のび太と銀河超特急Ⅴの1[★★]
[初出誌] 『のび太と銀河超特急』、「月刊コロコロコミック」1996年1月号、30頁、172コマ
[単行本] 『のび太と銀河超特急』、「てんとう虫コミックス 大長編ドラえもん VOL.16」1995年9月25日 初版第1刷発行、30頁、172コマ
[大全集] 『のび太と銀河超特急』、「藤子・F・不二雄大全集 大長編ドラえもん 6」2012年5月30日 初版第1刷発行、30頁、172コマ
【初出誌vs.大全集】
「ワープ2の距離に辺境警備隊の本部があって、かけつけることになっています」が「辺境警備隊の本部があって、一日もあればかけつけることになっています」に変更[303(6)]
「空ばかりとんでないで森の中へおりてみよ?」が「空ばかりとんでないで森の中へおりてみよう」に変更[313(1)]
[梗概] 「ハテノハテ星群は文字通り銀河の果て、小さな太陽に属する小惑星の集まりです。不便な場所にありながら、昔は鉱山の星としてにぎわいました。メズラシウムという貴重な鉱石が出たからです」
「ところがその鉱石が掘りつくされてしまうと…。このままではハテノハテ星群が亡びてしまうとみんなで相談した結果…、ドリーマーズランドです」とボームという一流記者に記事にしてもらうため、市長は詳しく説明した。
ランドの中のたくさんのロボットはすべてコントロールセンターで制御し、大事故が発生した場合でも、タキオン通信タワーから救援をもとめ、辺境警備隊の本部があって、一日もあればかけつけることができるようになっている。
アストン008号は集まった仲間に「それぞれひとりずつ体をのっとって人間になりすますのだ。ねらうのは通信関係、交通関係、コントロールセンター。ロボットに大暴れさせようぜ。タワーの通信士だ。0001いけ!」と指令を出した。
通信士をのっとって、タワーに潜入し、明日この設備をぶっ壊し、ハテノハテ星群はどこへも救いをもとめられなくなるとうそぶいていた。
しずちゃんは出掛ける前に、ルンルン気分でお風呂に入いっていると、「ヒューン」と小さなおもちゃのようなUFOが入りこんできたので、「プシュ」とある液体をかけると、「フラ フラ」と落下した。
中生代の星には、三畳紀、ジュラ紀、白亜紀を代表する恐竜たちが昔の姿そのままに生活していた。係員は恐竜と仲良くなったら、二日目には恐竜グランプリレースに参加してくださいと呼びかけていた。
スタートラインは火山のふもと海岸がゴールで、一等賞は好きな恐竜ロボットであった。恐竜に食べられてもおなかの中で化石になって吐き出され、係員がもとにもどしてくれるというものであった。
みんなはナビゲーターをもって恐竜探しに出掛けた。ステゴザウルスがいたが、脳が小さくてノロマであるからレース向きではなかった。その後、凶暴な肉食恐竜ベロキラトルに襲われたり、いまいちスピード感がないトリケラトプスにもあったりした。
チューイングピザを食べていたら、大きな足跡があったのでたどると、ブラキオサウルスであった。ジャイアンは「大もののおれにふさわしい大もの」と感激し、大好きな新芽をスネ夫にもたせ、ブラキオサウルスをエサでつって、スネ夫を追い掛けさせた。
しずちゃんがエサをあたえると、小さな恐竜が「トコ トコ」ついてきた。ナビゲーターで調べると、オルニトミムスというダチョウ型恐竜で、猛スピードで走り回ることができた。しずちゃんは親の恐竜とすぐ仲良しになり、背中に乗せてもらって遊ぶことができるようになった。
のび太は手頃な恐竜がいないと嘆いていたが、目の前にプテラノドンが飛び回っていたので、プテラの足をつかんでハングライダーのように飛ぶことができた。ジャイアンがブラキオサウルスのもっともっと速く、スネ夫を追い掛けるように指示を出していると、突然、「ギャピー ドドッ ドドッ」と暴走を始め、ジャイアンは振り落とされてしまった。
そこへ、ティラノサウルスが「グォ…」と追い掛けてきたので、「スネ夫! おれをみすてる気か!!」、「重くてとべない、はなしてよ!!」と争っているうちに、タケコプターが吹っ飛んでしまった。
ティラノが「グォ!! ガ・ガ・ガ…」と近づいてきたので、「かあちゃん!! ママァ!」と二人が抱き合っていると、ティラノが固まっちゃって動かなくなってしまった。
のび太とドラえもんがプテラノドンの足をつかんで飛翔していたら、「ビ・ビッ ドブン」と海中に墜落してしまった。ナビゲーターで問い合わせると、ジャイアンはティラノが動かなくなった、しずちゃんもオルニトミムスがひっくり返ったと返事してきた。係員に尋ねても、タキオン通信タワーを呼んでもウンともスンとも返事がなかった。
「ギャピー ゴワー ギャ ギャ ギャ」とロボットがメチャクチャに暴れ回り、中央惑星になにかあったのではないかと、ロケットに乗ると、恐竜の群が襲ってきた。宇宙空間までは追ってこないだろうと考えて、懸命に恐竜の大群の中を突破した。