レッスンの帰り道 | ジジイがハープ!

ジジイがハープ!

還暦ジジイがハープとは!

大変難易度が高く、注目度は低いです。

一体ジジイは何を考えてるのか?


ハープレッスンをお願いしている先生のご自宅は、ウチから電車を3つ乗り継いで片道1時間です。



課題曲に合格した帰り道、日差しは輝き、足取りも軽く、鼻歌混じりになります。

乗り換え駅での雑踏も、行き交う人が私に微笑み掛けながら道を開けてくれます。

たまにぶつかりそうになっても「これは失礼しました」とお互いに気持ちよく道を譲り合います。


ここは平和で安穏な街並みが広がっています。人々の顔は明るく、笑顔が絶えません。





課題曲に合格出来なかった時、曇天の下、気持ちはすさみ、荒ぶる心が抑えきれません。

行き交う人は皆私に敵意を持ち、故意にぶつかってきます。

一触即発の緊張が走り、不穏な空気がみなぎる街角に油断がなりません。


特に1発合格を目指して懸命に練習したにもかかわらず不合格となった時などは、目つきも昏(くら)く鋭く、轟く雷鳴の中、怒髪天を衝かんばかりに雑踏の中で雄叫びをあげたくなります。



おのれ見ておれこの次は!

おのれ見ておれこの次は!



やがて怒りは悲しみに変わり、悔し涙に目は曇り、足取りも重くジジイは帰路につくのです。