介護職として扶養内で働くことには、メリットとデメリットがある。まずメリットとして挙げられるのは、「所得税を納めなくても良い」点である。年収が103万円以下であれば、年収から基礎控除と給与所得控除を差し引くとゼロになるため、所得税がかからないためである。

次に挙げられるのは、「扶養者の税負担が抑えられる」点だ。扶養内で働くことによって、扶養者は配偶者控除、もしくは配偶者特別控除が受けられるため、扶養者の税金の負担が減り、手取りが増えるのだ。

また、「年金保険料を納めなくても国民年金を受け取れる」点もメリットの1つである。年収が130万円未満の場合、被扶養者は第3号被保険者という扱いになるため、年金保険料を納付する義務がなくなる。そのため後に扶養から外れたとしても、第3号被保険者であった期間は納付した扱いになり、将来的に国民年金を受け取れるのである。

他には、「健康保険の扶養に入れる」点も大きいだろう。年収130万円未満であれば、健康保険料を支払わなくても扶養者の勤務先の健康保険に入れるため、3割負担で医療を受けることが出来るのだ。

デメリットとしては、まず「働き方に限りがある」点が挙げられる。扶養内で働く場合、年収に制限があるため、仕事を探す場合にも勤務時間などに条件が多くなってしまい、選択の幅が狭まってしまう。将来的に正社員になりたいと考えている場合でも、復帰が難しい場合も少なくない。

また、「年金が少なくなる」点もデメリットだろう。第3号被保険者の受け取れる国民年金は、月額約5万円ほどである。厚生年金が約14万円であることにくらべると少ないため、老後の資金に不安が残る。

介護職として扶養内で働きたい場合、パート勤務にすることで十分扶養範囲内で働くことができる。

正社員とパートではどのような違いがあるのかというと、勤務時間が異なっている。正社員の一般的な労働時間は、1時間の休憩を挟んだ8時間であり、夜勤がある職場の場合はシフト制で持ち回る。それに対してパートの場合は、「午前だけ」「午後だけ」「夜勤だけ」など希望する時間のみの短時間勤務が一般的だ。仕事内容については大きな差はない。

また、派遣社員でも扶養内で働くことは可能である。派遣社員というと、正社員のようにフルタイムで働く場合もあるが、職場によっては短時間勤務が可能なところもあるため、パートと同じように勤務時間を調整して働けるのだ。

パートや派遣社員として働くことには、扶養内で働けるように勤務時間を調整しやすいというメリット以外に、次のようなメリットが挙げられる。

まず、「資格や経験がなくても採用されやすい」点だ。元々介護職は、無資格未経験でも就職しやすく、実務経験を重ねながら資格を得てキャリアアップしやすい仕事である。パートや派遣という形であれば、フットワークも軽く応募の幅も広がるため、働きやすい職場を探しやすいだろう。

また、「家事の経験を生かせる」点もメリットの1つである。資格取得前に行える生活援助の現場では、掃除や買い物、調理など家事の経験を生かせる仕事が多いのだ。

パートや派遣という形で扶養範囲内で働ける仕事を探す際には、無理なく働ける職場を探すと同時に、「扶養範囲内OK」と明記されている求人情報を探すと良いだろう。扶養内で働くことを検討しているのなら、こちらのサイト<http://kaigo-huyou.com>にも目を通しておこう。