心呼び出し機[★★]

【道具解説】 ドラえもんはひみつ道具である『心呼び出し機』に呼びかけて、「モヤ~」と山の心を出してもらった。山の心はのび太くんが大好きであった。ドラえもんは山の心に何度も何度も、もうこれ以上のび太を近付けないで欲しいと頼んだ。

 

【使用目的】 ドラえもんは「心呼び出し機」を取り出し、この機械から「モヤ~」と現れた「山の心」に、のび太にこれから近づかないようにと懸命にお願いしている。

 

【使用結果】 ドラえもんも山に行って、『心よびだし機』から山の心を呼びだし、「もや~」と現れた山の心に「のび太をこれいじょう近づけないでほしいんだ」と頼むと、山の心も「いやよ。あたし、のび太くんが大すきだもん。帰りなさい! おそろしいめにあわせるわよ」と反論してきた。

 

ドラえもんは「やるならやってみろ!! どんなことしても、のび太をつれもどすんだ!! お願い、のび太のために…」と両手をついで頼んでいる。すると、「山の心」が「心よびだし機」の中へ「スウ」と消えてしまった。

 

 のび太が山を下りろと命ずるドラえもんに対して、「まだそんなこといってるのか。ここにいればだれにもいじめられないし、たべものも山がだしてくれるんだよ!!」、「たべて生きてるだけでいいのか!! こんなことつづけてたらきみはだめになっちゃう!! かならずだめになるぞ!!」、との応酬があった後、のび太が「山よこいつをおっぱらえ」と命じた。

 

 すると、「ズボン」と落とし穴に落ちたのはのび太であった。「ぼくじゃないよ! ドラえもんを…」と叫ぶと、ハチの大群が「ブウン」と山からのび太を追い払ってしまった。ドラえもんは「ありがとう…、きみ、ほんとにのび太がすきだったんだね」と山の心に深く感謝した。

 

 家に帰り、のび太がふとんの上にションボリ座り、「信じられない。あんなにやさしかった山が…」と涙を落としていた。そのかたわらで、ドラえもんは「ゆめをみていたと思えばいいんだよ。わずかな間だったけれど、楽しいゆめを」と懸命に慰めていた。

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