魔法事典[★★]
[初出誌] 『無題』、「小学二年生」1982年6月号、10頁、70コマ
[単行本] 『魔法事典』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第37巻」1986年8月25日 初版第1刷発行、9頁、70コマ
[大全集] 『魔法事典』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 14」2011年6月29日 初版第1刷発行、9頁、70コマ
【初出誌vs.大全集】
タイトル『無題』が『魔法事典』に変更
[梗概] 男の子がいじめられていると、ほうきに乗った魔女っ子ノブちゃんがやってきて、「テケレッノパー」と呪文をかけると、いじめっ子である二人の男の子は空中で激突することになった。のび太は女の子のテレビ番組であったけれども、とても熱心に見ていた。
女の子の間に混じってのび太もおもしろい番組だと賛同していると、ジャイアンとスネ夫から「や~い、女の子の番組なんか見てる」と冷やかされ、「女の子にひいきされていやなやつだ」といじめられて殴られてしまった。
のび太は「くやしいなあ。ぼくに魔法が使えればあんなやつ…」と考えて、図書室に魔法の本を探しに行ったが、見つからないのでガッカリしながら帰宅する途中に、ドラえもんに出会った。
ドラえもんに相談して、どうしても魔法使いになりたいんだと泣いて訴えると、ひみつ道具『魔法事典』を取り出してくれた。この事典に「ほう木で空をとぶには…あたまを三かいかく」と鉛筆で書いた。すると、ママの頭に「カサ」と葉が落ち、「キャッ毛虫」とかんちがいして、「パッ パッ パッ」とはらいながら頭を三回かいた。
すると、左手に持っていたほう木が「グ…」と持ち上がって、ママは空中を飛ぶことになった。書いたページを「ビリ」と破ると、ママの魔法がとけ、「ドサ」と大地に墜落した。
のび太は空を飛ぶため、「ほう木で空を飛ぶには スーイ スイととなえる」という呪文を事典に書いた。この呪文を唱えると、空を飛ぶことができ、逆に「イス イース」と唱えると、降りることができた。
ジャイアンをやっつけるため、事典に「すがたをけすには イナイイナイ」と書いた。しかし、のび太がジャイアンの部屋に入ってもいなかったので、「イナイイナイ」と唱えてもとに戻っている。
庭をほう木で掃除していた、しずちゃんにジャイアンがどこにいるか尋ねると、「あっちの方へローラースケートでスーイスイ…」と教えてくれた。すると、しずちゃんが空中に飛び出したので、「イスイース」と唱えて降りてもらった。
呪文が簡単すぎるとまずいので、事典に「ねん力で人をなげとばすには アブタラカブダラピンポンキンノポンキッキビブデバブデととなえる」と書いて、スネ夫にこの呪文を唱えると、「ズデン」と投げ飛ばすことができた。
ジャイアンがローラースケートで滑っていたので、「イナイイナイ」と唱えて、姿を消し、足でジャイアンの頭を「ガツン ゴツ ゴツ」と殴りまくった。近くで赤ちゃんをパパが「イナイイナイバア」とあやしていたので、のび太は「パッ」と姿を現し、ジャイアンにつかまって「このやろう」と投げ飛ばされてしまった。
念力の呪文が長すぎたため、「ボカ ボカ」と殴られて帰宅すると、ドラえもんから「魔法を使えるのに負けるなんて、ふしぎな人だねえ」と言われてしまった。
[S1415・A3701・028206]