こいのぼり[]

[初出誌] 『無題』、「小学三年生」19745月号、6頁、35コマ

[単行本]  『こいのぼり』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第6巻」197511日 初版第1刷発行、6頁、35コマ

[大全集] 『こいのぼり』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 52010130日 初版第1刷発行、6頁、35コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 変更なし

 

 [梗概] スネ夫はみんなの前で、「大きいだろう。うちのこいのぼりは。…、あのこいのように元気にそだてといのって…。ぼくは、つくづくしあわせだと思うなあ」と自慢した後、「こいのぼりもかってもらえない子は、あわれだよなあ」と言い放った。

 

  すると、近くにいた男の子が「ワアン」と泣いて走り去ってしまった。スネ夫には、理由がよくわからなかったが、のび太からも「ざんこくなやつだ」と言われてしまった。

 

 泣いた男の子はタバコ屋のてっちゃんであった。行ってみると、去年、約束したんじゃないかと泣いて訴えるてっちゃんに対して、ママは「お金がたまらなくて。来年までまっておくれ」と懸命になだめていた。

 

  それを見たスネ夫に対して、のび太は「おかあさんひとりで、育てているんだぞ」、ジャイアンは「自分ばかり、いい気になってじまんしてる」、しずちゃんも珍しく「あんな小さな子どもの心をきずつけて」と非難している。

 

  「思いやりがないんだから。バカタレ! ざんこく!」とぎびしくやりこめられたので、スネ夫は泣き、「こいのぼり、わけてやればいいんだろ…」と言ってハサミで切ろうとし出した。

 

 それを見ていたドラえもんがいい方法を思い付き、スネ夫からこいのぼりを借りることにした。家に帰って、「雲の池製造機」で「モク モク」と雲を出し、部屋を雲の池にしてから、ひみつ道具である『鯉のぼり操縦機』を使って、普通の鯉のぼりを「ヒラ ヒラ」と雲の池で泳がせている。

 

  しばらくすると、こいのぼりの卵から赤ちゃんが生まれたので、のび太はママからかしわもちをもらって、小さくちぎって赤ちゃんに与えている。「パク パク」食べたこいのぼりの赤ちゃんはどんどん大きくなっていった。

 

 大きく育ったこいのぼりを、ドラえもんは操縦機を使って、タバコ屋のてっちゃんの家まで泳がせた。家の中で元気よく泳いでいるこいのぼりと、楽しそうに遊んでいるてっちゃんを見て、スネ夫は「いいなあ、こいのぼりがあんなにたくさん」とうらやましがっていた。

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