではないですが、スタートダッシュの失敗を引きずった形。気性面で難しい産駒が多いのが課題です。ウインドインハーヘアのクロスも今のところ？？ですし、この値付けだと割高感。来年は頭数を大きく減らしそうで、今のラインナップだと国産種牡馬の中では放出の1番手候補。瀬戸際です。

●エフフォーリア(300→400万円

)

初年度は大人気。この値段なら、来年もかなりの頭数を集めそうです。脚元の弱ささえ遺伝しなければ、良い産駒を出してくれると期待しています。

●オルフェーヴル(350→350万円)

ウシュバテソーロがドバイを制し、一躍時の馬となりましたが、価格は据え置き。もう高齢寄りの種牡馬ですからね。価格を抑えて頭数を集めることで、芝の後継を出したいというのもありそう。

●イスラボニータ(150→200万円

)

初の種付け料アップ。大物は出てきていませんが、芝ダートを問わず堅実に走る産駒が多いことが評価された形です。2勝クラス辺りで堅実に賞金を咥えて帰って来る印象で、一口的には良い種牡馬なのかも。

●サトノクラウン(150→200万円

)

初年度からダービー馬を輩出し話題になりました。種付け料も50万円アップ。とはいえ、三振orホームランタイプで血統も地味めですから、今後も大きく上がることはないでしょう。だからこそ、馬産地での需要は尽きなさそうなタイプです。

●サリオス(150→200万円

)

早くも種付け料アップ。こちらはサロミナ母系の評価がノーザンファーム内でとにかく評価が高いので、血統的な要因からのアップな気がします。ハーツ後継のライバルであるスワーヴリチャードがあの値付けになりましたから、その代打として日高方面からの高い需要がありそうです。

●ニューイヤーズデイ(250→200万円

)

まだ2勝馬は出ていませんが、始動が早いこと、思っていたよりも芝を走れたことで大幅ダウンは免れました。アベレージはまずまずなので、後は強い産駒が出てくるか。

〜社台スタリオン追放組〜

●リアルスティール

後述のサトノダイヤモンドもそうですが、ディープ後継はシャフリヤールがスタッドイン待ち。ジャスティンパレスにも可能性が出てきていて渋滞気味です。レーベンスティールが出世頭ですが、こちらは日高産。全体としてクラシックには用無しでダート馬が多いので、この放出はやむなしです。個人的にも、リアステ産駒は見栄えのしない貧弱なトモが嫌いなので、ノーザン系のクラブ馬募集で産駒が減るのは有り難かったりします。

●サトノダイヤモンド

期待はされていたと思いますが……とにかく晩成でスピードの絶対値も低め。ダートでの潰しも効かないとなると、ちょっと厳しいですね。サトノダイヤモンド自身がディープ産駒の完成形のような血統構成をしているのもあって、この馬の後というのは難しいのかもしれません。国内よりも、国外での需要の方が高いかも？

●ミッキーアイル

引退が発表されたシュネルマイスターが、恐らく社台SS入りをすると考えると、短距離種牡馬枠の争いで押し出された形でしょうか。牝馬はまずまず走るのですが、とにかく牡馬が……何故か硬く出るせいで、芝で全く走らずそこそこのダート馬を量産。芝を走っている牡馬産駒も、GⅢレベルですら通用しそうにないので、放出された理由はここでしょうね。とはいえAEIは初年度以外は1.0超と堅実で、社台SSを出ても需要は高いでしょう。

やはりと言うべきか、色々な動きがありましたし、裏事情も感じられるような発表内容だったなという印象。来年また見学に行くのが楽しみです。

年末にかけて新たにスタッドインする種牡馬も何頭か出てくるでしょうから、そちらと併せて要チェックですね。

社台スタリオン、来年度の種付け料を発表