火災予定報知ベル[★★]
[初出誌] 『火災予定報知ベル』、「小学四年生」1981年6月号、10頁、65コマ
[単行本] 『火災予定報知ベル』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第24巻」1982年4月25日 初版第1刷発行、10頁、68コマ
[大全集] 『火災予定報知ベル』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 11」2010年11月30日 初版第1刷発行、10頁、68コマ
【初出誌vs.大全集】
「タイムマシンでいってみよう」が「タイムマシンで三日後へ行ってみよう」に変更[372(7)]
「そんなはずないよ。報知器はおじさんが火事を出すといってたんだから」が「そんなはずないよ。報知ベルはおじさんが火事をだすといってたんだから」に変更[373(4)]
「このときはまだタバコを吸っていない」コマ挿入[373(6)]
「火事はまだおきてない」コマ挿入[375(3)]
「ほら、くわえタバコで帰ってきた」コマ挿入[375(4)]
[梗概] 晴天続きで、空気が乾燥しているため、近ごろ火災が頻繁に発生していた。のび太は少年消防隊を作り、火事があったらパッと消して、みんなに喜ばれたいので、ドラえもんにひみつ道具『火災予定報知ベル』を出してもらった。このベルは三日以内に火事をだすはずの人に近づくと鳴り出すものである。
このベルを持ってパトロールを始めると、家の中でベルが「ジャ ジャン」とすごい声で鳴り出した。ママは最初、何をばかなこと…、と言っていたが、突然、「ビュウ」と切り忘れたアイロンのことを思い出して駈けつたので、だいじにならなくてすんだ。
役に立つことがわかったので、外に出てパトロールを始めると、全く鳴らないので、ドラえもんにひみつ道具『パトロール消防車』を出して、町内をパトロールしてもらうことにした。
しばらくすると、「ジャ ジャン」と鳴ったので、タケコプターで駆けつけると、タバコを吸っている男性の周りを消防車が「ウ~ ウ~ ウ~」とサイレンを鳴らして警告していた。火のついたタバコを投げ捨てた男性に注意すると、「ぼくが火事だすって。バカにするな!!」と怒鳴られてしまった。
心配のため、家で「タイムテレビ」でチェックしていたら、三日目の真夜中に火事になり、おじさんはたいへん困っていた。タイムマシンで出掛けると、おじさんは「今夜ねるところもないんだよ」とパジャマ姿で涙を流していた。
おじさんが火事をだしたと告げると、「ぼくはなんにもしてないぞ。だれかが火をつけたんだよ。帰り道でタバコをすったほか、いっさい火を使っていないんだ」と強調していた。
タイムテレビで、終電車から降りたあとを追跡することにした。十二時過ぎに駅を出たとき、まだタバコを吸っていなかった。帰宅途中、電車の中でかんでいたガムをはきだし…、タバコに火をつけて歩き、家につくだいぶん前にタバコを捨てたことがわかった。
再度、巻き戻してチェックすると、捨てたガムを踏んづけたので、靴底につき、そのガムに捨てたタバコが付着したが、玄関前でそのタバコを落としていた。そのタバコが風に吹かれて転がって、勝手口につんであった古新聞を燃やして、火事を引き起こしたことがわかった。
タイムマシンを巻き戻すと、まだ火事の起きていない時間帯にきた。くわえタバコでやってきた男に「こらっ、ぼくっ。すいがらのなげすてはぜったいにやめろ!!」と、叱りつけているのを見て、ドラえもんは「自分のいうことならきっときくよね」と、のび太に語りかけていた。
[S1140・A2403・048106]