障がいを抱える人たちの住まいとして、グループホームが

増えること自体は良いことだ。

 

 しかし最近は、あたかも障がい支援区分の低い方々が

入居するグループホーム(以下、GH)は働くスタッフも楽

で、経営する場合も苦労なく安定収益を得られる、という

ような誤った情報を耳にすることがある。

 

 

 

 この話を聞くと、「そんな簡単に儲かるならやってみようか!♪」

と考えたくなるだろう。

 

 でも、ちょっと待って欲しい!!

 

 では、今までGHが増えなかったのはなぜだろう??

 

 その原因として、報酬単価が低くて運営が大変だったことは

確かに関係している。

 これが前回の報酬改定あたりから増額されたので、収支が

均衡するようにはなってきたのだ。

 

 しかしながら、増えなかった原因は、決してそれだけではない。

 

支援区分が軽度の方々は、精神障がいや発達障がいなどを

抱えながらも、GHに暮らしながら日中は就労先や日中活動の

事業所などに通われる方が多い。

 

 その中では、働く場における悩みやトラブル、あるいは人間関係

に関することなど、さまざまな介入なども必要だ。

 また、発達障がいの方々は、その特性による多くの課題なども

抱えながら暮らしているのである。

 

 このようなさまざまなケースへの対応は、ある意味、支援区分が

重い方々とは全く違った難しさがある。

 

 これは、私自身が昔働いていた法人にてGHなどの暮らしの場

のバックアップも経験していたからこそ、実感していることなのだ。

 

 このことは、今までGHがなかなか増えなかった大きな理由

でもある。

 

 働くスタッフを募集をしたら、それなりには経験のある人を

採用出来る場合もあるかもしれない。

 しかし、その人だけが全てを出来るなんてことはまず無いだろう。

 また、主に宿直や夜勤が中心となる仕事を、社会福祉法人など

で勤務する人たちでさえ、敬遠する人が増えている中において、

安定して従事者を確保することだって、大きな課題である。

 

 このような方々の「暮らし」を支えるという「覚悟」を

しっかり持った上でGHを経営するのであれば、そんな素晴らしい

ことはない。

 

 しかし、そこで暮らす方々(利用者さん)とは自分自身は

一切関わる気が無いとか、障がいについても学ぶ気は

全くなく、儲けることしか念頭にないのであれば、悪いことは

言わないけれど他の事業をやることをオススメします。

 

 人の生活や人生を支えるという、一番大切で重い責任を

抜きにした経済偏重のGH運営に対して、私はあえて警鐘

を鳴らしたい。