職業テスト腕章[★★]

【道具解説】 ひみつ道具の『職業テスト腕章』に、先生と書き込んで腕にはめれば、先生になることができる。

 

【使用目的】 授業中に将来なりたい職業を聞かれた時、のび太ひとり予定がないと答えて恥をかいてしまった。のび太が将来先生になりたいというので、ドラえもんは「職業テスト腕章」を出している。

 

【使用結果】 のびたが「職業テスト腕章」をはめて、学校へ行くと、先生からまた遅刻と注意されたが、腕章を見せると、「あっ、先生でしたか」になり、のび太が教壇で「では、授業を始める」と告げている。

 

  先生の「わしはなにをしたらいいのでしょう」に対して、「どこか昼寝でもしたら」と対応している。算数の授業を始めると、全部解けたので、「みんな、みて! みて!」とはしゃぎ、子どもたちから「先生ができるのあたりまえじゃない」と言われている。

 

 次の時間は国語のテストの予定であったが、「先生はテストなんてざんこくなことはやりません」と伝えている。しずちゃんが質問すると、「いい質問だ。きみかわいいねえ」と対応したが、スネ夫が質問すると「それぐらい自分で考えなさい」と対応するので、ジャイアンが「ひいきだひいきだ」と抗議すると、「ろうかにたってろ!!」と命令している。

 

  と一度は命令したが、先生はやさしいから、そんなことしないかわりにと言いながら、ジャイアンがカバンに隠し持っているマンガを出させている。ほかにもマンガ持ってきた者に出させて、先生がたくさんのマンガをあずかっている。

 

 先生はしばらく自習にして、校庭の片隅で「先生っていいなあ」とマンガを読んでいると、担任の先生から、「授業中になにをしてるんだ!!」と叱られたので、腕章を見せると、先生の文字は消えていた。そのため、いつものように廊下に立たされることになった。

 

 先生は思ったよりたいへんだから、ドラえもんに本屋さんになると言って、腕章に「本や」と書いて、いつもの本屋さんに出掛けた。ただでマンガが読めて、座っているだけの楽ちんな仕事だと思って、本屋の主人と店番を交代している。

 

 ジャイアンとスネ夫が立ち読みしているので、はたきで「パタ パタ」はたいて追い出している。お客さんが本とお金を出し、おつりをくださいと請求すると、マンガに夢中で、「そんなものいいから」と言って叱られている。

 

  小さい子や女の子の買いたい本はまだ読んでいないからダメと断っており、お客さんに、あんなへんな本屋さん二度と行くもんかと腹を立てさせている。マンガに夢中で、本屋の主人に「うるさいうるさい。もう閉店です」と言ったため、本屋からおっぽり出されてしまった。そのときは、当然腕章の文字は消えてしまっていた。

 

 ドラえもんは「もっとまじめにやらなくちゃ。なまけてできる仕事なんてないんだから」と注意すると、のび太は「少しでも楽な仕事をさがしているんだよ。おもしろくてかっこよくてもうかる仕事」と好き勝手なことを言っていた。

 

  はたと思いついて、のび太は「まんが家になろう。つくえの前にすわって、ばかなことかいてればいいんだから」とひとりで納得して、腕章に「まんが家」と書いて、タイマーも三日間続くようにセットして出掛けた。

 

 フニャ子フニャ夫の玄関前に立っていると、本物が「ダッ」と駆けだしていった。その後、三人の編集者が「ドドドド」と出てきて、まんが家のび太を取り囲み、原稿を催促した。「そんなにぼくの原稿がほしいの。かきましょう。

 

  でも昼寝の時間だからそのあとで」と申し出ると、「できるまでねかさないから」と完全にカンヅメ状態になってしまった。「ヒ~」と悲鳴あげ、窓の外でタケコプターを装着して悠然と眺めているドラえもんに向かって、「ドラえもん助けて~」と懸命に叫んでいた。

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