石ころ帽子[★★]
【道具解説】 ひみつ道具である『石ころ帽子』を被ると、周りの人たちにちゃんと見えるけれども、誰にも気にされなくなる。道端の石ころのように誰も目をとめなくなる。
【使用目的】 のび太が寝ころんで本を読んでいると、パパから勉強しなさい、屋根で休んでいると、ママから、「あぶないっ。おちたらどうするの!」と注意されている。「ユサ ユサ」体を動かして勉強していると、ドラえもんから「そのびんぼうゆすりのくせ、やめた方がいいよ」と指摘された。
のび太がドラえもんに、「みんながぼくのこと見はってて、うるさいこという!」と抗議すると、ドラえもんの回答は「きみのことを気にかけている」証拠だというものであった。のび太はほっといてほしかったので、ドラえもんに「だれにも気にされない機械」を頼むと、ドラえもんは渋々ひみつ道具『石ころぼうし』を取り出してくれた。
【使用結果】 のび太にとって「石ころ帽子」はきつかったけれども、ひとつしかないので、ドラえもんに「カポ」と叩いてもらって、何とか被ることができた。のび太がドラえもんにこのぼうしが似合うかどうかを尋ねても、全く気付かれなかった。のび太はタバコを吸っているパパのかたわらに、「ゴロン」と寝転がっても全然気づかれなかった。
往来で、しずちゃんに会い、家までついて行って、しずちゃんの部屋の中に一緒に入っても、気付かれなかった。しずちゃんがお風呂に入りだしたので、のび太は家を出ることになった。往来に出ると、ジャイアンとスネ夫が「のろまでどじで、運動神経ゼロだよ」、「あいつを入れると負けるから、野球にさそわないでおこう」と、悪口を言いながら歩いていた。頭にきた、のび太は路上に座り、バットで二人をつまづかせて「ドデン」とひっくり返らせている。
野球では、ジャイアンがバッターの時、のび太も反対側のバッターボックスに立って、ボールを打つ準備をしていた。投手の「ピュッ」と投げたボールを、「スコン」と打ったのはのび太であったけれども、ジャイアンが打ったことになり、チームのみんなから「われらの英ゆう!」と称えられた。
打ったのはぼくであったと訴えるために、ぼうしを脱ごうとしたがどうしても脱げなかった。そうこうしているうちに、後頭部にボールが「ズコ」と当たり、さらに、走塁しているはる夫に「ダッ」とぶつかることになった。隅っこで避難していると、ジャイアンに小便を「ジョバ」とかけられた。
ぼうしを脱がせてもらうため、家に帰ると、玄関前でママにバケツから水を「バシャ」と浴びせられ、階段でドラえもんに「ドン」とぶつかっても全く気付かれなかった。のび太が廊下に座って、「もしぼうしが一生ぬけなかったら…。ど、どうしよう。そんなのいやだあ。ウワァ~」と、大声で泣き崩れていた。
すると、水や汗でぼうしがふやけたので、「ポロ」とぬけてしまった。ママからは「なんです。そのかっこうは!」、パパからは「勉強もしないで!」と言われてしまった。しかし、のび太は「気にかけられるって、うれしいねえ」というのが本音であった。
[S01652・A04158・067304:328]