本日のテーマ

【考えさせる】

 

 

疑問や、分からないことが生じたときに、人に答えを求めて聞いたりします。

 答えは何?…

 どうすればいいの?…

 

答える立場の人は、その質問に、すぐに答えてよいこともありますが、すぐに答えない方がよい場合もあります。

 

わたしが全国の講演会で、人々と接しながら対話した中で感じてきたことがあります。

それは、一昔前よりも、物事に対して考えない人が多くなったということです。

 

分からないことを自分で考えようとせず、すぐに答えを求めてきます。

考えるのが面倒くさいのでしょう。

 

その表れが、すぐに答えを出してくれているハウツー本などのテクニック(楽な方法)で人生を良くしようという小手先への依存が目立ちはじめてきたことです。

 

すぐ答えてよいのは、質問してきた人が答えることにより、すぐに理解ができたり理解につながるヒントになる場合だと思います。

 

この思いは、質問してきた人の心構えが大事だと言いたいのです。

簡単に物事の答えを得ようとしているのでは、たとえ答えを教えてあげても良い結果にはなりません。

また、答えを教えるよりも、ヒントを与えるところで止めておくことで良い結果になる場合もあります。

 

ある職人の親方は、こんなことを言いました。

「最近の若い者は、仕事を自分で努力して覚えようとしない! 分からないことがあると、直ぐ教えてほしいと言ってくる。まったく困ったもんだよ! 昔は“仕事は盗め”と先輩から言われ、自分で研究し努力し仕事を覚えたもんだ。そうやって本当に仕事を覚えようとした……」

 

人には「仕事は盗んで覚えるものだ!」この一言が、答えなのかもしれません。

しかし、簡単に覚えられると思っている人は、きっとこのように言うでしょう。

「教えてくれないと覚えられないよ!」

 

★山登りの例え…

Q あの山の頂上まで登りたいのですが、どうしたら登れますか?

 

Aさん

登山に必要な物を用意して、それから、こうして、ああして…と、親切に説明しました。

 

Bさん

体力と根性が必要だ。まず体を鍛え、健康を維持することだよ。

 

Cさん

山登りするために何が必要だと思う?

 

自分で、本当に山に登ろうとしている人に一番ためになる答えはどれでしょう?

やる気のある人には、ヒントが十分な答えになるはずです。

自分で考えることから知ることがはじまります。

わたしはこう考えます。

「自分で考えさせることが答への道のりになる」

 

みなさんは、この質問に対し何と答えますか?

Q 「なぜ、援助交際をしてはいけないの?」

Q 「なぜ、人を殺してはいけないの?」

 

わたしは、この質問に対し、答えを言いません。

それはなぜか?

わたしなりに答えを求めてきました。

そこには体験経験を通し気づくまでのプロセス(過程)があるから答えが得られたのです。

 

答えを求め、情報を集め、研究し、そして自分が腑に落ちる答えを見出しました。

だからプロセスがない人に結論だけ言っても理解できないことや、その人にとっての答えにならない場合があるのです。

山登りでも同じことが言えます。

登頂したときの感動は、山を登ってきた苦労(プロセス)があるからではないでしょうか。

 

わたしは、こう言うでしょう。

「援助交際をしたら何が起きる・・・・」

「人を殺したら何が起きる・・・・」

まず、自分で考えさせます。

 

 

わたしが、このように言うのは…

じつは、援助交際の取材をしたときにヒントを得たからです。

援助交際をテーマとした映画に出会いました。

この映画の中で、高校生のホームルームで生徒たち自らに援助交際について考えさせていました。

援助交際によって“得るものと失うもの”について意見を発表するシーンがありました。

 

“得るもの”は何か?

生徒 「お金、それとウ~ンお金・・・あと何があるのかな」

 

先生 「そのお金、何に使うのかな?」

 

生徒 「ブランド物を買ったり、遊ぶお金」

 

先生 「援助交際などで手にしたお金は、すぐに消えていくんじゃないかな」

 

生徒 「そうそう、長くても一週間ぐらいでなくなるんじゃない」

 

“失うもの”は何か?

生徒 「親にばれたらきっと悲しむ」

 

生徒 「お金はすぐになくなるけど、自分の大切なものはどうなるの?」

 

生徒 「愛していない人に体を任せた思いはいつまでも残ると思う」

 

生徒 「将来好きな彼ができたとき、きっとその彼にわるいと思う」

 

映画は、それから性感染症、妊娠、中絶、避妊、そして性犯罪へと続いていきます。

 

援助交際したら何が起こるかを生徒自らが考え答えを出してきています。

もし、これが先生や、親たちがはじめから、この答えを言ったとして生徒や子どもたちは素直に聞き入れ理解することができたでしょうか?

考えさせることは答えを導き出す道のりになります。


 

問題意識をもった人は、自ら答えを探そうとします。

だから、問題意識をもたせることが答えへの近道なのかもしれません。

答えというのは、与えるモノでなく、見つけるモノ。そして気づくモノと、わたしは考えます。

 

■東アフリカのことわざ

「道に迷うことこそ道を知ることだ」

 

参考資料:映画 「わたしがSuKi」より