すごく久しぶりに、鳥ちゃんと山歩き。
予定では、衣張山ハイキングコースから、お猿畠の大切岸・まんだら堂やぐら群・名越切通などを歩こうと思っていました。
以前（2022年10月）、娘と行ったコースです
衣張山ハイキングコースは、以前と変わりありません。（その割に、入り口がわからず迷った）
台風の爪痕なのか、倒木は多いですが、歩きやすいし、15分ほどで山頂
紫陽花のために賑わう鎌倉ですが、ここに登る人はほとんどいないらしく、誰にも会いません。
山頂に着くと、女性がお二人とワンちゃんが一匹。
お一人は犬のお散歩中のご近所の方で、もうお一人は年配のソロのご婦人でした。
その方達と少しおしゃべりをしたら、ここから、釈迦堂切通の方に下れるらしいとのこと。
釈迦堂切通は崩落対策工事のため、ずっと工事中で、現在は立入禁止です。
もし、上から見ることができるなら、ぜひ行ってみたいと思いました。
立入禁止になる前の釈迦堂切通・大町側（今は近づくこともできません）
浄明寺側
ということで、鳥ちゃんと、ソロのご婦人と３人で、そちらに下ってみようということに。
斜面はかなりの勾配でロープがあったり、藪漕ぎしたり、蜘蛛の巣が顔にかかりまくり。
それでも一応道がついていて、途中、朽ちた東屋などもあります。
結局、釈迦堂切通には辿り着けなかったのですが、やぐらがたくさんあって、朽ちた赤い橋があって、
なんだか異世界に紛れ込んだような、不思議な場所でした。
そしてたくさん、イワタバコが咲いていました。
後から調べると、この場所は、以前、北条時政名越邸跡と言われていた場所のようです。
以前は観光地だったらしく、赤い橋はその名残でしょう。
発掘調査の結果、北条時政邸跡ではなく、寺院があったのではないかと言われているそうです。
今では、大町釈迦堂口遺跡と呼ばれて国の史跡となっているとか。
結局、大町に下りてきて、そこから鎌倉駅に帰ることにしました。
釈迦堂切通の開通は、2年後だそう。2年後にまた来ましょう、ということで、
ソロのご婦人とはそこでお別れします。
「2年後っていうと私82歳だわ」と言われてびっくり。全くそんなふうに見えないのはもちろん、
お一人でどんどん登ったり下ったり、お一人で運転してどこでも行かれるそうで
その年齢になった時、自分はどうだろうか…と思わず考えてしまいました。
そんな素敵な大先輩に会えたのも、何かの巡り合わせ。
私たちはお腹が空いたので、その辺のお寺か神社の境内でおにぎりを食べることに。
たまたま入った「八雲神社」に行ってみると、そこは「祇園山ハイキングコース」の入口でした。
衣張山が中途半端になってしまったので、「祇園山ハイキングコース」に行ってみることにします。
見晴台でお昼ご飯を食べて（トンビが狙っていたので用心深く…）
雲が多いので海の色もどんより…
そこから「北条高時腹切やぐら」まで歩きます。
腹切やぐらは「祇園山ハイキングコース」の終点にありますが、
ここは落石の危険があるため立入禁止。
以前、一度行ったことがありますが、近くに行くのも少し怖い場所でした。
ここは、北条氏滅亡の地。執権北条氏の菩提寺である東勝寺に、執権北条高時をはじめとする一族郎党が立て籠もり、寺に火を放ち、自害して果てた場所だそうです。
そこから鎌倉駅までは10分ほど。
閑静な住宅街を抜けて、若宮大路を横切り、小町通りに入ると、いきなりすごい人。
外国からの観光客、遠足の小学生、修学旅行の中学生、若者、中高年、いろいろ。
まともに道も歩けないほど人が溢れかえっていて、土日はどうなるんだろう…？
以前から一度行ってみたかった「イワタコーヒー店」でホットケーキとプリンを食べました。
「イワタコーヒー店」は創業1945年、終戦の年にできた老舗喫茶店。
創業からもうすぐ80年。かつて文豪が訪れたという場所。
ここのホットケーキは有名で、注文したら25分待たされます（じっくり焼き上げるのだそうです）
まさにレトロな喫茶店。
周りを見回すと、昭和の雰囲気にホッとしたような、年配の方ばかり（自分達も含めて…）
確かに小町通りの喧騒を思うと、別世界です。
最初の予定と全く違うコースを歩くことになりましたが
素敵な一期一会もあり、思いがけない冒険もできて、本当にこれって導かれた感がすごい。
私はお賽銭も出さない不信心者ですが、
山に行くと不思議と、異世界に足を踏み入れたような、神秘的な気持ちになったりします。
コース：鎌倉駅〜杉本寺 〜平成巡礼道〜衣張山ハイキングコース〜衣張山山頂 〜大町釈迦堂口遺跡〜 八雲神社〜祇園山ハイキングコース〜見晴台（祇園山）〜腹切やぐら〜イワタコーヒー店〜鎌倉駅
歩数：2万歩くらい 距離：9kmくらい