若乃井酒造さん(←link)を後にし 足早に向かったのはこちらの蔵です。



「磐城壽(いわきことぶき)」醸造元 鈴木酒造店さん。
飯豊町のお隣 長井市に蔵を構え、若乃井酒造さんから車で10分程の場所にあります。

WEB 株式会社鈴木酒造店

実は「磐城壽」さんにお邪魔するのは今回で2度目。
一昨年の5月 バイクツーリングの流れでお邪魔させて頂きましたが、結局その後 諸々あり レポはアップ出来ていません。。。すいません。。。。

※SAKE BLOGではなく、徒然日誌ではショートな内容でUPしていましたが……。
▷▷▷ バイクツーリングで「磐城壽」蔵見学
(確かこの時はチームリーダーである「萩の鶴」の曜平さんにカメラまで借りたのに…ホント すいません!!!)


ご案内頂いたのは専務であり、杜氏でもある鈴木大介さん

予定時間より少し遅れて到着した事もあり 早速蔵へ。

御存知の方も多いかもしれませんが、「磐城壽」はもともと福島県浪江町で180年続いた歴史ある蔵元。海岸から20メートルの場所にあった酒蔵は、2011年3月11日 東日本大震災で発生した大津波で全てが飲み込まれ、更に東京電力福島第一原発事故で避難を余儀なくされました。

故郷も生活も失い、酒造りを継続させる事を半ば諦めていた時、分析のため県ハイテクプラザ会津若松技術センターに送っていた“蔵付き山廃酵母”が保管されていた事が判明。周囲の応援の声に背中を押され、酒造りの再開を決意します。
2011年10月には、跡継ぎがなく廃業を考えていた長井市の東洋酒造の蔵をそのまま受け継ぎ、「磐城壽」 そして東洋酒造の銘柄「一生幸福」を基軸とし、山形で再スタートを切ったのでした。



釜場。精米は全量 手洗いとの事。

前回伺った時もそうでしたが、最も印象深ったのが “水”について説明です。
「浪江と一番違うのは 水です。ここに来て一番最初に感じたのが水の良さでした。
長井市は四方を山々に囲まれ、名水に恵まれた土地です。山の雪解け水が豊富にあり、水田地帯を流れ、蔵の湧き水に辿り着いた軟水は、きれいだけど輪郭のはっきりした水質です。うちは最低8ケ月熟成させて出荷しますが、ここに来てからは、より“緻密な味“ “きめ細やかな味”が出せるようになりました」
と鈴木専務。


仕込み蔵。




画像の原料米は「さわのはな」。
昭和35年 山形県尾花沢市(当時の農業試験場・尾花沢分場)で誕生したお米です。
抜群の食味から良食米として知られていますが、収量が上がらない事と天候に左右されやすいのもあって、作付け面積が減少。現在 一部の熱心な農家が作付けするだけになっています。

原材料米全体の8割を山形と福島を中心とした農家と契約。
お話しを伺っていて非常に感じたのは、米のみならず、”地域農業”に対する意識が高く、勉強されているなという事でした。
「最初 ここに来た時は“よそ者扱い”だったんです。そういう視線を強く感じました。それで日本酒造りを通し、地域ともっと関わりを持とうと決めました。江戸から酒造りの歴史がある分、福島にいた頃は良い意味でも悪い意味でもしがらみがあり、やりたい事がストレートにできる環境ではなかった。“どうせ、よそ者から始めるなら田んぼ作りから関わりたい”と思ったんです。」

共に活動している農家は20~30代の若手で、作付けを初めて今年で5年目。
在来野菜などにも取り組んでいる意識の高い仲間だそうで、将来的にはそれらを使った加工品も視野に入れているようです。



長井蔵での酒造りでの大きな特徴は、全ての仕込みを小仕込みに統一した事。
「震災からの教訓です。当時は1年間熟成させていた為、2年分の酒を流失させてしまいました。今は600㎏~700㎏の醪、大きくても770㎏~800㎏です。小単位の醪を沢山作り、現金回収もしやすい体制にしました。」
醪ごとの瓶詰、全て瓶貯蔵だそうです。



昨年導入した酒粕真空蒸留装置
酒粕が30℃で蒸留できるので 成分が変わらないそうです。
リキュール、肥料など様々な加工に活用できますが、現在は貯蔵用とみりんの開発を進めているとの事。



見学終了後は恒例 記念撮影!お客様を駅まで迎えに行かねばならない鈴木専務を足止めし、撮影を迫る私達(笑)
まずは後川さんと共に。後川さん ノーメイクなのに素肌が非常にお美しく…やはりこれは、日々の日本酒効果でしょうかね。



ワタクシも。もちろんノーメイクです(いい加減 しつこいっちゅうの……笑)
鈴木専務  お忙しい中 貴重なお話しの数々 ありがとうございました!



ラストショットは、蔵に入ってすぐの壁に掲げられている「磐城壽」の看板。

目の前に太平洋が広がる地で、 “海の男酒”として愛されてきた「磐城壽」は、海の男たちが誇る大漁を「壽ぐ(ことほぐ)」酒として、こう名付けられました。

再起を賭けた山形長井で、地域に溶け込みながら地道に酒造りと向き合う鈴木専務。
一方 故郷・浪江町での酒造りも再開したいという思いを今なお持ち続けてらっしゃいます。
いつの日か…浪江で再び「磐城壽」が醸せる時がくる事を心から願い、私たちは蔵を後にしました。


この後 夜のイベントへと続く ▷▷▷

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