ドロン葉[★★★]
[初出誌] 『ドロン葉』、「小学六年生」1978年2月号、11頁、69コマ
[単行本] 『ドロン葉』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第16巻」1979年1月25日 初版第1刷発行、12頁、78コマ
[大全集] 『ドロン葉』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 5」2010年1月30日 初版第1刷発行、12頁、78コマ
【初出誌vs.大全集】
「へーっ、それほんと!?」が「へえ、それほんと?」に変更[538(4)]
「文字なし」コマ挿入[544(1)]
「本気かしら?」、「あのキョーボーが……」コマ挿入[544(4)]
「くさりをほどけーつ」が「くさりをほどけえつ」に変更[544(5)]
「ハヒ~」コマ挿入[544(6)]
「文字なし」コマ挿入[545(1)]
「ポコ」コマ挿入[545(2)]
「ヘヘヘ ピッチャーゴロ」コマ挿入[545(3)]
「タッチ!」、「あれ……」、「ビュー」コマ挿入[545(4)]
「カーン」、「また一打点!」、「やるなあ」、「自由にとびまわれるのがうれしくてしょうがないのね」コマ挿入[546(1)]
「ウワオ~ オ~ オ~ オ~ン ワオ~ン」コマ挿入[546(4)]
[梗概] 旅の人がタヌキに化かされ、ゆうべのごちそうが木の葉やドロであったという本を読んで、のび太は「アハハハハ…」と大笑いしながら、「バカだねえ、昔の人って」とドラえもんに話し掛けていた。
すると、未来の学者はありもしない幻を見て、オタオタするような実験を本当にしたと、ドラえもんは話しながらひみつ道具『ドロン葉』を出している。この道具はタヌキの脳に合わせて作ってあり、弱い動物が身を守るために化けるための変身道具である。
しずちゃんの裏の家で飼っているベソという犬(タヌキと同じイヌ科)は散歩にも連れて行ってもらえず、ごはんも残りものしか与えられないかわいそうなイヌである。飼い主はなにか気に入らないことがあると、「ビシッ ビシッ ギャン ギャン」と徹底的にいじめていた。
のび太がベソの頭の上に「ドロン葉」をのせると、ベソはすごく乱暴で近所から誰にも相手にされないキョーボーという、あだ名の飼い主と「ドロン」と入れ替わってしまった。入れ替わってキョーボーの姿になったベソははじめて自由に外出できるので、はしゃいで飛び回っていた。
人が変わったようにおとなしくなったキョーボーは、町の男の子たちの野球仲間に入れてもらうことができた。野球を始めると、ピッチャーゴロでも、むちゃくちゃ足が速いのでランニングホーマーになってしまった。のび太としずちゃんは野球を見物していたが、イヌだからそうなるのも当然だと思った。
イヌとなって鎖につながれたキョーボーは「これはベソのしかえしかもしれないな。さんざんいじめたからな…。と、すると一生このまま…」と苦く過去を反省していた。
一日野球で楽しく終えた、イヌのキョーボーが家に帰ると、キョーボーのイヌはブルブル震えながら、やおら、「なぐるならなぐれ! いつもおれがやっているように」と仰向けになっていた。
ベソが自ら「ドロン葉」を頭からとると、「ドロン」と前の状態に戻ることができた。すると、元に戻ったキョーボーは涙を流しながら、しっかりとベソを抱き続けるのであった。
[S0571・A1611・067802]