こんばんは。都議の栗下です。
 
 
今日は先だってTwitterで取り上げた「秋葉原で増えている違法客引き問題」について、お伝えしたいと思います。

 

 

言わずと知れた「オタクの街」秋葉原ですが、実は私の実家はこの周辺にありまして、秋葉原電気街は子どもの時からの遊び場でもあります。しかし、この数年はめっきり訪れる回数も減り、たまに行く度に駅の周辺を中心にどんどん姿形を変えていくのに驚くといった感じでした。
 
 
そんな中、いわゆるメイド喫茶やコンカフェの客引きの数が増えると同時に無秩序化して、秋葉原が大変なことになっているという声を頂き、4月19日(月)に現地で3時間ほどかけて、巡回調査を行いました。
 
結論から言うと、夜の秋葉原は一変していました。その日、最も多く外に客引きが立っていたのは夕方6時半頃、裏通りの所謂ビラビラ通り・ジャンク通り、6車線のメインストリート(?)である、中央通りにも数メーター間隔で様々なコスチュームの女性が並び、街全体では恐らく100名規模のキャストが立っていました。
以前も、メイドさん姿のキャストが店の宣伝をしているのは秋葉原では見慣れた風景ではありましたが、その数と内容が一変していました。
 
 
「以前、メイドさんが立っていたのは問題にならなかったのに、最近は具体的にどこがダメなの?」というのは、非常に重要なポイントなので都から確認したことも交えて、要点を以下にお伝えしていきたいと思います。
 
 
■「客引き行為」は条例違反。道路に出てくるのはNG。「ビラ配り」は1店舗1名。
 
多くのご意見を頂く中で、一番問題視されているのは昨今、これらが「無秩序化」しているという事だと思います。
 
私が夜に見廻りをした時も、遅い時間になればなるほどアグレッシブな客引き行為(立ちはだかる or 歩行者についていきながら、声をかけてお店に誘うこと)を行なっているキャストが散見されました。
 
これは、迷惑防止条例におけるつきまとい行為の禁止(警視庁)に抵触する可能性がありますが、実際には覆面警官が直接一定距離以上のつきまといを受ける、もしくは被害届が出されるといったことがなければ摘発されません。
 
また、秋葉原のある千代田区は「公共の場所における客引き行為等の防止に関する条例」(千代田区)を定めていますが、こちらは客引き行為を幅広く禁止(上述の迷惑防止条例におけるつきまとい要件を満たさずとも対象になる)しているものの、罰則がなく「指導」止まりであることから実質的には十分な効力を発揮しているとは言えない状況です。
 
道路中央に出てきて客引きをすることは当然、道交法的にもNGなのですが、私が巡回した中でも、お店の男性スタッフが女性に対して、「もっと道の中央に出てアピールしろ」といったような指導を行なっている様子が見られました。特にビラビラ通りにおいては道のど真ん中に女性が立ち並び、歩行者の妨げに。警察のパトロールカーがゆっくり巡回し、傍に寄るよう注意していましたが、通り過ぎたそばから元通りになり、これについては殆ど効力がないのではと感じました。
 
ビラ配りについては、お店がそれぞれ「道路使用許可」という形で万世橋警察署に届け出を出せば「1店舗あたり1名」は出せますが、その制限が遵守されているか怪しいという指摘も多くあります。またビラを持っていなくてセット料金などが書いたプラカードなどを持って、何もせずに立っている方については特に制限がありません。道の真ん中に出ることを注意できる位です。
 
まとめると、外に立つキャストの数が多いこと自体は法令・条例に触れているわけではなく(感染症対策上はそれも問題になり得ますが)、ビラ配りも制限内で行なうことについては問題ありませんが、「道路の真ん中に出たり、明確な条例違反である客引き行為が横行する無秩序な状態」が問題ということになります。
 
こうした状態を改善していくために、先週、警視庁を通じて万世橋警察署に対してパトロール強化の申し入れを行いましたが、上述のパトロールカー巡回をいくら増やしたとしても改善には結びつかないと感じています。
 
警視庁はどういった対応を行なっているのか、どうしたらよいのか?ということについては文量が多くなりましたので、また明日書きます。