ムード盛り上げ楽団[★★]
【道具解説】 ひみつ道具である『ムード盛り上げ楽団』はそれぞれの場面状況に、最もふさわしい音楽を演奏してくれる。
【使用目的】 のび太はママがおいしいケーキを作ってもつまらなそうな顔をして、感情をあまり表面に出さないので、ドラえもんはのび太に「ムード盛り上げ楽団」を取り出している。
【使用結果】 さっきのケーキの味を思い出してもらおうとしたら、めんどくさいなと言いながら、「いつもよりうまかったみたいだな」と思い始めると、「ムード盛り上げ楽団」がすかさず、「ズン チャヤ チャッチャ」と楽しい曲を弾き出した。
曲に応じて、「なんだか、すごくうまかったようなきがしてきた。うん、たしかにうまかった! 思い出してもワクワクする」と言いながら、もうじっとしておれなくなってしまった。
のび太がママにおいしかったといわずにいられなくなってしまった。ママから、「こんどもっとおいしいの、つくるわね」と言われると、楽団の演奏も「ジャ ジャ ジャ ジャーン」と最高の盛り上がりをみせた。
のび太が勇ましいマーチにのって外に出ると、手足がかってにはずんで、生き生きと元気になり、スネ夫がびっくりするほどの大きさで、「オッス!!」と声を掛けたので、スネ夫から「ついに変になった、あのばか」と言われてしまった。
のび太が「ラッタ ラッタ」と楽しげに歩いていると、釣り帰りのパパにあった。釣り上げた大きな魚を塩焼きにするかフライにするかと言い出すと、「ヒュラ~」と悲しげな音楽に代わり、のび太は「まもなくきられてさされて…、火にあぶられて…」と考え、「かわいそう」とワーと泣き出したので、パパは川にかえしに行ってしまった。
右手にバットを握ったかあちゃんに、ジャイアンは路上で、「もうしません、いい子になります」と顔を真っ赤にして謝っているシーンを見て、のび太は「クス クス」と笑い出した。すると、楽団は「ピッポコ ピッポコ」とおかしな音楽を演奏しだしたので、のび太の笑いは止まらなくなってしまった。
ジャイアンが「おれがなぐられて、そんなにおかしいのか」とすごい形相で追いかけてきたので、テンポががらりと変わり、「ジャン ジャン ジャカジャン」とスリルを盛り上がる演奏になり、なんとかジャイアンから逃げ切ることができた。
のび太は塀に隠れて、おそろしいことになったなあと考えていた。すると、「デロ デロ デロ」と怖い曲になり、突然、しずちゃんに肩を叩かれたので、「ドキン」として、「ワ~ッ」と悲鳴を上げてしまった。
しずちゃんにジャイアンに追いかけられていると話すと、「なさけない人ねえ。いつもいじめられてくやしくないの?」と言われると、「ズズズ ズン ズン」の演奏で、「だんだん腹がたってきたぞ。ゆるさない」と顔に怒りを込め、バットを持って追いかけ出したので、ジャイアンは「わあすごいはく力。ころされる、たすけてえ」と逃げ回っていた。
この光景を見て、ドラえもんは「どうもきょくたんだなあ」といった感想を漏らしている。
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