ショパン屈指の「不人気」曲 | みかづきくらげのカデンツァ 夏目恭宏のブログ

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テーマ:
ショパンの傑作、24の前奏曲集作品28

の第2曲目、イ短調、Lento

爽やかでイケメンな第1曲の後で可哀想に、申し訳なさそうに始まり終始不機嫌でうつむき加減な冴えない奴。暗鬱な響きに無愛想な旋律、何をどう聴いてよいのやら、まさに取りつく島もないといった感じ。おそらく、この曲集中いちばん人気のない曲ではないかと 笑。

第2ソナタの終楽章もそうだけれど、ショパンは時折とんでもない隠し球をぶち込んできますな。


ただ、こういう根暗な曲を書くときのショパンの筆は冴え渡っており、楽譜を見てみると愕然とするのです。

主題を4回繰り返すだけの無駄のない作りでありながら、毎回調性を変え、入りのタイミングをずらし、しかも4回目は主題の前半後半を入れ替え、その入れ替えた前半を鏡形にして終止するという徹底ぶり。調性はイ短調だけど、途中まで絶対にそれがバレないように目くらまししている作曲の妙技。

僕は以前、これと遺作のフーガを一緒にして、ショパンの新作「前奏曲とフーガ」です、とか言って悪ふざけしていました。今になってみれば、前奏曲に対して遺作のインベンションみたいなフーガでは軽すぎる。

今月27日のコンサートではこの前奏曲Lento だけ単独で取り上げるつもりです。はたして、これを聴いて、いったい誰が喜ぶとというのでしょう…

いいのです。この可哀想な傑作を活かしたプログラムを組んでみたかったのです。この曲に目を向けてくださるひとが少しでも増えますことを願って。


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