31. インナーアージの24(ルーラーシップ)
32. プレミアエンブレムの24(フィエールマン)
33. エレヴァテッツァの24(シスキン)
34. ラテュロスの24(ルヴァンスレーヴ)
35. メダルオブオナーの24(ルヴァンスレーヴ)
36. ジューヌエコールの24(レイデオロ)
37. パロネラの24(アルアイン)
38. ロサグラウカの24(シルバーステート)
39. アルミレーナの24(ハービンジャー)
40. グロリアーナの24(マジェスティックウォリアー)
41. ペルラレーラの24(マクフィ)
42. アガルタの24(ミッキーアイル)
43. ルーツドールの24(ミッキーアイル)
44. リビアーモの24(リオンディーズ)
45. ロカの24(リオンディーズ)
46. グルヴェイグの24(リオンディーズ)
47. シーオブザムーンの24(リオンディーズ)
48. トゥープレシャスの24( Ten Sovereigns)
49. チャネルの24( Wootton Bassett)
【評価基準】
★★★★★=重賞
★★★★☆=OP〜
★★★☆☆=2〜3勝
★★☆☆☆=1~2勝
★☆☆☆☆=~1勝
☆☆☆☆☆=未勝利
31. インナーアージの24(ルーラーシップ) ★★☆☆☆
母はJRAで4勝。半姉にエリザベス女王杯を制したブレイディヴェーグがいます。祖母ミュージカルウェイは非常に仔出しが良かったですが、この牝系は孫の代になっても勢いが衰えておらず、多数の重賞馬を輩出しています。
遅生まれでトモの高い馬体ですが、フレームはしっかりしており成長は見込めそうな馬体。手脚が長いですが胴や首差しにゆとりがあって、距離は持ちそうです。肩の出に若干窮屈さがありますが、肩回りにはしっかりとした筋肉が付いています。一方で、関節部が硬いのか可動域・ストライドともにやや物足りず、全身の連動性もイマイチ。歩きからは半姉のようなスピード感は感じられませんが、脚元はしっかりしているように見えるので、中~長距離路線で堅実に稼いでくれればといった印象です。
32. プレミアエンブレムの24(フィエールマン) ★★★☆☆
母は世代マイルGⅠを2勝したメジャーエンブレムのファーストクロップで、現役時は2勝。本馬はその母の初仔になります。父フィエールマンは現3歳世代が初年度産駒ですが、晩成気味かつ長距離向きの産駒が多く、明け3歳以降かつ芝2,000m以上のレースが増えてきたタイミングで、ようやく勝ち上がりが増えてきています。菊花賞までに産駒がどうなるかですね(レイデオロの時も同じこと言ってなかったか?)。その父×ルーラーシップ+Sadler's Wellsということで、父産駒の例に漏れず芝の長いところに適性が出るでしょう。
2月生まれで423㎏と一定の馬格を有しているのは良いですが、初仔らしくフレームサイズはやや小ぶりな印象で、馬体も牡馬としては薄く全体としてもう少しボリュームが欲しいです。軽い作りで血統のイメージ通りに適性が出そうな馬体なのはOK。四肢の運びはスムーズでストライドの大きな素軽い歩きが出来ており、体の使い方も上手でこの辺りは流石良血馬といった感じ。とはいえもう少し筋肉量が欲しいですし、フレームサイズが足を引っ張らずに成長してこれればですね。
33. エレヴァテッツァの24(シスキン) ★★☆☆☆
母はJRAで2勝。叔父に重賞2勝のフラガラッハがいる、白老Fで繁栄を見せているスキッフルの母系で、本馬は初仔です。シスキンは数少ない初年度産駒が活躍。父方の血統表内にUnbridald、Caro、Seattle Slew、Gone West、Sir Ivorとディープ系と相性の良い血が多く、ディープインパクト肌とは合うでしょう(余談ですが、母父シスキンは凄く面白そうなので今から楽しみです)。
胸が深く厚みがあって、心肺機能は高そうな作り。トモも形が良く、前後のバランスは取れています。こちらは初仔ながらフレームもしっかりしている印象ですね。繋ぎはやや立ち気味ですが、及第点ノクッション性はありますが踏み込みが浅く脛骨を持ち上げるような歩様で、可動域はいまひとつ。早生まれかつ手脚は短めですから、現在の馬体重からそこまで大きくなることはなさそうです。
34. ラテュロスの24(ルヴァンスレーヴ) ☆☆☆☆☆
母は社台TC所属で現役時3勝、クラシックトライアルで2度の2着があり、GⅠの舞台にも駒を進めました。社台で募集された初仔はデビュー勝ちを収め、本馬は第3仔ですが初めてダート系の種が付けられました。産駒デビュー前は「芝もいけるんじゃね?」と言われていたルヴァンスレーヴですが、蓋を開けたら芝は全敗で勝ち鞍は全てダート。母系は米国血統ですが、芝で走っているファミリーなのでこの父とのカップリングは正直合わない気がします。
募集時点で354㎏。体高・胸囲も小さく、カタログを見ても非常に幼いです。白老マジックで歩きは恰好を付けていますが、肩やトモの筋肉量は物足りませんしストライドも小さい歩様。血統・馬体・動きいずれの面からも好みではありません。
35. メダルオブオナーの24(ルヴァンスレーヴ) ★★☆☆☆
母は不出走。叔父にアメリカで重賞2勝馬がいます。これも初仔ですが、体高160㎝で466㎏と馬格はありますね。ルヴァンスレーヴ×米国血統で分かりやすくダートですが、今日時点で母父が横文字の馬は勝ち上がりがゼロなんですよね。
馬体は薄めですが肩周りが発達しており、馬体重が示す通り体付きは立派です。飛節はかなり緩く歩かせるとぐらつきますし、角度ももう少し欲しいですね。四肢の動きは柔らかく、ダート馬としてはもう少し力感が欲しいところ。また、繋ぎがかなり緩くてこの馬格ですから、脚元に不安が残ります。
36. ジューヌエコールの24(レイデオロ) ★★☆☆☆
母は2~3歳時にかけて重賞を2勝。産駒はここまで勝ち上がりはなく、期待に応えられてはいません。3番仔のエコールナヴァールが今週日曜の東京マイルでデビューしますので、その走り次第では人気が上がるかもしれませんね。ソニンクの牝系出身らしい立派な腹袋で、フレームもしっかりしており前後のバランスも取れています。この牝系×レイデオロの組み合わせはクラブからトロヴァトーレが出ています。繋ぎはやや短めかつ立っており、前特に前の繋ぎには硬さがありますが、これはトロヴァトーレも同様でしたので気にしすぎる必要はなさそうです。
捌きに硬さはなく、胴伸びがあって余裕のある動きを見せておりますから、芝の中距離が適性になるでしょう。体の使い方はいまひとつですが、肩の出も良く推進力は感じられます。かなり脛骨を持ち上げるような歩きになっているので、そこでスピードをロスしなければですね。。
37. パロネラの24(アルアイン) ★★☆☆☆
シルク出身の母は未勝利でしたが、祖母モシーンはオーストラリアでGⅠ4勝の女傑。産駒からは重賞3勝のプリモシーンを含め、4頭が3勝以上を挙げており長打率の高いファミリーです。3歳世代の2番仔はスプリント路線で世代内でも一定の存在感を見せており、2歳の半兄も7月に移動予定とのこと。本馬が4番仔になります。やや胸囲は物足りないですが、最低限の馬格は持っていて中型馬くらいにまでは成長しそうです。
フレームサイズはややコンパクトな感もありますが、トモは丸みがあって前後のバランスも取れています。首差しもすっきりしており、胴周りにも余裕があるので距離は持つでしょう。トモの送りがイマイチで、脛骨を持ち上げるような歩様となっているため後肢の可動域はいまひとつ。肩の出が若干窮屈で全体のストライドもちょっと小さいですが、低重心な歩きの雰囲気自体は悪くありません。
38. ロサグラウカの24(シルバーステート) ★☆☆☆☆
バラ一族出身の母は4勝したOP馬。叔母にGⅠ2勝のスタニングローズがいます。初仔は脚元のトラブルでデビューが遅れましたが、2番仔は既にゲート試験に合格するなど順調です。シルバーステート産駒は基本的に牡馬優勢で、牝馬の方が早熟な傾向にあります。SS系×キンカメ系の組み合わせではありますが、シルステ産駒は母父キンカメ系の組み合わせからは3勝以上の馬は1頭のみと、そこまで相性は良くありません。
肩回りが発達した前躯は父、斜尻気味ですがボリュームのあるトモは母そっくり。斜尻でトモには緩さがあるため、ここが成長してパンとしてくるかどうか。肩の出はわるくないですが、前後共に可動域はもう少し欲しいところ。もう少し背中を上手に使って推進力を感じる歩きの方が好みではあります。前肢の繋ぎがやや硬いので、脚元も若干不安でしょうか。
39. アルミレーナの24(ハービンジャー) ★☆☆☆☆
母3勝。初仔は2歳11月に勝ち上がり、 2番仔のゾロアストロは新馬戦開幕週に出走して2着と、仔出しの良かった祖母の血を引き継いでいそうです。ハービンジャー×ディープの組み合わせは牡馬優勢の配合。血統通りかなりコンパクトに出てしまっており、成長しても430kg前後まででしょう。牝馬らしい丸みのある馬体ではありますが、ハービンジャー産駒らしく繋ぎはかなり緩く、細い菅囲も相まって脚元は不安が残ります。
肩の出はスムーズで、この馬体重にしては幅があって前躯が発達しているのは良いですが、やはりフレームのサイズ不足は動画からも感じられます。動きも全体的に力感に欠け、トモにも緩さがあり、小柄な牝馬がこの辺りを解消できるかどうかでしょう。
40. グロリアーナの24(マジェスティックウォリアー) ★★☆☆☆
母2勝。初仔のヴァルキリーパースはフローラSで2着に入るなど早速小出し能力の高さを見せました。叔母に重賞2勝のデニムアンドルビーなど、活躍馬多数のフェアリードール牝系の出身です。
立派なフレームで手脚が長く、血統馬らしく背中のラインも綺麗。母系の色が強い馬体に出た印象。歩かせると血統相応に硬さがあって、立った繋ぎには硬さがあり、ダート中距離辺りに適性が出そうな動き。トモや肩回りには良い筋肉が付いており動きにも力強さはありますが、前肢がクロスするような歩様は気になります。
41. ペルラネーラの24(マクフィ) ★☆☆☆☆
母は1勝馬。祖母はアイルランドのGⅠを2勝したシユーマで、クラブお馴染みの血統ですね。バランスの整った馬体で背中のラインも綺麗ですが、繋ぎは硬く立っています。初仔牝馬ということでサイズは小柄、フレームもコンパクト。緩さがないのは良いですが、ストライドが小さく歩様は力強さに欠け、体の使い方もイマイチ。青木厩舎もダート路線では強調しにくいです。
42. アガルタの24(ミッキーアイル) ★★★☆☆
母17歳時の産駒と高齢出産に差し掛かってきましたが、産駒6頭が複数勝利、うち3頭がOP入りと仔出しは優秀。従兄にダービー馬ワグネリアンなど、祖母ブロードアピールのラインは活力高く繁栄を見せています。ミッキーアイル×キングカメハメハの配合からは2頭の芝OP馬が出ている組み合わせですが、筋肉質でボリュームのある体付き、かつ短い立ち繋ぎで捌きも硬く、この馬は父産駒の牡馬の傾向に沿ってダートに向きそうです(ツアーでもダートとのお話でした)。
肩の出は良く踏み込みにも力強さがあり、ストライドはもう少し欲しいもののリズムの良い歩きで運動神経は良さそうです。毛ヅヤや筋肉の質からも高齢出産の影響はそこまで感じません。大竹厩舎なのは気になりますが、ダート短距離で長く楽しめそうな馬だと思います。
43. ルーツドールの24(ミッキーアイル) ☆☆☆☆☆
母は2勝ながら、叔父に長距離GⅠ3勝のフィエールマン。本馬は初子になります。この血統らしく立派でぶ厚い胸前は心配機能が高そうで、丸みのあるトモの形状はGⅠ馬の叔父に似ています。1月中旬の早生まれですが、腹袋も立派でトモも高く、まだ成長の余地はありそうです。
動画で見ると前が勝った作りで、歩きの前後のバランスがイマイチ。肩の出も窮屈でストライドが狭く、体の使い方には硬さがあって立ち繋ぎにも硬さと、芝で瞬発力を活かすタイプではなさそう。フレームは立派なので、この母の仔には注目しておきたいと思います。
44. リビアーモの24(リオンディーズ) 募集中止
45. ロカの24(リオンディーズ) ★★☆☆☆
近代競馬でも勢いが衰えないウインドインハーヘアの牝系出身で、GⅠ2勝の半姉レガレイラ、菊花賞を制したアーバンシック、桜花賞馬ステレンボッシュとファミリーから複数のGⅠホースが出ています。キンカメ系×ハービンジャーは元々逆ニックスとして注目されていましたが、ハービンジャーが母父側に回ってもカナロア産駒のベラジオオペラがGⅠを勝つなど、好相性は継続しています。距離の融通が効く配合で、本馬も胴長で首差しにも余裕があり、芝の中距離辺りで力を発揮できそうな形に見えます。
トモは若干スッキリして見えますが、厚みのある馬体で力感のある歩様。一方でストライドは物足りず、半姉と比べるとバネ感や柔軟性にも乏しいです。脛骨を持ち上げるような歩様で可動域も物足りず、この母系に求めている動きとは乖離があります。
46. グルヴェイグの24(リオンディーズ) ★★☆☆☆
母はGⅢを勝利。産駒からは4頭のOP馬が出ており、アンドヴァラナウトはローズSを制して秋華賞も3着と重賞戦線で活躍しました。母系は皆大好きエアグルーヴ牝系で、この母系らしく前躯や腹袋は立派。トモはやや薄手ですが、フレームはしっかりしているため成長して筋肉が付く素養はありそうです。この血統にしては首差しが太いのは少し気になります。前を大きく使えており捌きも柔らかいですが、後肢のストライドと背中の使い方はいまひとつ。母16歳時の仔で、近年体質に不安のある産駒も多く、立ち繋ぎでサスペンションの効きもいまひとつなので、体質的な部分+この母系らしく気性的な懸念はあります。
47. シーオブザムーンの24(リオンディーズ) ★☆☆☆☆
母2勝の2番仔。初仔も小柄でしたがこちらもサイズは不足しており、420kg程度で競馬に行くことになりそうな大きさ感です。馬体重に対して菅囲が太く、スピード能力がどうか。飛節や繋ぎに緩さがあって、成長はじっくりとになるでしょう。肩の出は良く四肢の運びに軽さはありますが、小ぶりな馬体ゆえストライドはいまひとつですし、力感も物足りず上に力が抜けるような歩様。成長余力という点でもこのサイズ感では厳しい気がします。
48. トゥープレシャスの24( Ten Sovereigns) ★★☆☆☆
半姉に欧州GⅠを4勝し、最優秀欧州3歳牝馬に輝いたPorta Fortuna。父は欧州でスプリントGⅠを2勝したTen Sovereignsで、2つ上に全姉がいますがこちらは骨折で1戦のみでの引退となってしまいました(ツアーでレイクヴィラFが落札しています)。日本導入後の持ち込み産駒はキャロットで募集されましたが、サイズ不足で体質にも難がある様子。本馬は早生まれながらこの世代の募集馬で最も体高が高く、馬体重も470kgと十分なサイズ感。ツアーでも雰囲気のある佇まいでした。
Scat Daddy系×Danzig系で早生まれということで速攻系なカタログスペックですが、動画でも緩さはなく早めの始動が期待出来そうな一頭。かなり太目の短い立ち繋ぎで、クッション性もいまひとつ。繋ぎの作りからは日本適性には若干の不安が残ります。体の使い方や前捌きには柔らかさがありますが雄大な馬格の割にはストライドは物足りず、脛骨を持ち上げる後肢の動きで可動域、踏み込みともにイマイチで、立派な馬体を使い切れていない印象。
49. チャネルの24( Wootton Bassett) ★★★☆☆☆
母はフランスのオークス馬。繁殖セールで本馬を受胎した状態で落札され、日本にやってきました。欧州に残した2頭の産駒は、募集現在では目立った活躍はしておりませんし、母系も3代母までは母以外の重賞馬が出ておらず、若干突然変異な感じはあります。今年のサンデー種牡馬チャレンジ枠ですね。
やや体高が低めながら骨量豊富な馬体で、肩が非常に発達しており筋肉量も豊富です。キビキビとした動きで後肢の可動域も広く力強い歩き。トモには甘いところがありますが、手先のクッションも効いており、捌きには柔らかさもあって肩の出もよく、日本の芝にさえ合うようであればといった感じです。