のび太と銀河超特急Ⅱの1[★★]
[初出誌] 『のび太と銀河超特急』、「月刊コロコロコミック」1995年10月号、25頁、137コマ
[単行本] 『のび太と銀河超特急』、「てんとう虫コミックス 大長編ドラえもん VOL.16」1995年9月25日 初版第1刷発行、25頁、137コマ
[大全集] 『のび太と銀河超特急』、「藤子・F・不二雄大全集 大長編ドラえもん 6」2012年5月30日 初版第1刷発行、25頁、137コマ
【初出誌vs.大全集】
変更なし
[梗概] 「ゴットン…ゴットン…ゴットン…ゴットン…ゴットン…ゴットン…カチャ…」と、みんなは「どこでもドア」から銀河超特急に乗ることができた。みんなは個室に入って荷物を整理することになった。
のび太がミーティングルームで待っていると、「バギュ バギュ バギュ」と拳銃を乱射された。そのため、ジャイアンに助けにきてもらうと、だれもいなくて、「なにをビクビクしてんだ、バーカ!」と言われてしまった。
列車がワープ空間に入ったので、バーチャル映像『大銀河の誕生』が映し出された。生まれたばかりの宇宙の大爆発、ビッグバン以来、果てしなく膨らみつづけている宇宙が詳しく紹介された。
「わたしたちの銀河は乙女座銀河団に属し、仲間にはアンドロメダ銀河やM33星雲があります。半径五万光年、中心部の厚さ一万光年。この列車は銀河の渦の果ての果てを目ざしているのです」と続いた。
スネ夫の部屋には、ヒゲもじゃのおっそろしい顔で刀をふりまわす海賊が現れ、ジャイアンの部屋では、窓を破って恐竜が現れたと大騒ぎしていた。ふしぎな列車なので、ドラえもんに知らせて調査してもらおうということになった。
長い列車のため、タケコプターに乗ってドラえもんを探しに出掛けると、「ボウ~ ボウ~ ボウ~」とすごい警笛音が聞こえてきた。ドラえもんが「たいへんだ!! くわしい話はミーティングルームで」とみんなに呼びかけていた。
ドラえもんは「凶悪な盗賊団、ダーク・ブラック・シャドウ団。宇宙の果てに流れついた犯罪者たちが無人の小惑星を根城に快速艇で暴れまわっているらしいんだ」という本社からの緊急連絡をみんなに伝えた。
車掌さんも「部屋へでもこもってカギでもかけてお祈りでもしてください。まもなくワープ空間を出ます。あとは終点まで全速力でにげるしかありません」と乗客を集めて報告している。
みんなはうちへ帰りたいと言い出したので、「どこでもドア」で帰ろうとすると、シャドウ団がドアの中の超空間にバリヤー張っていた。列車はワープから通常宇宙へ出たので、全速運転のまま、小惑星群を横断し、衝突を避けるため、急旋回を続けた。
みんなが心配していると、のび太は「アッハッハッハ…。やっとおもしろくなってきたじゃない。ぼくらはいつも、こんな冒険をもとめてきたんじゃなかった? これまでもハラハラワクワクドキドキするような大冒険を! 何度も何度もぼくらは戦い、そのたびにのりこえてきた。今度もにげないでぶつかっていこうよ!!」と檄を飛ばした。
すると、スネ夫は「のび太…、大長編になると、かっこいいことをいう」と茶化したが、ジャイアンは「よくいった!! むこうがやってくるなら、やりかえしてやろうじゃん!!」と呼応し、「そうだ、そうだ、悪者たちと戦おう!!」となった。
「通りぬけフープ」で列車の屋根の上に出たドラえもんとのび太は「ぺたり手ぶくろとくつ」を装着した。屋根上には「コスモタイムズ」の社会記者ボームさんと車掌さんも上がってきた。シャドウ団が攻撃してきたが、こちら側は信号弾の武器しかなかった。
車掌が撃っても当たらなかったが、射的の天才のび太は「スポ ズバ」と一発で命中させることができた。敵がウヨウヨ現れ、ものすごいスピードで追い掛けてきた。銀河超特急は「ボ~ッ、ボオ ボ~ッ」と懸命に警笛を鳴らして、小惑星群の間をばく進した。