【君九齢】③終 キモいのに不憫すぎて憎めない、Kumi的影の男主角 ストーカー陸雲旗 | 中国ドラマ・台湾ドラマ 備忘録

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留学から約10年、気付いたら中国語をほぼ忘れてたので勉強を兼ねてドラマ見てます。
あらすじ&感想書き始めました。
まずは主に大陸の古装系、時々現代ドラマ。
基本長文。山場終盤ネタバレ記事はアメンバー限定。
簡体字繁体字日本漢字ごちゃ混ぜ適当ブログです。

中国ドラマ③
【君九龄/君九齢】
 
女主 君九龄…彭小苒
男主 朱瓒…金瀚
 
最後は九齢に変質的な愛情を注ぐ…というかぶつける陸雲旗について。
陸雲旗/陆云旗…杜亞飛/杜亚飛
杜亞飛はKumiはこの作品が初めて。
 
陸雲旗……キモいんです。本当に。
女主九齢が嘔吐するほどキモいんです…😥
でもKumiは彼を憎めなかった。
「だって好きなんだもん!」を一方的にぶつける人が大嫌いなのに、陸雲旗のことはあまり嫌いになれない。
一対何故だろう??考察してみた。
超長文です。
 
★以下ネタバレあり。
陸雲旗もなかなか興味深いので、出来ればkumiの感想なんか読まずにドラマを見てほしいw
 
婚礼当日に九齢が皇帝を殺そうとして捕まり獄中で焼死。
それでも陸雲旗は妻として手厚く葬り、守れなかったことを詫びる。
お墓の前に菓子を並べて
 
「全部きみの好きなものだ。学んだばかりだからあまりうまく作れていないと思う。…大丈夫。次はもっとうまく作るよ」
 
親に虐げられて育ち、その親も早くに亡くなり、同年代の子供たちの仲間にも入れずずっと孤独だった陸雲旗
 
そんな彼を、唯一庇ってくれたのが子供の頃の九齢だった。
 
あの日から毎日きみのことを想っていた。まさか伝えられないままになるとは…
私を恨まないでほしい。もうすぐ九黎公主と結婚する。皇帝からきみの姉と弟を守るために私が出来ることはそれしかないんだ。
そう言って九齢の墓を見つめる陸雲旗の目がとても切ない😢
彼は本当に本当に九齢のことが好きで大切だったのだ。
 
多分、一生涯九齢の寡夫として生きたかったのに、九齢の姉である九黎公主を娶るのは彼としては本意ではなかったのだろう。
それでも結婚し、九黎公主だけではなく弟の楚九褣のことも世話し、武術を学びたいなら自分が教えると提案するなど何かと気にかける。
 
そんな切ない顔を見せる反面、九齢堂・君九齢という名前を聞いて激怒。
彼にとって唯一無二の九齢と同じ名前を名乗る存在など許せない、という気持ちは分からなくもない。
と言っても九齢という名前自体はすごく珍しいわけでもないらしいけど。
 
声がうまく出なくなってしまっていたある女性の喉を診た九齢。
そこは陸雲旗の家で、陸雲旗はその女性に何度も何度も自分の名前を呼ばせていた。
「九齢はそんな艶かしい声で私を呼ばない。もう一度」
これは本当にキモかった…😓
 
その様子を見て九齢は、初めて自分に「雲旗」と呼ばれて嬉しそうに笑った陸雲旗を思い出す。
 
帰り道、耐えきれず嘔吐する九齢
「狂ってるわ…ちょっと声が似てるだけの女性をあんな風に私邸に囲ってるなんて…姐姐は知ってるのかしら。あんな人に愛されるなんてゾッとする」
吐くほど気持ち悪かったのね…
そうだよね…あの愛情を向けられてるのが自分だったらと考えたら本当にゾッとするし嫌悪感わいてくるよね…
 
でも無関係な第三者として見ると、陸雲旗のズレた愛情が哀れなものに感じてしまう。
九齢のために鬼畜な皇帝から必死に九黎公主と弟を守ろうとしてるのに、その九齢は気持ち悪がって吐いてるんだもん😢
 
 
陸雲旗は九齢堂の名前も君九齢という名前も改名しろと迫るが九齢は拒否。
それどころか、彼女はあなたの夢に一度も出てきてくれないでしょう、恨んでいるからよと告げる。
怖いもの知らずにも程がある九齢。
自ら陸雲旗を煽るとは…💦
 
この日から陸雲旗は、九齢の後ろ姿や仕草、文字…さまざまなものから彼女が亡くなったはずの妻・楚九齢なのではと疑い始め
機会を見つけては九齢に話しかけたりして九齢の反応を観察。
特に姐の九黎公主や弟の楚九褣を見つめる九齢の表情に普通ではないものを感じ取っていた。
 
そんな中、天然痘が流行。
患者はある村に集められ、そこで九齢は他の医者や朱瓒の協力を得て患者の治療に尽力。
陸雲旗と朱瓒はあからさまに反発しぶつかり合う。
「俺はお前と違って女性を虐めたりしない」と言う朱瓒に陸雲旗は「女性を虐めたことなどない。ただ殺すだけだ」
…真顔でそういうサイコなこと言うのやめなさい😥
 
自分の部下を、天然痘のワクチンの実験台に使っていいと連れてきた陸雲旗
なんて酷いことをって感じだけど、この部下は天然痘で亡くなった人たちの金品を盗んで売り捌こうとしていた。
そんなことをすれば、買った人たちに更に天然痘が広がってしまうためこの時点ですでに重罪。
未必の故意の大量殺人だもんね…
治験者が必要なら罪人を有効利用すればいいという冷酷な判断が陸雲旗らしい。
実はこの時、期限内に天然痘を解決できなければ医者たちも含めて村ごと焼き払えという皇帝の命令が下っていたため、陸雲旗は九齢にどうしてもワクチン開発を成功させたかった。
が、適当に連れてきた誰かを実験台にするなど九齢が承諾するはずがないことも陸雲旗は知っていて、だからこそ、赦されぬ罪を犯した犯罪者ならばと連れてきた…多分、これも彼なりに考えてなんとか彼女の助けになろうとしたのだと思う。
 
けれど九齢は、治験は必ず進んで協力する意思のある人でなければならないと断る。
そうなんだよね…まあやっぱり、いくら重罪人でも無理矢理実験台にするのは出来ないよね💦
 
そして朱瓒が治験者に名乗り出る。
朱瓒が熱にうなされて九齢の名前を呼び、九齢が応えるのを盗み聞いた陸雲旗は、彼女が妻だと確信。
楚九齢と呼びかける
九齢は否定するが陸雲旗は「私が気にかけるのはきみだけだ、きみは他の人間を騙せても私を騙すことはできない。決して逃がさない」
 
「彼女はもういない、現実を見て」と楚九齢だとは認めない九齢に陸雲旗は「きみは誰かを愛したことがあるか」と呟くように言い残して去っていく
 
天然痘ワクチンの治験に成功し皇帝から報奨される九齢を見てホッとしたように微笑む陸雲旗
 
その後陸雲旗は突然九齢に婚礼品を送り付けるがそのまま送り返される。
「彼女に伝えておけ。まだまだ先は長いと」
本気だから怖い…ガチストーカー😥
 
陸雲旗は九齢が自分に従わざるを得ないように追い込んでいく。
「私は婚約者がいる身です」
 
「それがどうした?私はきみが好きなのだ」
😰😰😰
 
その一方で、体調を崩した九黎公主に「弟のためにも自分の身体を大切にするべきだ。彼はすでに姐を一人失っているのだから」と気遣いを見せる。
公主から「九齢に私達のことを頼まれたから世話してくれるの?」と聞かれるが、頼まれたわけではなかった。
九齢は陸雲旗に大切な家族を託したりしない。
2人はそんな関係ではなかった。
 
婚礼の日、幸せそうだったのは陸雲旗だけ。
九齢は少しの微笑みすら見せなかった。
彼女にとっては復讐のための手段に過ぎなかったから。
多分、隣りに立つ新郎など誰でも良かったのだ…
そう思って見るとやはりあまりにも陸雲旗が哀れだ。
 
自分が愛されてはいないことも察していて、でも夫婦となるからにはこんなふうに時間をかけて一生懸命尽くし続ければきっと好きになってもらえると期待を持っていたのかもしれない。
 
まるでモラルというものが丸ごと欠落しているかのような冷酷な陸雲旗が、九齢に対してだけは別人のようにひたむきな優しさと愛情を持っていて、それは楚九齢の死によって歪んだ執着となり
 
彼は君九齢を傷つけようとする者達を容赦なく消していく。
九齢の活躍に嫉妬し陥れようとする医者たちも投獄してしまう。
「私の女に手を出そうとは…」
うん、まあ、彼の女ではないんだけどね😥
 
暗闇で一人たそがれて、九齢を思いだし語りかける陸雲旗
「九黎公主と楚九褣を守るのはすべてきみのためだ…
ほんの少し似ているだけでも全力で捕まえる。絶対に離さない。」
う~ん、キモい(|||´Д`)
 
周囲の人の幸せを見られればそれが自分の生きる意義だという九黎公主に陸雲旗は
「私の生きる意義は、 私が良いと思うものすべてをコントロールすることだ」
 
自己中ド変態め💢💢💢
って感じのセリフだけど…何故彼はこんな思考になったのか。
 
子供の頃から誰にも守ってもらえず、何一つ自分の願う通りにはならず。彼がコントロール出来ることなど何もなかった。
武徳司統領という強い立場を得た今、彼は望むもの全てを手に入れたい。
そして手に入れたもの全てを使って九齢を守りたい。
 
恐らく、喜びや癒し、優しさ、温もり、希望、そういったプラスのものを陸雲旗に感じさせてくれたのは九齢だけだったから、陸雲旗も九齢だけに返したかったのかもしれない。
けれど彼の愛情はとにかく一方的に与え押し付けるもの。
相手のために身を引く、諦めるということを陸雲旗は知らなかった。
愛されたことがない彼は愛し方を知らない。
それでも、九齢を追い込んでもギリギリのところで結局手を緩めてしまう陸雲旗。
多分それが彼の精一杯の引き算の愛情表現だったのだと思うと哀しい。
 
九齢と朱瓒が夫婦として知られるようになっても陸雲旗は諦めない。
2人の仲を見せつけられても
 
九齢の後ろ姿に向かって「誕生日おめでとう」と呟く
 キモい…切ない…キモい…切ない…やっぱりキモい…

そして彼はとうとう強行手段に。
 
九齢が目を覚ますと隣には婚礼衣装の陸雲旗
これは最高にキモかったw
キモいんだけど、何故かちょっと笑ってしまうw
 
キモい😫怖い😱
 
手足を縛られていた九齢は這って逃げ「来ないで」と叫ぶ
 
「分かった、行かない、近づかないから。皇帝は既に君を疑っている。きみは私のそばにいるしかない。きみを守れるのは私だけだ」
 
「いつまで閉じ込めておくつもり?今すぐ私を殺せばいい」と九齢が言うと
「きみは私の全てだ、私が何よりも愛する亡き妻だ、どうしてきみを殺したりできる!?閉じ込めているんじゃない、守ってるんだ」
 
必死に訴えながら近づこうとすると九齢に来ないでと言われてしまう。
「分かった、行かない、ここにいる。ここにいて君を守るから」
 
Kumiが彼を憎めない理由は多分こういうところ。
彼は九齢を怖がらせたり泣かせたり、無理矢理自分のものにしたいわけではない。
この時も本当に皇帝から九齢を守りたくて、でも九齢はおとなしく隠れてなんてくれないだろうし、と切羽詰まってこういう手段に出たんだと思う。
婚礼衣装着ちゃうとことかはめっちゃキモいけど…😥
「ここが嫌なら別の場所でもいい、 私のそばにいてくれれば世界中のどこでもいい」と言うのも、例え九齢に嫌われても自分のそばに置くのが唯一彼女を守れる方法だと本気で思っているから。
あの婚礼の日、九齢を守れず死なせてしまったと思ってずっと悔やんでいた。
その九齢が生きて目の前にいる。
彼は同じ失敗はしたくない。今度こそ九齢を守りたくて必死なだけ。
だからどんなに近づきたくても、九齢に来るなと言われれば近寄れない。
一部のクズ男と違って陸雲旗は力尽くで犯したりはしないのだ(お前のことだぞ祁鈺💢)
 
そして寧雲釗から「あなたが彼女を傷つけないことは知っているが、好きなら相手が喜ぶことをしたほうがもっと良いのではないか」と言われると陸雲旗は
「それはお前の場合だろう。私は違う」と言い切る。
憎めないもう1つの理由はこれかもしれない。
彼はいつでも誰の前でも、九齢の前でさえも決して善人ぶらない。
Kumiに散々ディスられた男たちとはそこがはっきり違う(お前のことだぞ寧維凱💢李逸💢)
 
まあそうは言っても陸雲旗も九齢から見たらめっちゃキモいし恐怖だし、実際やってること酷いし、擁護するつもりはないけど(充分してるかw)
 

この先は一応書かないでおきます。
陸雲旗は最後まで切ないけれど、彼の人としての成長ぶりを是非見てほしい。
憑き物が落ちるってこういうことだろうか、と思うほど一瞬にして彼は「相手を尊重する」ということを知るのだ。
それは多分、彼が知らなかった歪みの無い愛の根幹。
今のKumiはエンディング後の彼の人生が気になって仕方ない。
後日談的スペシャルドラマを作ってほしいほどである。
 
九齢にとって陸雲旗は、復讐の邪魔をしたし、朱瓒を殺そうとしたし、父を助けてくれなかったし、そんな簡単に何もなかったことには出来ないだろうけど
それでも、陸雲旗が懸命に九黎公主と楚九褣を守ってきたこと、本当に九齢を守りたかったことだけは彼女に伝わったんじゃないかと、伝わってたらいいなと思う。
 
陸雲旗は色々間違ってたし歪んでいたとは言え、心から九齢を愛していた。 
キャラも方向性も結末も違うけれど宇文護と少し似ている気がする。
2人とも、苦しい人生の中でただ一人愛した女性がどうしても欲しかった。
暗闇で光を求めるように、砂漠で水を欲しがるように。
どうしてもどうしても欲しいのに、惚れた弱味で結局彼女に負けてしまう。
見ようによっては悪人だけど、愚かなまでに一途な彼らの哀しさにちょっと同情してしまうのはKumiの弱さかもしれない。
こんなにキモい陸雲旗については長々書くくせに、超絶善良キャラな寧雲釗はほぼスルーしたことがちょっと後ろめたい笑
ごめんね寧雲釗😅

ちなみに原作の陸雲旗はもっとキモくてもっと残忍。まさに非道。
さすがにあっちはKumiもドン引き。
ドラマは陸雲旗のキャラを上手くマイルドに表現してたと思う。
気持ち悪さと不憫さを絶妙な加減で配合したキモ可哀想という新しいジャンルのキャラw

演じた杜亞飛、お見事でした✨