百鬼線香と説明絵巻[★★]

【道具解説】 昔の人は物が古くなると魂を持つと考えていた。ひみつ道具である『百鬼線香』をかけると、「説明絵巻」に書かれているように、古い道具のオバケが真夜中に捨てた人の所へ行列になってさまよい出ることになる。

 

【使用目的】 スネ夫はまだ使える製品を粗大ゴミとしてゴミ置き場に捨てている。こうした使い捨ての世の中に憤慨したドラえもんは、物を粗末にする人をこらしめるために、「百鬼線香と説明絵巻」を取り出している。

 

【使用結果】 ドラえもんがスネ夫の捨てた品々にたっぷり「百鬼線香」をかけていると、白いネコがドラえもんに「ミケとシャミーがけんかしてる」から仲裁して欲しいと頼みに来たので、一緒に出かけてしまった。仲裁もうまくいき、あとはセットした午前二時を待つばかりとなった。

 

 日が暮れ、腹ペコになった八時になっても両親は戻ってこなかった。ひと寝りして起きてみると、午前二時になったので、スネ夫の家に行こうとしたら、再度、ネコのけんかの仲裁を頼まれ、ドラえもんは一緒に行ってしまった。のび太がスネ夫の家に着いても、オバケ一匹すら見当たりません。

 

 オバケの行列は野比家に向かって、彷徨っていた。のび太が止めに入っても、全く歯が立たず、完全にノックアウトの状態となった。ドラえもんが戻ってきたので、のび太に理由を尋ねると、のび太は「もったいないから家へ持って帰り、線香を屋根の上におきっぱなし」だと白状した。

 

  野比家で、オバケ掃除機は家を勝手に掃除し始め、オバケ洗濯機は「ゴト ゴト」と勝手に洗濯を始め出した。ドラえもんはこれこそ本物の全自動だと考えた。

 

 ママは友だちの家で長話にふけり、パパも友だちとマージャンをして遅くなったと、互いに弁解し合った。のび太たちは腹ペコで怒っているでしょうと言いながら、部屋に入ると、二人はオバケに大歓迎されていた。ドラえもんは「もういいよ、おなか一杯」、のび太は「デザートたのむね」と、とても楽しげだった。

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