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【道具解説】 ひみつ道具の『動物観察ケース』は「自然のままの動物の生態を見る道具」である。
【使用目的】 スネ夫が何種類もの熱帯魚を特注の水槽で飼っているのを自慢するので、のび太は思わずクジラを飼っているといってしまった。そのやり取りを『自家用衛星』で見ていたドラえもんは、「動物観察ケース」にクジラを用意して待っていたので、みんなはびっくりしてしまった。
【使用結果】 「動物観察ケース」は南氷洋と野比家の部屋の空間をつないでおり、動物の大きさはケースのサイズに合わせて伸び縮みし、動物が動くと空間もそれにつれて移動するものである。
このケースの経度緯度ダイヤルを「カチ カチ」移動して、ほしい動物のいるアフリカのケニヤのサバンナで「ウイン ウイン」と探していると、ライオンが出てきた。
そのとき、スネ夫はペット屋でイグアナを買ってきて、めずらしいこの動物を見せるため、ドアを開けると、ライオンが「ウオーッ」と吠えたので、「キャア」と叫んで逃げてしまった。ライオンが子鹿を追い出したので、捕まる寸前ライオンに「桃太郎印のきびだんご」を与えて事なきを得ている。
スネ夫は交番へ行って、おまわりさんに「町の中でライオンを? しかも金魚ばちでかってるんですよ!! あばれだしたらたいへん! う~んとしかってください」と頼んで、のび太の家にやってきた。
おまわりさんが拳銃を抜いて、ドアから中へ入ると、コアラのかわいい親子が目に入ってきた。おまわりさんは「あれがライオンか? あれが!!」と猛烈に腹を立てて帰って行ってしまった。
のび太はパンダやモグラを見たあと、自分でこのケースのダイヤルをいじくると、「ヨタ ヨタ ヨタ」と飛んでいるのび太ツバメを再び見ることができた。
そのツバメは電柱に「コチン」とぶつかるような不器用なトリであった。「桃太郎印のキビダンゴ」を与えると、よほど腹ぺこであったのか、「パク パク」と食べ出した。のび太は夜になっても、このツバメのことが気になって眠ることができなかった。
ドラえもんから渡り鳥は「生まれながらにわたりの季節や目的地がわかるものなんだ」と説明されたが、のび太ツバメはとても気がかりであった。
次の日このケースで確認すると、雨の中を必死に飛んで、九州あたりにたどり着いていた。電線で昼寝をしていると、ドサッと落ちてしまったので、のび太は自分のことのように夢中になり、キビダンゴを与えている。
しばらくすると、大きなタカに襲われ、キビダンゴもなかったので、ドラえもんは「スモールライト」を出して、ピカッと照らして危機を脱出させている。しかし、地上に落ちて、動かなくなってしまったので、「どこでもドア」で現場に行って、「お医者さんカバン」で診断すると、「ケガハナイ気絶シタダケ」と結果が出た。
しばらくすると、元気になって、「チュチュ」鳴きながら、南の方へ飛んでいった。のび太は学校があるので、ドラえもんにお世話になり、あとをついていってもらうことにした。
「かならずぶじ送りとどけるから、安心して!」と頼もしい友だちの言葉を信じて家に帰った。あれから十日立っても帰ってこないので、心配になってこのケースで確認すると、ドラえもんは「ツバメはフィリピンについたけど、ぼくの家はどっちの方角だったかなあ」と「ヨタ ヨタ」しながら、懸命に帰りの方角を探していた。
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