クローン培養基[★★]

【道具解説】 ひみつ道具の『クローン培養基』は「生物のコピーを作る機械」である。細胞のひとつひとつには、遺伝情報が組み込まれているので、髪の毛一本からでも、それをもとにコピーを作ることができる。

 

【使用目的】 未来のデパートから生物のコピーを作る「クローン培養基」が誤って配達された。何度デパートに電話しても話し中であったので、それを置いてドラえもんはどこかへ出掛けている。のび太は「クローン培養基」でジャイアンとスネ夫のコピーを作り、おたなしくすなおな子にしつけて、友だちになろうと決心した。

 

【使用結果】 

クローン培養基」で生まれたジャイアンとスネ夫のコピーは赤ん坊ではなく、細胞の持ち主と同じ年まで成長した段階にあった。しかし、脳や運動神経は赤ん坊なみだから、いろいろな養育をし、教育をしなければいけません。のび太はひみつ道具である『かべ紙ハウス』をドラえもんから借りて、二人の養育と教育を始め、「おとなしくすなおな子にしつけて、友だちになろう」と夢見ていた。

 

ドラえもんに黙って二人を育てているため、のび太は人間コピーの将来をドラえもんに問うている。ドラえもんから「人間を作るって、たいへんなことなんだ。作ったからには、しあわせにしてあげる義務があるし、一生、責任をもって…」と言われ、のび太は自分の面倒さえ、見切れないのに、ますます二人の将来に関して自信をなくしてしまった。

 

 二人は体力や能力を付けて、もはやのび太ひとりで教育できません。のび太はドラえもんに対して「なんとかしてよ。どうにもならないよ」とはじめて二人の存在を打ち明けた。鍵を掛けられた「かべ紙ハウス」の中で、二人は「ドカン、ドカン」と大騒ぎをしている。ハウスの外では、ドラえもんとのび太が「どこかほかの星ですんでもらう」とか、いろいろ相談をしていた。

 

  しかしながら、鍵を開けて中に入ると、コピーのジャイアンとスネ夫がクローン培養基をいじくったらしく、二人の存在はどこにも見あたりません。よく調べてみると、二人は培養基の取り消しスイッチを入れて、もとの髪の毛に戻っていた。

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