本日のテーマ

【労わりと思いやりの心を育む】

 

 

地球上には、人間を含め、数え切れないほどの生命体が生息しています。
その生命体は、食物連鎖をしながらそれぞれが影響し合い役割を担って生きています。
ひとつの種が絶滅に瀕すれば、他の生き物に影響してしまいます。
天敵がいなくなった生き物は、異常繁殖をしてしまい、他の生態系にも影響を及ぼしてしまいます。

 

「無駄な生き物はいない…」

と言いますが、その意味は、

「全ての命に意味があり、それぞれが影響し合い、つながり生かし合っている」

 

 

「生き物をあわれむ」お話があります。

わたしはこのお話を知り、地球が悲鳴を上げているこの時代に、地球の大自然の動植物に対して“優しい心でありたい”と思うのでした。

 

尋常小学校修身書(明治37年から発行された今でいう道徳の教科書)に書かれているお話をご紹介しましょう。

馬方(うまかた)の心の優しさが伝わってきます。

馬方とは、馬で貨客の運搬を職業とする人のことです。

 

 


『生き物をあわれむ――孫兵衛(まごべえ)』
昔、木曽山中に、孫兵衛という馬方がありました。

 

あるとき、一人の僧がその馬に乗りました。

 

 

道のわるいところにかかると、そのたびに、孫兵衛は、馬の荷に肩を入れて、「おっと、親方、あぶない、あぶない」といって馬を助けてやりました。

僧は不思議に思ってそのわけをたずねました。
すると孫兵衛は、「私ども親子4人は、この馬のおかげで暮らしおりますから、馬とは思わず、親方と思っていたわるのでございます」と答えました。
約束したところへ着いたので、僧は賃銭を払いました。

孫兵衛は、まずその中でもちを買って、馬に食べさせました。

そうして、自分の家の前へ行くと、孫兵衛の妻と子が、馬のいななきを聞きつけ、迎えに出てきて、さっそく馬にまぐさをやりました。
僧はそれを見て、孫兵衛の家中が、みんな心がけのよいのに、たいそう感心しました。

 

 

生き物を労わり、思いやりの心を育みたいですね。

自分を磨き成長させるために。