9月26日からのサンシントラベル三泊四日の恒例 
「黒田福美と行く!韓国ぐるぐる第四弾」は 仁川・水原編です!
(ブログトップをご参照ください)



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たいていのガイドブックというのはエリアごとの見どころ紹介と
グルメ、ショッピング、宿のガイドというのが一般的です。

ですが私のスタイルはその土地の成り立ちから考えます。
歴史や風土が〇〇だったからこそ
ある産業が盛んになったり、
お寺が創建されたり。
地形がこうだから〇〇が作られたとか、
〇〇が沢山とれる土地柄だから〇〇が名物料理になったなどなど・・。

街には現在、このような形になっている「訳」というのが必ずあります。
そこをきちっと押さえると、すっきりとその街の意味が見えてくるし
深く理解できて納得感があるのです。


ですが歴史というのは私も大の苦手。
そこで私がいつも心がけているのは
「私のような歴史の苦手な人にもわかりやすい説明」です。

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仁川は本当に難しい日韓中、
そして西欧諸国がどうアジアにアプローチしていったかという
縮図が一目でわかる場所といっていいでしょう。
でも、わたしの説明は簡単でわかりやすいと思いますよ。

詳しくは本文を読んでいただくこととして
仁川が外国に対して開港した1883年から
漁村ともいえないほどの寒村だった仁川は
現在ではアジアのハブ空港を有し、
中国10都市と航路でつながる
国際港湾都市になりました。

開国以前からその近さもあって
中国山東省から仁川には多くの中国人が渡ってきました。

当時三つの刃物があれば商売ができるといったそうです。
はさみ、包丁、カミソリ。
つまり洋服屋、料理店、理髪店が当時多くの華僑がついた職業でした。

いまの仁川の中華街の元になるのは
そうした中国人移民が住んだ租界地がもとになっているのです。

しかもそればかりではなく
当時の朝鮮よりも優れた農業技術を持っていたため
多くの中国人が農業をいとなみました。

当時は、中国と日本が朝鮮国内で大きな勢力であり、
西欧人も入ってきたために一気に国際化が進みます。

それらの外国人たちの需要をみたしたのが
新浦国際市場です。今でいえば
紀伊国屋か三浦屋といった国際色のあるマーケットのように、
新浦市場はハイカラな国際市場だったようです。
この市場にないものは、韓国中どこを探してもない
と言われたほどだとか。

この市場には中国由来の鶏のから揚げや
肉まん、あんまんなどの饅頭やパンといった
中華ファストフードも名物です。

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この市場には面白い銅像があります。

中国人が農業をして収穫した農産物を
日本人や西欧人が求めたそうです。
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中国服を着た人物が着物姿の日本人女性に野菜をうっています。
左側にいるのが朝鮮の母子ですね。
この銅像の説明にはこうあります。

「玉葱、キャベツ、ニンジン、トマト、ピーマン、ホウレンソウ
ごぼう、えんどう豆、ニラなど我が国では耳慣れないものだった」

1900年ごろからかなり多様な西洋野菜が入っていたことにビックリ。
ニラなんかもその頃だったとは意外ですよね。

しかし華僑の歩みは波乱づくめでした。
突然に法律が変わって
営業権や土地所有の権利がはく奪され
民族差別に苦しみながら今の華やかな栄光を
近年になってようやく勝ち取ったのです。

本誌インタビューでチャイナタウンの発展に貢献した
萬多福の徐社長にお話をうかがいましたが、
その激動の人生を語りながら
時には胸に迫るものがあって涙を浮かべることも。

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しかし異郷暮らしに耐えてきた強靭な精神が感じられ
感動するインタビューでした。

とても小さな誌面では書ききれなかったことを
こうしてブログで紹介できて嬉しいです。

その社長が民族の誇りである
チャジャン麺のルーツを探究して
今の韓国国民食になったチャジャン麺も提供しつつも
本来の味、
祖先が100年前に山東省独特の味噌と肉を使った
チャジャン麺の味を
「100年チャジャン」として再現し
メニューに加えているのです。
それは今現在韓国で食べられているチャジャンとは
まったく違ったものでした。

仁川にいらしたら
華僑の方々の苦労にも思いを馳せつつ
萬多福の100年チャジャンを召し上がっていただけたら
味わいもちょっと深いものになるのではないでしょうか。

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