遠い過去、1人の少年に恋をした
その少年の演技を見るたびに、私は彼の生き様と情熱に惹かれていた
けれどその人は、自分よりも一回り以上も歳下のアスリート
距離感が計れない、遠い遠い存在の人
その人に対しての気持ちは、きっと憧れ
その日が来るまではそう思っていた
彼がカナダへ旅立って初めてのシーズンの公式戦、2012年のスケートアメリカ
自ら厳しい道を選んだ彼は、以前より演技が洗練され、格段に技術を身につけて私の目の前に現れた
17歳の彼が演じたパリ散は、どこか大人になりきれず背伸びしていたけれど、若々しいパワーと眩しいほどの輝きに満ち溢れていた
その勢いのまま、当時の世界最高得点を更新
彼が見せつけた無限の可能性に心が震え、自分のボルテージが一気に駆け上がっていったのが分かった
私はもうこの時、安心しきっていた
彼が優勝することを、少しも疑わなかった
翌日のフリーの6分間練習、彼の異変に気がついた
表情が固く、ジャンプが決まらない
まるで闘争心の炎が消えたような彼の姿に胸騒ぎがした
その予感は当たってしまった
6分間練習の状態は、本番でも変わることはなかった
シリーズ初めての優勝が、彼の手からこぼれ落ちた
キスクラでうなだれたまま、顔を上げようとしない彼
ニースから大きく動き始めた運命の激流の中で、必死でもがきながら戦ってきた彼の姿をずっと見てきたけれど
私が今まで見てきた、いつもストレートな情熱を演技にぶつける彼とは全くの別人だった
歴代最高得点を塗り替え、新たに追われる立場になったこと
否が応でもこれから彼が背負っていくであろう、周りの期待とプレッシャー
そんなものに今にも潰されそうな姿...
結果よりも何よりも、今まで見たことがない彼の姿に自分の心が激しく揺れた
「負けちゃった...」
顔をようやく上げながら彼が発したその一言に、今まで心の中で保ち続けて来たものがいっぺんに壊れていくのを感じた
心の奥底に潜んでいる本当の想いを、否応なく抉り出されていく... そんな感覚だった
気づいてしまったら、その気持ちにどう向きあったらいいのか分からない
だから気づきたくなかった
でも自分の心は、気づかないうちにきっかけさえあれば簡単に崩れてしまうくらいになっていた
苦しい
息が出来ない
初めて自分のその想いを認めた瞬間だった
あの日を境に、彼に対する自分の心をブログで表現することが難しいと感じるようになった
応援していると言いながら、恋と自覚しながら、その感情をどちらも出し切れない感覚があった
そんな曖昧な感情を抱きながら、長い間ずっとずっとブログを書き続けてきた
その自分を全部受け入れて、自分の気持ちに素直になると決めたきっかけになったのが、ブログ4周年に書いたゆづ落ちの日を綴った記事だった
少しづつ...本当に少しづつだけど、自分の感情と向き合えてきている、そう思えるようになっていった
そんな日々を過ごす中、自分の感情と向き合い続けたその先で、自分の心を真っ直ぐに導いてくれたもの
それは2016年の年末に、ホプレガのプログラムについて語る結弦くんの言葉だった
僕を憎む人もいます
でも多くの人から愛されてもいます
時折悲しくなることもあります
そして時折幸せです
それが半分ずつ、このプログラムで表されていることです
自分の内側にあるやり場のない悲しみや苦悩を、自分の演技という愛情が一番満ち溢れた場所へ全て持って行くという覚悟
そこで全部受け入れて昇華しようという、強い優しさ
そんな結弦くんのスケートに対する涙がこぼれるほどの一途な愛情をその時に知った
その想いの深さが、胸の奥深くに突き刺さった
自分の心に節目が訪れた時、結弦くんのスケートに対する純粋な深い愛情は、私をいつもその先へと導いてくれた
この時の結弦くんの言葉でようやく気がついた
私が心から一番大事にしたいもの
私が自分のブログで本当にしたいこと
結弦くんのスケートに対する純粋な愛情
結弦くんの全てが注がれ、創り上げられる演技
結弦くんのアスリートとしての戦い
結弦くんの気持ちと同化して、それらを心から応援していくこと
それ以上に大切にしたいものなんて、私にはないんだと
だからここから先は、自分のブログで恋心を綴ることは二度とない、そう思った
でもその気持ちも、通ってきたかけがえのない自分の一部だから
その自分が過去にいて、今の自分がいるのだから
あの日の気持ちは心の中でキラキラと輝く宝物としてしまっておこう
いつまでもいつまでも大切に...
この人を応援したい
この人に誰よりも幸せでいて欲しい
ただそれだけのシンプルな気持ち
自分の想いの原点に帰ることが出来たこと、それが何よりも嬉しい
この先も結弦くんと一緒に、原点のその先の見知らぬ場所へ
その場所へきっとまた、結弦くんが私を導いてくれると思います
今日、ブログ7周年を迎えました
平昌後に一度ブログを閉じたこともありましたが、再開まで一か月間だけなので...
とりあえず通算で7周年ということで(*´꒳`*)
今日アップした記事は、前のブログで5周年を迎えた時に書いたもので、今の私目線で当時の記事を少し修正したものです
こちらの記事も昨年の6周年の時に再アップしたゆづ落ちの記事同様に、私の結弦くんへの応援に大きな影響を与えた出来事を特別な想いを込めて書いた記事です
ゆづ落ちの記事はこちらからどうぞ↓
17歳の結弦くんはあまりにも若すぎて...
この感情を認めることに対して、私はすごく罪悪感を抱いていましたね
たぶんね、この頃からのファンは私と同じような経験をしている人、すごく多いと思うんです
この間FaOI仙台に行った時も戦友とそんな話になり、今でもちょっと後ろめたいwww なんて冗談言い合ったりしましたけどね(*´꒳`*)
そんな感情を抱いていた私を応援の原点へと強い力で還していったのが、「Hope&Legacy」というプログラムと、プログラムへの想いを語る結弦くんのこの言葉だったんです
今まで抱いていた感情が、風や水に流されていくような不思議な感覚...
恋愛感情を越えていったというよりも、元々居た場所に還っていったという言葉が一番当てはまるかも知れません
ただこの人の応援をしたい
アスリートとして
1人の人間として
心から幸せでいて欲しい、幸せになって欲しい
本文でも書いたように、今私の中にあるのはそのシンプルな気持ちだけ
そしてまた、結弦くんも今シーズンを通して戦ってきて、自分の原点に戻ってきて
そんな共通した気持ちを結弦くんと一緒に持てていること、結弦くんを応援できる事が私は本当に本当に嬉しくて...
今回のワールドの戦いで、結弦くんの原点を演技で見せてもらえて
私の応援の原点も、結弦くんの演技で見せてもらえて
今シーズンはすごく幸せな気持ちで結弦くんを応援できたと思っています
ただ、結弦くんが幸せを感じられなければ、私も心の底からの幸せは感じられないんだということも、今回のワールドでとても感じたので
来シーズンの結弦くんを幸せを一番大切に
結弦くんが求めるものを一番大切に
そう想う自分の心の声を、大切に言葉に変えて
そして、結弦くんのありのままの心が吹き込まれて作り上げられる彼の演技をたくさん愛して
8年目、そしてもうすぐ始まる来シーズン、結弦くんへ全力で届けていきたいと思います

そしてご覧下さっている皆様、いつも本当にありがとうございます
今後とも末永くお付き合いくださると嬉しく思います
どうぞよろしくお願いいたします

原点のその先の想いと共に
これからも結弦くんと走り続けます








